• 学科・領域

  • 形態

collaboration

2023.8.25

中部文具工業組合「2023 文具デザインプロジェクト」最終審査発表会を開催

中部文具工業組合「2023 文具デザインプロジェクト」最終審査発表会を開催  本学デザイン領域と中部文具工業組合加盟の文具メーカーとの連携プロジェクト、「2023 文具デザインプロジェクト」の最終審査発表会が、2023年7月26日(水)にシヤチハタ株式会社 本社会議室にて開催されました。2023年6月にスタートしたこのプロジェクト、2ヶ月という短い期間ですが、提案を考え資料を作成、モックアップを作ったり実際の機能を試すことのできるサンプルを用意したりと、各学生、準備を整えてプレゼンテーションを行います。プレゼンテーション終了後、最優秀賞、メーカー賞を決定、表彰式が行われました。  プレゼンテーションに先立ち、シヤチハタ株式会社 舟橋正剛 代表取締役社長から「毎年、このプロジェクトを楽しみにしております。われわれメーカーというのは、案外、最終ユーザーがどうやって製品を使っているのか、どんなものを必要としているのか、具体的には知らないものです。自分たちのエゴみたいな部分で商品を作っていることもあり、SNSを利用したり、直接ユーザーとコミュニケーションしたりということを始めていますが、学生さんのほうが一歩進んでいると感じています。今回の皆さんのアイデアやデザインも大変貴重なものであり、良いものは前向きに商品化したいと思っています」とプロジェクトに期待する言葉をいただきました。  今年の課題は、シヤチハタ株式会社「①〇〇な仕事の人に便利なスタンプ・筆記具、②趣味に役立つスタンプ・筆記具」のどちらか、森松産業株式会社「自宅学習をより快適にする卓上用品」です。  学生らは、これらの2つの課題に2023年6月から取り組み、メーカーの担当の方に相談しながらアイデアを練り、模型や試作品を作成してプレゼンテーションに臨みました。最終発表会では13名の学生がプレゼンテーションを行い、各メーカー代表の方々が審査を行います。各自に2案を8分間で説明、質疑応答3分のプレゼンテーション、実際に数々の商品を手がけてきた審査員を前に学生たちは緊張した面持ちで発表を行いました。  審査の結果、最優秀賞はシヤチハタの課題「①〇〇な仕事の人に便利なスタンプ・筆記具」に対し、「ロゴポン」を提案した小野田亘佑さんが受賞。メーカー賞は、森松産業賞 組谷凌我さん「卓上革命児 ARRANGE」、シヤチハタ賞 長友玲人さん「ぴあすた」が受賞しました。  最優秀賞を受賞した小野田さんの「ロゴポン」は、ホテルや飲食店などで見られるトイレットパーパーを三角折するように紙をカット、三角の部分に店舗のロゴマークなどをスタンプする道具で、小野田さんがアルバイトする中であったらいい道具がアイデアの発端になったといいます。プレゼンでは三角折自体の発祥から説明し、トイレの清掃が終わっていることの目印になることや、ホテルやファミリーレストランなど大規模チェーンをターゲットとするなどマーケットも調査してあり、審査人たちから感心する声が聞かれました。  小野田さんのアイデアをはじめ、今回のプロジェクトでは、アルバイト先での自身の経験や普段の生活の中で感じた課題を解決しようとするアイデア、男女問わず香水など香りやピアスやネイルなど身だしなみに関連するアイデア、廃棄物のリサイクルなどSDGsの考えを基にしたアイデアなど、時代性を感じさせるアイデアがたくさん提案されたことが印象的でした。審査員からも、どのアイデアも興味深く、発案したアイデアの背景をよく調べられていることが印象的だったのとの声が聞かれました。  森松産業株式会社 森直樹 代表取締役社長からは「毎年、楽しみにしています。不思議なもので同じ人が発表するわけでもないのに、年々レベルが上がっていっていることを実感します。審査員で話し合った中でも、プレゼンの構成やスライド、話し方、本当にトータルでレベルが上がっていると声が上がりました。皆さんの発想が、それぞれの経験から出てきていることがわかり、非常に興味深く参考になりました。今後とも学生生活の中で、勉強や遊びの中からでもどんどん経験を増やし見聞を広げていって欲しいと思います」と講評をいただきました。  シヤチハタ株式会社 佐藤旭 取締役からは「プレゼンテーション能力、それから質問に対するエビデンス、かなりいろいろな角度で想定されそれに対する調べ含めて、非常にレベルの高いプレゼンテーションをしていただいたと思います。自分の経験に基づいたテーマを選び、それを深掘りし、さらに広げてアイデアを出している、よく考えられたことが伝わってきました。私たちメーカーとしても、皆さんに負けないよう頑張っていきたいと気持ちを新たにしました。今後もこのプロジェクトを盛り上げていけるよう、先生方、関係者の方々にもご指導をお願い致します」とまとめました。  担当の三枝樹成昭講師からは「今後デザイナーとしてかかわっていく上でも、学生にとって非常に意義深いプロジェクトであり、今後もご指導いただけるようお願い致します」とお礼の言葉があり、最終審査発表会は終了となりました。 メーカー賞【森松産業株式会社】 卓上革命児 ARRANGE 組谷 凌我 メーカー賞【シヤチハタ株式会社】 ぴあすた 長友 玲人 最優秀賞 ロゴポン 小野田 亘佑

2023.8.25

ガラスとセラミック(ボーンチャイナ)を活用した素材の可能性を探る研究プロジェクト、最終報告会を開催

ガラスとセラミック(ボーンチャイナ)を活用した素材の可能性を探る研究プロジェクト、最終報告会を開催  岩倉市のガラスメーカー、石塚硝子株式会社様、グループ会社で洋食器メーカーのNARUMI(鳴海製陶株式会社様)との連携で始まった「ガラス及びボーンチャイナという素材の研究と、その価値を再発見できる製品・作品制作の可能性についてのプロジェクト」。その最終報告会が、2023年7月25日(火)(陶芸作品)、26日(水)(ガラス作品)の2日間に渡って行われました。  25日の陶芸作品には、NARUMIから開発·製造部門 研究開発部 部長 西部徹氏、商品開発部部長 兼デザイン課課長 十文字香織氏、ブランディング推進室室長 木全裕子氏をお招きし、また、26日には石塚硝子株式会社から新事業·機能材料カンパニー イノベーション推進部 新事業企画グループリーダー 両角秀勝氏、新事業·機能材料カンパニー 社長補佐 兼 イノベーション推進部長 柴田康孝氏、新事業·機能材料カンパニー 取締役執行役員 カンパニー社長 下宮尚已氏をお招きしての報告会となりました。  制作のテーマは「ギフト」。贈る側と贈られる側の気持ち、贈り物とはどういったものなのかについて考察を深め、そこへ、石塚硝子とNARUMIでの学びと、提供していただいたリサイクル素材を交えて作品を制作しました。学生たちは、2023年6月の中間発表会でアドバイスのあった点を見直し、最終的な形へとまとめました。  ほとんどの学生が、陶芸作品とガラス作品の2点を制作。日を変えて展示し、それぞれにプレゼンテーションを行い作品の背景や考えを説明しました。ギフトというキーワードに従い、贈って喜ばれるノベルティ的な作品や自身が欲しいと思う作品、ギフトとして華やぐ気持ちを形にしたもの、提供された素材を基に素材の魅力をさらに引き出そうとする作品、自身が追求する創作と重ね合わせた作品など、学生の個性に応じてバラエティあふれる作品が並びました。素材の配合や温度など条件を変えて実験を繰り返し、イメージ通りのテクスチャーや形状を作り出そうとする、文字通り、研究に値するような作品もあり、2ヶ月あまりと短い期間ながらも濃密に作品作りに向き合ったことを感じさせます。  講評では、NARUMI 十文字さんから「短い期間で心配もありましたが、若い皆さんの成長する力を感じました」、木全さんから「中間発表からブラッシュアップされてできあがり、素晴らしいなと思います」、西部さんからは「いろいろなアイデアを見せていただき、感心するところが非常に多くありました」といったコメントが聞かれました。  石塚硝子 柴田さんからは「中間発表を経て、ずいぶん立派な形になったなという印象です。この連携事業では、最終的な形もさることながら、皆さんが訴えたいこと、コンセプトのところで我々が気が付いていない部分を、という思いがありました。その点、皆さんのプレゼンを見せていただき非常に得るものがありました。よい経験をさせていただきました」、両角さんからは「陶芸とガラス、2つの作品を制作することは大変だったと思います。いろいろな観点の作品を見せていただき、新鮮な気持ちになりました。皆さんにとっては企業とのタッチポイントになったのかなと。人と話したりものごとを進めていく経験は、社会に出ていく上で役立てていただければと思っています」との言葉をいただきました。  学生にとって、企業とのコラボレーションに緊張感を持って臨むことができたこと自体、非常によい経験になったのでないかと思われました。  この後、プロジェクトでは今回の講評を受けさらに作品をブラッシュアップし、2023年9月22日からArt & Design Center Westにて展示を行います。またこの展覧会には、2023年度前期に制作されたガラスの作品も一堂に介して並びます。  「これから先、もう一歩進める段階があるように思います。今日の話を基に、前に進んでいってもらえれば思います。期待しています」と担当の中田准教授からのコメントもあり、さらなるレベルの向上が期待されます。 【陶芸作品】NARUMI(鳴海製陶株式会社様) 【ガラス作品】石塚硝子株式会社様

2023.8.9

名古屋芸術大学×佐久島SDGsプロジェクト計画(仮)が始動 佐久島の自然・アート・環境課題について学びました

名古屋芸術大学×佐久島SDGsプロジェクト計画(仮)が始動 佐久島の自然・アート・環境課題について学びました  本プロジェクトの狙いは、アート作品などを通じて佐久島の環境を脅かす「漂着ごみ」の存在を広く一般に周知し、抑制に繋げようというものです。プロジェクトで生まれたアイデアや作品の発表は、同年10月5日~7日に開催される「SDGsAICHI EXPO2023」にて西尾市ブースの一部に出展された後、西尾市の会場など、を2、3か所で展示される予定です。  2023年6月24日から25日の2日間、本学の学生やOBで構成された選抜チーム15名が愛知県西尾市の佐久島に渡りました。  初日は佐久島西港から上陸、「弁天サロン」で西尾市の担当者さんから説明を伺った後に海ごみ拾いを体験、大浦沿いのアート作品を鑑賞しながら東港側に渡ります。  二日目は8時ごろから学生・スタッフで、筒島(弁天様の祀られている島)を見学しました。筒島の海岸もゴミが多く漂着しており、神様が祀られている場所としては少し心配になる様子でした。  10時からはレンタサイクルに乗り、島の西側から海岸線を走り、「北のテーブル」「ひだまり庵」「王様のイス」(松岡徹 教授作品)、「星を想う場所」(荒木由香里 非常勤講師作品)を見学しました。また、東港付近のアート作品や、「佐久島のお庭」(松岡徹 教授作品)を午前の時間を使って先生からの解説を聞きながら見学をしました。  午後からは「昼間の星」(荒木由香里 非常勤講師作品)を見学し、初日と同様に海岸を歩きながら、ゴミの清掃、素材の採取、リサーチなどを行いました。  潮が引いている時間帯だったので、丹梨の海岸からスタートし、新谷や男子岩のあたりの海岸を歩き、筒島へ続く道から上がってリサーチを終えました。 プロジェクトに参加した学生から、以下のようにコメントをいただきました  今回初めて佐久島に訪れてみて、漂着ゴミの多さに驚きました。  「アートの島」ということは知っていましたが、様々な環境問題を抱えていることや、佐久島を守る活動が行われていることも知ることができました。  海岸に行くと漂着ゴミがたくさんあり、ゴミ拾いをする中でよく目を凝らすと、目に見えないような小さなごみがたくさんあることに気がつきました。  砂と同じくらいの大きさのゴミは拾うことが困難であることから、海ゴミ問題の深刻さを感じ、もしかしたら自分の出したゴミも佐久島に流れ着いてしまっているのではないかと思うと、とても他人事とは思えませんでした。  これから、2023年10月に行われるイベントに向けて、ゴミ拾いが楽しくなるようなアイデアを考えて制作した作品を発表できることを楽しみにしています。  佐久島リサーチワークの中で、佐久島の素晴らしい部分もたくさん発見することができたので、ゴミ問題を知ってもらうとともに、佐久島を訪れたくなるようなものが制作できたらと思います。 私たちの出すごみが佐久島に!? 西尾市 佐久島振興課 三矢さんのお話  佐久島を所管する私共私西尾市では、「海ごみ」(漂着ごみ)―海岸漂着物の発生の抑制につながる活動に取り組んでいます。  皆さんは海ごみはどのように発生するかご存じですか?これから実際に海岸で海ごみを拾っていただきますが、海岸にはペットボトルや苗ポットなどの比較的軽いものが多いのです。これらは島の人が消費したものではなく、殆どは本土からやってくるごみなんです。  もちろん、本土の皆さんも周囲にむやみにゴミを捨てる習慣はないと承知していますが、ちゃんとゴミ箱に捨はずのゴミが、風に飛ばされて道に落ちて、雨が降って川にたどり着いて、それが海までやってくる・・・これは一つのケースですが、色んな経緯を経て愛知のごみが潮の流れで集まってきます。 佐久島より海ごみが深刻な三重県の答志島では雨が降る度に漁船が出港できなくなる程です。  私共もごみ拾いのボランティアさんのお手伝いをしたりビンゴカードなどで楽しくごみ拾いをする工夫をしていますが、一旦きれいになったはずの海岸が潮の満ち引きで元通りになってしまったり・・・。きりが無い状況です。佐久島のごみを減らすには、 本土に住んでいる皆さんがごみの始末の仕方をちょっと変えてもらうだけで、とても効果があることを多くの方に知っていただきたいです。  そこで今回は皆さんにお力をお借りして、アート作品などを通じて佐久島の環境を脅かす「漂着ごみ」の存在を広く一般に周知し、抑制に繋げたいと思います。 皆さんの得意分野を活かして 本学松岡教授からのアドバイス  私達の身の回りのごみを海ごみにしない効果的なアイデアや、佐久島をなかなか訪れることができない方にも海ごみの問題を知ってもらう広報動画など、海ごみを利用した作品に拘らないで皆さんの得意な事を活かした提案をお願いします。 作品は分割してコンパクトにすると有利 東海テレビプロダクションの中山さんからのアドバイス  今回の皆さんの作品は複数箇所の会場で展示をいたします。作品は分割してコンパクトに梱包できるようになっていると、遠方の会場へも躊躇せずお送りできので多くの方に作品をご覧いただく上でとても有利です。 佐久島振興課 三矢さん 島を美しくつくる会の皆さん 東海テレビプロダクションの中山さん。複数箇所の会場での作品展示でご協力いただきます 本学松岡教授

2023.7.25

COPPA CENTRO GIAPPONE 2023 大会ポスターを制作、黒木里帆さんが最優秀賞を受賞

COPPA CENTRO GIAPPONE 2023 大会ポスターを制作、黒木里帆さんが最優秀賞を受賞  名古屋栄の久屋大通公園で今年秋に開催されるCOPPA CENTRO GIAPPONE 2023 大会ポスターを、ヴィジュアルデザインコースの学生が制作、2023年7月13日、プレゼンテーションと最終審査が行われ、3年生 黒木里帆さんの作品が最優秀賞に輝きました。  COPPA CENTRO GIAPPONE 2023は名古屋 栄の久屋大通で行われる自動車の美しさと優雅さを競う展示会。今年度は、名古屋市の姉妹都市であり同じく自動車産業が盛んなイタリア トリノ市で作られた車両と、100周年を迎えるル・マン24時間自動車レースの2つが大きなテーマとなっています。この大会背景を踏まえ、学生たちはポスターの制作に取り組みました。  応募作品の中から、黒木里帆さん、池田琴葉さん、真田遥佳さんの3作品が入賞しました。最終審査では、COPPA CENTRO GIAPPONE 大会実行委員長の平松正光氏をお招きし、学生たちはプレゼンテーションを行いました。まずは池田さんから、アルファロメオ ジュリエッタ・スパイダーに名古屋城と中部電力 MIRAI TOWER(テレビ塔)をあしらったもの。大会の2大テーマに加え、本学日本画科卒業生でもある平松氏から、浮世絵や日本的な要素も加えて欲しいというオーダーがあり、クルマが作られた1950年代にあわせた雰囲気に仕上げてあります。平松氏からは「日本らしさ名古屋らしさが詰まった作品、背景はシンプルといいつつ、しっかりと表現されているように感じました」とコメント。  続いて、黒木さんの作品は、今大会のコピーである「自動車の昨日、今日、明日」からイメージを膨らませ、過去のクルマと未来をル・マンのレーシングカーで表現した作品。浮世絵の中でも華やかな錦絵の要素を取り入れ、カラフルながらも落ち着いた色合いが特徴です。平松氏からは「今回の大きなテーマであるトリノとル・マンという2つがしっかりと取り込まれていて嬉しく思います、また、日本画の技法も取り入れられ上手く融合していると思います」と高く評価しました。  最後は真田さん。クラシックカーのワイヤーホイールをモチーフにしたシンプルでダイナミックな作品です。「ホイールに美しさを感じ、その美しさを際立たせるよう浮世絵の配色とグラデーションを意識して制作しました」と説明しました。平松氏からは「あの時代のレーシングカーにはボラーニというメーカーのワイヤーホイルを履いていることが多く、クラシックカーの魅力のひとつになっています、雰囲気良くまとまっている作品だと思います」と講評をいただきました。  作品を見たカーデザインコース 片岡祐司教授、田中昭彦教授からも「ヴィジュアルコースの学生さんがクルマをどんなふうに捉えるか気になっていましたが基本的な部分をしっかりと捉えていて驚きました」「日本的な部分をあわせることによってクルマの文化の歴史みたいなところまで感じさせ3点とも素晴らしい」「短い制作時間の中でクルマのことをしっかりと考えてもらえとても嬉しく思う」と嬉しいコメントをいただきました。  審査の結果、最優秀賞は黒木里帆さんが受賞。黒木さんは、昨年の大会ロゴマークに継いでの受賞となります。  平松氏からは「黒木さんの作品は今回の大会の要素をしっかりと取り込んでくれたことが決め手となりました、PC上の画像で見るよりもこうして大きなパネルにして作品を見るとやはり良かったな感じます、則武先生(ヴィジュアルデザインコース 則武輝彦准教授)にもお伝えしていますが、名古屋芸大とのかかわりは今回で2回目です、今後さらに発展していくと感じています」と講評をいただきました。加えて「入選作品をぜひどこかの会場で展示できるようにしたい」とサプライズも飛び出しました。  受賞した黒木さんの作品は、今後のCOPPA CENTRO GIAPPONE 2023 大会ポスターとして広く使われることとなります。おたのしみに。

2023.6.19

産学連携事業 株式会社ファーストとデジタルサイネージの新たな用途開発、最終プレゼンテーション

産学連携事業 株式会社ファーストとデジタルサイネージの新たな用途開発、最終プレゼンテーション  株式会社ファースト様との連携によって始まった新しいデジタルサイネージの用途・形のアイデアを創出するプロジェクトの最終プレゼンテーションが、2023年5月30日(水)に行われました。このプロジェクトには、デザイン領域のインダストリアル&セラミックデザインコース、カーデザインコースの4年生、および大学院デザイン研究科の1年生の合計22名が参加し、それぞれのアイデアが発表されました。  プレゼンテーションには株式会社ファーストから企画開発グループの鈴木雄大氏、製造事業部長の榊原洋介氏、販売企画長の水谷尚志氏、さらに(株)ファーストと関わりのある非常勤講師の中尾協平氏の4名が参加しました。  このプロジェクトの目的は、既存のデジタルサイネージにとらわれない自由な発想を通じて、未来のサイネージの使い方や使用シーンを考え、具体的な形にすることです。学生や院生たちは、各自のアイデアをスライドや動画、ときにはモックアップモデルを使ってプレゼンテーションしました。持ち時間は一人あたり5分、全体では3時間に及ぶ壮大なプレゼンテーションとなりました。  アイデアには、ゴミ箱と組み合わせ行動を促すようなものや買い物カゴ、イベントなどで使われる案内や紙の広告をすべてサイネージに置き換えペーパーレスを押し進めるといった社会課題を解決しようという案。パネルをマットのように地面に置いたり、ネコ型のガイダンスロボットを使い案内するもの、センサーなどを取り付け個別にインタラクティブに使えるよう現在の機能をさらに拡張するような案。神社や祭り、障子紙といった、日本的なものや古いものとの組み合わせることで新しい体験を生む案など、さまざまなアイデアが提案されました。さらに、サイネージの形も、ついたてや屏風のように変形するものから、曲面を使ったもの、立体や透明なパネルなど、バリエーションも豊か。現在では実現不可能であっても、将来はできるようになる可能性を感じさせるものです。また、サイネージで表示するだけでなく、パネルの中だけに存在するバーチャルペットやアートを感じさせる案など、概念として新しいプロダクトの提案もあり、クオリティにもバリエーションにも魅力のあるプレゼンテーションになりました。  最終プレゼンテーションに対する総評では、株式会社ファーストの関係者から非常に好意的な意見が述べられました。製造事業部長の榊原氏は、学生たちから受け入れやすいアイデアがたくさん出てきたと述べ、提案が自身の視点を広げる上で参考になったと評価しました。企画開発グループの鈴木氏は、芸大の学生たちがデジタルサイネージに真摯に向き合い、深く考えた提案をしてくれたと感じ、アウトプットの面白さや収穫も多かったと感謝の意を示しました。また、他の関係者も学生たちの提案に興味深さや面白さを感じ、自身の頭の固さを実感したと述べました。  後藤先生からは、長丁場であったが非常に良いプレゼンテーションだったとの評価があり、三枝樹先生も学生たちが短期間でアイデアをまとめ上手く表現したことを高く評価し、「皆が出したアイデアの中から面白いものを選ぶことでプロジェクトがさらに面白くなると期待しています」とまとめました。  そして、このプレゼンテーションを受けて株式会社ファーストが選考し、最優秀賞1名と優秀賞2名を決定し、2023年6月14日(水)に表彰式が行われました。  今後、後期の講義では実際にサイネージを作っていく予定です。どのような成果物が生まれるのか、今後のプロジェクトが楽しみです。 受賞者の皆さん 最優秀賞 省エネデジタルサイネージ 大学院(ライフスタイルデザイン) 川原 明さん 優秀賞 神明 カーデザインコース 小野田 亘佑さん 優秀賞 DUSTBOX SIGNAGE カーデザインコース 佐々木 貴啓さん 優秀賞 ゴミ箱の投票インタラクティブシステム 大学院(3Dデザイン) ZHANG HAOMIAOさん ■プレゼンテーション資料 大学院(ライフスタイルデザイン) 省エネデジタルサイネージ 最優秀賞 川原 明 カーデザインコース 神明 優秀賞 小野田 亘佑 カーデザインコース DUSTBOX SIGNAGE 優秀賞 佐々木 貴啓 大学院(3Dデザイン) ゴミ箱の投票インタラクティブシステム 優秀賞 ZHANG HAOMIAO カーデザインコース 祭り×デジタルサイネージ 組谷 凌我 カーデザインコース Plug in Plants 柴垣 丈 カーデザインコース Butterfly Concept 長友 玲人 カーデザインコース TRA VISION 松下 滉輝 インダストリアル&セラミックデザインコース お店の雰囲気を変えるデジタルサイネージ 岩瀬 駿之介 インダストリアル&セラミックデザインコース Instant signage 藤野 洋士 インダストリアル&セラミックデザインコース 神出鬼没 ネコウコク 守屋 龍成 インダストリアル&セラミックデザインコース Digital signage Shopping basket 山岸 好子 インダストリアル&セラミックデザインコース Wedding Ceremony × Digital Signage 良知 恵里花 インダストリアル&セラミックデザインコース 電子カルテ─病院における個人用デジタルサイネージ PENG JIAXIN インダストリアル&セラミックデザインコース Sinage mall 土井 唯斗 大学院(3Dデザイン) ストリートアートとデジタルサイネージの融合 余馬 宙帝 大学院(3Dデザイン) one to one 周 逸清 大学院(3Dデザイン) 紙の使用<─>看板 ムンクボルド 大学院(3Dデザイン) art 山内 小猛 大学院(3Dデザイン) 3D臨場型広告サイネージ 劉 傑 大学院(ライフスタイルデザイン) デジタルテーブル 王 芝女亭 大学院(メディアデザイン) 曲面LEDデジタルサイネージ LUO XIANKUN 大学院(ヴィジュアルデザイン) LEDペット ホウ 嘉懿 大学院(ヴィジュアルデザイン) 「透過型」サイネージ 雍 藝

2023.4.25

産学連携事業 株式会社ファーストとデジタルサイネージの新たな用途開発研究を開始

産学連携事業 株式会社ファーストとデジタルサイネージの新たな用途開発研究を開始  新しいデジタルサイネージの用途・形のアイデアを創出するプロジェクトが、名古屋市のサインメーカー、株式会社ファースト様との連携によって開始されました。このプロジェクトには、デザイン領域のインダストリアル&セラミックデザインコース、カーデザインコースの4年生、大学院デザイン研究科の学生の総勢25名が参加し、後藤規文教授と三枝樹成昭非常勤講師が担当します。2023年4月12日には、プロジェクトの1回目の授業が行われ、株式会社ファーストから企画開発グループ 鈴木雄大氏と製造事業部長 榊原洋介氏にお越しいただき、オリエンテーションとして企業の概要と、サイネージを廻る現状について説明していただきました。  デジタルサイネージが広く使われるようになったのは15年ほど前からで、公共の場や交通機関、店舗などで広報や広告の役割で使われています。今後は、学校や病院、家庭など、より身近な場所でさまざまな用途で使われると予想されているといいます。株式会社ファーストでは店舗の販促用サイネージが主流であり、紙のポスターに較べ、差し替えが容易であり、新しい情報を見せることに適しているというデジタル化による優位性についての説明がありました。また、今後、センサーと組み合わせ、見る人に合わせた情報の提供ができるようになることも考えられます。しかしながら、ネットショッピングが拡大する現在、リアル店舗の価値をどう考えるかということも大きなテーマといえます。また、学校や介護施設といった、これまでサイネージがあまり入っていなかった場所でも活用も考えられるといいます。  プロジェクトの目的としては、デジタルネイティブといえる若い学生が、柔軟な考えで未来を見据えたアイデアを出し、新たなデジタルサイネージの用途、使用シーン、設置場所と形を考え、最終的にはプロトタイプを制作しようというものです。学生たちは5つのグループに分かれてブレインストーミングを行いました。彼らはメモにアイデアを書き留め、分類しました。1時間の作業の後、各グループから代表者がアイデアを発表しました。学生たちが提案したアイデアは多岐にわたり、海中に表示するものやプロジェクションマッピングを利用するもの、スポーツジムでの活用やスポーツ競技そのものをショーアップする案など、実現の可不可とは関係なく学生らしいユニークなアイデアが数多く見られました。各グループはこれらのアイデアを、公共性と個人、現在と未来、場所と事柄といったことを軸にマトリックス図に置き直し分類しました。そこからさらに、案内、広告、教育、空間演出、エンターテインメント、体験、地域活性化、ポータブルなどなど、用途を広げて考えるなどしました。  後藤先生からは「タイプ分けまで作業したところだが、ここからさらに異なった要素を加えてさらにアイデアを広げて欲しい。来週からは、具体的に何を加えるかを考え、広げて考えて欲しい」とコメントしました。また、三枝樹先生からは「この続きとして、マトリックス図の上に違う色のメモを加えていって欲しい。一週間、気にかけて生活していれば何か良いアイデアが浮かんでくるはず」と企画案のさらなる広がりを求めました。  株式会社ファーストの榊原氏からは「デジタルというと、ともすれば冷たいイメージを思い浮かべますが、皆さんの意見を聞いていて、心が動くようなワクワクするものにつながって行くような気がしました。楽しいアイデアが出てくることに期待しています」とまとめ、今回の授業は終了となりました。  今後、アイデア出しを継続、さらに解決すべき社会課題を調査、設定して企画案をまとめ、5月末を目処にプレゼンテーションを行うことになります。後期では、企画案をもとにプロトタイプの制作を行います。

2023.3.6

古川美術館 分館 爲三郎記念館「メイゲイのコウゲイ:古川美術館プロジェクト」開催

古川美術館 分館 爲三郎記念館「メイゲイのコウゲイ:古川美術館プロジェクト」開催  美術領域 工芸コース(陶芸・ガラス)、美術総合コースと古川美術館・分館爲三郎記念館とのコラボレーション企画「メイゲイのコウゲイ:古川美術館プロジェクト」が2023年2月14日(火)~26日(日)に開催されました。展覧会に向け、これまで企画案のプレゼンテーション、制作進捗の報告会と続けてきましたが、いよいよ2023年2月13日(月)に展示の設営を行いました。生憎の雨となりましたが、学芸員の早川祥子さんをはじめとする美術館スタッフのアドバイスを受けながら、学生総出で設営を行いました。  これまでの報告会で、作品を展示する場所は想定されていますが、あらかじめ考えられていた場所に作品を運搬し、実際に置いてみて作品意図と合っているか、より魅力が伝わる配置はないかなどを検討しました。設置してみて、自然光の入り方を確認しながらライトを設置、お客さんの動線からの見え方など、実際に置いてみてはじめて分かることをじっくりと検証しました。学生らは、あらためて自分の作品と向き合い、コンセプトを思い返し悩みながら最適な展示を検討しました。印象的なのは美術館スタッフたちの手際の良さ。襖の取り外しや台座の用意など大きなものから、ライトの配置換えや電源ケーブルの処理など細やかなところまで、作品の魅力を最大限にしようと楼を惜しまず準備する姿勢はさすがプロフェッショナル。ときには作者と一緒に悩み考え、文字通り親身になって展示を考えていただきました。プロの方々と一緒に展示を体験できる非常に良い機会となりました。朝から搬入を始め、午後にはそれぞれが納得のいく形に納めることができました。  設営を終えて、中田ナオト 准教授からは「設営して自分がお客さんの気持ちになってどういう風に自分の作品が見えるか、展示は一番冷静に客観的に見える瞬間だと思います。設営で終わらせず展覧会にも必ず足を運んで、実際にお客さんと話をしたりして下さい。自分の作品について言葉にすることで、より作品に対する考えが深まります」と説明がありました。  学芸員の早川さんからは「明日から展覧会ですが、ぜひ展覧会の最初から最後までちゃんと見届けて欲しいと思います。できる限り展示の様子を見に来て、お客さんの反応や自分の作品のどんなところを見てもらったかなど、肌で感じていただきたいと思います。それから、一緒にこの展覧会を盛り上げるため、SNSでお手伝いして欲しいと思います。展覧会のことを知ってもらいたい、名芸の講義のことやこうした取り組みのことなど、ハッシュタグを付けて盛り上げて欲しいと思います」と言葉をいただきました。  また、この日、設営にあわせ名古屋市の文化芸術支援事業であるクリエイティブ・リンク・ナゴヤのための動画撮影がスターキャットにより行われました。プロモーション用の動画にはアートクリエイターコース 4年 田村くるみさんと西本華さんが出演。爲三郎記念館近くの覚王山日泰寺と参道で町歩きする様子を撮影し、爲三郎記念館で作品を見たりお茶をいただくシーンを撮影しました。さらに、学生ひとりひとりが自分の作品について語る動画も収録。Webサイトでの配信やスターキャットのNEWSでも放送される予定で、SNSの投稿でも使われます。

2023.2.15

工芸コース、古川美術館・分館爲三郎記念館とコラボプロジェクト、進捗報告

工芸コース、古川美術館・分館爲三郎記念館とコラボプロジェクト、進捗報告  美術領域 工芸コース(陶芸・ガラス)、美術総合コースと古川美術館・分館爲三郎記念館とのコラボレーション企画、作品の進捗報告会を2023年2月1日(水)西キャンパス セラミック工房にて行いました。古川美術館から館長代理兼事務局長 伊藤洋介氏、学芸員 早川祥子氏をお招きし、制作途中の学生作品を見ていただき作品の出来具合と当初のイメージ通りの設置で問題がないかを確認し、想定する設置場所を含めて再検討しました。  14名の作品を1展ずつ閲覧、すでに完成した作品もあればこれから焼き上げる陶の作品もあり、進捗状況はそれぞれですが作者の学生と対話しながら作品イメージをかため、展示場所や展示方法を検討しました。  作品は、七宝焼きを使ったもの、ガラス作品、ドローイング、大きな陶芸作品、テキスタイルの染め、アルミ缶を焼いた金属作品など、素材のバリエーションも大きさもそれぞれ大きく異なります(有志で参加するテキスタイルデザインコース、メタル&ジュエリーデザインコース学生の作品もあり)。それら一点一点の魅力と、全体的な見え方のバランスを考えながら展示を考えます。  いずれの作品でも焦点になったのが、作品を置く台座。前回のまでの説明で、古川美術館には白い木製の台や漆塗りの黒い台、高さも薄く低いものからテーブルと同じような高さのものまで、さまざまな展示台があることが学生には伝わっています。どういった展示台を想定して作品を作っているのかや作品のどの部分を見せたいのかといったコンセプトをあらためて聞き出し、最適な展示になるように検討します。中には、から大きく作品が変更になった学生もおり、こうした報告会の必要性がよく理解できます。印象的なのは、学芸員の早川さんの姿勢。ときには、メジャーを取りだし作品の寸法を確認するなど、作品を理解しその魅力を最大限に引き出そうとする姿はまさに学芸員の仕事そのもの。作品を作ることに集中するのが作家ですが、最終的にどう見せて何を伝えたいかそこまで想定しながら制作することが大事なのだと気付かされます。伊藤さんからも、作品の背景にある考えが面白い作品にはしっかりとしたステートメントや説明を付けるべきであることを指摘するなど、見せるという点についての考え方には確固としたものがあり、大いに刺激となるものでした。中田ナオト准教授は、作者も気づいていない部分の作品の魅力を掘り下げたり魅力に合った見せ方を作家としての立場から考えたりと、作品コンセプトに対して現状での練り直し作業を一緒に行いブレインストーミングのような報告会となりました。 前回の企画案  一通り、作品を確認したお二人からは、「展示は、いつも思い通りにならないものですが、一緒にその経験をしたいと思います。皆さんが見せたいようにすることが目標ですが、うまくいかないこともあります。そうした経験を今後の作品づくりに役立てて欲しいと思います」(早川さん)、「いろいろなバリエーションの作品があり、とても楽しみです。一緒に楽しみながらやっていきたいと思います」(伊藤さん)と、温かいコメントをいただきました。  また、今回の分館爲三郎記念館での展示が、名古屋市の文化芸術支援事業である「クリエイティブ・リンク・ナゴヤ助成事業」になり、SNSやWeb広告といった、デジタル技術を活用した広報活動の助成を受けることになりました。これに伴い、古川美術館と関連の深い名古屋のケーブルテレビ局 スターキャットが学生とともに広告用の映像制作を行うこととなりました。ニュースでの放映も予定され、さまざまな告知活動が行われることとなります。こちらも併せてお楽しみに。

2023.2.1

スペースデザインコース 株式会社ガーデンメーカーとコラボ、「プチART×GARDENプロジェクト」で移動できる庭を試作

スペースデザインコース 株式会社ガーデンメーカーとコラボ、「プチART×GARDENプロジェクト」で移動できる庭を試作  スペースデザインコースでは、株式会社ガーデンメーカー様と2020年から「プチART×GARDENプロジェクト」としてコラボレーション、生活する人に庭を身近に感じ、もっと楽しんでもらうためのアイデアの提案と研究を行っています。今年度は「お庭 x モジュール」のコンセプトで、庭をモジュール化し簡単に設置できることや季節に応じ移動できる商品開発を行っています。2022年5月に稲沢市のガーデンメーカーを訪れ、実際の植木の生産・販売の現場を視察、さまざまなアイデアを検討してきました。2022年10月には最終プレゼンテーションを行い、軽トラックの荷台に積むことができ、季節や設置場所に合わせて大きさや、和風と洋風など好きなように展開できる庭を実際に作成することになりました。2023年1月16日、いよいよ制作したモジュールを軽トラックに積み込み、実際の家にモニター設置してみました。  モニターとして協力するのは、多治見市にある個人宅。軽トラックにモジュールを積み込み、高速道路で向かいます。  モジュール化された“庭”は、60cm×60cmサイズの小、それを2つ並べた120cm×60cmサイズの中、120cm×120cmの大の3種類。軽トラックの荷台には、大と中の2つがちょうど収まります。モジュールは、運搬用のパレットの上に作られ、屋外用のプラスチック水槽を使うなど工夫して軽量化され、大きいサイズでも大人2、3人で運べるようになっています。設置する場合は、まず場所を決めてモジュールを配置、表面に園芸用の砂利や砂を置き、水槽部分に水を入れて池にしたり、鉢植えや根切りした植物を置くようにします。  現地では、庭や玄関先の空きスペースを想定した設置、駐車場や物置を想定した設置、庭のないマンションなどベランダを想定した設置の3パターンを試しました。  陣頭指揮を執るのは、このプロジェクトのリーダーである3年生の早川宗汰さん。場所に合わせて、3種類、4つのモジュールの組み合わせを考え、配置を指示します。大人2人で運ぶことができるといっても、土や砂利を含むとそれなりの重量になるため、注意しながら全員で協力して配置します。場所が決まったところで土と砂利を入れ、植物を植えます。モジュールには、発泡ウレタンを使って作られた岩もあり、一見、チープに見えますが、周りにタマリュウの植え込みを作ると重厚な質感。駒井貞治教授によると、発泡ウレタンで作る岩は、代々スペースデザインコースで受け継がれている制作の技があるのだとか。色合いといい、ユニークさあふれる出来映えです。白い玉砂利を敷き詰め水を張って、池も完成です。玄関先、駐車場、ベランダと3か所に設置してみましたが、いずれの場所でも空間の雰囲気が一変します。組み合わせを考える楽しさや植え込みを作る工夫も感じられ、長く楽しめそうな感触です。  現場を訪れた、(株)ガーデンメーカー マーケティング本部 木場里紗さん、立岡佑亮さんからは「これまで、プレゼンでモデルを見てきましたが、1分の1スケールで迫力があります。実際のサイズになると、作り込みのバリエーションもいろいろ考えられ、さらに発展してアイデアが広がります」といった声が聞かれました。  3か所に設置するには時間がかかるものと思われましたが、軽量化のために内部が空洞化してあり、敷き詰める土や砂利の量も少量で済み、片付けも想定より短時間で完了しました。簡便に扱えるという点で想定以上の結果を確認でき、意義深いテスト設置となりました。

2023.1.31

メディアコミュニケーションデザインコース、大垣共立銀行テラッセ納屋橋支店デジタルサイネージのコンテンツを制作

メディアコミュニケーションデザインコース、大垣共立銀行テラッセ納屋橋支店デジタルサイネージのコンテンツを制作  MCD(メディアコミュニケーションデザインコース)では株式会社 大垣共立銀行様とコラボレーションし、テラッセ納屋橋支店の大型デジタルサイネージに表示する映像コンテンツ制作の共同研究を行っています。テラッセ納屋橋支店のデジタルサイネージは、8本に分割された特殊な形状、また、外部からも見える銀行のロビーに設置されており、場所や大きさにおいても形状においても特殊なものといえます。このマルチディスプレイに表示するコンテンツの制作は、例年、MCDで取り組んでいる課題で、今年は“平和”と“変革”という2つのテーマからどちらかを選んで制作することとなりました。  2022年12月13日(火)、大垣共立銀行様をお招きし、制作予定の内容を確認する中間プレゼンテーションが行われました。学生は、3名ごとに7つのグループにわかれコンテンツを制作しますが、グループごとに絵コンテと簡単なビデオコンテを制作し、コンセプトとストーリーを説明しました。“平和”を選択したのが4グループ、“変革”を選択したのが3グループとなりました。  “平和”については、ロシアのウクライナ侵攻や国ごと地域ごとにある格差など、これまでそれほど意識することなく過ごしてきた平和という言葉の重さについて、いずれのグループも深く考えていることが伝わるものでした。“変革”についても、コロナ禍で変革を余儀なくされた現代や歴史的にお金や移動方法などが変わってきたことを織り込むもの、日常の中に小さな変化を取り入れることでワクワクを感じさせるポジティブな内容など、考えさせられるものが提案されました。  いずれのチームでも指摘されたのが、表現の伝わりやすさの問題です。複雑な内容になるほど間違いなく意味が伝わるような表現が必要となりますが、正確に伝わらない部分や検討課題の指摘を受けました。また、コンセプトから、もっと表現を変えた方がより明確になるのではといった言葉もあり、クライアント側からの視点で見てもらうことの大切さを感じさせました。デジタルサイネージの形状の特殊性から映像の構図を見直したほうが良い部分や、銀行のロビーに設置されている都合上大きな音声を使うことができないことなど表現に制約が加わり、そうした点からも見直してみることが必要ではないかとの声もありました。また、営業が終わった後もサイネージの映像は流される予定で、ぜひ夜も見て欲しいとのコメントもありました。  学生からは、大垣共立銀行について、ダンスのCMなどから地域性の高さや親しみやすさを感じていたが、納屋橋の店舗はシックで大人っぽい内装で良い意味でギャップを感じており、そこに表示する内容なのでふさわしいものを作りたいといった意気込みが聞かれました。  大垣共立銀行様からは、映像を審査するような普段の業務では経験できない非常に良い体験をさせてもらっています、学生の皆さんもこの経験を糧にして欲しい、との言葉をいただきました。  今後、表現とストーリーをさらにブラッシュアップし、制作に入ります。