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2023.12.6

愛知銀行・中京銀行と「連携・協力に関する協定」を締結

愛知銀行・中京銀行と「連携・協力に関する協定」を締結  2023年12月1日(金)、本学とあいちフィナンシャルグループ傘下の愛知銀行と中京銀行は「連携・協力に関する協定書」を締結、協定締結式を開催しました。川村大介理事長、愛知銀行 伊藤行記頭取、中京銀行 小林秀夫頭取が列席、協定書にサインし、記者会見に応じました。  伊藤頭取からは「これまでにも地元の大学と連携してきましたが芸術大学との、しかも包括的な連携協定の締結は初めてのことです。本行が持っていない美術、デザイン、音楽といった名古屋芸術大学様が持っておられるアイデア、ノウハウを本行取引先の企業へ橋渡しすることで新たなイノベーションを起こし地域活性化へとつなげられるのではないかと大きく期待しています」と述べられました。  小林頭取は「東海地方には自社の技術を生かした高い競争力を有する中小企業が多く存在しております。この連携を機に、地元企業の技術面のサポートのみならず、事業に対する熱意や発想をお客さまに伝えるPRや商品デザインなど訴求力を高めていくことが事業活性の役に立つと考えます。名古屋芸術大学様のお力添えをいただき、芸術と社会の関係性の親和性を高めながら、地域や産業の振興に取り組んでまいります」と述べられました。  川村理事長からは「大学の役割として、教育、研究、社会貢献が求められますが、最近では社会連携が強く求められています。社会とのつながり、とくに銀行様は地元の皆さんが集う場であります。そういった銀行様との連携を強くすることで学生にとっても非常に良い経験ができることと確信しております。大学の中だけでは得られないさまざまな経験は、卒業後においても価値あるものとなります。この連携協定の締結で、学生の学び、また地域社会の活性化につなげたいと思います」と期待を込めて話しました。  この連携協定の最初の企画として、愛知銀行 師勝・西春支店、中京銀行 師勝中央支店の2店舗にてを開催しました。 「アラムナイ・コレクション展」

2023.12.6

愛知銀行、中京銀行とコラボ、店舗にてアラムナイ・コレクション展を開催

愛知銀行、中京銀行とコラボ、店舗にてアラムナイ・コレクション展を開催  本学は、愛知銀行、中京銀行と地域活性化、産業振興、学術文化振興等の分野で連携・協力する協定を締結、そのコラボレーション事業として本学が所蔵する作品を、2023年12月1日(金)~13日(水)の期間中、愛知銀行 師勝・西春支店、中京銀行 師勝中央支店の2店舗にて「アラムナイ・コレクション展」として展示しました。  アラムナイ・コレクションということで卒業生の作品を、愛知銀行 師勝・西春支店に5作品(伊藤公子さん「ありふれる光景 −熟れた桃−」、「ありふれる光景 −食事中−」、岡本健児さん「あめ」、三枝由季さん「風景」、野澤朋恵さん「うつろう」)、中京銀行 師勝中央支店に4作品(大見真里佳さん「Afternoon」、田中志歩さん「百日紅」、中山千明さん「葵」、林真さん「桜」)、両店舗のロビーに展示、自由に見ることができます。  作品の選定と展示作業はArt & Design Centerスタッフにて行われました。  選定にかかわったArt & Design 磯部絢子さんは「お店の立地にあわせ、西春、師勝それぞれにゆかりのある作家から作品を選びました。愛知銀行 師勝・西春支店では子育て世代のお客さまも多くいらっしゃるということで、色鮮やかな作品を中心に子どもにも親しめる明るくポップな作品も入れました。中京銀行 師勝中央支店は、年配のお客さんが多いとのことで日本画を中心に落ち着いた作品を選びました」といいます。  店舗での展示は、ギャラリーなどと異なり展示場所が限られることや照明の自由が利かないなど難しい点がありますが、お店とお客さんの動線に配慮しながら設営が行われました。ギャラリーなどで作品を見るのとは異なり、銀行店舗という日常の場に作品が置かれることは、また違った趣があるように感じられます。  愛知銀行 森支店長からは「お店がパッと明るくなりました」、中京銀行 溝口副支店長からは「お客さんに見てもらうことが楽しみです」といった声が聞かれました。  今後、本学とあいちフィナンシャルグループとのコラボレーション事業は、他の店舗、また、他の企画でも進めて行くよう計画しています。お楽しみに。 三枝由季「風景」 伊藤公子「ありふれる光景 −熟れた桃−」 伊藤公子「ありふれる光景 −食事中−」 岡本健児「あめ」 野澤朋恵「うつろう」 林真「桜」 田中志歩「百日紅」 中山千明「葵」 大見真里佳「Afternoon」

2023.12.6

山田念珠堂 × ライフスタイルデザインコース 「香と線香の新しい作法 -catalog of ideas 2023」 線香の新しい魅力を提案

山田念珠堂 × ライフスタイルデザインコース 「香と線香の新しい作法 -catalog of ideas 2023」 線香の新しい魅力を提案  ライフスタイルデザインコースでは、大阪上本町の株式会社 山田念珠堂様からの依頼を受け受託事業として、新しい商材の企画、情報発信などのアイデアを提案するプロジェクトを進めています。昨年は、念珠(数珠、珠数、じゅず)に関連する商材の提案を行いましたが、今年度は山田念珠堂が運営する線香のお店「あさん堂」とコラボレーションし、香と線香に関連する商材に取り組みました。線香は、大阪府堺市の工芸品で「堺線香」として大阪府知事指定伝統工芸品にもなっています。学生たちは、2023年6月に堺伝匠館を訪れ線香の製造現場の見学と香の製作体験を行い、香や線香そのものを知ることからはじめました。さらに堺市という場所と線香とのかかわりにも知見を広め、香や線香の歴史を踏まえたうえで現代の生活にマッチした新しい商材を考えました。  2023年11月15日(水)に、山田念珠堂 山田弘樹様、堺線香伝統工芸士 鈴木壯一様をお招きし最終のプレゼンテーションを行いました。参加した学生は、ライフスタイルデザインコース 3年 奥田 ひなたさん、波多野裕恵さん、2年 鴨下ゆうさん、長岡知里さん、松尾賢さんの5名、さらに助手の2名を加え、17の提案を行いました。  香や線香の使われ方としては仏事や神社を連想しますが、香りを楽しむことや燃え尽きるまでの時間で時計として使うなど、昔からさまざまな行われ方をしてきました。そこから派生し、煙が消えることを消滅することや浄化することに見立てた提案、自由に好きな香りを作ることができるキット、線香を立てることの意味を広げ日常生活の中で使うための道具、煙を見て癒やされるインテリア、文芸ライティングコースと協力し香りに関連したショートストーリーと一緒に販売する案、擬人化してキャラクターにする案など、文字通りさまざまな17の提案が披露されました。いずれの提案にもサンプルが試作されており、実際に手にとって見ることができるようになっています。プレゼンではひとつひとつの作品に対し「これは考えたことなかった」や「これはすぐに採用できる」といった声や、さらにブラッシュアップする部分への言及もあり、まさに商品開発のブレインストーミングを行っているようになりました。  山田さんからは「若い皆さんには難しいテーマだったと思いますが、それぞれにキーワードを見つけ提案していただき皆さんの努力がよく見えました。昨年の数珠の提案よりも、線香という機能を重視した提案だったように感じます。印象的だったのは、手紙に封をするための蝋のようにする“封香”、見た目は線香ではないように見えるもの、こうしたものはお客さんに先入観なく受け入れられ線香のイメージを変えられるのではないか可能性を感じました」と講評をいただきました。  鈴木さんからは「本当に頭が下がるほどのアイデアをいただきました。これまで線香にかかわって来ましたが、煙の少ないお線香以外で新しい商品というものはありませんでした。自分でも新商品をいろいろ考えてみていますが、どこから手を付ければいいのかと思いあぐねていました。最近になって、お線香に物語を作ること、SDGsであるとか東北震災の復興祈念で売上の一部を寄付するであるとか、このお線香はこういう物語の上にできましたと、そんなふうになっていくのかなと思っています。そういう点でも新しいアイデアをいただいたように思います。すぐに商品化できるものではないかもしれませんが、これらのアイデアにひと味ふた味プラスすることで素晴らしい商品が出るのではないかと可能性を感じています。本当にありがとう!」と言葉をいただきました。  萩原周教授からは、「できあがったカタログと試作品をお送りし、商品化はもちろん今後お役に立てることには協力いたします」と約束し、プロジェクトは終了となりました。  学生からは「こうした順序立ててやっていくのは苦手でプロジェクトは良い経験になった」「大きなプロジェクトに参加するのは初めて、ほかの人の作品もすごく参考になった」「伝統的な線香というものをデザインし直す難しさを感じた、魅力を再認識することも多くあり良い経験になった」「家族と線香について話すことにもなった、知らないことを知ることができた」などの感想が聞かれ、プロジェクトを済ませた安堵感とともにさらに線香への興味が増したと話し、充実したプロジェクトなったことを感じさせました。

2023.11.22

テキスタイルデザインコース卒業生主宰の若手のテキスタイルデザイナーが発信する展示会「NINOW」、一宮「BISHU FES.」にて開催

テキスタイルデザインコース卒業生主宰の若手のテキスタイルデザイナーが発信する展示会「NINOW」、一宮「BISHU FES.」にて開催  2023年11月11日(土)、12日(日)の2日間、一宮市で開催された毛織物の魅力をPRするイベント「BISHU FES.」にて、テキスタイルデザインコース卒業生の小島日和(こじまひより)さんが主催する展示会「NINOW」を開催、尾州で活動する若手のテキスタイルデザイナーの作品を展示・販売、トークショーを行いました。テキスタイルデザイナコース学生と卒業生も参加し、繊維業界関係者との交流を深めました。  「NINOW」は、小島さんが2017年にはじめ、高齢化が進む繊維産地の技術や知恵を受け継ぎ活性化しようと、産地で活動する若手のテキスタイルデザイナーが自ら発信する展示会です。これまで東京で6度開催され、今回、一宮の「BISHU FES.」にあわせ、一宮市の協力でオリナス一宮にて開催されました。  参加作家は、ササキセルム株式会社 酒匂美奈さん、国島株式会社 森遥香さん、日の出紡織株式会社 横田和磨さん、中伝毛織株式会社 吉野陽菜さんと、そして自身のブランドterihaeruの小島さんと、企業の枠組みを超えて5名のデザイナーの作品が展示されました。  12日の午後には、トークショーが開催され本学テキスタイルコースの学生、卒業生、業界関係者が多数集まりました。  トークショーでは小島さんがファシリテーターを務めデザイナーがそれぞれ映像とともに作品を紹介し、どうやって尾州を知り働くようになったか、実際に働くようになってどう感じるかなど、現在働いている若手の生の声を伝えました。尾州を知ったきっかけでは、実際に生地に触れて感動したことやウールに限らず綿やリネンなどさまざまな素材を織っていることなど、それぞれが感じている魅力が語られました。働いていて感じることは、高齢化の問題や産地が縮小している現状の問題が上げられましたが、ポジティブな意見として会社の枠を超えて横のつながりが深く、そのことが嬉しいといった声も聞かれました。  質疑応答では、アパレル業界全体に対する厳しい意見や具体的に低賃金の話題が出るなど白熱したものになりました。小島さんは、こうした問題も含め産地の現状と製品の魅力を若手が発信を続けていくことに意義があるとまとめ、販売を手がけているという来場者からも応援していきたいとの言葉が聞かれました。  来年4月から尾州で働くことが決まったテキスタイルコース 4年生にトークショーの感想を伺うと、佐藤陽里(さとうひより)さん(宮田毛織工業株式会社に就職)「若手でも作ったものが全国に広がっています、早い段階でそういった業務に携わることができることに魅力を感じています」、石橋実祐(いしばしみゆ)さん(カワボウ繊維株式会社に就職)「就職が決まってから業界紙の繊研新聞を送っていただいて読んでいますが、実際に生地を見たりお話を聞けたことが本当に良かったです」、中西桃子(なかにしももこ)さん(伴染工株式会社に就職)「私が入る会社は新卒を採るのが初めてで会社からも同世代の従業員がいないことを心配されたり尾州自体若い子が少ないことを不安に思っていました。でも、この場所では若い人も多くこうした機会もたくさんありそうで、すごく安心しました」と、それぞれに将来への希望と抱負を語ってくれました。  トークショーが終わった会場では、扇千花教授を中心に、テキスタイルコースの学生、尾州で働く卒業生、また、業界関係者が集まり交流が図られました。企業からの若手を望む声とともに、小島さんからの「悩むようなことがあったらいつでも相談して!」と心強い言葉が印象的でした。尾州産地を盛り上げたいという気持ちの伝わるイベントとなりました。

2023.11.20

東海テレビとコラボレーション、ふるさとイッチー祭 ステージバックパネルデザインを担当

東海テレビとコラボレーション、ふるさとイッチー祭 ステージバックパネルデザインを担当  本学は東海テレビとコラボレーションし、2023年10月28日(土)、29日(日)に久屋大通公園で開催されたイベント、東海テレビ開局65周年 ふるさとイッチー祭 グルメパークのステージバックパネルデザインを担当、ステージイベントで作品の紹介を行いました。また、舞台芸術領域の学生がステージスタッフとして参加、オンエアされる番組を手伝い、TV局のスタジオで実際に使われているセットの建て込みを見学させていただきました。  バックパネルを制作したのは、イラストレーションコース 工藤詩織さん、林口七恵さん 作品名「food stickers」(共作)、イラストレーションコース 岸崎陽南さん 「食欲誘惑」、コミュニケーションアートコース 石川清菜さん「トラペジスト」、ヴィジュアルデザインコース 大谷みゅうさん「Chefイッチーくん」の5名による4作品。東海テレビのキャラクターであるイッチーくんとイベントのテーマである食べものをモチーフとしたもので、放送で広く公開されるため老若男女問わず誰もが親しめる明るく楽しい作品となっています。  ステージイベントでは、5人がステージに上がり伊藤大悟アナウンサー、イッチーくんと共演、作品について説明をしました。食べものがモチーフとなっているだけに楽しいステージとなり、会場は和やかな雰囲気に包まれました。  午前中にはこのステージを使い、情報番組「スイッチ!」のスペシャル番組が放送され、舞台芸術領域の学生がスタッフとして参加しました。段取りに合わせて出演者が座る椅子を用意したり捌けたりする作業でしたが、お客さんを入れた公開放送本番の緊張感を味わいました。 工藤詩織/林口七恵 food stickers 岸崎陽南 食欲誘惑 石川清菜 トラペジスト 大谷みゅう Chefイッチーくん  ステージが終了した午後は全員で東海テレビのスタジオへ移動、東海テレビ 美術部 水野亮さんの案内でセットの建て込みを見学しました。2つのスタジオを使い、ひとつは平日に放送される「スイッチ!」のセットを常設、もうひとつは番組に合わせて組み替えるとのこと。この日はちょうど翌日のお昼に放送される「タイチサン!」のセットを組んでいるところでした。組み立てる様子に加え、セットをデザインした美術スタッフに直接デザインコンセプトについてお話を伺うなど貴重な機会となりました。完成したセットの中に入り、配置されている小道具やディテールも観察、デザインコンセプトを伺ったあとに見るとクリエイターのこだわりの部分が感じられます。見応えがあり、十分立体作品として鑑賞できる水準にあることがわかります。  また、セットのほか数々の大道具、小道具が収納されている倉庫も見せていただきました。放送で使われるありとあらゆるものが置いてある倉庫は、まるでおもちゃ箱のようでいつまでも見ていて飽きない楽しさがありました。舞台美術コースを志望するという学生からは、スタッフの仕事はいい経験にもなるし背景や倉庫も見られて来て良かったですと笑顔で話し、大いに刺激を受けた様子でした。  ステージスタッフへの参加は2日間にわたり行われ、学生らには大きな経験となりました。バックパネルの制作もステージスタッフへの参加も、学生にとって貴重な機会となり、有意義なコラボレーションとなりました。

2023.11.16

「古川美術館プロジェクト2024 メイゲイのコウゲイ」制作プランのプレゼンテーション

「古川美術館プロジェクト2024 メイゲイのコウゲイ」制作プランのプレゼンテーション  美術領域工芸コース(陶芸・ガラス)、デザイン領域メタル&ジュエリーデザインコース(2024年度1年次入学生から工芸コースへ移行)、デザイン領域テキスタイルデザインコースは、昨年に引き続き、古川美術館・分館爲三郎記念館とコラボレーションし「古川美術館プロジェクト2024 メイゲイのコウゲイ」と銘打ち、数寄屋作りの分館 爲三郎記念館から着想を得た作品を展示します。展示期間は2024年2月からとなりますが、2023年11月10日(金)には、展示にあたり学生がそれぞれどんな作品を制作するかをプレゼンテーションをしました。古川美術館からは、館長代理兼事務局長 伊藤洋介さん、学芸員 早川祥子さんにお越しいただき、制作について確認、ご意見をいただきました。 「古川美術館プロジェクト2024 メイゲイのコウゲイ」制作プランのプレゼンテーション 「古川美術館プロジェクト2024 メイゲイのコウゲイ」最終発表会を実施 古川美術館プロジェクト2024「メイゲイのコウゲイ」を開催 古川美術館と「連携・協力に関する協定」を締結  今年度は、総勢47名の参加となり、それぞれが制作する作品についてと想定する展示場所や展示方法について説明しました。昨年度の展示や爲三郎記念館の見取り図、展示するために用意できる展示台などはあらかじめ説明されており、また、学生によっては実際に爲三郎記念館を訪れてイメージを膨らませて作品を考え、具体的なプレゼンとなりました。爲三郎記念館の茶室や洋風の桜の間からインスピレーションを得たもの、窓からの庭を借景にしたもの、欄間のデザインをモチーフにするものなど、さまざまな構想が発表されました。印象的なのは、展示台を使うようなオブジェの展示が少なく、インスタレーション的に空間全体を想定する展示が目立ったこと。また、テキスタイルコースでは、友禅染めとつづれ織りの2作品を提案しどちらかを制作するとのことで、壁に掛けて見せる作品が多くなっています。学生どおし事前に調整したわけではないので、同じ展示場所を想定した作品もあり、今後の調整も必要です。プレゼンテーションを聞きながら学芸員の早川さんは、作品をどう見せるのが効果的なのかを想像しているようで、悩ましくも楽しそうにプレゼンテーションを聞いている様子でした。  早川さんからは「テキスタイルは壁に掛ける作品が多く、爲三郎記念館では場所が限られてしまい、どこにどう掛けるかが難しいと感じました。縁側に置くことも面白いかもと思いますが、どう実現できるか考えたいと思います。また、ひとつの部屋を使ったインスタレーションを希望される方が何名かいらっしゃいますが、これも考えなきゃいけないことです。展示したときにそれぞれが独立しつつもお互いが引き立てあえるような、そんな展示を考えていきたいです。作品数が多いですが、散漫にならないように気を付けたいと思います」と講評をいただきました。  伊藤さんからは「どんどん要望をいただいてそれをまとめていくのが学芸員の仕事ですので、ぜひ熱い思いをしっかりと主張して下さい。数寄屋建築というのは主の遊び心にどこまで気付いてもらえるかが醍醐味ですとお客さんには伝えていますが、今日は学生さんたちの面白い視点を見せていただきました。私も気が付かなかったところにも気付き、それをどう作品に昇華するか、非常に期待が高まりました。楽しみにしています」との言葉をいただきました。  最後に中田ナオト准教授から、3つのコースが一緒に展示することでさまざまな視点と素材、考え方を体験すること、爲三郎記念館というギャラリーやホワイトキューブで展示するのとは異なった場所を経験すること、プロの学芸員の方と一緒に展覧会にかかわり全体を作っていくこと、と3つの点を挙げ貴重な経験になるので積極的に取り組んで欲しいと言葉があり、今回のプレゼンテーションは終了となりました。  「古川美術館プロジェクト2024 メイゲイのコウゲイ」は、2024年2月6日(火)~18日(日)の開催となります。ご期待下さい。

2023.11.10

先端メディア表現コース 特別客員教授 anno labによる「あのラボのいろいろ展」を開催

先端メディア表現コース 特別客員教授 anno labによる「あのラボのいろいろ展」を開催  Art & Design Center West / Eastにて、2023年10月28日(土)~11月13日(月)、先端メディア表現コース特別客員教授 anno lab(あのラボ)(藤岡定、井原正裕、岩谷成晃、うさみたけし、遠藤舜、金スルギ、須藤史貴、田中喜作、長野櫻子、西村元晴、船津文弥、村上ヒロシナンテ、吉田めぐみ)による企画展「あのラボのいろいろ展」を開催しました。  anno labは、福岡を拠点に活動するクリエイティブ・ラボで、学術研究員、アニメーション作家、ゲーム開発者、広告代理店勤務、映像ディレクター等の経歴を持つメンバーが集まるクリエイター集団。それぞれの専門を生かしながらさまざまな領域を横断して作品を制作、美術館や科学館、芸術祭などで発表する作品、広告や舞台演出などの商業的な分野でも活躍しています。  今回の展示は、福岡県外での初めての個展となり、これまでのanno labの活動を紹介し、作品を体験できる内容となっています。  設営を終えた2023年10月27日夕方に内覧会が行われ、先端メディア表現コースの学生を中心に一足先に展示を見学、続いてコロナ禍を経て4年ぶりとなったレセプションパーティーが開かれました。  Art & Design Center Westでは、いつもの展示方法をガラリと変え、新たな壁を設けて通路を設置、動線を作った展示となっています。いたるところに作品が所狭しと並べられ、いちばん奥に当たる部屋にArt & Design Center Westの1/10のミニチュアを設置、そこで初めて展示についての説明があります。まずは作品に触れることが優先され、意味や鑑賞のしかたを考えながら体験する仕組みのようです。  今回の展示について、メディアデザインコースの卒業生でプロジェクトマネージャーを務める吉田めぐみさんに伺いました。  「この展示は、完成したものを受け取るというのではなく、一見あまり深い意味がなさそうなものや、なんだかよくわからないけど触ってみたくなるものを置いてみて、見る人それぞれに触ってもらおうと考えて作っています。特にギャラリーでの展示となると鑑賞という受身のスタイルになりがちですが、私たちはお客さんとキャッチボールできるような作品を考えています。  2023年6月に特別講義を「日常のとなり」というテーマで実施して、anno labの活動を話しながら、日常の中にちょっとしたクリエイティブを取り入れることで楽しくなる話をしました。そこで募集した有志の学生や、講義を聴講していた卒業生も展示に参加してくれています。  anno labの作品も学生の作品も先入観なく体験して楽しんでもらって、展示の後半に作品の説明がわかるようにしました。  作品によってはケーブルも出したまま、雑然として未完成のように見えるものもありますが、それは今まさにanno labメンバーが創っているような感覚を抱いて欲しいと、あのラボの空間をなるべく持ってきました。作品のコンセプトがしっかりしていれば、雑然としたアウトプットでもいいと受けとめてもらえたらいいですね。」と、なにより作品を楽しんで欲しいとのことでした。また、Westの展示を見て面白いと感じたならば、ぜひ東キャンパスの展示も楽しんで欲しいとのコメントもありました。  4年ぶりに開かれたレセプションパーティーは、あのラボのメンバーとさまざまな領域の学生が参加し交流を楽しみました。作品について質問する学生の姿も見られ、盛況なパーティーとなりました。

2023.11.1

スペースデザインコース、(株)パームホルツとコラボ「あいちモノづくりエキスポ 2023」で家具を提案、展示

スペースデザインコース、(株)パームホルツとコラボ「あいちモノづくりエキスポ 2023」で家具を提案、展示  2023年10月5日(木)、6日(金)の2日間、愛知県国際展示場 AICHI SKY EXPOで開催されたに、株式会社パームホルツ様とスペースデザインコースがコラボレーションし、自由に組み合わせて使う家具を提案、試作品とモデルを展示しました。 「あいちモノづくりエキスポ 2023」  (株)パームホルツは、産業廃棄物として捨てられているオイルを採取したあとのパーム樹幹を材木の代わりとして再利用する事業を進める企業です。素材としてしてのOPT(オイルパーム樹幹)の魅力を広く知ってもらうためスペースデザインコースとコラボレーションし、2018年から活用法について取り組んでいます。そして来年度マレーシアに工場を建設、本格的にOPTの生産を開始するにあたり、今回のあいちモノづくりエキスポ 2023への出展となりました。  取り組みの当初スペースデザインコースでは広くOPTを知ってもらうため、公共のスペースに置くことのできるベンチなどストリートファニチャーを提案してきましたが、今回は部屋に置ける家具「Ka-Na-Fu -個性を楽しむ家具-」(多田陽菜さん、高野萌さん、伊藤大翔さん、平田賢さん、望月梨帆さん、山田愛美さん)の提案となりました。Ka-Na-Fuは、古語のかなふ(叶ふ)を意味し、思い通りになることを表現しています。それ自体を複数組み合わせ好きな形にしたり、オプションの小さな箱や仕切りを加え自由に使うことができます。ブースではKa-Na-Fuの試作品を中心に、これまでの取り組みとして2018年からのコンセプトと提案、モデルもあわせて展示してしました。さらに今回、(株)パームホルツの展示ブース全体も学生がデザインを行いました。 2018 おいしい家具はじめました -香りを楽しむ家具- 2019 Partition Furniture -空間を楽しむ家具- 2020 Sink Chair -動きを楽しむ家具- 2021 Sound Bench -音楽を楽しむ家具- 2022 Reversible Chair -色を楽しむ家具- 2023 Ka-Na-Fu -個性を楽しむ家具-  取り組みの背景を、担当する西岡毅 講師に伺いました。  「パーム材の魅力を知ってもらうためいちばん興味を持ってもらうのはどんなものだろうと考えたとき、ストリートにあるものよりもむしろ身近なものではと、これまでとは異なった考えで進めてみました。自分の好きなものを置いてみたり自由にカスタマイズしたりして使うことで、愛着が湧き素材の魅力を感じるような家具です。ストリートファニチャーの場合、学生たちの提案がどうしてもベンチなど単純な形になってしまいがちで、これまでで良いアイデアがかなり出てしまっていることもあります。工場を作られるということで、今後、実際に生産してく流れを考え、そうしたことにも対応したしっかりしたものを提案したいと考えました。プロダクトとしてアイデアが世に出るまでどんなに短くても2〜5年ほどかかってしまうこともあります。これまでの提案を含めて展示し、実物としては今年の作品を展示、今後の実用化につなげていければと思います」。  (株)パームホルツ 福山昌男 取締役は、「まだ確定していない部分がありますが、来春にはマレーシアで生産を行い、拡大していく計画です。その中で大学の先生、学生の皆さんの作品でより具体的に素材をPRしたいと思います。マレーシアでは家具の生産が拡大、輸出も増加しています。日本の技術を使いマレーシアの材料を使って作り、いずれは世界中で販売する。10年ほどかかるかもしれませんがそんな計画を立てています。長い目で見て、大きな可能性を秘めていると思っています」と抱負を語りました。  今後、2023年12月に東京ビッグサイトで行われる「先端材料技術展2023」に出展予定、さらに試作品を増やしての展示を予定しているとのことです。

2023.11.1

大学院ライフスタイルデザイン研究 JIA東海支部とコラボレーション、絞り染めで古着をアップサイクル

大学院ライフスタイルデザイン研究 JIA東海支部とコラボレーション、絞り染めで古着をアップサイクル  大学院デザイン研究科ライフスタイルデザイン研究では、日本建築家協会(JIA)東海支部とコラボレーションし、2023年11月9、10、11日に常滑市で開催される「JIA建築家大会2023東海in常滑」にて発表されるアップサイクルな取り組みとして、古着を染め直した作品を制作しています。2023年10月23日(月)、JIA東海支部のメンバーである建築士の関口啓介さん、上原徹也さん、黒野有一郞さんを染色工房にお招きし、染色作業を見学、体験していただきました。  実際に作業を行うのは、大学院デザイン研究科(ライフスタイルデザイン研究)川原明さん。今回の企画に賛同し染色工房を快く開放した扇千花 教授(テキスタイルデザインコース/大学院デザイン研究科)の監修、同じくテキスタイルデザインコース卒業生で、現在、染色工房技術職員を務める山下眞美さん指導の下、ライフスタイルデザイン研究に在籍する他の学生たちも参加して作業を行いました。  今回の染めは、絞り染め。輪ゴムや紐などで生地を括り、染めむらを作り出し模様にする染色法です。さらに、テキスタイルデザインコースが例年かかわっている有松の絞り技法である、棒に巻き付けて鰯雲のような模様を作り出す群雲(むらくも)絞り、テキスタイルデザインコースで手ぬぐいの染めにも使う板締め絞りにも挑戦しました。染めの色は、大会のテーマカラーである紫という指定があります。テーマの紫は、とこなめ陶の森にある陶芸研究所(旧常滑市立陶芸研究所)がモチーフです。外壁はおよそ350万枚の紫色のモザイクタイルで構成されており、4色のタイルでグラデーションが表現されています。この色合いに近づけるよう、技術員の山下さんが綿密に調合した染料が用意されました。  素材となる古着はあらかじめ準備され、この日までに“括る”作業を終えています。当日、お越しいただいた建築士のみなさんには、JIA建築家大会でユニフォームとして着る私物の古着をお持ちいただきました。さらに、前回までの建築家大会で使われて残ったトートバッグやユニフォームなど、さまざまな素材が持ち込まれました。すでに役割を終えたこれらのものがどのようになるのか、期待が高まります。  染めの作業は、水に浸けておいた素材を、60度から100度に温度管理された鍋で染める作業です。生地全体に均等に染料がいきわたるように途中で攪拌するなど、温度と時間を計りながら行う手間のかかる作業で、冷ます時間も含め3時間ほどの工程です。これらの作業を、ライフスタイルデザイン研究の学生が分担して鍋の番を行います。その間、川原さんと山下さんに教えてもらいながら、建築士のみなさんには、持ち寄った古着の括りを体験していただきました。括った部分には染料が入らず色が付かないことを説明すると、こうしたらどうなる、あれをやってみたいと、絞りに興味津々の様子。好奇心を大いに刺激したようでした。  一度目の染色が終わり洗いの作業に移ると、学生にまじり建築士の方々も一緒に作業に参加。模様が現れると、イメージ通りの色合いと想像を超える模様に、感嘆の声があがりました。「カッコイイ! これならもう一度着られる」「今回の大会のテーマは“環る”。まさにアップサイクルというテーマにぴったり」「陶芸よりも早く結果が見えて楽しい、ワークショップでやりたい」と、喜びとともに絞りを活用したいとアイデアの声が飛び交いました。染色工房にある過去の学生作品にも話はおよび、絞り染めの魅力を感じる体験となりました。一同、あらためて伝統技法の素晴らしさと魅力に感じ入りました。  今後、新たなコラボレーションも始まりそうな、絞り染めのさらなる広がりを感じさせる1日となりました。

2023.10.18

先端メディア表現コース 名古屋市科学館「メディアデザインの力で“科学の魅力”を再発見!」で作品展示

先端メディア表現コース 名古屋市科学館「メディアデザインの力で“科学の魅力"を再発見!」で作品展示  先端メディア表現コースは名古屋市科学館とコラボレーション、ナディアパークの協力で「メディアデザインの力で"科学の魅力"を再発見!」と題し、2023年9月30日(土)、10月1日(日)の2日間、学生が制作したメディアデザイン作品を名古屋市科学館 生命館地下2階 サイエンスホールにて展示、作品の一部が、2023年10月10日(火)~15日(日)まで、ナディアパーク2階 アトリウムでも展示されました。  このイベントは、作品を通して来場者に科学の魅力を再発見してもらおうというもの。PCを使ったプログラミングの作品、立体パズルやカードゲームなどの立体作品、音を使ったインタラクティブな作品、進化や科学の不思議を扱った映像作品など、さまざまな作品が展示され、来場者は実際に動かして遊ぶことができます。  名古屋市科学館からは、科学館にある展示品をメディアデザインの力でより興味を持ってもらえるように、子どもたちの興味を惹くようにしてもらいたい、というオーダーがあり、事前に学芸員の方に科学館の展示について講義していただきました。講義を参考に学生らも科学館を訪れ展示を確認して作品を構想、それぞれに興味のある展示のエッセンスを作品に落とし込みました。  名古屋市科学館での展示日は、工作・実験を通じて科学を学ぶ「青少年のための科学の祭典2023・名古屋大会」も開催され入館料が無料ということもあり、多くの子どもたちで賑わいました。来場者に作品を説明したり遊んでもらうなど実際にコミュニケーションすることも学生たちにとっては初めてのことです。笑顔で子どもたちに対応する学生の姿が印象的でした。 先端メディア表現コース 加藤良将 講師  このような機会をいただいて感謝しています。先端メディア表現コースの学生にとってこうした場での展示は初めてのことで、とても良い経験となりました。理系の学生もけっこういますので、テーマに興味を持って取り組めたと思います。多種多様な作品になっていて、とても面白い展示になったのではないでしょうか。映像が得意な学生、アニメーション、化石……、それぞれに自分の好きなテーマと自分の表現、伝えたい科学をミックスして作品を作っています。事前の講義や科学館をリサーチした上で作っているので、より深められたのではと思います。 会場:名古屋市科学館 海に生きた骨たち 3年 平松咲希さん 「海の恐竜、正確には海生爬虫類といいますが、それをテーマにしたパズルを組み立て、完成したパズルをカメラで読み取るとその恐竜の説明が表示されるという作品を作りました。説明に加え、どれくらいの大きさだったのか人間の大きさと比較できるアクリルスタンドも制作しました。科学館の2階の化石の展示が好きで、化石と恐竜の骨で作品を作りたいと真っ先に浮かびました。私の推しは、モササウルス。1番カッコイイと思います(笑)」  会場では、明かりの具合からか画像認識が上手くいかずひやっとする場面もありました。調整を繰り返して動作するようになるとほっとした様子で、実際に展示することの難しさを感じさせました。 ペンデュラムアートをやってみよう 3年 木下朋香さん 「ペンデュラムアートという振り子を使った美術を体験してもらおうというワークショップです。実際にやってみて、できた作品を家に持ち帰ることができたら楽しいなと考えました。普通の絵の具だと乾きが遅いので、早く乾くいて持ち帰ることができるようにインクに揮発性の高いアルコールを混ぜ工夫しました。キャンバスも素材をいろいろと試行錯誤して選びました」  混ぜて好きな色が作れるよう複数のカラフルなインクを用意したりと、汚さないように養生したり、大掛かりなものとなりました。ワークショップの人数が限られるため、家で同じようにペンデュラムアートを再現できるマニュアルをパンフレットにするなど細やかな配慮もあり、楽しい作品となりました。 会場:ナディアパーク