• 学科・領域

  • 形態

2024.3.22

インダストリアル&セラミックデザインコース、フジプレコン株式会社様と連携、コンクリートを使ったプロダクトを提案

インダストリアル&セラミックデザインコース、フジプレコン株式会社様と連携、コンクリートを使ったプロダクトを提案  インダストリアル&セラミックデザインコースでは、鉄道・道路で利用される側溝や電線などを収容するトラフなど、コンクリート製品を製造する企業 フジプレコン株式会社様と連携し、コンクリート製品を製造する過程で発生する余剰分をリサイクルした、コンクリート製のプロダクトを考案しました。12月にアイデア出しを行い、中間プレゼンテーションを経て、2024年3月5日(火)フジプレコンの皆さまをお招きし、最終プレゼンテーションを行いました。コンクリートの質感や重量、自由な形に造形できるといった特性を考慮し10名の学生が12のアイデアを提示、3Dプリンターを使って制作したモデルとともに説明しました。学生らしいユニークなアイデアあふれる楽しいプレゼンテーションとなりました。  学生ひとりひとりが、モデルを手渡しコンセプトを説明、5分程度の簡単なプレゼンテーションを行いました。提案は、デスク周りで使える文房具やティッシュボックスなどのグッズ、コンクリートの重さを生かしたブックエンドやドアストッパー、手触りや質感に着目したマスコット、屋外で使えることを利用した鉢植えなど、さまざまなアイデアが出されました。フジプレコンの製品であるU字溝をモチーフにした作品や、犬やキャラクターなどをモチーフにした可愛らしい作品には、発想に感心する声も聞かれました。中間プレゼンからのアップデートに加え、実寸のモデルを目にするとコンクリートで制作することを考えている様子で、手応えを感じます。  プレゼンテーションを終え、フジプレコン株式会社様の選考により、最優秀賞に後藤ゼミで考案した「U字溝フォントとU字溝を使った文具」が選ばれ、代表者として山本遙奈さんが賞状を受け取りました。優秀賞にはコンクリートの重さと形を利用した小林由奈さん「チーズスタンド」が選ばれました。最優秀賞の「U字溝フォント」はU字溝をモチーフとしてアルファベットの立体を作り、表札にするなどさまざまに活用できるようにするアイデア。小林由奈さんの「チーズスタンド」はチーズの形をした置物で、穴に筆記用具や歯ブラシを差し込んで使います。「コンクリートの重さを生かしつつ、可愛くて身近に感じられるものを考えました」と説明しました。  講評として松林克法 代表取締役社長から「若々しい皆さんのアイデア、とても楽しく拝見しました。弊社だけではデザインの発想に頭打ちで、どう進めていけばいいものかと思っていました。もっと早く相談すれば良かったと感じています。今日のプレゼンテーションを見て、また新しいことに挑戦できるなと思いました。優秀賞の2つは、さらに研究を進めていきたいと思います」と今後の商品化が期待できるコメントをいただきました。  担当のデザイン領域 後藤規文教授は、「ただ単に飾るだけでなく、実用もできノベルティとして価値の高められるものができれば面白いと考えています」とコメント。松林代表取締役社長からは、ぜひ、一度、会社を見に来て下さいとの言葉がありました。サンプルとしてモデルと3Dデータをお渡しし、継続してプロダクト化を目指すことになりました。 最優秀賞 U字溝フォントとU字溝を使った文具 (代表者)山本遙奈さん 優秀賞 チーズスタンド 小林由奈さん

2024.2.8

ヴィジュアルデザインコース 名古屋の魅力を発信する「ナゴヤ展」、円頓寺商店街、四間道界隈の魅力を再発見

ヴィジュアルデザインコース 名古屋の魅力を発信する「ナゴヤ展」、円頓寺商店街、四間道界隈の魅力を再発見  ヴィジュアルデザインコース3年生が例年取り組んでいる展示「ナゴヤ展」を、2024年1月29日(月)~2月4日(日)、名古屋市西区那古野 円頓寺商店街のワイナリー・コモンにて開催しました。  「ナゴヤ展」は、名古屋の街でフィールドワークを行い街の魅力を発見しデザインを通して伝える展覧会で、デザインの社会的な役割や重要性を学ぶ実践的な取り組みです。これまでのナゴヤ展では名古屋城や長者町、広く尾張地域そのものを対象とするなど、名古屋や尾張の歴史、文化、産業など、さまざまなものごとをデザインしその魅力を発信してきました。今年度は、名古屋の歴史が色濃く残る「那古野」地域が舞台。近年、リノベーションが進み注目を集める円頓寺商店街や四間道、護岸の整備が進む堀川などが含まれます。調査には地域の人にもご協力をいただき、足を運び聞いて話して考えを深め、作品を制作します。その成果が一堂に披露され、見応えのある展示となっています。  最終日の2月4日、ナゴヤ展を担当する則武輝彦准教授、ヴィジュアルデザインコース 中村直永准教授に加え、ナゴヤ展に長くかかわっていただいている株式会社クーグート 代表取締役 髙橋佳介氏、堀川の調査についてお世話になったナゴヤSUP推進協議会 事務局長 井村美里氏をお招きし、賑やかに講評会を行いました。プロダクト的な作品が中心となる例年にくらべ、街や裏路地の魅力を伝えるスケッチや写真、感じたことを伝えるマンガや書籍、実際に使うことができる食べ歩きの包装紙やパッケージ、Tシャツや提灯といったグッズ、レトロについての考察などなど、バラエティ豊かな展示となりました。  これまでは、まちづくりの企画案を考えることに重きを置いたプレゼンテーションでしたが、今年はストレートに発見した魅力を伝えることが重要視され、学生も楽しみながら制作したことが伝わってきます。  プレゼンテーションは、ひとり3分の持ち時間で説明を行い、参加者が質問し講評する型式で進められました。制作の初期から見ていただいている高橋さんは中間プレゼンから良くなったポイントを確認し、対象をさらに広げるようなコメントや実際にプロダクトにするまでのことなど、今後の展開についてのアドバイスをたくさんいただきました。井村さんは、堀川についての作品を楽しげに見守り、高く評価していただいたことも印象的でした。  学生たちにとってレトロな看板や街並みが印象深かったようで、教員が感じるレトロ感と学生の年齢で感じるレトロ感のギャップなど、掘り下げてみたくなるテーマの発見もありました。円頓寺商店街の近くに住んでいたり、若い頃に円頓寺へ行っていたという祖父、祖母に話を聞いて制作された作品では、家族と街の歴史を思わせデザインという枠組み以上の広がりと深みを感じさせました。  全体の講評として中村准教授は「このプロジェクトは、ふだんの課題以上にグラフィックデザインの力やデザインの本質的な考え方を求められる課題で、苦労したのではないかと思います。自分が興味を持ったことを見つけてそれを作品にする、その準備運動というか練習として非常に良かったと思います。学んだことはもちろん、逆にできなかった部分を糧にしていって欲しいと思います」とコメントしました。  則武准教授からは「半年という限られた時間で町の人とコミュニケーションを取るというのは、皆も大変だった部分もあると思います。それでも、レトロ感の面白さだとか、裏路地の魅力だったり堀川だったり、いろいろな魅力の方向性が浮かび上がってきたのではないかと感じています。おじいちゃん、おばあちゃん世代とのつながりから懐かしさや温かさも感じました。学外で展示するということは、社会を意識することだと思います。人とのつながりもそうですし、歴史の積み重ねもそうです。今いる場所の座標軸があり今という時間の軸があってその中に自分がいるという視点を、街を調べたりする中で持てるようになればと思います」とまとめ、今年のナゴヤ展は終了となりました ナゴヤ展 ホームページ 四間道備忘録 ナゴヤ今昔物語 MACHI ARUKI SHARE ナゴヤ地蔵プロジェクト まちもじ 豆味噌の知られざる魅力 円頓寺レトロ Point of view 守って!ホリカワン 古き良き調和 那古野の建築と室外機 キヨちゃんは、ぼーっと歩く。 円頓寺食べ歩き日記 Konseki ほおずき 日常の欠片 生活感と猥雑さ 路地裏痕跡手帖 Why do I feel nostalgic? あいちモーニング日記 堀川観察 円頓寺商店街と家族の歴史 宗春から読み解くナゴヤジン 堀葉 堀川逆行記 円頓寺商店街と廃線 円頓寺 名古屋最古の歴史と廃線 名古屋の特色−民謡から知る−

2023.11.1

スペースデザインコース、(株)パームホルツとコラボ「あいちモノづくりエキスポ 2023」で家具を提案、展示

スペースデザインコース、(株)パームホルツとコラボ「あいちモノづくりエキスポ 2023」で家具を提案、展示  2023年10月5日(木)、6日(金)の2日間、愛知県国際展示場 AICHI SKY EXPOで開催されたに、株式会社パームホルツ様とスペースデザインコースがコラボレーションし、自由に組み合わせて使う家具を提案、試作品とモデルを展示しました。 「あいちモノづくりエキスポ 2023」  (株)パームホルツは、産業廃棄物として捨てられているオイルを採取したあとのパーム樹幹を材木の代わりとして再利用する事業を進める企業です。素材としてしてのOPT(オイルパーム樹幹)の魅力を広く知ってもらうためスペースデザインコースとコラボレーションし、2018年から活用法について取り組んでいます。そして来年度マレーシアに工場を建設、本格的にOPTの生産を開始するにあたり、今回のあいちモノづくりエキスポ 2023への出展となりました。  取り組みの当初スペースデザインコースでは広くOPTを知ってもらうため、公共のスペースに置くことのできるベンチなどストリートファニチャーを提案してきましたが、今回は部屋に置ける家具「Ka-Na-Fu -個性を楽しむ家具-」(多田陽菜さん、高野萌さん、伊藤大翔さん、平田賢さん、望月梨帆さん、山田愛美さん)の提案となりました。Ka-Na-Fuは、古語のかなふ(叶ふ)を意味し、思い通りになることを表現しています。それ自体を複数組み合わせ好きな形にしたり、オプションの小さな箱や仕切りを加え自由に使うことができます。ブースではKa-Na-Fuの試作品を中心に、これまでの取り組みとして2018年からのコンセプトと提案、モデルもあわせて展示してしました。さらに今回、(株)パームホルツの展示ブース全体も学生がデザインを行いました。 2018 おいしい家具はじめました -香りを楽しむ家具- 2019 Partition Furniture -空間を楽しむ家具- 2020 Sink Chair -動きを楽しむ家具- 2021 Sound Bench -音楽を楽しむ家具- 2022 Reversible Chair -色を楽しむ家具- 2023 Ka-Na-Fu -個性を楽しむ家具-  取り組みの背景を、担当する西岡毅 講師に伺いました。  「パーム材の魅力を知ってもらうためいちばん興味を持ってもらうのはどんなものだろうと考えたとき、ストリートにあるものよりもむしろ身近なものではと、これまでとは異なった考えで進めてみました。自分の好きなものを置いてみたり自由にカスタマイズしたりして使うことで、愛着が湧き素材の魅力を感じるような家具です。ストリートファニチャーの場合、学生たちの提案がどうしてもベンチなど単純な形になってしまいがちで、これまでで良いアイデアがかなり出てしまっていることもあります。工場を作られるということで、今後、実際に生産してく流れを考え、そうしたことにも対応したしっかりしたものを提案したいと考えました。プロダクトとしてアイデアが世に出るまでどんなに短くても2〜5年ほどかかってしまうこともあります。これまでの提案を含めて展示し、実物としては今年の作品を展示、今後の実用化につなげていければと思います」。  (株)パームホルツ 福山昌男 取締役は、「まだ確定していない部分がありますが、来春にはマレーシアで生産を行い、拡大していく計画です。その中で大学の先生、学生の皆さんの作品でより具体的に素材をPRしたいと思います。マレーシアでは家具の生産が拡大、輸出も増加しています。日本の技術を使いマレーシアの材料を使って作り、いずれは世界中で販売する。10年ほどかかるかもしれませんがそんな計画を立てています。長い目で見て、大きな可能性を秘めていると思っています」と抱負を語りました。  今後、2023年12月に東京ビッグサイトで行われる「先端材料技術展2023」に出展予定、さらに試作品を増やしての展示を予定しているとのことです。

2023.11.1

大学院ライフスタイルデザイン研究 JIA東海支部とコラボレーション、絞り染めで古着をアップサイクル

大学院ライフスタイルデザイン研究 JIA東海支部とコラボレーション、絞り染めで古着をアップサイクル  大学院デザイン研究科ライフスタイルデザイン研究では、日本建築家協会(JIA)東海支部とコラボレーションし、2023年11月9、10、11日に常滑市で開催される「JIA建築家大会2023東海in常滑」にて発表されるアップサイクルな取り組みとして、古着を染め直した作品を制作しています。2023年10月23日(月)、JIA東海支部のメンバーである建築士の関口啓介さん、上原徹也さん、黒野有一郞さんを染色工房にお招きし、染色作業を見学、体験していただきました。  実際に作業を行うのは、大学院デザイン研究科(ライフスタイルデザイン研究)川原明さん。今回の企画に賛同し染色工房を快く開放した扇千花 教授(テキスタイルデザインコース/大学院デザイン研究科)の監修、同じくテキスタイルデザインコース卒業生で、現在、染色工房技術職員を務める山下眞美さん指導の下、ライフスタイルデザイン研究に在籍する他の学生たちも参加して作業を行いました。  今回の染めは、絞り染め。輪ゴムや紐などで生地を括り、染めむらを作り出し模様にする染色法です。さらに、テキスタイルデザインコースが例年かかわっている有松の絞り技法である、棒に巻き付けて鰯雲のような模様を作り出す群雲(むらくも)絞り、テキスタイルデザインコースで手ぬぐいの染めにも使う板締め絞りにも挑戦しました。染めの色は、大会のテーマカラーである紫という指定があります。テーマの紫は、とこなめ陶の森にある陶芸研究所(旧常滑市立陶芸研究所)がモチーフです。外壁はおよそ350万枚の紫色のモザイクタイルで構成されており、4色のタイルでグラデーションが表現されています。この色合いに近づけるよう、技術員の山下さんが綿密に調合した染料が用意されました。  素材となる古着はあらかじめ準備され、この日までに“括る”作業を終えています。当日、お越しいただいた建築士のみなさんには、JIA建築家大会でユニフォームとして着る私物の古着をお持ちいただきました。さらに、前回までの建築家大会で使われて残ったトートバッグやユニフォームなど、さまざまな素材が持ち込まれました。すでに役割を終えたこれらのものがどのようになるのか、期待が高まります。  染めの作業は、水に浸けておいた素材を、60度から100度に温度管理された鍋で染める作業です。生地全体に均等に染料がいきわたるように途中で攪拌するなど、温度と時間を計りながら行う手間のかかる作業で、冷ます時間も含め3時間ほどの工程です。これらの作業を、ライフスタイルデザイン研究の学生が分担して鍋の番を行います。その間、川原さんと山下さんに教えてもらいながら、建築士のみなさんには、持ち寄った古着の括りを体験していただきました。括った部分には染料が入らず色が付かないことを説明すると、こうしたらどうなる、あれをやってみたいと、絞りに興味津々の様子。好奇心を大いに刺激したようでした。  一度目の染色が終わり洗いの作業に移ると、学生にまじり建築士の方々も一緒に作業に参加。模様が現れると、イメージ通りの色合いと想像を超える模様に、感嘆の声があがりました。「カッコイイ! これならもう一度着られる」「今回の大会のテーマは“環る”。まさにアップサイクルというテーマにぴったり」「陶芸よりも早く結果が見えて楽しい、ワークショップでやりたい」と、喜びとともに絞りを活用したいとアイデアの声が飛び交いました。染色工房にある過去の学生作品にも話はおよび、絞り染めの魅力を感じる体験となりました。一同、あらためて伝統技法の素晴らしさと魅力に感じ入りました。  今後、新たなコラボレーションも始まりそうな、絞り染めのさらなる広がりを感じさせる1日となりました。

2023.8.25

中部文具工業組合「2023 文具デザインプロジェクト」最終審査発表会を開催

中部文具工業組合「2023 文具デザインプロジェクト」最終審査発表会を開催  本学デザイン領域と中部文具工業組合加盟の文具メーカーとの連携プロジェクト、「2023 文具デザインプロジェクト」の最終審査発表会が、2023年7月26日(水)にシヤチハタ株式会社 本社会議室にて開催されました。2023年6月にスタートしたこのプロジェクト、2ヶ月という短い期間ですが、提案を考え資料を作成、モックアップを作ったり実際の機能を試すことのできるサンプルを用意したりと、各学生、準備を整えてプレゼンテーションを行います。プレゼンテーション終了後、最優秀賞、メーカー賞を決定、表彰式が行われました。  プレゼンテーションに先立ち、シヤチハタ株式会社 舟橋正剛 代表取締役社長から「毎年、このプロジェクトを楽しみにしております。われわれメーカーというのは、案外、最終ユーザーがどうやって製品を使っているのか、どんなものを必要としているのか、具体的には知らないものです。自分たちのエゴみたいな部分で商品を作っていることもあり、SNSを利用したり、直接ユーザーとコミュニケーションしたりということを始めていますが、学生さんのほうが一歩進んでいると感じています。今回の皆さんのアイデアやデザインも大変貴重なものであり、良いものは前向きに商品化したいと思っています」とプロジェクトに期待する言葉をいただきました。  今年の課題は、シヤチハタ株式会社「①〇〇な仕事の人に便利なスタンプ・筆記具、②趣味に役立つスタンプ・筆記具」のどちらか、森松産業株式会社「自宅学習をより快適にする卓上用品」です。  学生らは、これらの2つの課題に2023年6月から取り組み、メーカーの担当の方に相談しながらアイデアを練り、模型や試作品を作成してプレゼンテーションに臨みました。最終発表会では13名の学生がプレゼンテーションを行い、各メーカー代表の方々が審査を行います。各自に2案を8分間で説明、質疑応答3分のプレゼンテーション、実際に数々の商品を手がけてきた審査員を前に学生たちは緊張した面持ちで発表を行いました。  審査の結果、最優秀賞はシヤチハタの課題「①〇〇な仕事の人に便利なスタンプ・筆記具」に対し、「ロゴポン」を提案した小野田亘佑さんが受賞。メーカー賞は、森松産業賞 組谷凌我さん「卓上革命児 ARRANGE」、シヤチハタ賞 長友玲人さん「ぴあすた」が受賞しました。  最優秀賞を受賞した小野田さんの「ロゴポン」は、ホテルや飲食店などで見られるトイレットパーパーを三角折するように紙をカット、三角の部分に店舗のロゴマークなどをスタンプする道具で、小野田さんがアルバイトする中であったらいい道具がアイデアの発端になったといいます。プレゼンでは三角折自体の発祥から説明し、トイレの清掃が終わっていることの目印になることや、ホテルやファミリーレストランなど大規模チェーンをターゲットとするなどマーケットも調査してあり、審査人たちから感心する声が聞かれました。  小野田さんのアイデアをはじめ、今回のプロジェクトでは、アルバイト先での自身の経験や普段の生活の中で感じた課題を解決しようとするアイデア、男女問わず香水など香りやピアスやネイルなど身だしなみに関連するアイデア、廃棄物のリサイクルなどSDGsの考えを基にしたアイデアなど、時代性を感じさせるアイデアがたくさん提案されたことが印象的でした。審査員からも、どのアイデアも興味深く、発案したアイデアの背景をよく調べられていることが印象的だったのとの声が聞かれました。  森松産業株式会社 森直樹 代表取締役社長からは「毎年、楽しみにしています。不思議なもので同じ人が発表するわけでもないのに、年々レベルが上がっていっていることを実感します。審査員で話し合った中でも、プレゼンの構成やスライド、話し方、本当にトータルでレベルが上がっていると声が上がりました。皆さんの発想が、それぞれの経験から出てきていることがわかり、非常に興味深く参考になりました。今後とも学生生活の中で、勉強や遊びの中からでもどんどん経験を増やし見聞を広げていって欲しいと思います」と講評をいただきました。  シヤチハタ株式会社 佐藤旭 取締役からは「プレゼンテーション能力、それから質問に対するエビデンス、かなりいろいろな角度で想定されそれに対する調べ含めて、非常にレベルの高いプレゼンテーションをしていただいたと思います。自分の経験に基づいたテーマを選び、それを深掘りし、さらに広げてアイデアを出している、よく考えられたことが伝わってきました。私たちメーカーとしても、皆さんに負けないよう頑張っていきたいと気持ちを新たにしました。今後もこのプロジェクトを盛り上げていけるよう、先生方、関係者の方々にもご指導をお願い致します」とまとめました。  担当の三枝樹成昭講師からは「今後デザイナーとしてかかわっていく上でも、学生にとって非常に意義深いプロジェクトであり、今後もご指導いただけるようお願い致します」とお礼の言葉があり、最終審査発表会は終了となりました。 メーカー賞【森松産業株式会社】 卓上革命児 ARRANGE 組谷 凌我 メーカー賞【シヤチハタ株式会社】 ぴあすた 長友 玲人 最優秀賞 ロゴポン 小野田 亘佑

2023.7.25

COPPA CENTRO GIAPPONE 2023 大会ポスターを制作、黒木里帆さんが最優秀賞を受賞

COPPA CENTRO GIAPPONE 2023 大会ポスターを制作、黒木里帆さんが最優秀賞を受賞  名古屋栄の久屋大通公園で今年秋に開催されるCOPPA CENTRO GIAPPONE 2023 大会ポスターを、ヴィジュアルデザインコースの学生が制作、2023年7月13日、プレゼンテーションと最終審査が行われ、3年生 黒木里帆さんの作品が最優秀賞に輝きました。  COPPA CENTRO GIAPPONE 2023は名古屋 栄の久屋大通で行われる自動車の美しさと優雅さを競う展示会。今年度は、名古屋市の姉妹都市であり同じく自動車産業が盛んなイタリア トリノ市で作られた車両と、100周年を迎えるル・マン24時間自動車レースの2つが大きなテーマとなっています。この大会背景を踏まえ、学生たちはポスターの制作に取り組みました。  応募作品の中から、黒木里帆さん、池田琴葉さん、真田遥佳さんの3作品が入賞しました。最終審査では、COPPA CENTRO GIAPPONE 大会実行委員長の平松正光氏をお招きし、学生たちはプレゼンテーションを行いました。まずは池田さんから、アルファロメオ ジュリエッタ・スパイダーに名古屋城と中部電力 MIRAI TOWER(テレビ塔)をあしらったもの。大会の2大テーマに加え、本学日本画科卒業生でもある平松氏から、浮世絵や日本的な要素も加えて欲しいというオーダーがあり、クルマが作られた1950年代にあわせた雰囲気に仕上げてあります。平松氏からは「日本らしさ名古屋らしさが詰まった作品、背景はシンプルといいつつ、しっかりと表現されているように感じました」とコメント。  続いて、黒木さんの作品は、今大会のコピーである「自動車の昨日、今日、明日」からイメージを膨らませ、過去のクルマと未来をル・マンのレーシングカーで表現した作品。浮世絵の中でも華やかな錦絵の要素を取り入れ、カラフルながらも落ち着いた色合いが特徴です。平松氏からは「今回の大きなテーマであるトリノとル・マンという2つがしっかりと取り込まれていて嬉しく思います、また、日本画の技法も取り入れられ上手く融合していると思います」と高く評価しました。  最後は真田さん。クラシックカーのワイヤーホイールをモチーフにしたシンプルでダイナミックな作品です。「ホイールに美しさを感じ、その美しさを際立たせるよう浮世絵の配色とグラデーションを意識して制作しました」と説明しました。平松氏からは「あの時代のレーシングカーにはボラーニというメーカーのワイヤーホイルを履いていることが多く、クラシックカーの魅力のひとつになっています、雰囲気良くまとまっている作品だと思います」と講評をいただきました。  作品を見たカーデザインコース 片岡祐司教授、田中昭彦教授からも「ヴィジュアルコースの学生さんがクルマをどんなふうに捉えるか気になっていましたが基本的な部分をしっかりと捉えていて驚きました」「日本的な部分をあわせることによってクルマの文化の歴史みたいなところまで感じさせ3点とも素晴らしい」「短い制作時間の中でクルマのことをしっかりと考えてもらえとても嬉しく思う」と嬉しいコメントをいただきました。  審査の結果、最優秀賞は黒木里帆さんが受賞。黒木さんは、昨年の大会ロゴマークに継いでの受賞となります。  平松氏からは「黒木さんの作品は今回の大会の要素をしっかりと取り込んでくれたことが決め手となりました、PC上の画像で見るよりもこうして大きなパネルにして作品を見るとやはり良かったな感じます、則武先生(ヴィジュアルデザインコース 則武輝彦准教授)にもお伝えしていますが、名古屋芸大とのかかわりは今回で2回目です、今後さらに発展していくと感じています」と講評をいただきました。加えて「入選作品をぜひどこかの会場で展示できるようにしたい」とサプライズも飛び出しました。  受賞した黒木さんの作品は、今後のCOPPA CENTRO GIAPPONE 2023 大会ポスターとして広く使われることとなります。おたのしみに。

2023.6.27

【庄内緑地 初夏の華まつり】アートクリエイターコース 、コミュニケーションアートコースが協力、音楽領域の学生によるコンサートも開催

【庄内緑地 初夏の華まつり】アートクリエイターコース 、コミュニケーションアートコースが協力、音楽領域の学生によるコンサートも開催  庄内緑地グリーンプラザの恒例イベント「初夏の華まつり」。今年は2023年5月13日(土)〜6月11日(日)に催され、2021年から参加している本学はチラシ作成のほかマップ、スタンプラリーのデザイン、ワークショップをアートクリエイターコース 、コミュニケーションアートコースの学生たちが手がけました。最終日は音楽領域の学生による四重奏コンサートでイベントを締めくくりました。 水野所長 「最終日のコンサート、なにやら出だしはトラブルがあったようですが(笑)終わり良ければ全てよし!です。素晴らしい演奏をありがとうございました。天気の良い日は多くの方にご来園いただいでいるので、コンサート当日があいにくの雨だったのが少し残念ですね。グリーンプラザの南館イベント会場は、素敵な演奏を市民の皆さまに楽しんでいただけるように吹き抜け構造に設計されています。今後とも協力いただき、会場を活用した素晴らしい演奏をお願いします」 担当の近藤さん 「キャラクターのイラストレーションがレイアウトされていて若い方やお子さんにも関心をもっていただけるようになりました。最近は写真撮影にいらっしゃる若い方が増えている印象です。『スタンプラリー』は他にも福祉イベントで活用する計画でしたが、残念ながらこの雨で中止に。ただ、今秋のイベントに活用したいとのお話がありましたよ」 スタンプラリー&魅力マップ 園内に隠れている妖精のスタンプを集めると特製ポストカードをプレゼント 押し花ワークショップ バラの花びらを込めた缶バッジ 音楽領域の学生による四重奏コンサート

2023.1.25

カーデザインコース × 豊田合成「2030年のUX・モビリティデザイン開発研究」最終プレゼンテーション

カーデザインコース × 豊田合成「2030年のUX・モビリティデザイン開発研究」最終プレゼンテーション  デザイン領域カーデザインコースでは、豊田合成株式会社様と連携し、「2030年のUX・モビリティデザイン開発研究」を行ってきました。2022年9月からの後期の講義枠で、豊田合成社員の方々を講師としてお招きし、2030年の社会や自動車を廻る環境を予測し、それをもとに新しいUX(ユーザー体験)を考え、それをデザインに落とし込むという課題を行ってきました。その最終プレゼンテーションを、2022年12月16日(金)に、豊田合成から開発本部 副本部長 川島大一郎氏、開発本部 デザイン開発部長 大松直樹氏をお迎えし行いました。  プレゼンテーションは、4分間の説明に3分間の質疑応答、コンセプトとデザインの背景をまとめたボードを提示、あわせて制作したモデルを手に説明します。  プレゼンは2年生からスタート。それぞれに働き方の変貌や仕事をする状態の変化など、2030年の社会を想定しそれに応える形の提案が続きます。時間に余裕ができ、休日にリラックスするためのモビリティ、乗ることでリラックスできるクルマなど、自動運転の発達により移動中にリラックスできるような提案が多く見られました。また、ハンドルとアクセル、ブレーキといったペダルではなく、身体全体を使って操作するクルマ、足の悪い障害者でもひとりで乗り降りできるバイクなど、社会参加や運転そのもののUXを新しくしようというアイデアも提案されました。  3年生のプレゼンでは、社会の変貌がより細かく想定され、情報技術と自動運転の発達により自動車の所有の概念が変わり、ホテルが移動する個室サービスを提供するアイデア、教育が知識を詰め込むことから体験を重視するように変化し、文科省とコラボレーションするモビリティ、旅行へ出かけそこで物事や人と出会うことを増やすことができる乗り物、また、物理的なものよりもかたちのないものの価値が高まることで、自分の価値について考えることができる内省的な案、個人情報が重視され誰が乗っているか外からわからないようにする提案など、さまざまなアイデアが提示されました。共通することは、事業の提供者を含めた提案が多く、クルマを所有することからレンタカーであったりシェアすることが一般的になっていくと想定する提案が多いこと、また、効率化とは逆のゆっくり走ることや個人情報の重視など、多様な価値観を反映させる提案が印象に残りました。  講評では、川島氏からは「非常に刺激的なアイデアがたくさんあり気付きも多く、若い人たちの考える方向性をもっと知りたくなりました。実際に社内でも未来について考えていますが、今日の提案の多くは今考えていることの延長にはなく、皆さんに将来売るためのクルマは出てこないように思います。考え直す必要があるように感じました。とても勉強になりました」と評価をいただきました。大松氏からは「何ヶ月にも渡り取り組んでくれてありがとうございます。2年生、3年生でレベル感の違いはありますが、想像していたものと異なることがたくさんあり刺激になりました。会社に勤めることにストレスやネガティブな印象があるようですが、たくさんのハピネスもありますよ」と笑わせました。  プレゼンテーションが終わったあとは、講師を務めていただいた若手の社員の方々も交え懇談会となりました。実際に企業で働く方のお話や、アイデアをブラッシュアップさせる提案など、学生にとっても有意義な懇談会となりました。

2022.11.1

「Concorso d’Eleganza Coppa Centro Giappone」大会ロゴマーク、優勝トロフィー・盾を制作

「Concorso d’Eleganza Coppa Centro Giappone」大会ロゴマーク、優勝トロフィー・盾を制作  2022年10月23日(日)、名古屋市久屋大通公園を中心に初めて行われた「Concorso d’Eleganza Coppa Centro Giappone(コンコルソ・デレガンツァ コッパ チェントロ ジャッポーネ)」に本学が協力。大会ロゴマークを、デザイン領域 ヴィジュアルデザインコース 2年 黒木里帆(くろぎ りほ)さんが、名古屋テレビ塔の鋼材を使ったトロフィーを、メタル&ジュエリーデザインコース 3年 池ヶ谷幸奈(いけがや ゆきな)さん、2年 浅谷栞那(あさたに かんな)さん、神谷未来(かみや みく)さん、澤木亮壮(さわき あきお)さんが制作。当日の運営ボランティアにカーデザインコースの学生が多数参加、大会に彩りを添えました。  「コンコルソ・デレガンツァ(コンクール・デレガンス)」とは、“優雅さの競争”を意味し、絵画や彫刻、伝統工芸が鑑賞され評されるのと同じように自動車の芸術的価値を品評するイベント。米カリフォルニアで1950年に始まった「ペブル・ビーチ コンクール・デレガンス」やイタリアンアルプスのコモ湖で開催される「コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステ」などは、世界中からクラシックカーが集まり、また、自動車メーカーも新しいクルマを発表する場にするなど、世界中から注目されるイベントです。「コンコルソ・デレガンツァ コッパ チェントロ ジャッポーネ」は、今年度、名古屋市で初めて行われたコンクール・デレガンスで、11月に愛知・岐阜で開催されるWRC ラリージャパンを盛り上げ、また自動車産業が集中する東海地区から自動車文化を広げるイベントとして、今後、毎年続けられるイベントになります。その大会ロゴマークのデザインを本学が担当。学内でコンペが行われ、ヴィジュアルデザインコースの黒木さんの作品が最優秀賞を獲得。大会で実際に使用され、コンクール・デレガンスとあわせ表彰式が行われました。ロゴマークは会場ののぼり旗や出場車のナンバープレートにあしらわれ、大会を象徴するアイコンになりました。  黒木さんは会場を訪れ「こんなに広く使われるとは思っていなかったのでびっくりしました。イベントの開催地が久屋大通公園でcentro(中心)という言葉が入っていたことから“中心”をコンセプトとし、大会にも出場しているCisitalia 202SCというクルマをモチーフにデザインしました。10案くらい考えそのうち2案を提出しました。最初は、円の周りに文字があるデザインでしたが、丸の中にすべて納めて欲しいという依頼があり、その修正に苦労しました。余白を作って見やすくしつつ、テレビ塔とクラシックカーを配置し、尚且つ、メインが車だと分かるようにするという点に気をつけて制作しました」と語り、大会実行委員長 平松正光氏(本学 日本画科のOB)から賞状を受け取るとよろこびの表情を見せました。 大会ロゴマークを制作した黒木里帆さん(左)と大会実行委員長 平松正光氏  コンクール・デレガンス表彰式で受賞者に手渡されたトロフィーと盾は、メタル&ジュエリーデザインコースが制作しました。テレビ塔の鋼材を使い、アルミでプレートを制作、プレートの文字はデジファブ工房、鋼材を収める箱と盾は木工房に制作を依頼しました。大会のイメージカラーがボルドーということで、鋼材を収める箱にワインレッドの生地やリボンを使うなど、金属部分だけでなくトータルデザインも担いました。制作を手伝った学生からは、「トロフィーだと聞いていましたが、箱の制作が必要だったり、重厚でレトロな感じだったり、いろいろ要素が必要でした。木の色づけに色が合うまで何回も塗り直したり、箱の可動部分を合わせて作ったり、ふだんメタルではやらないことばかりでしたが、作業の大変さがよくわかりました。初めての経験で面白かったです」(池ヶ谷さん)、「塗料に亜麻仁油が入っていて、処分するにも処理が必要で気を使いました。最後にプレートを貼って、完成したものを並べて見たとき、素晴らしいものができたと自分でも感動しました」(澤木さん)、「先生や工房の方々に指導してもらいましたが完成して嬉しいです。人の手に渡るものなので、技術もそうですが精神的にも大変でした」(浅谷さん)、「表のプレートですが、指紋で汚さないように気を使いました。プレートの文字を作ってもらうため、初めてデジファブ工房へ行きました。自分の作品を作るわけじゃなく、誰かの手もとに行く作品を作るとなると失敗できないなと思い、緊張しながら作業しました」(神谷さん)と、学生らは口を揃え、自分の作品を作る以上に丁寧に仕上げたといいます。  メタル&ジュエリーデザインコースの米山和子教授からは、「本来、彫金師は施主の注文をまとめる仕事をしていました。刀であれば、刀身はどうするか、鍔の模様、柄の素材や巻き方、鞘の種類など、施主の注文を取りまとめ、それぞれの職人に伝え、最終的に仕上げるアートディレクションの役割です。同じような感覚で今回のトロフィー作りを体験することになり、学生たちにとっても非常に有意義な経験となったと思います」とコメントしました。  できあがったトロフィーと盾が大会実行委員長の平松氏に手渡されると「想像していた以上の出来映えで驚きました。すごく良いものを作っていただき感激です。ぜひ、表彰式で説明したいので学生の皆さんも登壇して欲しい」と言葉があり、当日、学生らもステージにあがりました。  表彰式で、トロフィーがテレビ塔の鋼材を使って制作されていることが説明されると、テレビ塔が重要文化財に指定されることもあり、会場からは羨む声があがっていました。 右から、3年 池ヶ谷幸奈さん、2年 澤木亮壮さん、浅谷栞那さん、神谷未来さん  カーデザインコース 片岡祐司 教授、高次信也 教授も当日のイベントに来場(高次教授は愛車のシトロエン GS 1977年モデルでコンクール・デレガンスに参加)。穏やかな秋の1日、華々しいイベントを学生とともに楽しみました。今後の発展も楽しみなイベントとなりました。