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2020.3.11

名古屋市はいかい高齢者捜索システム事業

名古屋市はいかい高齢者捜索システム事業 認知症の方や家族を支援する取り組み  名古屋市では令和元年10月より、「はいかい高齢者捜索システム事業」を開始しました。  この事業は、認知症の人が行方不明となった場合に、その人を捜索する親族等が早期にその位置情報を把握することができるよう、GPSを活用した捜索システムの利用に係る一部経費を助成することにより利用を促進し、認知症高齢者等の事故を未然に防止するとともに、その親族等の身体的及び精神的負担の軽減を図ることを目的としています。  また、見守り支援機器については、ロボット介護機器の開発重点分野(厚生労働省・経済産業省 平成29年10月改訂)の中で「見守り・コミュニケーション分野」の在宅介護において使用する機器として、介護ロボットの一つという位置づけがされています。  なごや福祉用具プラザでは、ご家族等の見守りを必要としている方や介護施設において見守り支援機器の導入を検討している施設職員の方からのご相談に応じています。 また、当該事業の対象となる機器の展示もしており、他の見守り支援機器と合わせて、機器と助成制度の紹介を行っています。 助成内容  機器を利用するにあたり必要な「初期費用」及び「月額利用料」については、下記「登録事業者一覧」の利用者負担額となります(登録事業者により金額が異なります)。 このほか、利用状況に応じて変動する経費やオプションに係る経費等を負担いただく場合があります。 利用申請できる方  対象者の親族、成年後見人、その他対象者に係る行方不明者届を警察署に提出できる人。 申請者は、利用決定後に利用者として登録事業者と契約し、利用者負担分の支払いをすることを踏まえた上で申請する必要があります。 対象となる方  名古屋市内在住で、徘徊のおそれがある認知症高齢者(若年性認知症者を含む)。 在宅・施設入所は問いません。 申請窓口  対象者の居住地を担当するいきいき支援センター(センター分室を含む。 ) いきいき支援センター(地域包括支援センター)及び高齢者いきいき相談室一覧 行方不明時の流れ(概要図) 登録事業者一覧 (令和元年10月8日現在) オペレーター無 事業者名 機器・システム名 初期費用(税込) 月額利用料(税込) 非課税・生活保護世帯等 その他世帯 助成額 利用者負担額 助成額 利用者負担額 助成額 利用者負担額 株式会社ミマモルメ ミマモルメGPSサービス 6,490円 0円 759円 0円 683円 76円 加藤電機株式会社 GPS+SAN(Ver.名古屋) 6,600円 0円 800円 700円 720円 780円 綜合警備保障株式会社 名古屋支社 まもるっく 上段:販売 下段:貸与 6,600円 22,000円 800円 410円 720円 490円 4,950円 0円 800円 1,400円 720円 1,480円 オペレーター有 つばめ交通協同組合(つばめタクシー) みつけたくん名古屋 7,800円 0円 2,420円 0円 2,178円 242円 セコム株式会社 ココセコム(特定割引) 7,700円 0円 2,420円 0円 2,178円 242円 引用元:名古屋市はいかい高齢者探索システム事業 各サービスの特徴(詳細は、各登録事業者のホームページ等をご確認ください。 ) ミマモルメGPSサービス  現在の居場所を調べる「随時検索」や自宅などを中心に5つのエリア設定で出入りを知らせる「エリア通知」、検索者が遠隔で端末ブザーを鳴らせる「ブザー鳴動」、端末携帯者が位置情報を発信できる「自己位置通知」、充電のタイミングを知らせる「電力低下通知」など多機能です。 持ち歩きやすい小型で軽量が特徴です。 GPS+SAN(Ver.名古屋)  徘徊高齢者捜索に役立つ位置・居場所確認サービスが誕生しました。 必ず見つかるから安心。 PCやスマートフォンで対象者の居場所を確認できます。 GPSで対象者の位置を地図で確認した後、SANレーダー(別売)を使って屋内の詳細な居場所を確認できます。 外出を知らせてくれる通知機能も搭載しています。 まもるっく  まもるっく端末に内蔵されたGPS等を利用した位置検索、異常事態のオンライン監視、音声通話による状況確認や健康相談などの機能を備えた人向けモバイルセキュリティです。 昨今、社会的弱者に対する犯罪や事故を見聞きする機会が増えており、「屋外での見守り」を可能にする多機能モバイルセキュリティサービスです。 みつけたくん名古屋  会員の居場所を探したい時は、つばめタクシーのセンターへお電話下さい。 会員に身に着けていただいたGPS端末の位置情報を、オペレーターがお調べします。 自分で探しに行けない場合は、タクシーで探しに行きますので、お申しつけ下さい。 ※かけつけ料金(30分あたり3,300円)と帰りのタクシー代金は、実費をご負担いただきます。 ココセコム(特定割引)  ココセコムを携帯する方の居場所を、24時間いつでも高い精度で専用ホームページから検索できます。 電話でも現在位置の問い合わせが可能です。 万一の際には、セコムのオペレーターがお客さまをしっかりサポートします。 ご家族の要請に基づき、セコムの緊急対処員が急行して、ココセコムを携帯する方の安全確保に努めます。

2019.11.15

介護ロボット普及実現に向けた取り組み

介護ロボット普及実現に向けた取り組み  人材不足と労働の負担……、介護現場には課題が山積しています。 そこで、利用者に快適で安全な介護サービスが受けられるよう期待されているのが、外国からの労働力の活用と、介護ロボットです。 なごや福祉用具プラザでは、2013年から、公益財団法人テクノエイド協会より「介護ロボット普及モデル事業」を受託し、介護ロボットを普及させる上での課題・問題点の洗い出しをメーカーと共に行ってきました。 今年度は、そのノウハウを基に、実際に介護ロボットの普及事業を推進し、介護現場の環境改善・介護サービスの質の向上を目指します。 介護現場の課題 ※経済産業省「将来の介護需要に即した介護サービス提供に関する研究会報告書」より 介護ロボット 移乗支援 移動支援 見守り・コミュニケーション 排せつ支援 入浴支援 介護業務支援 外国からの労働力 介護ロボット導入に向けた課題 効果がわからない 導入、活用が難しい なごや福祉用具プラザが、介護ロボットを活用できるよう支援します 令和元年度 事業計画 重点実施事項 テクノエイド機能 ●福祉用具に関する訪問相談(アウトリーチ事業)の実施 ●ネットワークづくりと人材育成で、地域の支援力強化 介護実習・普及センター ●排せつケア対応力向上研修の実施 介護ロボット関連事業 介護ロボット等活用推進事業の実施  令和元年10月より、名古屋市から新規事業として「介護ロボット等活用推進事業」を受託、事業所での介護ロボットの導入・活用を推進するため「コンサルティング・マッチング」、「普及啓発」、「介護ロボット導入効果検証」の3つを中心とした事業を実施します。 事業の実施に伴い、なごや福祉用具プラザでは専門職を増員し対応します 作業療法士 日常生活動作の確認、予後予測に基づく福祉用具・介護ロボットの選定、適合 看護師 疾患の予後予測、保健所や病院との調整、医療的ケアの相談対応 ソーシャルワーカー 支援計画の作成、地域資源との調整 施設利用者の日常生活動作の確認、 施設職員の介護業務の把握 リハビリテーション工学技師 シーズの理解、開発相談、福祉用具等の流通、制度の説明、介護ロボットの選定、適合 介護ロボット等活用推進事業 コンサルティング・マッチング 相談対応・専門家による介護現場でのアセスメントやマッチングを実施。 機器の情報提供や使用のアドバイスを行い、機器の選定・導入・活用を支援します。 普及啓発 介護ロボットの導入効果や機器の情報を広く普及させるために、セミナーや研修会を開催。 介護施設等に定期的に情報発信を行います。 介護ロボット導入効果検証 介護ロボットの活用方法や効果を検証、その結果をセミナー等で発表し普及促進を図ります。 介護職員の負担軽減・業務の効率化をはかり、人材の定着・介護の質の向上を目指します。 訪問相談もパワーアップ  リハビリテーション工学技師、作業療法士、看護師、ソーシャルワーカー等がチームとなり、地域で暮らす障害者・高齢者宅へ訪問。 住環境や介護状況等を踏まえた福祉用具の提案を行います。

2019.7.12

プラザお困り解決ノート「杖に関する疑問、お困りごとをまとめて解決」

なごや福祉用具プラザでは介護に関心のある一般市民の方や要介護高齢者のご家族を対象に、介護予防及び介護の知識や技術の向上を図る講座“介護者教室”を開催しています。 会場ではさまざまなお問い合わせやご相談をいただきますが、ここでは比較的たくさんご相談いただく事例を紹介します。  読者の皆さんの参考にしていただくのはもちろん、「こんな事も相談していいんだ」と気軽な気持ちでプラザにお越しいただければと思います。 「息子から杖をプレゼントされたけど使った方がいいですか?」  地域介護者教室で杖に関する相談を受けました。 ほかにも「杖は身近な用具ですが、どんな人が使うのですか?」「歩くと膝が痛みます。 杖を持った方がいいですか? 福祉用具を使うと痛みが軽減できますか?」等々、杖に関しては多くのお問い合わせをいただきます。  そこで今回は、杖を使うことのメリット、杖の種類と効果、杖の正しい使い方やあると便利な付属品など、杖に関する疑問、お困りごとをまとめて解決します。 杖を使用すると、歩きやすくなります。 杖をつくことで支持基底面(体重を支える面積)が広がり、歩行が安定します。  「歩行」とは、足で体重を支え、バランスをとりながら身体を移動すること。 でも、足でしっかりと体重を支えることができない場合、足以外の部分で体重を支えることが必要になります。 さらに、歩くことが不安定な場合には、体重を支える面積(支持基底面)を足の面積よりも広くして安定性を増すことが必要になります。 この役割を担ってくれるのが歩行補助用具、杖です。 T字杖はおよそ体重の20%までを支えることができるといわれています。 杖をつくことで支持面も広がり、安定して歩くことができるようになります。 杖の種類とその特徴  杖とひと口に言っても、いろいろなタイプがあります。 自分に合った杖を選ぶことが大切なポイントです。 適切な杖を使用することで、歩行の安定性を高め歩くことに自信が持てるようになります。 杖には、足への体重の負担を少なくしたり、弱くなった足の筋力を補う機能もあります。 身体の症状や目的・用途に合わせて適切な杖を選択するようにしましょう。 一本杖 多点杖 松葉杖 ロフストランド杖 杖の長さは、適切に調節することが大切です。  杖を使用する場合、腕に力の入りやすい長さに調節して使うことが大切です。 杖の長さは、床から手首までの長さが適当です。 長さを測るときには使うときの状態で測ります。 外出して使いたい場合は、靴を履いた状態で調節します。 また松葉杖は、脇の下で体重を支えるものではなく、松葉杖の長さは脇の下から2〜3横指(約4〜5cm)のすき間が入る長さが適切です。 握り手部分は、杖の長さと同じように、手首までの長さに調整します。 あると便利な杖の付属品 ループ 杖から手を離してドアを開ける時などに、杖を落とさないためのベルトです。 ベルクロテープ、ゴム、クリップなどで簡単に杖に取り付けることができます。 ホルダー 杖を使用しない時、椅子のひじ掛けやテーブルの上などに引っかけて立てかけておくための杖置き、杖掛けです。 磁石の付いたものもあり、引っかける場所がないときでも磁石が使える金属面があれば、固定することができます。

2019.3.15

プラザお困り解決ノート「スライディングシートを使った介助」

なごや福祉用具プラザでは、ご利用者の皆様からさまざまなご相談をいただいております。  このページでは毎回、比較的に多いご相談事例を紹介します。 読者の皆さんの参考にしていただくのはもちろん、「こんな事も相談していいんだ」と気軽な気持ちでプラザにお越しいただければと思います。 「ベッド上での上方や横方向への移動介助が大変」 スライディングシートを使って動作をお手伝い  ベッド上の移動介助は、介助者に大きな負担となり、腰痛の原因となる場合が数多くあります。 また、人力のみの力任せな介助は利用する方にも体的な負担になり、床ずれ(褥瘡)や関節の可動域が制限されてしまう拘縮など、二次障害の原因にもなりかねません。 「持ち上げる、引きずる、抱え上げる」そうした人力のみの力任せな介助は、介助者、利用者の双方に大きな負担となります。 利用者の体の動きに合わせて適切な用具を選択することが基本です。  今回は「ベッド上での移動ができない利用者を介助する際に生じる体の圧迫などを軽減し、かつ介助者の負担も軽くできないか」というご相談を事例に、多くの方に利用いただけるスライディングシートを使った移動方法をご紹介します。 シートの種類 一枚シートタイプ 二重にして使い、多方向へ滑らせることができます。 ウィズ『トランスファーシートフラット』、Spilerdug『スピラドゥ』等 ループ(筒状)タイプ 一方方向に滑らせることがやりやすいです。 モリトー『移座えもんシート BLACK』、東レ『トレイージー』等 シュルシュルっと滑って移動を楽にする道具 スライディングシートを使った介助  食事、着替え、入浴、排泄など、さまざまな場面で必要なのが移動です。 骨格や筋肉、関節の関係を利用することが基本ですが、スライディングシートを使うことで、さらに余分な力を使わず、また、利用者にも負担をかけず安全に移乗することができます。 1 背上げ機能で上体を起こしていきます。 手すりにつかまっている場合は手を挟まないように注意します。 自然に腕をおろし、こぶしの高さになるようベッドの高さを調整します。 ベッドの周り、足下の履き物などもかたづけましょう。 2 スライディングシートを敷く場所を確認します スライディングシートは、重さのかかるところ(頭・胸部・おしり)の下に敷きます。 一枚シートタイプのスライディングシートは半分以上に折りたたみます。 ループタイプの場合は、動かしたい方向に合わせます。 3 シートを利用者の体の横に置き、横向き(側臥位)になってもらい、シートを体の下に差し込み、上向き(側臥位)になります 4 体の下に差し込んだスライディングシートを引き出せば敷き込みの完成です 5 スライディングシートの特性を活用して移動させます ベッドの上方向へ移動 足に力が入る場合は起点を押さえて介助します。 ベッドの横方向へ移動 重さのかかるところ(胸部・お尻)を平行に押す、もしくは体近くのシート上側を持って引きます。 体全体を使って動かすと、腰への負担を減らし、安全で楽に移動ができます。 6 スライディングシートを抜き取ります 2枚になっている下側を持ち、対角線上に引きます。 そして、引いて集まったシートを引き抜きます。

2018.7.19

プラザお困り解決ノート「車いすで姿勢を安定させる方法」

j0T00yIy(uwQ000g0o00T0)R(un0viK00U0~0V0~0j0T0vNJ0D0_0`0D0f0J00~0Y00 0S0n0000g0o0kV0kvk0YD0T0vNJNO09}NW0~0Y00 n0vU00n0Sk0W0f0D0_0`0O0n0o00a0000 0S00j0N0vNJW0f0D0D00`0 0h0lj0lca0g0000k0J0W0D0_0`0Q00p0h0`D0~0Y00 ʎD0Y0g0YR0[[U0[00el 0yr%R wN000n0wTU00K00bS_n0AU00k0d0D0f0T0vNJL0B00~0W0_00 0 0AU00k00ߘN000000000n0Bfim01Bf z^ 0Nn0)R(uU00h0 TX00F0k0ʎD0Y0g0}iW0O0NT0W0f000D0_0D0g0Y00 0 e-wTU00K00:Oc0_0AU00n0rl 0]uL0B000^0}Q00S0h0L0W0D0eg0Y00 0s(W0nfWʎD0Y0k0WNc0f0D0~0Y0L00MRn000k0j0c0f0W0~0D0~0Y00 ~0_00ʎD0Y0K00=a00S0h00B00~0Y00 0YRL0Ocg0M0j0D0_000b6R/^0Oc0f0D0~0Y0[en0 ^gg0B00L00e-h0W0f0o0b_gk0j00n0g0YW0_0D0h0H0f0D00 0 0SGrKbGrg0dW0~0Y0^ Nn0KbY00I{0Oc0f0 L00NNk0v0d0K0c0_00W0f0ʎD0Y0K00=a00S0h00B00~0Y00 000wTL0vce-k0*OUW0f0y00S0h0k0W0~0W0_0 0Oc0f0D00ʎD0Y00xY00h00^bL0v0Wrk0'YR_000g0D0f0l00L0B00~0W0_00 ]0n0_00^bؚL0NOO0j000,gNn0SOk0iTW0f0J00Z00 NSOL0Sk0PM00]n0J0W00tPk0L0B00rKag0W0_00 AU00n0YRL0[[W0j0D0SVo0S0S0k0B00h0c,nW0~0W0_00 ㉬V ckW0D0YRg0^000F0k0te0hVwQ0W0QW0~0W0_0 0J0W0004ls^j0rKak0Od0_00k00_000`0^b00005_0vW0f0lxꌤ000000N^\00000n0 Nk0eQ00g0ؚU00teW0_0h0S000^bؚU00a00F0i00O0j0000000000QtPk0=a0S00g0D0_0]U00000000g0/eH0000^MOL0[[W0~0W0_00 ㉬V {0000 %ʎD0Y0n0^bo0s^0k0j000F0k0 %0000000nM0 o00nM00Y0D0ؚU0k0 e-tPg0lxꌤ00000n0N00n0g0(uaU000~0g00L}N[0+T0W0QY0S0h0k0W0~0W0_00 ]0n0_n0L}N 0lxꌤ000000OF0S0h0g00@w^Bfyrk0@w^v_ n0YRn09eUL0B00~0W0_00 iT$R[n0-Ng00^iP[k0^00S0h0L0xg0M0_0_000

2019.11.15

特別支援学校教員から、手で持たずに切れるはさみの製作を依頼され、児童・生徒が様々な作業の中で使用し、自立活動につながった事例

特別支援学校教員から、手で持たずに切れるはさみの製作を依頼され、児童・生徒が様々な作業の中で使用し、自立活動につながった事例  これまで児童・生徒の身体状況によって、はさみを持って作業できる場合とそうでない場合があって、必ずしも全員が作業に参加できていませんでした。 重度の脳性まひの児童・生徒が作業に参加できるように「はさみを持たなくても切ることができるような道具を作っていただけませんか。 」と相談がありました。  そこで手で持たずに押して切れる、はさみ自助具を製作することにしました。 材料リスト はさみ 1本 木材 適量 鉄板(はさみ固定用) 適量 バネ 2本 ネジ 6本 材料費は2,100円程度 作り方  はさみは柄の片方を2つの木材ブロックにはさんで垂直に固定します。 バネは、はさみのもう一方の柄と台座とをつないでネジで固定して取り付けます。 この柄には手を置いて押せるように水平板を固定し、木材の各部品を接着します。 工夫した点と使い方  市販品に、はさみ自助具はありますが台座がなく不安定なので、これを参考に台座を取り付けて安定感のあるはさみ自助具を製作しました。  はさみの刃は切れ味を良くするために噛み合わせを修正して紙の滑りを防止しました。 また、はさみの柄を持たず、手で押して切れるように柄部分に水平板を固定しました。 なお、はさみには台座と水平板の間に2本のバネを入れて、水平板を押した後、バネの力で元の位置に戻るようにしました。 バネがどのくらいの力で押せるか、その硬さを選択するのに苦労しました。  使う場合は、はさみの刃部分に紙の端を挿入させて置き、はさみの柄部分の水平板を手や腕で上から押すことによって切ることができます。 市販品のはさみ自助具 はさみ外観 なごや福祉用具プラザでは福祉用具の製作・改造を通じて、ご本人やご家族等の生活を豊かにするお手伝いをします。 お気軽にご相談ください。

2018.3.19

福祉用具よもやま話 3 知ればわかる、試してわかる 福祉用具の買い方

福祉用具の購入は「お得に買う」ことにこだわりがちですが、 必要なものを必要なときに、制度も活用して買うことが大切です 知ればわかる、試してわかる 福祉用具の買い方 今度の土曜は楽しい遠足です。 たろうとお姉ちゃんはお父さんと駄菓子屋さんへ行きました。 たろう  :おやつ代は300円。 でも、先生に聞いたらバナナは「お弁当」に入れてもいいし、アップルジュースは水筒に入れちゃえばわかんないからオッケーでしょ。 だからこんなにたくさん買えたよ。 すごいでしょ!」 お父さん :おお〜。 すごいねぇ……。 あれっ、お姉ちゃんはたったそれだけ? たろう  :もっといろいろ買えるじゃん! お姉ちゃん:「食べられるだけ最小限で」って学校からのプリントに書いてあったでしよ。 あんたはそんなに食べきれないんだからアタシが半分もらうからいいの。 たろう  :ええ〜!? お父さん :でも、まぁ、せっかくだし「食べられる」ってことにして、お姉ちゃんもとりあえず300円ぶん買っておけばいいんじゃない? お姉ちゃん:無駄遣いはだめ!本当に必要なものをよく考えて必要なときに買わなきゃ。 だめよ、お父さんはすぐそうやって子どもを甘やかすから!! お父さん :はい、スミマセン……(最近、ママに似てきたなぁ) 「必要なものを必要なときに買う」のは福祉用具も同じです 「介護保険の認定を受けているから補助はあるでしょ?」  福祉用具プラザに来館頂いたお客様からよくある質問です。  福祉用具は高齢者や障害がある方の自立に役立ち、介護する方に対しても介護負担を軽減するものですが、どのようにして手に入れると良いのでしょうか。  制度として「介護保険」には<貸与(レンタル)>と10万円を限度としての<購入>があります。 また「障害者総合支援法」に基づく<補装具>や<日常生活用具>としての給付などもあります。  例えばT字杖が欲しい場合、介護保険ではレンタル対象品ではないので自費購入となりますが、身体障害者手帳を持ち、かつ歩行が不安定な方や、難病等の疾患により足が不自由な方の場合は「日常生活用具」として給付の対象です。  車いすも介護保険制度では軽度者(要支援1・2、要介護1)は原則、借りることができませんが、身体障害者や難病患者の補装具として申請をすることは可能です。  同じ道具でも、制度により給付の対象であったりなかったり・・・ややこしいですね。 ところで、一般的に思い浮かべる福祉用具代表のような杖や車いすだけでなく、パソコンやスマートフォンも福祉用具です。 なぜなら、目や耳や発語が不自由で、一般的に意思疎通を交わす事が難しい場合でも、同時にコミュニケーションをとることのできる魔法の道具だからです。 行ったこともないような場所の映像や音声を瞬時で確かめたり、買い物したり、趣味に興じたり・・・パソコンは大人も子どもも障害のあるなしに関わらず、不特定多数の人々に大変便利なグッズであり、今や現代社会において無くてはならないものの一つですが、もちろん介護保険では手に入りません。 でも障害者総合支援法では補装具や日常生活道具として認められているものもあります。  その他、入浴用品、便器・オムツなどの排泄用品、歩行器などの移動用具、等など・・・便利な物、生活に必要な物である福祉用具ですが、その方の障害の程度や市区町村の制度に沿ってどんな道具が使えるか。 環境や介護力も合わせての判断が必要です。  あ〜〜〜難しすぎてわからない!! いったい自分にはどんな道具があっているの!?どんな制度が使えるの!?と思われた方。 まずは、なごや福祉用具プラザに来てみませんか? たくさんの用具を実際に触ってみてください。 どんな用具があり、どのように使うのか。 どんな制度を適応できるか。 なごや福祉用具プラザの職員が笑顔でお迎えし、皆様と一緒に考えます。

2017.11.6

福祉用具よもやま話 2 知ればわかる、試してわかる 福祉用具の選び方

福祉用具を選ぶとき、「あれも、これも」となりがちですが、 使い方を考えて上手に選ぶことが大切です 知ればわかる、試してわかる 福祉用具の選び方 たろう君: 便利な車いす、考えたよ。 お父さん:へぇー、どんなの? たろう君:あのね、電動自転車みたいに上り坂で軽くなるの。 お父さん:いいねぇ。 たろう君:それでねぇ、坂を降りるときはゆっくりになるの。 お父さん:ますます、いいねぇ。 たろう君:階段だってスイスイ登るの。 お父さん:どうやって? たろう君:タイヤが星形だから階段にちょうどいいの。 お父さん:それじゃ、平らなところだと、ガクガクするじゃない。 たろう君:大丈夫だよ、平らなところでは宙に浮かんでるんだもん。 こがなくてもぐんぐん走るよ。 お父さん:グングン? たろう君:うん、自動車を抜いちゃうくらい! お父さん:危ないねぇ。 たろう君:危なくなったら空に逃げるから大丈夫。 お父さん:えっ、空!! たろう君:そうだよ、浮かんでるんだもん。 空だって飛べるよ。 お父さん:空を飛べるんなら、階段も、坂も関係ないじゃない! たろう君:あとね、寝てるうちにどこでも連れてってくれるの。 お父さん:それ、空飛ぶじゅうたん! 福祉用具を選ぶとき、何が大事?  なごや福祉用具プラザへは、多くの方にお越しいただきます。  歳を重ねて以前はできていたことができなくなり日常生活に不便を感じている方、昨日まではお元気だったのに転倒して歩けなくなった方、生まれつきの疾患で工夫しながら生活してこられましたがもっと便利なものを探しに来られた方……。 ご本人様、ご家族様、支援する方々、通りすがりにふらっと立ち寄った方、医療・福祉を勉強されている学生さん、訪れる方、皆様それぞれが思い思いに福祉用具を手に取り考えます。 どんな使い方ができるのか? 自分には合うのか? 値段はどうか? 公的な補助が受けられるのか? など、一つひとつ確認されていらっしゃいます。 杖ひとつとっても種類が豊富  例えば「杖」や「車いす」といっても、その種類は様々です。 同じように見えても、それぞれに違いがあります。 私たち相談員によく頂くのが「どれがおすすめですか?」とか「今よく出ているのはどれですか?」といった質問です。 でも、残念ながらその質問には答えられません。 福祉用具は個別性が高く、その人に合わせたものが必要で誰にでも便利に使える道具、というものではないのです。 「これが一番流行ですよ! 誰が使っても便利ですよ、とは、いかないものなのです。 使う方の考え方、生活スタイル、やりたいこと、身体状況や環境を見極めて、それに合わせて選んでこその福祉用具なのです。 自分に合う福祉用具を見極める  福祉用具を上手に活用するためのコツは、『自分が何をしたいのか』『どのような生活を送りたいのか』を明確にして、それに応じた用具を選ぶことに尽きます。 なごや福祉用具プラザでは専門の担当者があなたのご相談をお持ちしています。 どんな道具があなたに一番良いのか、一緒に考えてみませんか。 いきいきとした生活のお手伝いをいたします。 なごや福祉用具プラザでどんな道具があなたに一番良いのか、一緒に考えてみませんか。 いきいきとした生活のお手伝いをいたします。

2017.7.11

福祉用具よもやま話 1 知ればわかる、試してわかる 福祉用具ってなに?

「まだ必要ない」「こんなもの使わない」「そんな大げさなもの要らない」 そんなこと ありませんよ 知ればわかる、試してわかる 福祉用具ってなに? たろう君:福祉用具ってどんなもの? お父さん:お年寄りや、体に障害のある人が楽に暮せるように工夫された道具の事だよ。 たろう君:ふ〜ん、じゃあ普通の人は使っちゃいけないの? お父さん:そんな事はないよ。 最初は福祉用具として作られたものでも、便利だから普通に使われるようになったものもあるよ。 例えばこのメガネ!めがねを掛ければ小さい字がよく見えるようになるだろ。 ほかにはライターとかも…… たろう君:えっ、ライターが? お父さん:マッチは、知ってる? たろう君:知ってる! マッチ売りの少女が火を点けるやつ。 理科の時間に使ったよ。 お父さん:そう!それ、片手で火着けられるか? たろう君:う〜ん、片手じゃ無理かな……失敗してやけどするかも。 お父さん:ライターは、片手でも火を着けられるよな? たろう君:わかった! 片手が使えない人のためだったんだ。 お父さん:そうだよ、便利な道具を使えば、どんどん豊かになる。 他に便利な物って何がある? たろう君:孫の手!それから〜スマホ! お父さん:へ〜おもしろいね。 たろう君:お父さん、数字の『6』は福祉用具じゃないんだね。 お父さん:どうして? たろう君:だって片手じゃできないもん! 福祉用具が必要なほどではない?  お元気な方に「福祉用具」をご案内すると、「まだ必要ない」「こんなもの使わない」「大げさ」といわれてしまうことがしばしばあります。 これまで自力で生活してきた方にとって福祉用具を利用することはどこか屈辱的に感じ、道具に頼るということにマイナスイメージを持たれる方が多くいます。  でも、昔から「備えあれば憂いなし」という言葉があるように、事前に知識だけでも得ておくことは大切なことなのです。 誰でも年齢とともに身体の機能は低下します。 実際に、不都合が起きてしまってからでは遅いのです。 福祉用具って特別な道具では?  福祉用具とは、「生活を便利にする生活用具、機能訓練用具、機能を補いできないことを少なくするための用具」という3つの定義があります。 難しく感じるかもしれませんが、決して特別なものではありません。 例えば、メガネやライター。 使っている人にとっては、それなしでは生活できなくなる道具です。 これらも広い意味では福祉用具の仲間です。 私たちは生活の中でさまざまな道具を使って便利に過ごしています。 福祉用具もそれらの道具と同じ「生活を便利に豊かにするための道具」なのです。 どんな福祉用具があるの? どうすればいいの?  インターネットの普及で家に居ながらにしていろいろな情報が得られるようになりました。 でも、本当に必要なものなのか? それを使うことによって本当に生活が豊かになるのか? 見極めることは、案外難しいものです。 マンガでは、未来の世界の猫型ロボットがやってきてタッタラタッタッター♪と便利な道具を出してくれますが、いつも失敗していますよね。 福祉用具も、ちょっとそれに似たところがあるのです。 ただ単に、便利だから、欲しいからというのではなく、本当にその人らしく生活するための道具を一緒に考えることが必要なのです。 実際の道具を手にとって、使う方と一緒になって考える。 なごや福祉用具プラザはそんなところです。 どんなものを使えばいきいきとした生活が送れるのか、楽しい時間を過ごすにはどうしたらいいのか…… なごや福祉用具プラザで一緒に考えましょう

2023.4.10

入浴用カランを楽に回すことができる自助具の製作

入浴用カランを楽に回すことができる自助具の製作  利用者の自宅を訪問したプラザ職員から「風呂場のお湯を出すカランを回すのに苦労しているリウマチの方がいるので、自助具で対応したい。 」と提案を受けました。 そのカランは円筒状でわずかに柄のようにでっぱりがあり、それを下へ回す(ひねる)ことでお湯が出る仕組みでした。 そこで、利用者が入浴用カランを楽に回すことのできる自助具を技術ボランティアと協力して製作することにしました。 材料リスト アクリル板(180mm×45mm×3mm) 1枚 アクリル板(150mm×45mm×3mm) 1枚 アクリルブロック(45mm×25mm×7mm) 1個 アクリルブロック(45mm×10mm×7mm) 1個 固定皿ネジ(M4、ステンレス) 4か所 材料費 300円程度 作り方  カランを型取りした紙粘土と採寸結果から木型を作ります。 その木型に合わせ、かつ、柄の長さも検討してアクリル板をカットします。 アクリル板を熱で柔らかくして、木型へ上下から挟んで、冷えて固まるまで待ちます。 上下のアクリル板に高さ7mmのアクリルブロックも前後に挟んでから、さびにくいステンレスネジで固定します。 上下に挟んで取り付けた様子 カラン周辺の様子 工夫した点と使い方  入浴用カランは以前に製作したことがありましたが、その際には新築に取り付ける前のカラン本体をお借りすることができ、調整しながら合わせて作ることができました。 しかし今回はすでに浴室に設置してあるカランのため、利用者の自宅を訪問して採寸し、操作のしやすさや、他の部分と干渉しないか等も検討しつつ作る必要がありました。 カランは取り外しができず、円筒状であり曲面が多いので、採寸の精度に不安がありました。 そこで採寸を補うために紙粘土を持参し、これでカランを型取りすることで曲面の様子も把握することができました。 材料にはアクリル板を使いますが、単純にカランを上下から挟むのではなく、型取りした紙粘土から木型を作り、熱して柔らかくしたアクリル板をその木型に押し当て密着させる方法で製作しました。 自助具製作の技術ボランティアによるアイデアや丁寧な調整が活かされた自助具となりました。 再び、自宅を訪問し、カランへ製作した自助具を取り付け、利用者は長くなったカランの柄を下へ回すことでお湯を楽に出すことができました。 なごや福祉用具プラザでは福祉用具の製作・改造を通じて、ご本人やご家族等の生活を豊かにするお手伝いをします。 お気軽にご相談ください。