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2024.2.29

株式会社ファーストとデジタルサイネージの新たな用途開発、卒業制作展でプロトタイプを展示

株式会社ファーストとデジタルサイネージの新たな用途開発、卒業制作展でプロトタイプを展示  株式会社ファースト様との連携で進められている新しいデジタルサイネージの用途・形のアイデアを創出するプロジェクト、2023年度前期ではインダストリアル&セラミックデザインコース、カーデザインコースの4年生、大学院デザイン研究科の1年生が参加し、新しいデザイン案を提案しました(プレゼンテーションの様子は)。  プロジェクトの後期では、インダストリアル&セラミックコースの2、3年生13名の有志がスケールモデルを制作、それをもとに株式会社ファースト様にてプロトタイプを製作、卒業制作展で披露することとなりました。  当初の予定では、前期のデザイン案をスケールモデル化しようと想定していましたが、実際にプロトタイプまで製作することを考慮して実現可能性の高いデザインに落とし込み、サイネージの外観部分のデザインを考案しました。学生らしい自由なアイデアがあふれるユニークなものとなりました。 こちら  モデルの制作にあたり、設置される場所と表示されるコンテンツを想定し周辺に馴染むようなデザインを再検討。ID/CDコース所有の3Dプリンターやレーザーカッターを活用してスケールモデルを制作し、できあがったモデルをファースト様にプレゼンテーション。6つのデザイン案を実際にプロトタイプとして製作していただきました。  デザイン案は、モニターの存在をぼかすことを目的としたフレームを感じさせないデザイン、商品のディスプレイとしても使える家具のようなデザイン、柔らかな素材と組み合わせたソファーのようなデザイン、基本となるベーシックなディスプレイに着せ替えパネルを組み合わせて使える和風組子パネル、マンガの集中線がユーモラスな漫画パネル、柔らかな人工観葉植物を使った葉っぱパネル、と3つの案と着せ替えパネル3つの6種類。製作されたサイネージは、実際に卒業制作展の案内に使用しています。  指導したデザイン領域 後藤規文教授は「今回、サイネージの枠を意識させないようなアイデアが中心となりました。周辺の環境に馴染むように、透かしにしたり植物を取り入れたり、サイネージの存在を軽くするようなアイデアです。広告が中心となるサイネージでは、通常では採用できない、どちらかというと目立たせなくするようなアイデアです。それでも環境にマッチするという視点で提案ができ、すごく面白いものができたのではないかと思います」と手応えを感じている様子でした。新しいアイデアの提案という難しい課題に対し、学生らしいユニークで価値のある提案となりました。

2024.2.27

古川美術館プロジェクト2024「メイゲイのコウゲイ」を開催

古川美術館プロジェクト2024「メイゲイのコウゲイ」を開催  美術領域 工芸コース(陶芸・ガラス)、デザイン領域テキスタイルデザインコース、メタル&ジュエリーコース(2024年度1年次入学生から工芸コースへ移行)と古川美術館・分館爲三郎記念館とのコラボレーション企画、古川美術館プロジェクト2024 「メイゲイのコウゲイ」を2024年2月6日(火)~18日(日)に開催しました。2月5日の休館日、完成した作品を爲三郎記念館へ運び込み設営しました。生憎の天候となり、庭に展示する作品は冷たい雨に濡れながら、また、自然光が少なく晴れた日の光を想像しながらという難しい状況での作業となりました。 「古川美術館プロジェクト2024 メイゲイのコウゲイ」制作プランのプレゼンテーション 「古川美術館プロジェクト2024 メイゲイのコウゲイ」最終発表会を実施 古川美術館プロジェクト2024「メイゲイのコウゲイ」を開催 古川美術館と「連携・協力に関する協定」を締結  作業の前に古川美術館 学芸員の早川祥子さんから、まず事故がないように、お客さんは料金を支払って見に来てくださるわけなので、妥協しないで最後まで粘って価値のある展示になるように、また、早く設営が終わった人はまだ終わっていないところを手伝うように、と指示があり設営が始まりました。大きな陶芸作品は運ぶだけでも一苦労、雨を恨めしく思いながらもひたむきに作業します。これまでの報告会で作品ごとに展示場所は決まっているものの、実際に置いてみないことにはわかりません。ことにインスタレーション的に空間を意識する作品は、その場で制作する部分もあり午前中は作品を置く作業に費やされました。4名の美術館スタッフは前回の展示を片付けつつ学生の展示をお手伝い下さり、相談に乗って置き方を考えたり台座を用意したりしていただきました。判断の速さと手際の良さに敬服です。実際に作品を置いてみると想定とは異なり、芳しくないと判断することもあります。自分の作品とのマッチングに納得できず設置場所を変更することもあり、グループで展示することの難しさを感じさせる一幕もありました。  午後には概ね置き場所が決まり、ライトを設置します。限られたライトの数で効果的に作品を照らすよう検討します。雨のため自然光が少なく、晴れの日を想定しながらの設置です。お客さんの動線からの見え方など、じっくりと検証しました。キャプションボードの場所も、建物に釘を打つことができないため設置場所が制約され、他の作品の邪魔にならないか、お客さんにとって読みやすい位置であるかなどを検討し、慎重に設置します。こうして検討を繰り返すことがあらためて学生それぞれ自身の作品に向き会うことになり、展示することで得られる非常に貴重な体験といえます。  設営を終え、早川さんからは「今日、展示を終えて皆さんほっとしたかと思いますが、明日からが展覧会の本番です。お客さんがどういうふうに展示を見てくれるのかというのも含めて、自分の今後の制作にどう生かしていくか皆さん次第です。今回の展覧会は自分の展示したものだけでなくほかの人の展示があって成り立っているものなので、それも含めどう見えるか、ぜひ丁寧に作品を見て欲しいと思います。自分がこの展覧会を受けてどう発展していくか、必ず一度は足を運んで下さい」と言葉をいただきました。  教員からは「実際に搬入してみると、いろいろ上手くいかないことがあり問題が生じることがあります。そうしたことが起こることも十分考慮しておかなければいけないし、どう自分を切り替えて対応するか、そうしたことがその人の持つ力になっていくのだと思います」(中田ナオト准教授)。「明日から展覧会が始まりますが、その間に何か起こることもあります。作品を見ていただくときにお客さんが当たってしまったりすることもあります。展覧会の間は作品のことを気にして、何かあったときにはすぐ対応できるよう心づもりをしておいて下さい。終わって片付けるところまでが展覧会です、最後まで頑張りましょう」(米山和子教授)。「こうした数寄屋造りの建物に展示させてもらえることを幸せに思って欲しいなと思います。私自身、皆さんのことを羨ましく思います。今日は雨ですが、晴れた日には自然光でぜんぜん違った感じに作品が見えると思います。日本建築で展示できることの良さですので、ぜひまた違った天気の日に来て作品を鑑賞し、今後の作品に生かして欲しいと思います」(扇千花教授)というコメントをいただきました。  は、2024年2月6日(火)~18日(日)、爲三郎記念館にて開催となります。ぜひ、ご高覧ください。 「古川美術館プロジェクト2024 メイゲイのコウゲイ」

2024.2.8

ヴィジュアルデザインコース 名古屋の魅力を発信する「ナゴヤ展」、円頓寺商店街、四間道界隈の魅力を再発見

ヴィジュアルデザインコース 名古屋の魅力を発信する「ナゴヤ展」、円頓寺商店街、四間道界隈の魅力を再発見  ヴィジュアルデザインコース3年生が例年取り組んでいる展示「ナゴヤ展」を、2024年1月29日(月)~2月4日(日)、名古屋市西区那古野 円頓寺商店街のワイナリー・コモンにて開催しました。  「ナゴヤ展」は、名古屋の街でフィールドワークを行い街の魅力を発見しデザインを通して伝える展覧会で、デザインの社会的な役割や重要性を学ぶ実践的な取り組みです。これまでのナゴヤ展では名古屋城や長者町、広く尾張地域そのものを対象とするなど、名古屋や尾張の歴史、文化、産業など、さまざまなものごとをデザインしその魅力を発信してきました。今年度は、名古屋の歴史が色濃く残る「那古野」地域が舞台。近年、リノベーションが進み注目を集める円頓寺商店街や四間道、護岸の整備が進む堀川などが含まれます。調査には地域の人にもご協力をいただき、足を運び聞いて話して考えを深め、作品を制作します。その成果が一堂に披露され、見応えのある展示となっています。  最終日の2月4日、ナゴヤ展を担当する則武輝彦准教授、ヴィジュアルデザインコース 中村直永准教授に加え、ナゴヤ展に長くかかわっていただいている株式会社クーグート 代表取締役 髙橋佳介氏、堀川の調査についてお世話になったナゴヤSUP推進協議会 事務局長 井村美里氏をお招きし、賑やかに講評会を行いました。プロダクト的な作品が中心となる例年にくらべ、街や裏路地の魅力を伝えるスケッチや写真、感じたことを伝えるマンガや書籍、実際に使うことができる食べ歩きの包装紙やパッケージ、Tシャツや提灯といったグッズ、レトロについての考察などなど、バラエティ豊かな展示となりました。  これまでは、まちづくりの企画案を考えることに重きを置いたプレゼンテーションでしたが、今年はストレートに発見した魅力を伝えることが重要視され、学生も楽しみながら制作したことが伝わってきます。  プレゼンテーションは、ひとり3分の持ち時間で説明を行い、参加者が質問し講評する型式で進められました。制作の初期から見ていただいている高橋さんは中間プレゼンから良くなったポイントを確認し、対象をさらに広げるようなコメントや実際にプロダクトにするまでのことなど、今後の展開についてのアドバイスをたくさんいただきました。井村さんは、堀川についての作品を楽しげに見守り、高く評価していただいたことも印象的でした。  学生たちにとってレトロな看板や街並みが印象深かったようで、教員が感じるレトロ感と学生の年齢で感じるレトロ感のギャップなど、掘り下げてみたくなるテーマの発見もありました。円頓寺商店街の近くに住んでいたり、若い頃に円頓寺へ行っていたという祖父、祖母に話を聞いて制作された作品では、家族と街の歴史を思わせデザインという枠組み以上の広がりと深みを感じさせました。  全体の講評として中村准教授は「このプロジェクトは、ふだんの課題以上にグラフィックデザインの力やデザインの本質的な考え方を求められる課題で、苦労したのではないかと思います。自分が興味を持ったことを見つけてそれを作品にする、その準備運動というか練習として非常に良かったと思います。学んだことはもちろん、逆にできなかった部分を糧にしていって欲しいと思います」とコメントしました。  則武准教授からは「半年という限られた時間で町の人とコミュニケーションを取るというのは、皆も大変だった部分もあると思います。それでも、レトロ感の面白さだとか、裏路地の魅力だったり堀川だったり、いろいろな魅力の方向性が浮かび上がってきたのではないかと感じています。おじいちゃん、おばあちゃん世代とのつながりから懐かしさや温かさも感じました。学外で展示するということは、社会を意識することだと思います。人とのつながりもそうですし、歴史の積み重ねもそうです。今いる場所の座標軸があり今という時間の軸があってその中に自分がいるという視点を、街を調べたりする中で持てるようになればと思います」とまとめ、今年のナゴヤ展は終了となりました ナゴヤ展 ホームページ 四間道備忘録 ナゴヤ今昔物語 MACHI ARUKI SHARE ナゴヤ地蔵プロジェクト まちもじ 豆味噌の知られざる魅力 円頓寺レトロ Point of view 守って!ホリカワン 古き良き調和 那古野の建築と室外機 キヨちゃんは、ぼーっと歩く。 円頓寺食べ歩き日記 Konseki ほおずき 日常の欠片 生活感と猥雑さ 路地裏痕跡手帖 Why do I feel nostalgic? あいちモーニング日記 堀川観察 円頓寺商店街と家族の歴史 宗春から読み解くナゴヤジン 堀葉 堀川逆行記 円頓寺商店街と廃線 円頓寺 名古屋最古の歴史と廃線 名古屋の特色−民謡から知る−

2023.12.12

メタル&ジュエリーデザインコース、七宝焼アートヴィレッジにて作品展示、ふるさと納税返礼品をめざす

メタル&ジュエリーデザインコース、七宝焼アートヴィレッジにて作品展示、ふるさと納税返礼品をめざす  デザイン領域メタル&ジュエリーデザインコース(2024年度1年次入学生から美術領域工芸コースへ移行)は、あま市七宝焼アートヴィレッジとコラボレーションし、伝統ある尾張七宝を使った新商品の開発を行い、尾張七宝の魅力を広く伝える取り組みを行っています。今年度のプロジェクトは2つ、「世界に認められた尾張七宝に再び輝きを」ということで学生が中心となり、七宝焼アートヴィレッジ常設展示の名品をモチーフとしたデザインを帯留めに落とし込み、ふるさと納税返礼品として商品化を目指すプロジェクト。さらに有志の学生とジュエリーデザイナー、作家として活動する卒業生らによる七宝の可能性をさらに広げる実験的な取り組み「尾張らない七宝プロジェクト」を立ち上げ、作品を制作しました。これらの作品を七宝焼アートヴィレッジの「第41回尾張七宝新作展」(2023年11月23日~26日)に併せて展示、最終日の2023年11月26日(日)には、安藤七宝店 安藤重幸氏、だいきち七宝工房 太田吉亮氏、加藤七宝製作所 加藤芳朗氏、インテリア七宝アート 加藤実氏をお迎えし、作品の講評会と商品化する作品の選定を行いました。  学生は、作品とともに作品のモチーフとした七宝の名品、さらに新しいデザインに込めた考えや思いなどを説明しました。基になった名品は七宝焼アートヴィレッジの常設展にある作品で、いずれも名品にふさわしい技巧の凝らされたもの。それらから発想し、デザインの一部を切り取ったもの、色味を揃えたもの、描かれているモチーフからさらにイメージを広げたものなど、それぞれに個性的な作品に落とし込みました。講評としては、七宝の技術的な面からのアドバイスと、商品として見た場合のアドバイス、2つの方向性からご意見をいただきました。初めて七宝にチャレンジした学生や制作2~3作目といった経験の少ない学生が大半で、それぞれが銀線を立てる(有線七宝の技法でテープ状の純銀の線を立て図案の輪郭とします)のに苦労したり、思ったような色味が出ずにいましたが、丁寧な作りをお褒めいただくこともあり大きな励みになりました。どの作品からも一心に取り組んだことが伝わり、学生らも制作することでさらに七宝の魅力に触れたのでは、と感じさせます。また、商品として見たときには、値段を付けたい!やすぐにでも店頭に並べたいと、いった言葉も聞かれ、これも嬉しい評価をいただきました。  「尾張らない七宝プロジェクト」では初めて七宝に取り組んだ2年生3名がプレゼンテーションを行い作品を説明しました。愛犬を現代アートふうに表現したもの、ツタンカーメンをモチーフにしたものなど、自由でユニークな作品が紹介されました。これまでの七宝焼にはないデザインを評価していただき、ぜひ、七宝も表現手段のひとつとして引き続きやっていって欲しいと講評をいただきました。  総評として、「非常に完成度の高い作品が多くありました。どこへ出してもおかしくないと感じます。ただ、ふるさと納税の返礼品となると作りやすさも考慮する必要があり、どれを選べばいいかじっくり考えたいと思います」(太田氏)、「返礼品としてどのデザインでも魅力のあるものになると思います。数を作るとなると、型に合うデザインとコストが重要です。トータルで考えて考えたいと思います。デザイン自体はどれも良くて、商品化することに問題ないです」(加藤実氏)、「クオリティと発想力に驚きました。初めて七宝で作品を作ったという方もいる中で、これだけのものが出てきたというのは期待以上です。こういった社会連携の取り組みは卒業後も役に立つことです。積極性をもって取り組んでいって欲しい、ぜひ頑張って下さい」(加藤芳朗氏)、「商品となると収益性が必要で、自分の創りたいものを創るということとは異なってきます。そこが今回勉強になる部分ではないかと思います。現状、七宝業界は厳しい状況におかれており、自分たちの常識だけでは打破できない部分がたくさんあります。いろんな人たちからアイデアをもらいながらやっていくことが必要で、今回、いろいろな意見をもらえたことは非常にありがたかったです。皆さんの努力を何らかのカタチにしたいと思っております」(安藤氏)、と言葉をいただきました。  講評会終了後、選考が行われ、返礼品の花瓶に3年生 鈴木歌乃さん「輪転」のデザインが、ブローチに3年 浅谷栞那さん「酔芙蓉」が選ばれました。おめでとうございます。今後、ブラッシュアップされ商品化されることとなります。  また、今回展示された作品は、1月中旬 名古屋栄の安藤七宝店本店新店舗にて展示していただくことになります。こちらもお楽しみに。 酔芙蓉 鯉と牡丹 幸福の花 夢の色 菊文様・螺旋 龍と唐草 輪転 心に秘めた愛 藤と鳩 香立 竹と雀 愛犬 蛙 君影草 波 ドクダミ 無題 pivoine papillon 顔 木目花瓶 Windows つらつら椿 群蝶 名古屋コーチン 蜥蜴 Dear James, moss 金魚皿 初

2023.11.10

先端メディア表現コース 特別客員教授 anno labによる「あのラボのいろいろ展」を開催

先端メディア表現コース 特別客員教授 anno labによる「あのラボのいろいろ展」を開催  Art & Design Center West / Eastにて、2023年10月28日(土)~11月13日(月)、先端メディア表現コース特別客員教授 anno lab(あのラボ)(藤岡定、井原正裕、岩谷成晃、うさみたけし、遠藤舜、金スルギ、須藤史貴、田中喜作、長野櫻子、西村元晴、船津文弥、村上ヒロシナンテ、吉田めぐみ)による企画展「あのラボのいろいろ展」を開催しました。  anno labは、福岡を拠点に活動するクリエイティブ・ラボで、学術研究員、アニメーション作家、ゲーム開発者、広告代理店勤務、映像ディレクター等の経歴を持つメンバーが集まるクリエイター集団。それぞれの専門を生かしながらさまざまな領域を横断して作品を制作、美術館や科学館、芸術祭などで発表する作品、広告や舞台演出などの商業的な分野でも活躍しています。  今回の展示は、福岡県外での初めての個展となり、これまでのanno labの活動を紹介し、作品を体験できる内容となっています。  設営を終えた2023年10月27日夕方に内覧会が行われ、先端メディア表現コースの学生を中心に一足先に展示を見学、続いてコロナ禍を経て4年ぶりとなったレセプションパーティーが開かれました。  Art & Design Center Westでは、いつもの展示方法をガラリと変え、新たな壁を設けて通路を設置、動線を作った展示となっています。いたるところに作品が所狭しと並べられ、いちばん奥に当たる部屋にArt & Design Center Westの1/10のミニチュアを設置、そこで初めて展示についての説明があります。まずは作品に触れることが優先され、意味や鑑賞のしかたを考えながら体験する仕組みのようです。  今回の展示について、メディアデザインコースの卒業生でプロジェクトマネージャーを務める吉田めぐみさんに伺いました。  「この展示は、完成したものを受け取るというのではなく、一見あまり深い意味がなさそうなものや、なんだかよくわからないけど触ってみたくなるものを置いてみて、見る人それぞれに触ってもらおうと考えて作っています。特にギャラリーでの展示となると鑑賞という受身のスタイルになりがちですが、私たちはお客さんとキャッチボールできるような作品を考えています。  2023年6月に特別講義を「日常のとなり」というテーマで実施して、anno labの活動を話しながら、日常の中にちょっとしたクリエイティブを取り入れることで楽しくなる話をしました。そこで募集した有志の学生や、講義を聴講していた卒業生も展示に参加してくれています。  anno labの作品も学生の作品も先入観なく体験して楽しんでもらって、展示の後半に作品の説明がわかるようにしました。  作品によってはケーブルも出したまま、雑然として未完成のように見えるものもありますが、それは今まさにanno labメンバーが創っているような感覚を抱いて欲しいと、あのラボの空間をなるべく持ってきました。作品のコンセプトがしっかりしていれば、雑然としたアウトプットでもいいと受けとめてもらえたらいいですね。」と、なにより作品を楽しんで欲しいとのことでした。また、Westの展示を見て面白いと感じたならば、ぜひ東キャンパスの展示も楽しんで欲しいとのコメントもありました。  4年ぶりに開かれたレセプションパーティーは、あのラボのメンバーとさまざまな領域の学生が参加し交流を楽しみました。作品について質問する学生の姿も見られ、盛況なパーティーとなりました。

2023.11.1

スペースデザインコース、(株)パームホルツとコラボ「あいちモノづくりエキスポ 2023」で家具を提案、展示

スペースデザインコース、(株)パームホルツとコラボ「あいちモノづくりエキスポ 2023」で家具を提案、展示  2023年10月5日(木)、6日(金)の2日間、愛知県国際展示場 AICHI SKY EXPOで開催されたに、株式会社パームホルツ様とスペースデザインコースがコラボレーションし、自由に組み合わせて使う家具を提案、試作品とモデルを展示しました。 「あいちモノづくりエキスポ 2023」  (株)パームホルツは、産業廃棄物として捨てられているオイルを採取したあとのパーム樹幹を材木の代わりとして再利用する事業を進める企業です。素材としてしてのOPT(オイルパーム樹幹)の魅力を広く知ってもらうためスペースデザインコースとコラボレーションし、2018年から活用法について取り組んでいます。そして来年度マレーシアに工場を建設、本格的にOPTの生産を開始するにあたり、今回のあいちモノづくりエキスポ 2023への出展となりました。  取り組みの当初スペースデザインコースでは広くOPTを知ってもらうため、公共のスペースに置くことのできるベンチなどストリートファニチャーを提案してきましたが、今回は部屋に置ける家具「Ka-Na-Fu -個性を楽しむ家具-」(多田陽菜さん、高野萌さん、伊藤大翔さん、平田賢さん、望月梨帆さん、山田愛美さん)の提案となりました。Ka-Na-Fuは、古語のかなふ(叶ふ)を意味し、思い通りになることを表現しています。それ自体を複数組み合わせ好きな形にしたり、オプションの小さな箱や仕切りを加え自由に使うことができます。ブースではKa-Na-Fuの試作品を中心に、これまでの取り組みとして2018年からのコンセプトと提案、モデルもあわせて展示してしました。さらに今回、(株)パームホルツの展示ブース全体も学生がデザインを行いました。 2018 おいしい家具はじめました -香りを楽しむ家具- 2019 Partition Furniture -空間を楽しむ家具- 2020 Sink Chair -動きを楽しむ家具- 2021 Sound Bench -音楽を楽しむ家具- 2022 Reversible Chair -色を楽しむ家具- 2023 Ka-Na-Fu -個性を楽しむ家具-  取り組みの背景を、担当する西岡毅 講師に伺いました。  「パーム材の魅力を知ってもらうためいちばん興味を持ってもらうのはどんなものだろうと考えたとき、ストリートにあるものよりもむしろ身近なものではと、これまでとは異なった考えで進めてみました。自分の好きなものを置いてみたり自由にカスタマイズしたりして使うことで、愛着が湧き素材の魅力を感じるような家具です。ストリートファニチャーの場合、学生たちの提案がどうしてもベンチなど単純な形になってしまいがちで、これまでで良いアイデアがかなり出てしまっていることもあります。工場を作られるということで、今後、実際に生産してく流れを考え、そうしたことにも対応したしっかりしたものを提案したいと考えました。プロダクトとしてアイデアが世に出るまでどんなに短くても2〜5年ほどかかってしまうこともあります。これまでの提案を含めて展示し、実物としては今年の作品を展示、今後の実用化につなげていければと思います」。  (株)パームホルツ 福山昌男 取締役は、「まだ確定していない部分がありますが、来春にはマレーシアで生産を行い、拡大していく計画です。その中で大学の先生、学生の皆さんの作品でより具体的に素材をPRしたいと思います。マレーシアでは家具の生産が拡大、輸出も増加しています。日本の技術を使いマレーシアの材料を使って作り、いずれは世界中で販売する。10年ほどかかるかもしれませんがそんな計画を立てています。長い目で見て、大きな可能性を秘めていると思っています」と抱負を語りました。  今後、2023年12月に東京ビッグサイトで行われる「先端材料技術展2023」に出展予定、さらに試作品を増やしての展示を予定しているとのことです。

2023.10.18

先端メディア表現コース 名古屋市科学館「メディアデザインの力で“科学の魅力”を再発見!」で作品展示

先端メディア表現コース 名古屋市科学館「メディアデザインの力で“科学の魅力"を再発見!」で作品展示  先端メディア表現コースは名古屋市科学館とコラボレーション、ナディアパークの協力で「メディアデザインの力で"科学の魅力"を再発見!」と題し、2023年9月30日(土)、10月1日(日)の2日間、学生が制作したメディアデザイン作品を名古屋市科学館 生命館地下2階 サイエンスホールにて展示、作品の一部が、2023年10月10日(火)~15日(日)まで、ナディアパーク2階 アトリウムでも展示されました。  このイベントは、作品を通して来場者に科学の魅力を再発見してもらおうというもの。PCを使ったプログラミングの作品、立体パズルやカードゲームなどの立体作品、音を使ったインタラクティブな作品、進化や科学の不思議を扱った映像作品など、さまざまな作品が展示され、来場者は実際に動かして遊ぶことができます。  名古屋市科学館からは、科学館にある展示品をメディアデザインの力でより興味を持ってもらえるように、子どもたちの興味を惹くようにしてもらいたい、というオーダーがあり、事前に学芸員の方に科学館の展示について講義していただきました。講義を参考に学生らも科学館を訪れ展示を確認して作品を構想、それぞれに興味のある展示のエッセンスを作品に落とし込みました。  名古屋市科学館での展示日は、工作・実験を通じて科学を学ぶ「青少年のための科学の祭典2023・名古屋大会」も開催され入館料が無料ということもあり、多くの子どもたちで賑わいました。来場者に作品を説明したり遊んでもらうなど実際にコミュニケーションすることも学生たちにとっては初めてのことです。笑顔で子どもたちに対応する学生の姿が印象的でした。 先端メディア表現コース 加藤良将 講師  このような機会をいただいて感謝しています。先端メディア表現コースの学生にとってこうした場での展示は初めてのことで、とても良い経験となりました。理系の学生もけっこういますので、テーマに興味を持って取り組めたと思います。多種多様な作品になっていて、とても面白い展示になったのではないでしょうか。映像が得意な学生、アニメーション、化石……、それぞれに自分の好きなテーマと自分の表現、伝えたい科学をミックスして作品を作っています。事前の講義や科学館をリサーチした上で作っているので、より深められたのではと思います。 会場:名古屋市科学館 海に生きた骨たち 3年 平松咲希さん 「海の恐竜、正確には海生爬虫類といいますが、それをテーマにしたパズルを組み立て、完成したパズルをカメラで読み取るとその恐竜の説明が表示されるという作品を作りました。説明に加え、どれくらいの大きさだったのか人間の大きさと比較できるアクリルスタンドも制作しました。科学館の2階の化石の展示が好きで、化石と恐竜の骨で作品を作りたいと真っ先に浮かびました。私の推しは、モササウルス。1番カッコイイと思います(笑)」  会場では、明かりの具合からか画像認識が上手くいかずひやっとする場面もありました。調整を繰り返して動作するようになるとほっとした様子で、実際に展示することの難しさを感じさせました。 ペンデュラムアートをやってみよう 3年 木下朋香さん 「ペンデュラムアートという振り子を使った美術を体験してもらおうというワークショップです。実際にやってみて、できた作品を家に持ち帰ることができたら楽しいなと考えました。普通の絵の具だと乾きが遅いので、早く乾くいて持ち帰ることができるようにインクに揮発性の高いアルコールを混ぜ工夫しました。キャンバスも素材をいろいろと試行錯誤して選びました」  混ぜて好きな色が作れるよう複数のカラフルなインクを用意したりと、汚さないように養生したり、大掛かりなものとなりました。ワークショップの人数が限られるため、家で同じようにペンデュラムアートを再現できるマニュアルをパンフレットにするなど細やかな配慮もあり、楽しい作品となりました。 会場:ナディアパーク

2023.10.16

COPPA CENTRO GIAPPONE 2023にて大会ポスター・カーデザインコース ポートフォリオを展示

COPPA CENTRO GIAPPONE 2023にて大会ポスター・カーデザインコース ポートフォリオを展示  2023年10月9日(月)、名古屋市で開催された自動車のイベント、(コッパ・チェントロ・ジャポネ)にヴィジュアルデザインコース、カーデザインコースが参加、ポスターとポートフォリオを展示しました。  COPPA CENTRO GIAPPONEは、久屋大通公園でのクラシックカーの展示 Concorso d'Eleganza(コンクール・デレガンス)を中心とする、全国でも珍しい都市型のクラシックカーのイベント。今年の展示は、名古屋の姉妹都市であり同じく自動車産業が盛んなイタリア トリノで生まれたクルマ、今年100周年を迎えたル・マン24時間レース、そして現代のエコカーにも通じる最小限の機能に絞った小さなクルマ、と3つのテーマでクルマが集められました。さらに、名古屋中心部をめぐるパレードラン、オアシス21では学生ブースが集められ学生が製作したフォーミュラカーや電動カートの体験、展示と、クルマ一色の盛りだくさんのイベントです。 COPPA CENTRO GIAPPONE 2023  このイベントのポスターをヴィジュアルデザインコースの学生が制作したことはですが、これらの作品がオアシス21に飾られました。また同じ場所で、カーデザインコース4年生のポートフォリオも展示。イベントに花を添えました。  大会ポスターは、最優秀賞の黒木里帆さんの作品のほか、入賞の池田琴葉さん、真田遥佳さんの作品も展示。当日は、黒木里帆さんもご家族と一緒に見学に訪れイベントを楽しみました。  ポスターの展示にあわせ、カーデザインコースでは4年生 小野田亘佑さん、佐々木貴啓さん、長友玲人さん、松下滉輝さんのポートフォリオを展示、ボランティアとして7名の学生がイベントに参加しました。COPPA CENTRO GIAPPONEは、参加者に自動車関連企業に携わる方も多く、展示されたポートフォリオの頁を熱心にめくる方も見受けられました。 また、久屋大通公園でのクルマの展示に、デザイン領域 助手 後藤晃世さんのご家族が所有するホンダ シティ カブリオレ(ソフトトップとフルオープンボディをピニンファリーナ社が担当、トリノ関連のクルマとして)を出展、彩りを添えました。  ボランティアの学生らも交代で展示車両を見学、秋の日を大いに楽しみました。

2023.10.11

SDGs AICHI EXPO 2023で、佐久島SDGsプロジェクト計画「海のごみ 島だから見えるコト! わかるコト!!」作品展示

SDGs AICHI EXPO 2023で、佐久島SDGsプロジェクト計画「海のごみ 島だから見えるコト! わかるコト!!」作品展示  2023年10月5日(木)~7日(土)の3日間、愛知県国際展示場 AICHI SKY EXPOで開催されたで、佐久島SDGsプロジェクト計画「海のごみ 島だから見えるコト! わかるコト!!」で学生が制作した作品を展示しました。このプロジェクトは、美術領域コミュニケーションアートコースが中心となり、佐久島の環境を脅かす「漂着ごみ」の存在を広く一般に周知し、抑制につなげるためのアート作品を制作するというもの。アート作品を通して、佐久島の環境と問題について広く知ってもらおうというプロジェクトです。5月の佐久島視察に始まり、9月に最終のプレゼンテーション、さらにブラッシュアップして今回の展示となりました。 「SDGs AICHI EXPO 2023」  今回の展示は西尾市が主体で、会場の中の自治体エリアでの展示となり、限られたスペースのためすべての作品を展示することができません。プロジェクトを運営する西尾市 佐久島振興課 三矢由紀子さん、東海テレビプロダクション クリエイティブセンター ディレクター 中山篤史さんのお二人に作品をセレクトしていただき、設営もお任せする運びとなりました。自治体エリアの他の展示は地域の特産品が多く、アート作品を展示する佐久島ブースは一味違うユニークな存在となりました。  作品の選択について伺うと、「今回、発表の場所がイベント会場ということもあり観光客も多く来場されます。そんな中、美術館に置いてあるようなものよりも、親しみやすさや入り込みやすさということを考えました。そこで、まず触ることのできる作品『はぐくみくん』(美術総合コース 2年 宮池莉菜さん作)を前面に置き、お客さんにも『どうぞ触って下さい』と声をかけています。触っている間にごみの話をし、特にごみ自体は悪くないというコンセプトを伝え、他の作品へ誘導する、そんな流れの展示にしました。難しいデータを見せなくても、なにか感じるものを伝えることができる、アートの力を感じています」(中山さん)。  「アート作品として単純にかわいい、きれいがあり、その裏にはこうした環境に対するテーマがありますと説明しています。佐久島の問題について、まず知ってもらうことが大切だと思います。これまで佐久島での活動は、人員が足りなくてボランティア活動というか、外部の人に来ていただいてやってきました。それをこうした機会にアピールして上手く広げられればと思います。来ていただいた方がまた来たいと思えるような、今度は私たちがこれまで来ていただいた方たちに恩返しというか、おもてなしをしていけたらと思っています」(三矢さん)、と展示に手応えを感じているようで安心しました。  取材当日は、平日ということもあり出展の関係者が多くいらっしゃいましたが、しっかりと作品の背景まで見て説明を受けるお客さまが多く見られました。企業の方、環境省の方にもしっかり作品を見てもらい、取り組んだ甲斐があったとの声も聞かれました。町おこし的な出展が多い中、ごみ問題という社会問題を扱う出展は、SDGsの考えに即したものであり意義深いものなりました。  今後、作品は、2023年10月14日(土)に田原市で行われる「三河湾大感謝祭」、2023年11月18日(土)、19日(日)に東京で開催される全国の島々が集まる祭典、2023年11月23日(木)~12月10日(日)、佐久島へ渡る船乗り場近くの「佐久島ナビステーション(さくナビ)」にて展示されます 「アイランダー2023」

2023.10.1

石塚硝子とガラス・やきものをめぐる展覧会

石塚硝子とガラス・やきものをめぐる展覧会  2023年9月22(金)〜27日(水)、本学西キャンパス Art&DesignCenter Westにて「石塚硝子とガラス・やきものをめぐる展覧会」を開催しました。この展覧会は、2023年度前期授業にて工芸コースに所属する学生、大学院生が取り組んだの成果展となります。  あわせて会場には、2023年度前期に制作されたガラスの作品も一堂に介して並びました。 「ガラスとセラミック(ボーンチャイナ)を活用した素材の可能性を探る研究プロジェクト」  2023年度前期授業内にて工芸コース3・4年生、大学院生が中心となって取り組んだ、産官学協働プロジェクト「石塚硝子プロジェクト」の成果展を開催いたします。  名古屋芸術大学は、東海地区では唯一のガラス教育を行う教育機関として、ガラス工房開設から23年目を迎えました。工芸コースでは、陶による教育、ガラスによる教育を通して、アート&デザインの視点をもつ豊かな感性を拠り所とし、素材に触れながら世界とつながる方法を教員、学生がともに模索し、これからの社会に貢献・予見できる人材育成に取り組んでいます。  本プロジェクトを行う石塚硝子株式会社(以下、石塚硝子)は、本学が位置する北名古屋市に隣接する岩倉市に工場を持ち、日本では屈指のガラス素材を中心とした容器のメーカーです。さらにはガラス素材に限定されることなく、ガラス製造で培われた知識や技術を軸に他分野にも展開されています。またグループ会社である鳴海製陶株式会社(以下、NARUMI)は、ボーンチャイナを中心とした名高い陶磁器メーカーです。  本プロジェクトは、石塚硝子・NARUMIとともに、若い世代、同時代から発想し得る協働による試みを、新たな関係性を構築しながら未来への提案の可能性を探り、互いが位置するこの地域から産業と教育、社会とアートの両側面によって発信したいとの思いからスタートしました。会場には、「ギフト・おくりもの」をキーワードに、学生が各素材やそれらを取り巻く状況を鑑みながら、作品・商品・素材開発などの観点から制作した作品群が並びます。  また本プロジェクトの成果展に合わせて、2023年度前期に制作された陶・ガラス素材の作品群を一堂に介して展覧いたします。二つの素材をめぐって繰り広げられる表現の可能性をお楽しみください。 名古屋芸術大学 美術領域 工芸コース 准教授 中田ナオト ※'23年度名古屋芸術大学では、一部のガラス作品において石塚硝子株式会社の硝子材料を使用しています。 「石塚硝子プロジェクト」成果展 2023年度前期制作 陶・ガラス素材作品群..........