これまで児童・生徒の身体状況によって、はさみを持って作業できる場合とそうでない場合があって、必ずしも全員が作業に参加できていませんでした。重度の脳性まひの児童・生徒が作業に参加できるように「はさみを持たなくても切ることができるような道具を作っていただけませんか。」と相談がありました。
そこで手で持たずに押して切れる、はさみ自助具を製作することにしました。
材料費は2,100円程度
はさみは柄の片方を2つの木材ブロックにはさんで垂直に固定します。バネは、はさみのもう一方の柄と台座とをつないでネジで固定して取り付けます。この柄には手を置いて押せるように水平板を固定し、木材の各部品を接着します。
市販品に、はさみ自助具はありますが台座がなく不安定なので、これを参考に台座を取り付けて安定感のあるはさみ自助具を製作しました。
はさみの刃は切れ味を良くするために噛み合わせを修正して紙の滑りを防止しました。また、はさみの柄を持たず、手で押して切れるように柄部分に水平板を固定しました。なお、はさみには台座と水平板の間に2本のバネを入れて、水平板を押した後、バネの力で元の位置に戻るようにしました。バネがどのくらいの力で押せるか、その硬さを選択するのに苦労しました。
使う場合は、はさみの刃部分に紙の端を挿入させて置き、はさみの柄部分の水平板を手や腕で上から押すことによって切ることができます。
市販品のはさみ自助具
はさみ外観
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