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介護方法

2022.7.13

なごや福祉用具プラザでは排せつケア相談支援事業をおこなっています

名古屋市では平成30年度より高齢者の排せつの自立を支援し介護者の負担を軽減する目的で「排せつケア相談支援事業」を実施しています。 令和4年度より支援の内容をより拡充することになり、なごや福祉用具プラザが取り組むことになりました。  なごや福祉用具プラザでは以下のサポートを提供いたします。 名古屋市高齢者排せつケアコールセンター  排せつのことで困ったらコールセンターがあります。  名古屋市高齢者排せつケアコールセンターは、平成31年1月に名古屋市が開設した排せつケアに特化した電話相談窓口です。 人に言えない、言いにくい、排せつに関する悩み事をお電話で相談することができます。  相談は無料、匿名でも大丈夫です。 お気軽にご相談ください。 コールセンターにはこんなご相談が多くかかってきます 重いものを持つと尿がモレるんだけど・・・ 尿に勢いがなくなった。 最後まですっきり出せない。 便秘でお腹が張って苦しい。 どのような食事をとればいいの? 便が緩くて困ってる。 対処の方法を教えて欲しい。 おならが多いのだけど、気をつけることは何? 楽に介護するにはどんなおむつを選べばいいの? 対面・訪問相談  排せつの状態や体のサイズによっても選ぶべきおむつは変わってきます。 なごや福祉用具プラザの施設内には、用途や体のサイズに応じた様々な種類の試供品を取り揃えています。  また、ポータブルトイレやストーマの処理がしやすい便器などの設備だけでなく、脱ぎ着のしやすい衣類のご紹介や介護の方法などのご相談を、看護師・理学療法士などの資格を持った職員が承ります。 必要に応じて自宅などにも訪問し、具体的なアドバイスを行いますので、おむつや排せつに関する福祉用具を実際に見て、触れて、試してください。 相談は下記電話にてお受けしています 高齢者排せつケアコールセンター 052-746-1180 対面・訪問相談(なごや福祉用具プラザ) 052-851-0051 ※火曜日〜日曜日 10:00〜18:00(年末年始・祝休日除く) おむつ選びの専門家養成研修  令和4年度から新しい取り組みとして、名古屋市内の薬局やドラッグストアなど、おむつを販売しているお店の従業員の方等を対象に「おむつ選びの専門家」養成研修が始まります。  おむつにはパンツタイプ・テープタイプ・尿取りパッド・便専用パッド等の種類も多く、使い方も様々で組み合わせも多種多様です。 おむつ選びの専門家は、体の状態にあったおむつを適切に選ぶことで、本人の自立を支援するとともに、少しでも介護が楽になるようにお手伝いをする人です。  養成研修を受講し、理解度確認のための修了テストに合格した人には「おむつ選びの専門家」として名古屋市が認定証を発行します。 また、「おむつ選びの専門家がいるお店」には、広報啓発用としてのぼり旗、ポスター、ステッカーなどをお渡しさせていただく予定です。 詳細、お申し込みはなごや福祉用具プラザ ウェブサイトより おむつの選び方編 紙パンツを購入するときは、モレが心配なので大きめのサイズにする? 大は小を兼ね“ません”。 大きめのサイズにするよりも、ウエストサイズをはかって、自分に合ったサイズのものを選びましょう  おむつにはいろいろなサイズがありますが、メーカーごとにサイズの範囲に幅があります。 脚はやせていてもお腹周りだけが大きく、締め付けられるのを嫌って大きいサイズを選ばれる方が多いのですが、隙間からモレの原因につながります。 パンツタイプはウエストサイズ、テープタイプはヒップサイズを正しくはかって、選ぶときの目安にしましょう。 紙パンツの脱ぎ方編 便で汚れた紙パンツを脱ぐ時は、紙パンツの横のつなぎ目を引っ張って破るとよい? 周りを汚さないようにするために、そ〜っと足を抜くよりも、紙パンツの横のつなぎ目を上または下から横に引っ張って破るとよいでしょう  紙パンツの横のつなぎ目はメーカーにより異なりますが、上または下から横方向に引っ張ると破れやすい構造になっているものが多いです。 足をそ〜っと抜こうと思っても、足周りや床を便で汚してしまいますので横のつなぎ目を破り、広げた状態にすると汚さずに交換しやすくなります。 おしり周りの清潔編 おむつかぶれなどが心配なので、交換のたびにしっかりと石けんで洗う? まめな洗浄やふき取りはせず、洗浄剤は1日1回にしましょう  おむつかぶれや床ずれを心配して排せつのたびに石けんでゴシゴシ洗ってしまいがちですが、こまめな洗浄やふき取りは皮脂を減少させるとともに、摩擦による刺激で皮膚のバリア機能を低下させてしまいます。 おしり周りは洗いすぎず、洗浄剤を使うのは1日1回でOK! ふくときもゴシゴシこすらず、やさしく軽く押さえるようにふき取り、その後にクリームを塗布するなどして保湿を心がけましょう。

2021.11.12

電話・来所でのご相談「排せつの悩みについて」

なごや福祉用具プラザでは、ご利用者の皆さまからさまざまなご相談をいただいています。 今回は、そうしたご相談の一例を紹介いたします。 電話・来所でのご相談 排せつの悩みについて  相談者のAさんは60代男性。 90歳になる在宅療養中のお父様の尿もれに困っていらっしゃいました。 Aさんはお困りごと解決のヒントを求めて、なごや福祉用具プラザの「家族介護者教室」に参加されましたが、その後も困りごとがまだ解決しないということで、あらためて電話でのご相談がありました。 電話で相談支援 おむつから尿モレがある場合、①【サイズ 】②【つけ方 】③【相性・吸収量 】をチェック!  排せつ関連のご相談では、ご本人の身体状況、排せつの状態、使用している下着やおむつの種類、環境、介護の状況などをお聞きします。  お父様は小柄な方でしたがお腹が出た体形のため、Lサイズの紙パンツと尿取りパッド1枚を重ねて使用されていました。 また、聞き取りから、夜間に不穏があり大きな声を出したり身体を小刻みに動かすことが多かった日は、尿モレがひどく衣類やシーツまで汚していることがわかりました。  おむつから尿モレがある原因は、サイズ間違いとつけ方の間違い、そして吸収量の間違いから起こることがほとんどです。 そこで、次のようなアドバイスをしました。 ❶ 紙パンツのサイズはウエストで選ぶ  Aさんは、楽にはけると思いLサイズの紙パンツを利用していましたが、お父様の脚周りは細くすき間ができていて、これがモレの原因になっていました。 サイズごとのウエストの対象範囲がメーカーによって異なるので注意が必要ですが、お父様はMサイズで十分でした。 ❷ 紙パンツを正しく履けていますか? 尿取りパッドが紙パンツからはみ出ていないか ギャザーをつぶしていないか パンツ内で尿取りパッドがよれていないか 尿取りパッドの吸収体が尿道口から離れていないか(すき間はないか) ❸ おむつ(紙パンツや尿取りパッド)の相性、吸収量と実際の尿量はあっていますか?  市販のおむつのパッケージには、吸収量が、「〇回吸収」と書いてあります。 1回分は150ccで計算されているものがほとんどですが、Aさんが購入されていたものは8回吸収(1200cc)の尿取りパッドでした。 Aさんはどんな商品を選べばよいのかわからず、吸収量の大きいものを使用すればモレないだろうと考えて購入されていたようですが、このパッドは紙パンツとは違うメーカーのもので、一緒に使うにはあまり相性がよくなく、その結果として、身体を動かすうちに紙パンツの中でパッドがよれてモレの原因になったと思われます。 来所で相談支援 「おむつに色々な種類があることを知らなかったです。 」  なごや福祉用具プラザではいろいろなサイズ・吸収量・機能に特徴のあるおむつを各メーカーよりお預かりしているので、使う方の状況に応じて試供品をお渡しできることをお伝えしました。 Aさんは「どんなものがあるのか実際に見てみたいです」と仰ったので来所いただくことになりました。  たくさんあるおむつの中から、お父様には 尿取りパッドを使用しなくても紙パンツ1枚が高吸収なもの 脚回りがやせている方にもフィットしやすい1分丈のもの すき間を埋める両面吸収タイプ の3種類をご紹介し、試供品としてお渡ししました。 その後 「紙パンツから尿がもれることはほとんどなくなり介護が楽になりました。 」  後日、Aさんから「高吸収な紙パンツ1枚に変更することで、尿がもれることがほとんどなくなり介護が楽になりました」と経過の報告がありました。 Aさんは「介護度が高くなると様々な介護サービスを受けられますが、排せつのしくみやおむつの選び方、あて方を教えてくれる人はいませんでした。 いくつか試すべき方法を提案してもらえて参考になりました。 困ったときに、また相談したいです。 」と何度もお礼を言われ、私たちプラザ職員もとても嬉しく思いました。  お困りの状況を伺ってさまざまな試供品を試すことで解決策を見いだせることもあります。 まずはお気軽にお声掛けください。 おむつ:テープ式、パンツ式、尿取りパッド等の総称として使用しています。 電話・来所でのご相談 排せつの悩みについて 電話・オンラインを活用した福祉用具のご相談 書きやすいよう握り方をサポートする用具

2020.11.10

福祉用具の活用で感染予防 なごや福祉用具プラザが提案する安心で楽々な介護

福祉用具の活用で感染予防 なごや福祉用具プラザが提案する安心で楽々な介護  コロナ禍の中、ご家庭や職場での介護にウイルス感染の不安を感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。  福祉用具や介護ロボットは、介護する方・される方がお互いに負担なく、安心して快適に過ごせるために開発・工夫されてきたのは皆さんもご存じの通りです。 一方、最近になって「福祉用具や介護ロボットは利用者と介助者の密着を避け、ウイルス感染リスクを下げる効果も期待できる」という報告があり、注目され始めました。  本特集では感染リスクが心配される介護シーンと、介護ロボット・福祉用具を使った解決例や注意点などをご紹介します。 ベッド等からの移動 抱きかかえ  抱きかかえる姿勢は介護する方に負担が大きいだけでなく、体が密着し顔が向かい合わせに近づくため、感染リスクが高まり危険です。 介護リフトの活用 スライディングボードの活用 向かい合わせの姿勢を避けられるので、距離をとることができ、感染リスクを下げることが可能です。 トイレの介助 抱きかかえ・複数介助  抱きかかえる感染リスクに加え、複数感染の危険があります。 移乗介助ロボットの活用 1人で介助できるので、複数感染のリスクを下げることが可能です。 ベッドからの起き上がり 抱き起こし介助  密着を恐れる心理が働き、不自然な姿勢を取ってからだを痛めるリスクがあります。 電動ベッドの活用 背上げ機能を活用すると、適切な距離を取れるので感染予防に効果的です。 「聞こえ」対策 大声で呼びかけ  聞こえが不自由な方と至近距離で大声で会話をすると飛沫感染リスクがあります。 電動ベッドの活用 助聴器を使うと距離を取りながら通常の声量で会話が可能です。 その他 携帯助聴器  会話時にマイク部分を向けると、一定の距離があっても聞き取りやすくなります。 音量と音質を調整できます。 安全で簡単なコミュニケーション  利用者さんの気持ちや要望を指し示してもらうことでコミュニケーションをとる方法です。 既製品もありますが、相談してお手製を作るのもよいでしょう。 自動ラップ式トイレ  熱圧着によって排泄毎に1個ずつ包装できるので排泄物からの感染リスクを低減できます。 ここに注意! 機器を正しく使うことと管理が必要  介護ロボット等、導入に当たってはメーカーや代理店から使用方法やメンテナンスについて確認しておきましょう。 機器の定期的な消毒が必要  利用者さんのおからだが直接触れる部分等、機器がウイルスの媒介とならないように注意しましょう。 なごや福祉用具プラザにご相談を  利用者さんのおからだの状況や経済的な要素など、介護を取り巻く環境はひとそれぞれです。  なごや福祉用具プラザでは、そういった個々の状況に合わせた適切でより良い福祉用具の選定をお手伝いします。 ぜひご相談ください。 参考:令和2年8月7日シルバー新報「感染対策と福祉用具」

2019.3.15

プラザお困り解決ノート「スライディングシートを使った介助」

なごや福祉用具プラザでは、ご利用者の皆様からさまざまなご相談をいただいております。  このページでは毎回、比較的に多いご相談事例を紹介します。 読者の皆さんの参考にしていただくのはもちろん、「こんな事も相談していいんだ」と気軽な気持ちでプラザにお越しいただければと思います。 「ベッド上での上方や横方向への移動介助が大変」 スライディングシートを使って動作をお手伝い  ベッド上の移動介助は、介助者に大きな負担となり、腰痛の原因となる場合が数多くあります。 また、人力のみの力任せな介助は利用する方にも体的な負担になり、床ずれ(褥瘡)や関節の可動域が制限されてしまう拘縮など、二次障害の原因にもなりかねません。 「持ち上げる、引きずる、抱え上げる」そうした人力のみの力任せな介助は、介助者、利用者の双方に大きな負担となります。 利用者の体の動きに合わせて適切な用具を選択することが基本です。  今回は「ベッド上での移動ができない利用者を介助する際に生じる体の圧迫などを軽減し、かつ介助者の負担も軽くできないか」というご相談を事例に、多くの方に利用いただけるスライディングシートを使った移動方法をご紹介します。 シートの種類 一枚シートタイプ 二重にして使い、多方向へ滑らせることができます。 ウィズ『トランスファーシートフラット』、Spilerdug『スピラドゥ』等 ループ(筒状)タイプ 一方方向に滑らせることがやりやすいです。 モリトー『移座えもんシート BLACK』、東レ『トレイージー』等 シュルシュルっと滑って移動を楽にする道具 スライディングシートを使った介助  食事、着替え、入浴、排泄など、さまざまな場面で必要なのが移動です。 骨格や筋肉、関節の関係を利用することが基本ですが、スライディングシートを使うことで、さらに余分な力を使わず、また、利用者にも負担をかけず安全に移乗することができます。 1 背上げ機能で上体を起こしていきます。 手すりにつかまっている場合は手を挟まないように注意します。 自然に腕をおろし、こぶしの高さになるようベッドの高さを調整します。 ベッドの周り、足下の履き物などもかたづけましょう。 2 スライディングシートを敷く場所を確認します スライディングシートは、重さのかかるところ(頭・胸部・おしり)の下に敷きます。 一枚シートタイプのスライディングシートは半分以上に折りたたみます。 ループタイプの場合は、動かしたい方向に合わせます。 3 シートを利用者の体の横に置き、横向き(側臥位)になってもらい、シートを体の下に差し込み、上向き(側臥位)になります 4 体の下に差し込んだスライディングシートを引き出せば敷き込みの完成です 5 スライディングシートの特性を活用して移動させます ベッドの上方向へ移動 足に力が入る場合は起点を押さえて介助します。 ベッドの横方向へ移動 重さのかかるところ(胸部・お尻)を平行に押す、もしくは体近くのシート上側を持って引きます。 体全体を使って動かすと、腰への負担を減らし、安全で楽に移動ができます。 6 スライディングシートを抜き取ります 2枚になっている下側を持ち、対角線上に引きます。 そして、引いて集まったシートを引き抜きます。

2018.11.11

プラザお困り解決ノート「電動ベッドを使った起き上がり、立ち上がり」

なごや福祉用具プラザでは、ご利用者の皆様からさまざまなご相談をいただいております。  このページでは毎回、比較的に多いご相談事例を紹介します。 読者の皆さんの参考にしていただくのはもちろん、「こんな事も相談していいんだ」と気軽な気持ちでプラザにお越しいただければと思います。 電動ベッドを使った起き上がり、立ち上がり 日常生活に必要な動作をお手伝い  筋力の衰えにより布団からの起き上がりに苦労するようになった男性(以下、Aさん)のご家族からの相談です。 起き上がることができず、家族が外出している日は寝ていることが増え、自分でできることが減っていき、トイレにも行けなくなってしまいました。 自力で布団から立ち上がることはできませんが、座った状態から手すりがあれば立ち上がることができます。 Aさんは、長く柔道をやっていたスポーツマンで旅行や散歩に出かけることが多かったとのこと。 以前のように立ったり歩いたりできる日常生活を求めていらっしゃると考え、起き上がりを補助するために電動ベッドをご提案しました。 電動ベッドの種類について ※写真はマットレスを外した状態です。  電動ベッドは、モーターの数によって操作できる機能に違いがあります。  3モータータイプのベッドは、背上げ角度調整・脚上げ角度調整・床高さ調整の3つの機能を個別に操作することができます。  2モータータイプは、背上げ角度調整と床高さ調整の2つの機能を個別に操作することができますが、背上げと連動し脚上げも動作します。 起き上がりに利用する場合は、背上げ・脚上げの連動をキャンセルしておきます。 3モーター(背上げ+高さ+足上げ)  2モーターとの違いは、足の上下の単独操作も可能になるという点で、ご利用者や介護者に合わせて自由自在に調節できます。 2モーター(背上げ+高さ)  脚部については背上げに連動して上下し、連動を解除することが可能なものが多く、その場合は脚部はフラットなままとなります。 電動ベッドを使用した起き上がり・立ち上がり動作 はじめに A背上げ時にベッドの曲がる位置を確認しておきます。 A2モータータイプの場合、背上げ・脚上げ連動はキャンセルします。 Bベッドの高さはベッドに座った(端座位)時に足が地面に着く高さに調整します。  ベッドの曲がる位置に股関節がくるように横向き(側臥位)になります。 必要に応じて手すりにつかまります。  背上げ機能で上体を起こしていきます。 手すりにつかまっている場合は手を挟まないように注意します。  ベッドの背が上がってきたら、手すりにつかまり起き上がります。  手すりにつかまって立ち上がります。 その後の経過  楽に起き上がれる、自分で起き上がれるということはとても大切なことです。 ベッドの機能を使い、身体の使い方を覚えることで、自分ひとりでも起き上がれるようになります。 Aさんも、一連の動作を練習したところ、もともと身体を動かすことが得意だったこともあり、すぐにコツをつかんだようで、ご自分で起き上がれるようになりました。  本人の状態・能力によって電動ベッドを利用しての起き上がり方法は異なります。 なごや福祉用具プラザでは専門の職員がご案内していますので、お気軽にご相談ください。