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2024.1.30

「古川美術館プロジェクト2024 メイゲイのコウゲイ」最終発表会を実施

「古川美術館プロジェクト2024 メイゲイのコウゲイ」最終発表会を実施  美術領域 工芸コース(陶芸・ガラス)、デザイン領域テキスタイルデザインコース、メタル&ジュエリーデザインコース(2024年度1年次入学生から工芸コースへ学びを移行)では、名古屋市千種区の古川美術館・分館爲三郎記念館と連携し、2024年2月6日(火)~18日(日)までの2週間として爲三郎記念館に学生の作品を展示します。  会期が迫る2024年1月25日(木)、古川美術館学芸員の早川祥子氏をお招きして作品制作の現状を確認、展示について再検討する最終発表会を行いました。1mを超える大きな作品や焼き上げる前の陶芸作品など移動させることが困難なものもあり、テキスタイル工房、メタル工房、セラミック工房、ガラス工房、木工房を学生らとともに巡り、展示についていっしょに考えることとなりました。 「メイゲイのコウゲイ」 「古川美術館プロジェクト2024 メイゲイのコウゲイ」制作プランのプレゼンテーション 「古川美術館プロジェクト2024 メイゲイのコウゲイ」最終発表会を実施 古川美術館プロジェクト2024「メイゲイのコウゲイ」を開催 古川美術館と「連携・協力に関する協定」を締結  各作品概ね構想通りに制作が進んでいるものの、制作期間の最後の10日ということもあって、工房には慌ただしい雰囲気が漂っています。実際の作品の大きさや色味を確認し、想定している展示場所や同時に並ぶ作品との整合性などを検討していきます。  早川さんは、学生ひとりひとりに作品の意図を確認し、制作の途中で変わってしまった部分やどう見せたいか、学生の希望を聞いていきます。作家の考えに寄り添い、展示したときの希望を受け入れつつ最大限効果的に見えるよういっしょに考える姿勢が印象的で、学芸員の仕事の一端を見せていただいたように思います。中には、思うように制作が進まず展示を辞退したいと言い出す学生もいましたが、「途中まで作ったパーツだけでも見せることができる、できるところまで頑張って」と励ますこともあり、作家を支えることも学芸員の仕事だと感じさせます。作品の展示は、作品そのものだけでなく作品の背景にある作家の考えや感情を見せることだともいえそうです。工房を巡り、作品ひとつひとつと対峙して考える、濃厚な時間となりました。  発表会を終え、担当する中田ナオト准教授からは「忙しいスケジュールの中、個々、自分の意志でこのプロジェクトに参加して作品を作ってくれていることがすごく喜ばしいことだと感じています。失敗してもいいのでやりきることが、今後の創作への良い経験になると思います。昨年に引き続いて2回目の参加の人がいますが、空間の捉え方ややりたいことの幅が広がっているような印象です。展示まで楽しんでやって欲しいと思います」と講評。  瀬田哲司准教授からは「失敗してもいいとう話が出ましたが、作家になると失敗できないプレッシャーを感じることになります。失敗できるのは学生時代の特権なので、貴重な機会をぜひ生かしていただきたいと思います」と自由に創作、展示することの意義を述べます。  米山和子教授からは「現場をよく知っていらっしゃる学芸員さんの言葉を聞きながら制作するというのは本当に貴重な機会です。制作の最後の数日が作品の出来を分ける時間です。これからが良いものになる時間なので、最後まで諦めずに皆頑張って制作して下さい」と制作を応援。  扇千花教授からは「4つの素材、それぞれの違いを感じさせるのと各コースの違いなどがあり、すごく面白いと思います。コースそれぞれに違いがありつつも、全体として工芸の魅力が伝わっていけばと思います」とまとめました。  早川さんからは「すごくバラエティに富んでいて、それぞれ違う素材への向き合い方、造形の捉え方があるので、ごちゃごちゃにならないように見せることが一番大切だと思っています。それぞれの作品の良さが良さが見えるよう、賑やかでありながらも調和しつつ独立してるような展示をしたいと思っています。皆さんが自分自身の作りたいものを、ここに展示したい、そうやって制作することが面白くなる要素だと思います。こんなことできないんじゃないかと諦めず途中でもいいので、最後まで参加して下さい。失敗という話が出ていますが、出して展示をすればそれは失敗ではありません。思ったように行かなかっただけで、諦めてしまうことが失敗だと思います。実際に展示したときに思っていたのと見え方が違うということが起きますが、その場でいっしょに考えるのが私のたち役割です。途中までであっても持ってきて下さい」と力強い言葉があり、最終発表会は終了となりました。  は、2024年2月6日(火)~18日(日)、爲三郎記念館にて開催となります。ぜひ、ご高覧ください。 「古川美術館プロジェクト2024 メイゲイのコウゲイ」

2024.1.12

エンターテインメントディレクションコース 6期生卒業公演「人間椅子」

エンターテインメントディレクションコース 6期生卒業公演「人間椅子」 ※本映像はゲネプロ時のものとなります。 2023年12月24日(日) STORY 映画「人間椅子」の撮影中の事故で主役を務めていた俳優が亡くなってしまう。 代役を立てて撮影は続行。映画は完成し、公開に先立って試写会を行う事となった。 一方で主人公である探偵の元には一通の手紙が届く。「人間椅子の撮影中に起きた事故の真相を調べてほしい。」 探偵と助手は試写会に赴いた。 試写会は当初、順調であるかのように思われたが、助監督の遺体が発見された事を皮切りに、次々とキャストが殺されていく。 犯人は誰なのか。 探偵は犯人を捕まえる事ができるのか。謎に包まれた試写会が今、幕を開ける。 CAST 探偵 小室怜司 藤平凪騎斗 探偵の助手 和田悠仁 久野はるな 男 竹内隼人 黒崎琉紀 男 兵藤拓志 伊藤楓人 佳子 森澄麗花 牧野早耶香 女中 一条メイ 立石涼音 大使 佐々木譲治 西村響 監督 大塚隆史 山川冬聖 乙女 東雲葵 梶原彩琳 ダンサー 天海まこと 本木沙羅 旦那 横山一博 井上睦貴 司会 諸星太陽 森海将 刑事 番啓介 大浦将弥 STAFF プロデューサー 南雲美虹 アシスタントプロデューサー 加藤百々花 舞台監督 長谷川ゆきの 脚本・演出 谷岡真帆、佐藤夕楓 音響 小嶋涼斗、黒宮桃子、野村健斗、見崎光 照明 榊原舞優、佐野詩月、田畑創路、野田幹太、馬場抽奈、藤本椎名、藤井若菜、宮原歩夢、森大地 舞台 河嶋七凪、酒井愛未、白藤花、原千晴、松本愛莉 映像 板津早希、伊藤千紘、岩澤里々菜、加藤聖菜、鶴森ゆうな、小林さくら 衣装 川瀬里菜、清水彩伽、和井田佳蓮 制作 上田和佳、川田萌音、松原杏 教員 石黒諭(舞台美術)、内海豊司(音響)、金子靖(制作)、二川幸生(照明)、右来左往(演出)

2024.1.4

こどもデザインだいがく2023 冬 ~クリスマスツリーにチャレンジ~ 巨大ツリーを完成

こどもデザインだいがく2023 冬 ~クリスマスツリーにチャレンジ~ 巨大ツリーを完成  デザインを楽しみながら体験しデザインについて子どもたちに知ってもらおうと例年開催している「こどもデザインだいがく」。この冬は、「クリスマスツリーにチャレンジ」ということで、参加者みんなで力を合わせて大きなクリスマスツリー作りにチャレンジしました。  2023年12月23日(土)、西キャンパス 体育館に参加者が集まりました。子どもたちとお手伝いするこどもデザインだいがく卒業生に加え、今回は、脚立に登ってツリーを積み上げる作業が必要なためスペースデザインコースの学生、卒業生も助っ人として加わります。ツリーの素材となるのは、養生に使われるプラスチックダンボール(プラダン)。養生用の通常のプラダンは、通常のものよりも柔らかく、子どもの力でもカッターナイフなどで簡単に切ることができ扱いやすいのが特徴。白色のものが用意され、スチロールや風船などのオーナメントの素材も白で統一、白い大きなツリーを目指します。  まずは、ツリーを構成するプラダンを切ってパーツを作るところからです。パーツ作りといっても簡単で、幅910×長さ1820のいわゆる三六判サイズを斜めに半分にカットするだけ。1時間ほどかけて子どもたちはたくさんの三角形のパーツを切り出しました。この三角のパーツを16枚、ガムテープで貼り合わせ八つの角を持つ星形(八芒星)の形を作ります。これがツリーの一番下、土台となります。その上に、土台と同じ16枚のパーツで作った八芒星の形を乗せ、さらにその上に8枚のパーツで作った四本角の四芒星、てっぺんには半円に切ったパーツを組み合わせて乗せます。スペースデザインコースの学生、卒業生が脚立に載り、慎重にバランスを取りながらツリーを乗せてゆきます。子どもたちが固唾を呑んで見守る中、ツリーを積み上げました。中心部には脚立が入っているものの、プラダンで作ったツリーだけで自立しました。オーナメントを飾り付け、巨大なクリスマスツリーが完成しました。  構造を考えたのは、PLAY! PARK キュレーターの小栗里奈さんとデザイン領域 西岡毅 講師。三角のパーツで組み合わせる構造はトラス構造と呼ばれ、鉄橋や電波塔に使われている構造。名古屋のテレビ塔や東京スカイツリーも同じトラス構造です。「上手くいって良かったです。積み上がらないかと心配していましたが、みんなで協力して高いツリーが完成してほっとしました。5m以上になったと思います」と西岡講師。子どもたち同様、ツリーを眺めて満足感にひたります。  完成したあとは、ツリーを囲んでクリスマスパーティです。お菓子とジュースで乾杯しました。小栗さんからは「こどもデザインだいがくが2018年に始まり、みんなのものづくりのレベルがすごく上がってきて、こんなにすごいものもできるようになりました。次も、もっともっと面白いことができるよう計画していますので楽しみにしていて下さい」と作ることの楽しさを子どもたちと分かち合いました。 次回のこどもデザインだいがくは、3月に開催予定。どんなものを作るのか、お楽しみに。

2023.12.18

名古屋芸術大学ウインドオーケストラ、あいち県民の日 記念式典にて演奏を披露

名古屋芸術大学ウインドオーケストラ、あいち県民の日 記念式典にて演奏を披露  2022年に県政150周年を迎えた愛知県は、11月27日を「あいち県民の日」とする条例を定めました。その一環として2023年11月27日(月)に、県民の日を祝う記念式典が愛知芸術文化センター愛知県芸術劇場大ホールにて開催されました。  式典は、大村秀章愛知県知事の挨拶で始まり、「あいち県民の日ロゴマーク」最優秀賞受賞者表彰式、名古屋市立大学教授 千田嘉博氏による「愛知の城から歴史を読み解く」と題した基調講演、元SKE48 須田亜香里さん、あいち県民の日アンバサダー 河村花さん、名古屋市立大学教授 千田嘉博さん、西川流四世家元 西川千雅さん、「地球の歩き方 愛知」プロデューサー 由良暁世さんによるパネルディスカッションが行われました。  そして、式典の最後となる記念演奏会にて、名古屋芸術大学ウインドオーケストラが演奏を行いました。指揮は遠藤宏幸准教授、ウインドアカデミーコース、弦管打コースの学生で構成され、演奏曲目は、いずれも愛知県に関連する楽曲。1曲目の「シャッチーズ・マーチ」は、サウンドメディア・コンポジションコースの岩本渡教授が1994年に開催された第49回 わかしゃち国体の入場行進曲として作曲したもの。2曲目は、「どうする家康メインテーマ ~暁の空~」。3曲目は「ウインドバンド・ストーリーズ となりのトトロ」。声優アクティングコース 4年 梁川桃子さんがナレーションを担当し、物語の世界を演奏で再現しました。最後は、特別客員教授 宮川彬良氏作曲のおなじみ「マツケンサンバⅡ」が演奏され、会場を大いに盛り上げ、華やかな演奏で、あいち県民の日 記念式典を締めくくりました。

2023.12.14

声優アクティングコース 2023卒業公演「おにぎり」

声優アクティングコース 2023卒業公演「おにぎり」 Aキャスト Bキャスト Photo Gallery【A cast】 Photo Gallery【B cast】 2023年12月3日(日) 作・演出 ハマノカズソウ 【具1】さよなら夏 A cast B cast 英二 塚原光流 服部将大 広樹 大脇泰知 藤村永遠 雄介 萩永太一 中原礼翔 菜央 白木麻菜 永見怜奈 美樹 遠勢美羽 濱友梨南 アイコ 梁川桃子 梁川桃子 【具2】SEKISHO〜関所〜 A cast B cast 役人A 山口栞 林 莉子 役人B 松島千奈 野田萌可 役人C 木佐森蒼菜 小田真奈美 旅人D 中嶋慎之助 木藤雄太 旅人E 近藤 蓮 近藤 蓮 【具3】みりりんにあいたくて A cast B cast 獏蘭(ばくらん) 前崎裕太郎 八木皓平 ザビエル 上條優斗 杉坂侑哉 ケロリン 高草木志織 岩長朋香 銀杏(ぎんなん) 桂川湧晟 米本玲偉 おっち 野口克彦 宮崎和樹 【具4】レター A cast B cast 恵美 林 莉子 白木麻菜 健一 服部将大 塚原光流 【具5】塩むすび キャスト全員 【音響】 南江里香 小嶋涼斗 佐藤夕楓 黒宮桃子 小長井綾乃 平澤瑞季 阿閉陽美希 加藤望愛 井上果南 城殿健登 宇佐美奈津 原 湖心  河田暖花 倉橋璃々子 宮坂莉奈 大川路由 熊谷菜々 伊藤 駿 岡本紘季 松本愛央衣 【照明】 川瀬虎哲・藤井若菜 宮原歩夢 森 大地 原 千晴 髙瀬礼乃 藤澤朝美 金原真梨乃 杉浦育実 高見咲帆 藤井天海 渡辺悠斗 【衣装】 吉村真星 川瀬里菜 清水彩伽 和井田佳蓮 天野唯菜 安藤さくら 北川実咲 星野円花 【制作】 恒川明日賀 板津早希 上田和佳 南雲美虹 中島鈴苗 中原美玖 酒井愛未 【舞台】 加藤百々花 松本愛莉 山下由奈 米津優輝 磯村誠良 片桐未佳 清水美咲 服部美地 間瀬百香 水越崇仁 名張茜音 【舞台監督】秦英里 【映像制作】伊東竜弥 堤 彩香(名古屋造形大学 情報表現領域 阿部ゼミ) 【塩むすび作曲】Kazuki Yamamoto 【殺陣指導】手嶋政夫・宮間里桜((名古屋芸術大学非常勤講師)

2023.12.12

サウンドメディア・コンポジションコース、深田晃氏、峯岸良行氏による公開講座「3D Audio Workshop 2023」を開催

サウンドメディア・コンポジションコース、深田晃氏、峯岸良行氏による公開講座「3D Audio Workshop 2023」を開催  サウンドメディア・コンポジションコースでは、2023年12月2日(土)西キャンパス2号館大アンサンブル室にて、非常勤講師 深田晃氏、峯岸良行氏による公開講座「3D AudioWorkshop 2023」を開催しました。  これまで、映画作品や劇場で採用されていた立体音響技術が発達し、近年では、Apple Music、Amazon Musicなどではドルビーアトモス、また、Amazon Musicでは、360Reality Audioフォーマットの3D Audio配信が始まっています。今回の公開講座では、BENNIE Kなどの作曲、プロデュース、Little Glee Monsterなどミックスエンジニアとして多くのアーティストの作品に携わり、多くの3D Audio作品の制作を行ってきた峯岸良行氏、ドラマ、ドキュメンタリー、映画のサウンドトラックや番組テーマ音楽、N響やサイトウキネンオーケストラなどのレコーディングに携わり、独自サラウンド収録方法である「Fukada Tree」の考案者として広く知られる深田晃氏といった、3D Audioの第一線で活躍する両氏に制作のノウハウを具体的に講義していただきました。また、学生が制作した3D Audio作品を試聴し、今後のオーディオ表現について体験して考える、盛りだくさんの内容となりました。  会場となった大アンサンブル室には、株式会社ジェネレックジャパン(スピーカー)、タックシステム株式会社(モニターコントローラー)、アイシン高丘株式会社(スピーカースタンド)にご協力いただき、ドルビーアトモス7.1.4のリスニング環境を構築。3D Audioを60人程度の人数で同時に体験できるように準備しました。  講義の前半は、峯岸良行氏によるドルビーアトモスのポップミュージックについてのワークフローが紹介されました。近年では、ドルビーアトモスをはじめとした立体音響については、「3D Audio」「Spatial Audio」などさまざま呼び名で使われていますが、いずれも没入感の強いオーディオを意味するもので、総称して「Immersive Audio=イマーシブ オーディオ」と呼ばれるようになってきました。その中でもApple Music、Amazon Musicではドルビーアトモスを採用し配信も行われています。今回のワークフローでは、ステムミックスファイルの音声をApple Musicで配信可能なドルビーアトモスのフォーマットにミックスする作業を実演して見せていただきました。ツールの設定に始まり、ステムミックスから位相差やバンドパスフィルターを用い複数の信号に分解しそれらを3D上に配置していくテクニックやミックスの手法と、作業の手順を追って実演いただきました。  深田氏からは、映画音楽やオーケストラなどの3D Audio制作について、レコーディングスタジオやホールでの実際の収録例を紹介いただきました。また、中盤では、深田氏のアイデアで、実際に3D Auido録音のトライを「この場で行う」ということで、Sax 早川ふみ氏・Pf 藤井浩樹氏によるSaxDuoを録音し、すぐに7.1.4のスピーカーから再生するということを行いました。そして参加者はその録音を体感することで、「客席にいるリスナーではなく、演奏者と同じ音楽体験をできるように」や、「録音は正確性ではなく、空気感やダイナミックな躍動感などをより心理的、感覚的に訴えていくものでなければならない」という氏の考えを実際に感じることができました。  興味深いのは、深田氏と峯岸氏のイマーシブオーディオの考えの違い。今回の峯岸氏の講義では2chステレオをベースに3D Audioを構築していったのに対し、深田氏は収録から7.1.4chを意識して収録していきます。センタースピーカーやリアスピーカーの使い方が大きく異なり、深田氏の録音はリスナーが演奏者の間に座って聴いているようなこれまでに感じたことのない音場です。耳馴染み良く楽しい峯岸氏のミックス、まさに新しい体験を感じさせる深田氏の録音、どちらも新しい音楽の体験でとても魅力あるものです。同時に、業界最先端のお二人でも3D Audioの在り方に対する考えがさまざまあることがわかり、「音楽をリスナーに伝え、さらに新しい体験を生む」という音響表現の最前線に触れたように感じられました。  講義の後は、学生作品の講評会です。4年生 武藤夢歩さんによるピアノの録音「スクリャービン24の前奏曲(7.1.4)」、神谷世那さんの録音「ベースノイズ(環境音)の3D Audio録音手法」、本学ライブ配信チームが収録し、古田晏悠さんがミックスを担当した、名古屋芸術大学フィルハーモニー管弦楽団 第12回定期演奏会 ヘンデル/デッティンゲン・テ・デウム ニ長調 HWV.283の「オーケストラ 7.1.4ハイトマイク(HL-HR)の方式の比較」の3作品を試聴、講評を行いました。3作品とも、2chステレオとの違い、セッティングの違い、マイクの違いを比較して聴きくらべできるようになっており、実験的要素がある作品です。両講師からは、制作者としての感想と実践的なアドバイスがありました。テーマの選定と録音した内容に、両講師から感心する言葉が聞かれ、また、同じ制作者として立場からの発言もあり、和やかな講評会となりました。  講座は時間を延長して行われ、終了後にも講師陣に質問する学生も多く、実りあるものとなりました。

2023.12.12

メタル&ジュエリーデザインコース、七宝焼アートヴィレッジにて作品展示、ふるさと納税返礼品をめざす

メタル&ジュエリーデザインコース、七宝焼アートヴィレッジにて作品展示、ふるさと納税返礼品をめざす  デザイン領域メタル&ジュエリーデザインコース(2024年度1年次入学生から美術領域工芸コースへ移行)は、あま市七宝焼アートヴィレッジとコラボレーションし、伝統ある尾張七宝を使った新商品の開発を行い、尾張七宝の魅力を広く伝える取り組みを行っています。今年度のプロジェクトは2つ、「世界に認められた尾張七宝に再び輝きを」ということで学生が中心となり、七宝焼アートヴィレッジ常設展示の名品をモチーフとしたデザインを帯留めに落とし込み、ふるさと納税返礼品として商品化を目指すプロジェクト。さらに有志の学生とジュエリーデザイナー、作家として活動する卒業生らによる七宝の可能性をさらに広げる実験的な取り組み「尾張らない七宝プロジェクト」を立ち上げ、作品を制作しました。これらの作品を七宝焼アートヴィレッジの「第41回尾張七宝新作展」(2023年11月23日~26日)に併せて展示、最終日の2023年11月26日(日)には、安藤七宝店 安藤重幸氏、だいきち七宝工房 太田吉亮氏、加藤七宝製作所 加藤芳朗氏、インテリア七宝アート 加藤実氏をお迎えし、作品の講評会と商品化する作品の選定を行いました。  学生は、作品とともに作品のモチーフとした七宝の名品、さらに新しいデザインに込めた考えや思いなどを説明しました。基になった名品は七宝焼アートヴィレッジの常設展にある作品で、いずれも名品にふさわしい技巧の凝らされたもの。それらから発想し、デザインの一部を切り取ったもの、色味を揃えたもの、描かれているモチーフからさらにイメージを広げたものなど、それぞれに個性的な作品に落とし込みました。講評としては、七宝の技術的な面からのアドバイスと、商品として見た場合のアドバイス、2つの方向性からご意見をいただきました。初めて七宝にチャレンジした学生や制作2~3作目といった経験の少ない学生が大半で、それぞれが銀線を立てる(有線七宝の技法でテープ状の純銀の線を立て図案の輪郭とします)のに苦労したり、思ったような色味が出ずにいましたが、丁寧な作りをお褒めいただくこともあり大きな励みになりました。どの作品からも一心に取り組んだことが伝わり、学生らも制作することでさらに七宝の魅力に触れたのでは、と感じさせます。また、商品として見たときには、値段を付けたい!やすぐにでも店頭に並べたいと、いった言葉も聞かれ、これも嬉しい評価をいただきました。  「尾張らない七宝プロジェクト」では初めて七宝に取り組んだ2年生3名がプレゼンテーションを行い作品を説明しました。愛犬を現代アートふうに表現したもの、ツタンカーメンをモチーフにしたものなど、自由でユニークな作品が紹介されました。これまでの七宝焼にはないデザインを評価していただき、ぜひ、七宝も表現手段のひとつとして引き続きやっていって欲しいと講評をいただきました。  総評として、「非常に完成度の高い作品が多くありました。どこへ出してもおかしくないと感じます。ただ、ふるさと納税の返礼品となると作りやすさも考慮する必要があり、どれを選べばいいかじっくり考えたいと思います」(太田氏)、「返礼品としてどのデザインでも魅力のあるものになると思います。数を作るとなると、型に合うデザインとコストが重要です。トータルで考えて考えたいと思います。デザイン自体はどれも良くて、商品化することに問題ないです」(加藤実氏)、「クオリティと発想力に驚きました。初めて七宝で作品を作ったという方もいる中で、これだけのものが出てきたというのは期待以上です。こういった社会連携の取り組みは卒業後も役に立つことです。積極性をもって取り組んでいって欲しい、ぜひ頑張って下さい」(加藤芳朗氏)、「商品となると収益性が必要で、自分の創りたいものを創るということとは異なってきます。そこが今回勉強になる部分ではないかと思います。現状、七宝業界は厳しい状況におかれており、自分たちの常識だけでは打破できない部分がたくさんあります。いろんな人たちからアイデアをもらいながらやっていくことが必要で、今回、いろいろな意見をもらえたことは非常にありがたかったです。皆さんの努力を何らかのカタチにしたいと思っております」(安藤氏)、と言葉をいただきました。  講評会終了後、選考が行われ、返礼品の花瓶に3年生 鈴木歌乃さん「輪転」のデザインが、ブローチに3年 浅谷栞那さん「酔芙蓉」が選ばれました。おめでとうございます。今後、ブラッシュアップされ商品化されることとなります。  また、今回展示された作品は、1月中旬 名古屋栄の安藤七宝店本店新店舗にて展示していただくことになります。こちらもお楽しみに。 酔芙蓉 鯉と牡丹 幸福の花 夢の色 菊文様・螺旋 龍と唐草 輪転 心に秘めた愛 藤と鳩 香立 竹と雀 愛犬 蛙 君影草 波 ドクダミ 無題 pivoine papillon 顔 木目花瓶 Windows つらつら椿 群蝶 名古屋コーチン 蜥蜴 Dear James, moss 金魚皿 初

2023.12.6

愛知銀行・中京銀行と「連携・協力に関する協定」を締結

愛知銀行・中京銀行と「連携・協力に関する協定」を締結  2023年12月1日(金)、本学とあいちフィナンシャルグループ傘下の愛知銀行と中京銀行は「連携・協力に関する協定書」を締結、協定締結式を開催しました。川村大介理事長、愛知銀行 伊藤行記頭取、中京銀行 小林秀夫頭取が列席、協定書にサインし、記者会見に応じました。  伊藤頭取からは「これまでにも地元の大学と連携してきましたが芸術大学との、しかも包括的な連携協定の締結は初めてのことです。本行が持っていない美術、デザイン、音楽といった名古屋芸術大学様が持っておられるアイデア、ノウハウを本行取引先の企業へ橋渡しすることで新たなイノベーションを起こし地域活性化へとつなげられるのではないかと大きく期待しています」と述べられました。  小林頭取は「東海地方には自社の技術を生かした高い競争力を有する中小企業が多く存在しております。この連携を機に、地元企業の技術面のサポートのみならず、事業に対する熱意や発想をお客さまに伝えるPRや商品デザインなど訴求力を高めていくことが事業活性の役に立つと考えます。名古屋芸術大学様のお力添えをいただき、芸術と社会の関係性の親和性を高めながら、地域や産業の振興に取り組んでまいります」と述べられました。  川村理事長からは「大学の役割として、教育、研究、社会貢献が求められますが、最近では社会連携が強く求められています。社会とのつながり、とくに銀行様は地元の皆さんが集う場であります。そういった銀行様との連携を強くすることで学生にとっても非常に良い経験ができることと確信しております。大学の中だけでは得られないさまざまな経験は、卒業後においても価値あるものとなります。この連携協定の締結で、学生の学び、また地域社会の活性化につなげたいと思います」と期待を込めて話しました。  この連携協定の最初の企画として、愛知銀行 師勝・西春支店、中京銀行 師勝中央支店の2店舗にてを開催しました。 「アラムナイ・コレクション展」