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2023.11.20

東海テレビとコラボレーション、ふるさとイッチー祭 ステージバックパネルデザインを担当

東海テレビとコラボレーション、ふるさとイッチー祭 ステージバックパネルデザインを担当  本学は東海テレビとコラボレーションし、2023年10月28日(土)、29日(日)に久屋大通公園で開催されたイベント、東海テレビ開局65周年 ふるさとイッチー祭 グルメパークのステージバックパネルデザインを担当、ステージイベントで作品の紹介を行いました。また、舞台芸術領域の学生がステージスタッフとして参加、オンエアされる番組を手伝い、TV局のスタジオで実際に使われているセットの建て込みを見学させていただきました。  バックパネルを制作したのは、イラストレーションコース 工藤詩織さん、林口七恵さん 作品名「food stickers」(共作)、イラストレーションコース 岸崎陽南さん 「食欲誘惑」、コミュニケーションアートコース 石川清菜さん「トラペジスト」、ヴィジュアルデザインコース 大谷みゅうさん「Chefイッチーくん」の5名による4作品。東海テレビのキャラクターであるイッチーくんとイベントのテーマである食べものをモチーフとしたもので、放送で広く公開されるため老若男女問わず誰もが親しめる明るく楽しい作品となっています。  ステージイベントでは、5人がステージに上がり伊藤大悟アナウンサー、イッチーくんと共演、作品について説明をしました。食べものがモチーフとなっているだけに楽しいステージとなり、会場は和やかな雰囲気に包まれました。  午前中にはこのステージを使い、情報番組「スイッチ!」のスペシャル番組が放送され、舞台芸術領域の学生がスタッフとして参加しました。段取りに合わせて出演者が座る椅子を用意したり捌けたりする作業でしたが、お客さんを入れた公開放送本番の緊張感を味わいました。 工藤詩織/林口七恵 food stickers 岸崎陽南 食欲誘惑 石川清菜 トラペジスト 大谷みゅう Chefイッチーくん  ステージが終了した午後は全員で東海テレビのスタジオへ移動、東海テレビ 美術部 水野亮さんの案内でセットの建て込みを見学しました。2つのスタジオを使い、ひとつは平日に放送される「スイッチ!」のセットを常設、もうひとつは番組に合わせて組み替えるとのこと。この日はちょうど翌日のお昼に放送される「タイチサン!」のセットを組んでいるところでした。組み立てる様子に加え、セットをデザインした美術スタッフに直接デザインコンセプトについてお話を伺うなど貴重な機会となりました。完成したセットの中に入り、配置されている小道具やディテールも観察、デザインコンセプトを伺ったあとに見るとクリエイターのこだわりの部分が感じられます。見応えがあり、十分立体作品として鑑賞できる水準にあることがわかります。  また、セットのほか数々の大道具、小道具が収納されている倉庫も見せていただきました。放送で使われるありとあらゆるものが置いてある倉庫は、まるでおもちゃ箱のようでいつまでも見ていて飽きない楽しさがありました。舞台美術コースを志望するという学生からは、スタッフの仕事はいい経験にもなるし背景や倉庫も見られて来て良かったですと笑顔で話し、大いに刺激を受けた様子でした。  ステージスタッフへの参加は2日間にわたり行われ、学生らには大きな経験となりました。バックパネルの制作もステージスタッフへの参加も、学生にとって貴重な機会となり、有意義なコラボレーションとなりました。

2023.11.1

スペースデザインコース、(株)パームホルツとコラボ「あいちモノづくりエキスポ 2023」で家具を提案、展示

スペースデザインコース、(株)パームホルツとコラボ「あいちモノづくりエキスポ 2023」で家具を提案、展示  2023年10月5日(木)、6日(金)の2日間、愛知県国際展示場 AICHI SKY EXPOで開催されたに、株式会社パームホルツ様とスペースデザインコースがコラボレーションし、自由に組み合わせて使う家具を提案、試作品とモデルを展示しました。 「あいちモノづくりエキスポ 2023」  (株)パームホルツは、産業廃棄物として捨てられているオイルを採取したあとのパーム樹幹を材木の代わりとして再利用する事業を進める企業です。素材としてしてのOPT(オイルパーム樹幹)の魅力を広く知ってもらうためスペースデザインコースとコラボレーションし、2018年から活用法について取り組んでいます。そして来年度マレーシアに工場を建設、本格的にOPTの生産を開始するにあたり、今回のあいちモノづくりエキスポ 2023への出展となりました。  取り組みの当初スペースデザインコースでは広くOPTを知ってもらうため、公共のスペースに置くことのできるベンチなどストリートファニチャーを提案してきましたが、今回は部屋に置ける家具「Ka-Na-Fu -個性を楽しむ家具-」(多田陽菜さん、高野萌さん、伊藤大翔さん、平田賢さん、望月梨帆さん、山田愛美さん)の提案となりました。Ka-Na-Fuは、古語のかなふ(叶ふ)を意味し、思い通りになることを表現しています。それ自体を複数組み合わせ好きな形にしたり、オプションの小さな箱や仕切りを加え自由に使うことができます。ブースではKa-Na-Fuの試作品を中心に、これまでの取り組みとして2018年からのコンセプトと提案、モデルもあわせて展示してしました。さらに今回、(株)パームホルツの展示ブース全体も学生がデザインを行いました。 2018 おいしい家具はじめました -香りを楽しむ家具- 2019 Partition Furniture -空間を楽しむ家具- 2020 Sink Chair -動きを楽しむ家具- 2021 Sound Bench -音楽を楽しむ家具- 2022 Reversible Chair -色を楽しむ家具- 2023 Ka-Na-Fu -個性を楽しむ家具-  取り組みの背景を、担当する西岡毅 講師に伺いました。  「パーム材の魅力を知ってもらうためいちばん興味を持ってもらうのはどんなものだろうと考えたとき、ストリートにあるものよりもむしろ身近なものではと、これまでとは異なった考えで進めてみました。自分の好きなものを置いてみたり自由にカスタマイズしたりして使うことで、愛着が湧き素材の魅力を感じるような家具です。ストリートファニチャーの場合、学生たちの提案がどうしてもベンチなど単純な形になってしまいがちで、これまでで良いアイデアがかなり出てしまっていることもあります。工場を作られるということで、今後、実際に生産してく流れを考え、そうしたことにも対応したしっかりしたものを提案したいと考えました。プロダクトとしてアイデアが世に出るまでどんなに短くても2〜5年ほどかかってしまうこともあります。これまでの提案を含めて展示し、実物としては今年の作品を展示、今後の実用化につなげていければと思います」。  (株)パームホルツ 福山昌男 取締役は、「まだ確定していない部分がありますが、来春にはマレーシアで生産を行い、拡大していく計画です。その中で大学の先生、学生の皆さんの作品でより具体的に素材をPRしたいと思います。マレーシアでは家具の生産が拡大、輸出も増加しています。日本の技術を使いマレーシアの材料を使って作り、いずれは世界中で販売する。10年ほどかかるかもしれませんがそんな計画を立てています。長い目で見て、大きな可能性を秘めていると思っています」と抱負を語りました。  今後、2023年12月に東京ビッグサイトで行われる「先端材料技術展2023」に出展予定、さらに試作品を増やしての展示を予定しているとのことです。

2023.10.18

先端メディア表現コース 名古屋市科学館「メディアデザインの力で“科学の魅力”を再発見!」で作品展示

先端メディア表現コース 名古屋市科学館「メディアデザインの力で“科学の魅力"を再発見!」で作品展示  先端メディア表現コースは名古屋市科学館とコラボレーション、ナディアパークの協力で「メディアデザインの力で"科学の魅力"を再発見!」と題し、2023年9月30日(土)、10月1日(日)の2日間、学生が制作したメディアデザイン作品を名古屋市科学館 生命館地下2階 サイエンスホールにて展示、作品の一部が、2023年10月10日(火)~15日(日)まで、ナディアパーク2階 アトリウムでも展示されました。  このイベントは、作品を通して来場者に科学の魅力を再発見してもらおうというもの。PCを使ったプログラミングの作品、立体パズルやカードゲームなどの立体作品、音を使ったインタラクティブな作品、進化や科学の不思議を扱った映像作品など、さまざまな作品が展示され、来場者は実際に動かして遊ぶことができます。  名古屋市科学館からは、科学館にある展示品をメディアデザインの力でより興味を持ってもらえるように、子どもたちの興味を惹くようにしてもらいたい、というオーダーがあり、事前に学芸員の方に科学館の展示について講義していただきました。講義を参考に学生らも科学館を訪れ展示を確認して作品を構想、それぞれに興味のある展示のエッセンスを作品に落とし込みました。  名古屋市科学館での展示日は、工作・実験を通じて科学を学ぶ「青少年のための科学の祭典2023・名古屋大会」も開催され入館料が無料ということもあり、多くの子どもたちで賑わいました。来場者に作品を説明したり遊んでもらうなど実際にコミュニケーションすることも学生たちにとっては初めてのことです。笑顔で子どもたちに対応する学生の姿が印象的でした。 先端メディア表現コース 加藤良将 講師  このような機会をいただいて感謝しています。先端メディア表現コースの学生にとってこうした場での展示は初めてのことで、とても良い経験となりました。理系の学生もけっこういますので、テーマに興味を持って取り組めたと思います。多種多様な作品になっていて、とても面白い展示になったのではないでしょうか。映像が得意な学生、アニメーション、化石……、それぞれに自分の好きなテーマと自分の表現、伝えたい科学をミックスして作品を作っています。事前の講義や科学館をリサーチした上で作っているので、より深められたのではと思います。 会場:名古屋市科学館 海に生きた骨たち 3年 平松咲希さん 「海の恐竜、正確には海生爬虫類といいますが、それをテーマにしたパズルを組み立て、完成したパズルをカメラで読み取るとその恐竜の説明が表示されるという作品を作りました。説明に加え、どれくらいの大きさだったのか人間の大きさと比較できるアクリルスタンドも制作しました。科学館の2階の化石の展示が好きで、化石と恐竜の骨で作品を作りたいと真っ先に浮かびました。私の推しは、モササウルス。1番カッコイイと思います(笑)」  会場では、明かりの具合からか画像認識が上手くいかずひやっとする場面もありました。調整を繰り返して動作するようになるとほっとした様子で、実際に展示することの難しさを感じさせました。 ペンデュラムアートをやってみよう 3年 木下朋香さん 「ペンデュラムアートという振り子を使った美術を体験してもらおうというワークショップです。実際にやってみて、できた作品を家に持ち帰ることができたら楽しいなと考えました。普通の絵の具だと乾きが遅いので、早く乾くいて持ち帰ることができるようにインクに揮発性の高いアルコールを混ぜ工夫しました。キャンバスも素材をいろいろと試行錯誤して選びました」  混ぜて好きな色が作れるよう複数のカラフルなインクを用意したりと、汚さないように養生したり、大掛かりなものとなりました。ワークショップの人数が限られるため、家で同じようにペンデュラムアートを再現できるマニュアルをパンフレットにするなど細やかな配慮もあり、楽しい作品となりました。 会場:ナディアパーク

2023.10.16

COPPA CENTRO GIAPPONE 2023にて大会ポスター・カーデザインコース ポートフォリオを展示

COPPA CENTRO GIAPPONE 2023にて大会ポスター・カーデザインコース ポートフォリオを展示  2023年10月9日(月)、名古屋市で開催された自動車のイベント、(コッパ・チェントロ・ジャポネ)にヴィジュアルデザインコース、カーデザインコースが参加、ポスターとポートフォリオを展示しました。  COPPA CENTRO GIAPPONEは、久屋大通公園でのクラシックカーの展示 Concorso d'Eleganza(コンクール・デレガンス)を中心とする、全国でも珍しい都市型のクラシックカーのイベント。今年の展示は、名古屋の姉妹都市であり同じく自動車産業が盛んなイタリア トリノで生まれたクルマ、今年100周年を迎えたル・マン24時間レース、そして現代のエコカーにも通じる最小限の機能に絞った小さなクルマ、と3つのテーマでクルマが集められました。さらに、名古屋中心部をめぐるパレードラン、オアシス21では学生ブースが集められ学生が製作したフォーミュラカーや電動カートの体験、展示と、クルマ一色の盛りだくさんのイベントです。 COPPA CENTRO GIAPPONE 2023  このイベントのポスターをヴィジュアルデザインコースの学生が制作したことはですが、これらの作品がオアシス21に飾られました。また同じ場所で、カーデザインコース4年生のポートフォリオも展示。イベントに花を添えました。  大会ポスターは、最優秀賞の黒木里帆さんの作品のほか、入賞の池田琴葉さん、真田遥佳さんの作品も展示。当日は、黒木里帆さんもご家族と一緒に見学に訪れイベントを楽しみました。  ポスターの展示にあわせ、カーデザインコースでは4年生 小野田亘佑さん、佐々木貴啓さん、長友玲人さん、松下滉輝さんのポートフォリオを展示、ボランティアとして7名の学生がイベントに参加しました。COPPA CENTRO GIAPPONEは、参加者に自動車関連企業に携わる方も多く、展示されたポートフォリオの頁を熱心にめくる方も見受けられました。 また、久屋大通公園でのクルマの展示に、デザイン領域 助手 後藤晃世さんのご家族が所有するホンダ シティ カブリオレ(ソフトトップとフルオープンボディをピニンファリーナ社が担当、トリノ関連のクルマとして)を出展、彩りを添えました。  ボランティアの学生らも交代で展示車両を見学、秋の日を大いに楽しみました。

2023.10.11

SDGs AICHI EXPO 2023で、佐久島SDGsプロジェクト計画「海のごみ 島だから見えるコト! わかるコト!!」作品展示

SDGs AICHI EXPO 2023で、佐久島SDGsプロジェクト計画「海のごみ 島だから見えるコト! わかるコト!!」作品展示  2023年10月5日(木)~7日(土)の3日間、愛知県国際展示場 AICHI SKY EXPOで開催されたで、佐久島SDGsプロジェクト計画「海のごみ 島だから見えるコト! わかるコト!!」で学生が制作した作品を展示しました。このプロジェクトは、美術領域コミュニケーションアートコースが中心となり、佐久島の環境を脅かす「漂着ごみ」の存在を広く一般に周知し、抑制につなげるためのアート作品を制作するというもの。アート作品を通して、佐久島の環境と問題について広く知ってもらおうというプロジェクトです。5月の佐久島視察に始まり、9月に最終のプレゼンテーション、さらにブラッシュアップして今回の展示となりました。 「SDGs AICHI EXPO 2023」  今回の展示は西尾市が主体で、会場の中の自治体エリアでの展示となり、限られたスペースのためすべての作品を展示することができません。プロジェクトを運営する西尾市 佐久島振興課 三矢由紀子さん、東海テレビプロダクション クリエイティブセンター ディレクター 中山篤史さんのお二人に作品をセレクトしていただき、設営もお任せする運びとなりました。自治体エリアの他の展示は地域の特産品が多く、アート作品を展示する佐久島ブースは一味違うユニークな存在となりました。  作品の選択について伺うと、「今回、発表の場所がイベント会場ということもあり観光客も多く来場されます。そんな中、美術館に置いてあるようなものよりも、親しみやすさや入り込みやすさということを考えました。そこで、まず触ることのできる作品『はぐくみくん』(美術総合コース 2年 宮池莉菜さん作)を前面に置き、お客さんにも『どうぞ触って下さい』と声をかけています。触っている間にごみの話をし、特にごみ自体は悪くないというコンセプトを伝え、他の作品へ誘導する、そんな流れの展示にしました。難しいデータを見せなくても、なにか感じるものを伝えることができる、アートの力を感じています」(中山さん)。  「アート作品として単純にかわいい、きれいがあり、その裏にはこうした環境に対するテーマがありますと説明しています。佐久島の問題について、まず知ってもらうことが大切だと思います。これまで佐久島での活動は、人員が足りなくてボランティア活動というか、外部の人に来ていただいてやってきました。それをこうした機会にアピールして上手く広げられればと思います。来ていただいた方がまた来たいと思えるような、今度は私たちがこれまで来ていただいた方たちに恩返しというか、おもてなしをしていけたらと思っています」(三矢さん)、と展示に手応えを感じているようで安心しました。  取材当日は、平日ということもあり出展の関係者が多くいらっしゃいましたが、しっかりと作品の背景まで見て説明を受けるお客さまが多く見られました。企業の方、環境省の方にもしっかり作品を見てもらい、取り組んだ甲斐があったとの声も聞かれました。町おこし的な出展が多い中、ごみ問題という社会問題を扱う出展は、SDGsの考えに即したものであり意義深いものなりました。  今後、作品は、2023年10月14日(土)に田原市で行われる「三河湾大感謝祭」、2023年11月18日(土)、19日(日)に東京で開催される全国の島々が集まる祭典、2023年11月23日(木)~12月10日(日)、佐久島へ渡る船乗り場近くの「佐久島ナビステーション(さくナビ)」にて展示されます 「アイランダー2023」

2023.10.6

多治見市モザイクタイルミュージアム「モザミュータイルラボ・リレープロジェクト」に参加、タイルの製造現場を見学

多治見モザイクタイルミュージアム「モザミュータイルラボ・リレープロジェクト」に参加、タイルの製造現場を見学 2023年5月18日(製造現場見学・トークセッション) 2023年5月23日(フィールドワーク・製造現場見学)  スペースデザインコースでは、昨年に引き続き、多治見モザイクタイルミュージアム、名城大学 理工学部建築学科との連携企画「モザミュータイルラボ・リレープロジェクト」に参加します。「モザミュータイルラボ・リレープロジェクト」とは、タイルの新たな魅力を模索・展開するため、モザイクタイルミュージアム、タイル産業関係者、大学が連携し、多治見モザイクタイルミュージアム2階の産業振興展示室を刷新していく取り組みで、2023年度から5年間継続して行われる事業です。  本学スペースデザインコースからは3年生の7名が参加。これまでに昨年のプレ企画展の説明を受けたり、多治見モザイクタイルミュージアムを見学したりと作品制作に向け準備に取りかかっています。2023年5月18日(木)と23日(火)の二日にわたり多治見市を訪れ、タイルの製造方法を学ぶため、フィールドワークや製造現場を見学を行いました。  2023年5月18日(木)は、釉薬を製造する株式会社カクジンから見学します。代表を務める水野さんは、釉薬の研究・開発の仕事を25年にわたり行ってきており、これまでに12万色以上の釉薬を作って来たといいます。原料となる粉末の配合を考え、ポットミルを使い少量を試作、実際に焼成しサンプルを製造する過程を見せていただきました。  原料メーカーの有限会社YMMでは、規模に圧倒されました。山の斜面を利用した工場では、山頂に広大なストックヤードが設置されており各地から集められた原料となる土が保存されています。そこから、用途に合わせて調合、巨大なボールミルで粉砕、水と混ざった原料をスプレードライヤーで微粒化する課程を見せていただきました。  湿式、乾式タイルの製造を行う株式会社谷口製陶所では、原料をプレス成形しタイルの形ができたところに釉薬を吹きつけ、32時間かけて焼き上げ、タイルを完成させます。印象的なのは、見学した笠原町の工場では成形にあえて手作業を残し、不均等な模様を作っていることです。タイルに工芸品な付加価値を与えた特別な製品だといいます。  3つの工場を見学したあと、多治見モザイクタイルミュージアムに一同集まり、トークセッションとなりました。見学させていただいた、株式会社カクジン 水野晶太代表、有限会社YMM 前田市朗常務、株式会社谷口製陶所 谷口英二朗社長のほか、タイルを使ったアクセサリーや雑貨も手がける七窯社 鈴木耕二代表、モザイクタイルを専門とするメーカー、オザワモザイクワークス 小澤直樹代表、幅広く多彩なタイルを製造する杉浦製陶株式会社 林航代表、内装向けオリジナルデザインのタイルの企画・製造・販売・輸出を行う有限会社丸万商会 古田由香里代表にもセッションに加わっていただき、学生からの質問に答えます。  本学の学生からは、製造可能な最大サイズは? テストピースはどれくらい作るのか、釉薬は自分で作ることができるか、釉薬や色による価格の違い、などものづくりのかかわる質問が多く挙げられました。名城大学の学生からは、他の地域との連携についてや手仕事から産業化していった変遷と手仕事が残る部分についてなど、タイル産業と地域のかかわりについての質問も挙げられました。異なった視点でのトークセッションは双方に刺激のあるものとなりました。  トークセッションの最後に、担当する西岡毅講師から関係者へのお礼が述べられるとともに「今回はじめて釉薬を作るところを見せていただきさまざまな分野を見せていただくことが非常に有意義で、学生からも良い質問が挙がりました。こうした広がりがプロジェクトを大きくしていくことにつながると感じています」とまとめました。  有限会社YMM 前田常務からは「私たちはずっとこの業界でやってきていますが、その分、頭が凝り固まっています。学生さんたちの自由な意見をもっともっと聞かせて欲しいです。とんでもないと思うような無理なアイデアでも、どんどん思いついたことを言って欲しいと思います」と激励の言葉をいただき、今回のセッションは終了となりました。  2023年5月23日(火)に行われた2回目の視察では、笠原の町をフィールドワークしました。モザイクミュージアムで周辺のマップを手に入れ、1時間ほど周辺を散策しました。途中で立ち寄った笠原神明宮では、社殿の階段や壁にタイルが使われており、モザイクタイルで作られたレリーフも見ることができました。神社へと向かう道すがらにも、路上やごみの集積場、民家の塀や庭先など、さまざまな場所にタイルが貼られていることに気づきました。笠原の産業と生活の結びつきを感じさせる光景でした。その後、笠原川の支流である平園川へと向かい、川底に廃棄されたタイルを発見しました。水の中できらめくタイルは美しい光景であり、少しだけ拾ってフィールドワークを終えました。この経験により、地域とタイルのつながりを実感し、考えも深まりました。  昼食を挟んで、まずは株式会社カネキ製陶所を訪れました。株式会社カネキ製陶所は名古屋駅JRタワーズの外壁タイルを製造するなど、ランドマーク的な建物のタイルを手がける企業です。工場の規模や品質管理のレベルの高さから、産業としてのタイルの重要性を感じました。  次に有限会社丸万商会を訪れました。ここでは趣味性の高いタイルが展示されており、商社でありながらモザイクタイルを組み合わせてオリジナル商品を作っている様子を見学しました。また、地元で作られているタイルシート専用のメッシュなども使用しており、地域産業との結びつきを感じさせるものでした。  最後は杉浦製陶株式会社で、乾式の工場を見せていただきショールームを見学させていただきました。ショールームには、さまざまな色のサンプルと、表面の凹凸を作るため金型が用意されています。金型と釉薬の組み合わせを換えて、好みのタイルをオーダーすることも可能です。色とりどりのタイルに囲まれ、こっちの色合いのほうが好き、これはキッチンに貼ってみたい、これとこれとを組み合わせるとかわいい、と想像が膨らみ誰もが時を忘れタイルに見入っていました。  最後に見学会全体をコーディネイトしていただいた長江陶業株式会社 虎澤範宜代表から、「見学会はこれで終わりですが質問や疑問に思うことがあればどんどん寄せて下さい。また、もっと見学してみたいということであれば声をかけて下さい。タイルのことに興味を持ってもらえるようしっかり対応します」と嬉しい支援の言葉がありました。どの会社でも業界全体としてもタイルを盛り上げたいという意志を強く感じる見学会となりました。 株式会社カクジン 有限会社YMM 谷口製陶所 株式会社カネキ製陶所 有限会社丸万商会 杉浦製陶株式会社 フィールドワーク トークセッション(多治見モザイクタイルミュージアム)

2023.10.1

石塚硝子とガラス・やきものをめぐる展覧会

石塚硝子とガラス・やきものをめぐる展覧会  2023年9月22(金)〜27日(水)、本学西キャンパス Art&DesignCenter Westにて「石塚硝子とガラス・やきものをめぐる展覧会」を開催しました。この展覧会は、2023年度前期授業にて工芸コースに所属する学生、大学院生が取り組んだの成果展となります。  あわせて会場には、2023年度前期に制作されたガラスの作品も一堂に介して並びました。 「ガラスとセラミック(ボーンチャイナ)を活用した素材の可能性を探る研究プロジェクト」  2023年度前期授業内にて工芸コース3・4年生、大学院生が中心となって取り組んだ、産官学協働プロジェクト「石塚硝子プロジェクト」の成果展を開催いたします。  名古屋芸術大学は、東海地区では唯一のガラス教育を行う教育機関として、ガラス工房開設から23年目を迎えました。工芸コースでは、陶による教育、ガラスによる教育を通して、アート&デザインの視点をもつ豊かな感性を拠り所とし、素材に触れながら世界とつながる方法を教員、学生がともに模索し、これからの社会に貢献・予見できる人材育成に取り組んでいます。  本プロジェクトを行う石塚硝子株式会社(以下、石塚硝子)は、本学が位置する北名古屋市に隣接する岩倉市に工場を持ち、日本では屈指のガラス素材を中心とした容器のメーカーです。さらにはガラス素材に限定されることなく、ガラス製造で培われた知識や技術を軸に他分野にも展開されています。またグループ会社である鳴海製陶株式会社(以下、NARUMI)は、ボーンチャイナを中心とした名高い陶磁器メーカーです。  本プロジェクトは、石塚硝子・NARUMIとともに、若い世代、同時代から発想し得る協働による試みを、新たな関係性を構築しながら未来への提案の可能性を探り、互いが位置するこの地域から産業と教育、社会とアートの両側面によって発信したいとの思いからスタートしました。会場には、「ギフト・おくりもの」をキーワードに、学生が各素材やそれらを取り巻く状況を鑑みながら、作品・商品・素材開発などの観点から制作した作品群が並びます。  また本プロジェクトの成果展に合わせて、2023年度前期に制作された陶・ガラス素材の作品群を一堂に介して展覧いたします。二つの素材をめぐって繰り広げられる表現の可能性をお楽しみください。 名古屋芸術大学 美術領域 工芸コース 准教授 中田ナオト ※'23年度名古屋芸術大学では、一部のガラス作品において石塚硝子株式会社の硝子材料を使用しています。 「石塚硝子プロジェクト」成果展 2023年度前期制作 陶・ガラス素材作品群..........

2023.9.26

佐久島SDGsプロジェクト計画「海のごみ 島だから見えるコト! わかるコト!!」最終報告会

佐久島SDGsプロジェクト計画「海のごみ 島だから見えるコト! わかるコト!!」最終報告会  2023年9月11日に本学西キャンパスにて、佐久島SDGsプロジェクト計画「海のごみ 島だから見えるコト! わかるコト!!」最終報告会を開催しました。このプロジェクトは美術領域コミュニケーションアートコースが中心となり、佐久島の環境を脅かす「漂着ごみ」の存在を広く一般に周知し、抑制につなげるためのアート作品を制作するというプロジェクト。14名の学生と院生、さらにスタッフと卒業生も加わり、それぞれが制作した作品や試作品、アイデアのプレゼンテーションを行いました。  この制作のため、学生らは6月に一泊で佐久島を訪れ、漂着ごみを実際に見学、ごみ拾いを体験し、島の人に話を聞くなどリサーチを行いました。学生によっては再度佐久島を訪れ、作品に対して考えをさらに深めたり、それぞれに思い入れのある作品を2ヶ月で制作しました。  作品は、コミュニケーションアートコースらしく立体作品を中心に、平面作品や映像作品、さらに廃棄される「おひるねハウス」を再び活用するアイデアや、ごみ拾いを促すゲームやワークショップの提案など、バラエティに富むたくさんのアイデアが披露されました。立体作品は、漂着ごみを活用してプラスチックやシーグラスを使ったものが多く、美しさと同時に背景にある問題を感じさせるものとなりました。可愛らしいキャラクターを制作した作品でも作品の背景には影の部分があり、佐久島の美しい海や自然を感じさせると同時に、佐久島が抱える問題を感じさせるものとなっています。学生それぞれが、佐久島の現在を上手く捉え、それをアート作品に仕上げて問題提起を行っています。どの作品も、深みのあるものとなっているのことが印象的です。  西尾市 佐久島振興課 三矢さんは総評として「作品をすごく楽しみにしていましたが、本当に素晴らしいです。これらの作品を展示会でどう見せられるか、プレッシャーに感じています。島のごみ問題をこうやって伝えられることは本当に嬉しいです。展示を見に来てくれる人たちにどうやってつなげるか、大変なミッションをいただきました。それから、ごみ拾いをゲーム化するようなアイデア、ぜひ実現したいと思います。ご協力をお願いします」と高い評価をいただきました。  東海テレビプロダクションの中山さんからは「すごくいろいろな視点があり、見た人の興味を惹くようなアイデアもたくさんありました。じつは、今回、イベントで作品を展示するわけですが、お客さんは作品を見に来るわけではないので少し心配していました。でも、パッと興味を惹きつけるような、何だろうって思ってもらえそうなきっかけになる作品ができたと思います。インパクトの強い作品を中心に置きながら、それぞれの作品の思いが伝えられるような、そんな流れの展示ができたらと構想が浮かんできました」と展示について語られました。  松岡徹 教授からは「中間報告から良さそうな感じに思っていましたが、それぞれに自分の視点がしっかり出せていて良いと思います。このプロジェクトをきっかけに、自分の作品も変わっていくような期待がもてる学生も何人かいます。僕からしたら良いことずくめで、本当に良いプロジェクトになったと思います。今後、展示についてですが、飾りやすいようにこうして欲しいなど、要望を聞きながらブラッシュアップして下さい。この取り組みが最後にしっかりした形になるよう、もうしばらくの間かかわっていって欲しいと思います」と講評がありました。  プレゼンテーション終了後もう一度作品を並べ、学生たちと展示についてや作品の今後について、意見交換が行われました。作品はさらなるブラッシュアップを経て、2023年10月5、6、7日に愛知県国際展示場で開催されるの西尾市のブースで展示、さらに2023年11月18、19日に東京で開催される全国の島々が集まる祭典「アイランダー2023」にて展示されます。佐久島の今と社会課題を伝えるアート作品、ぜひご期待下さい。 「SDGs AICHI EXPO 2023」

2023.8.25

中部文具工業組合「2023 文具デザインプロジェクト」最終審査発表会を開催

中部文具工業組合「2023 文具デザインプロジェクト」最終審査発表会を開催  本学デザイン領域と中部文具工業組合加盟の文具メーカーとの連携プロジェクト、「2023 文具デザインプロジェクト」の最終審査発表会が、2023年7月26日(水)にシヤチハタ株式会社 本社会議室にて開催されました。2023年6月にスタートしたこのプロジェクト、2ヶ月という短い期間ですが、提案を考え資料を作成、モックアップを作ったり実際の機能を試すことのできるサンプルを用意したりと、各学生、準備を整えてプレゼンテーションを行います。プレゼンテーション終了後、最優秀賞、メーカー賞を決定、表彰式が行われました。  プレゼンテーションに先立ち、シヤチハタ株式会社 舟橋正剛 代表取締役社長から「毎年、このプロジェクトを楽しみにしております。われわれメーカーというのは、案外、最終ユーザーがどうやって製品を使っているのか、どんなものを必要としているのか、具体的には知らないものです。自分たちのエゴみたいな部分で商品を作っていることもあり、SNSを利用したり、直接ユーザーとコミュニケーションしたりということを始めていますが、学生さんのほうが一歩進んでいると感じています。今回の皆さんのアイデアやデザインも大変貴重なものであり、良いものは前向きに商品化したいと思っています」とプロジェクトに期待する言葉をいただきました。  今年の課題は、シヤチハタ株式会社「①〇〇な仕事の人に便利なスタンプ・筆記具、②趣味に役立つスタンプ・筆記具」のどちらか、森松産業株式会社「自宅学習をより快適にする卓上用品」です。  学生らは、これらの2つの課題に2023年6月から取り組み、メーカーの担当の方に相談しながらアイデアを練り、模型や試作品を作成してプレゼンテーションに臨みました。最終発表会では13名の学生がプレゼンテーションを行い、各メーカー代表の方々が審査を行います。各自に2案を8分間で説明、質疑応答3分のプレゼンテーション、実際に数々の商品を手がけてきた審査員を前に学生たちは緊張した面持ちで発表を行いました。  審査の結果、最優秀賞はシヤチハタの課題「①〇〇な仕事の人に便利なスタンプ・筆記具」に対し、「ロゴポン」を提案した小野田亘佑さんが受賞。メーカー賞は、森松産業賞 組谷凌我さん「卓上革命児 ARRANGE」、シヤチハタ賞 長友玲人さん「ぴあすた」が受賞しました。  最優秀賞を受賞した小野田さんの「ロゴポン」は、ホテルや飲食店などで見られるトイレットパーパーを三角折するように紙をカット、三角の部分に店舗のロゴマークなどをスタンプする道具で、小野田さんがアルバイトする中であったらいい道具がアイデアの発端になったといいます。プレゼンでは三角折自体の発祥から説明し、トイレの清掃が終わっていることの目印になることや、ホテルやファミリーレストランなど大規模チェーンをターゲットとするなどマーケットも調査してあり、審査人たちから感心する声が聞かれました。  小野田さんのアイデアをはじめ、今回のプロジェクトでは、アルバイト先での自身の経験や普段の生活の中で感じた課題を解決しようとするアイデア、男女問わず香水など香りやピアスやネイルなど身だしなみに関連するアイデア、廃棄物のリサイクルなどSDGsの考えを基にしたアイデアなど、時代性を感じさせるアイデアがたくさん提案されたことが印象的でした。審査員からも、どのアイデアも興味深く、発案したアイデアの背景をよく調べられていることが印象的だったのとの声が聞かれました。  森松産業株式会社 森直樹 代表取締役社長からは「毎年、楽しみにしています。不思議なもので同じ人が発表するわけでもないのに、年々レベルが上がっていっていることを実感します。審査員で話し合った中でも、プレゼンの構成やスライド、話し方、本当にトータルでレベルが上がっていると声が上がりました。皆さんの発想が、それぞれの経験から出てきていることがわかり、非常に興味深く参考になりました。今後とも学生生活の中で、勉強や遊びの中からでもどんどん経験を増やし見聞を広げていって欲しいと思います」と講評をいただきました。  シヤチハタ株式会社 佐藤旭 取締役からは「プレゼンテーション能力、それから質問に対するエビデンス、かなりいろいろな角度で想定されそれに対する調べ含めて、非常にレベルの高いプレゼンテーションをしていただいたと思います。自分の経験に基づいたテーマを選び、それを深掘りし、さらに広げてアイデアを出している、よく考えられたことが伝わってきました。私たちメーカーとしても、皆さんに負けないよう頑張っていきたいと気持ちを新たにしました。今後もこのプロジェクトを盛り上げていけるよう、先生方、関係者の方々にもご指導をお願い致します」とまとめました。  担当の三枝樹成昭講師からは「今後デザイナーとしてかかわっていく上でも、学生にとって非常に意義深いプロジェクトであり、今後もご指導いただけるようお願い致します」とお礼の言葉があり、最終審査発表会は終了となりました。 メーカー賞【森松産業株式会社】 卓上革命児 ARRANGE 組谷 凌我 メーカー賞【シヤチハタ株式会社】 ぴあすた 長友 玲人 最優秀賞 ロゴポン 小野田 亘佑

2023.8.25

ガラスとセラミック(ボーンチャイナ)を活用した素材の可能性を探る研究プロジェクト、最終報告会を開催

ガラスとセラミック(ボーンチャイナ)を活用した素材の可能性を探る研究プロジェクト、最終報告会を開催  岩倉市のガラスメーカー、石塚硝子株式会社様、グループ会社で洋食器メーカーのNARUMI(鳴海製陶株式会社様)との連携で始まった「ガラス及びボーンチャイナという素材の研究と、その価値を再発見できる製品・作品制作の可能性についてのプロジェクト」。その最終報告会が、2023年7月25日(火)(陶芸作品)、26日(水)(ガラス作品)の2日間に渡って行われました。  25日の陶芸作品には、NARUMIから開発·製造部門 研究開発部 部長 西部徹氏、商品開発部部長 兼デザイン課課長 十文字香織氏、ブランディング推進室室長 木全裕子氏をお招きし、また、26日には石塚硝子株式会社から新事業·機能材料カンパニー イノベーション推進部 新事業企画グループリーダー 両角秀勝氏、新事業·機能材料カンパニー 社長補佐 兼 イノベーション推進部長 柴田康孝氏、新事業·機能材料カンパニー 取締役執行役員 カンパニー社長 下宮尚已氏をお招きしての報告会となりました。  制作のテーマは「ギフト」。贈る側と贈られる側の気持ち、贈り物とはどういったものなのかについて考察を深め、そこへ、石塚硝子とNARUMIでの学びと、提供していただいたリサイクル素材を交えて作品を制作しました。学生たちは、2023年6月の中間発表会でアドバイスのあった点を見直し、最終的な形へとまとめました。  ほとんどの学生が、陶芸作品とガラス作品の2点を制作。日を変えて展示し、それぞれにプレゼンテーションを行い作品の背景や考えを説明しました。ギフトというキーワードに従い、贈って喜ばれるノベルティ的な作品や自身が欲しいと思う作品、ギフトとして華やぐ気持ちを形にしたもの、提供された素材を基に素材の魅力をさらに引き出そうとする作品、自身が追求する創作と重ね合わせた作品など、学生の個性に応じてバラエティあふれる作品が並びました。素材の配合や温度など条件を変えて実験を繰り返し、イメージ通りのテクスチャーや形状を作り出そうとする、文字通り、研究に値するような作品もあり、2ヶ月あまりと短い期間ながらも濃密に作品作りに向き合ったことを感じさせます。  講評では、NARUMI 十文字さんから「短い期間で心配もありましたが、若い皆さんの成長する力を感じました」、木全さんから「中間発表からブラッシュアップされてできあがり、素晴らしいなと思います」、西部さんからは「いろいろなアイデアを見せていただき、感心するところが非常に多くありました」といったコメントが聞かれました。  石塚硝子 柴田さんからは「中間発表を経て、ずいぶん立派な形になったなという印象です。この連携事業では、最終的な形もさることながら、皆さんが訴えたいこと、コンセプトのところで我々が気が付いていない部分を、という思いがありました。その点、皆さんのプレゼンを見せていただき非常に得るものがありました。よい経験をさせていただきました」、両角さんからは「陶芸とガラス、2つの作品を制作することは大変だったと思います。いろいろな観点の作品を見せていただき、新鮮な気持ちになりました。皆さんにとっては企業とのタッチポイントになったのかなと。人と話したりものごとを進めていく経験は、社会に出ていく上で役立てていただければと思っています」との言葉をいただきました。  学生にとって、企業とのコラボレーションに緊張感を持って臨むことができたこと自体、非常によい経験になったのでないかと思われました。  この後、プロジェクトでは今回の講評を受けさらに作品をブラッシュアップし、2023年9月22日からArt & Design Center Westにて展示を行います。またこの展覧会には、2023年度前期に制作されたガラスの作品も一堂に介して並びます。  「これから先、もう一歩進める段階があるように思います。今日の話を基に、前に進んでいってもらえれば思います。期待しています」と担当の中田准教授からのコメントもあり、さらなるレベルの向上が期待されます。 【陶芸作品】NARUMI(鳴海製陶株式会社様) 【ガラス作品】石塚硝子株式会社様