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2022.3.11

デザイン領域1年生が北名古屋市フードドライブ事業のポスターを制作、ボランティアに参加

デザイン領域1年生が北名古屋市フードドライブ事業のポスターを制作、ボランティアに参加  賞味期限の切れていない食品を回収し子ども食堂など食糧支援につなげる北名古屋市の「フードドライブ事業」に、デザイン領域1年生の疋田未有さん、城田菜月さんがポスターを制作しました。今回のフードドライブ事業は、北名古屋市、NPO法人フードバンク愛知、バロー西春店の協力で行われ、寄贈された食品はフードバンク愛知により、支援を必要とする福祉施設や団体に無償で届けられます。バロー西春店にて食品の回収を行うのに先立ち、2022年2月22日 北名古屋市役所にて記者発表が行われました。  本学学生が北名古屋市のフードドライブ事業にボランティアとして参加するのは今回が2回目。前回、2021年10月にも3人の学生が参加し、ポスターの制作と食品の回収を行いました()。  ポスターを制作した疋田さんは、「前回もポスターを制作しましたが、どれくらい人が来てくれるのかわからないまま作っていました。実際に参加してみると、思っていた以上に多くの方に食べものを持ち寄っていただき、人の温かさに触れたように思いました。その経験を生かして、今回のポスターを制作しました」と思いを語りました。北名古屋市の市章で使われている緑色と紺色を使い、イメージしやすく目立ちやすさを考慮したといいます。前回のポスターも西春駅をはじめ市内各所に貼られ「恥ずかしかったけど、大きな自信になりました」と話しました。  北名古屋市 環境課の方からは、「前回、想定していたよりも大きな反響があり、いろいろな新しい気付きがありました。地域で集められた食品が市内の必要としている人の手に渡り、市内で無駄なく循環できたことも良かったです。学生さんがやっているのが良いという意見もいただきました。スーパーマーケットの集客力、学生さんの作品を作る力、自分たちだけではできないことが連携することで可能になり、今後もさらにフードドライブ事業が拡大できればと思います」と話しました。 紹介記事  食品の回収は、2022年3月12日(土) 10:00~13:00 バロー西春店にて行われます。 当日は3名の学生がボランティアで参加予定。ご協力をお願いします。

2021.11.4

工芸分野領域横断「工芸EXPO」プロジェクト 尾張七宝チーム、鋭意制作中!

工芸分野領域横断「工芸EXPO」プロジェクト 尾張七宝チーム、鋭意制作中!  本学デザイン領域メタル&ジュエリーデザインコース、テキスタイルデザインコース、美術領域工芸コース(陶芸・ガラス)は、今年度から領域横断による連携を始めています。愛知県の伝統工芸とコラボレーションし「第38回伝統的工芸品月間国民会議全国大会」(KOUGEI EXPO IN AICHI)に出展する「工芸EXPOプロジェクト」において、デザイン領域メタル&ジュエリーデザインコース・美術領域ガラスコースでは尾張七宝とコラボレーションし、メタル・ガラス2つの素材を融合させた作品作りに奮闘しています。制作の様子をすこし見せていただきました。  ガラス工房では、学生が溶解炉で溶かしたガラスを竿に巻き取って成形するホットワークにチャレンジしていました。学生に聞くと、伸ばしたガラスをS字に成形し、それをメタルと組み合わせる作品にするとのこと。S字の加工は難易度が高く、技術員の方にうかがっても何度か練習して作るものだとか。方法としては、ガラス全体を温めておいて一気に成形するか、前後に分けてゆっくり慎重に成形するかの2種類。当然、ガラスの扱いに不慣れな学生は後者の方法で制作、しかもこれまでにこうした作業はやったことがないといいます。S字の半分を曲げ、炉の中ではガラスの先の方から温まるため、今度は逆向きにガラスを竿に取り付け、残りの半分を曲げていきます。とはいえ、ガラスを温めるにしても炉の中で溶け落ちないように注意しながら竿を扱い、いざ成形というときにも迷いなく狙う形に持っていかないとすぐに冷めて形が作れなくなってしまいます。温める過程で崩れてきた形を素早く修正しつつ狙う形に曲げていくことは非常に難しく、タイミング、決断、根気とさまざまざことが要求されます。技術員に指導を受けながら、何度も温め形を修正し狙う方向にすこし曲げてと、繰り返していきます。小一時間ほどかかり、逆向きに取り付けてなんとかS字に近づき始めた頃、残念ながら破損。無理に力を加え過ぎたようです。時間切れで、この日のチャレンジはここまでとなりました。  七宝焼の制作は、あま市にある七宝焼アートヴィレッジにて行われています。メタル&ジュエリーデザインコースでは後期の毎週金曜に尾張七宝伝統工芸師の加藤実さんの実技指導を受けていますが、その場で工芸EXPOのための制作も行っています。出展作品は、同じあま市の(資)相互七宝製作所様から、製品にならなかった仕掛品の花瓶を提供していただき、そこにメタルとガラスの作品を組み合わせるというもの。七宝焼自体が金属とガラスを融合させた作品とはいえ、有線七宝のように薄い銀線ではなくもっと大きなガラスを設置するための台座となる金属を溶かして接合するなど、加藤氏がこれまでにやったことのない技法もあり、試行錯誤しながらの制作となります。通常、七宝焼は、釉薬を乗せ800~850度で数分焼くことを絵柄に応じて数回繰り返し完成させますが、750度程度の低めの温度で何度も何度も試しながらの制作となりました。加藤氏いわく、七宝は焼き過ぎなければ修正が効くとのことで、頻繁に窯を覗いて中の様子を窺いながら制作します。七宝の制作は、釉薬を乗せたとき水分が残っていたり、釉薬と素材の間に空気が入っていたりすると大きくはがれてしまったり、でこぼこになってしまったりと、やはり繊細な技術が必要なもの。失敗しては修正して焼き直すといった過程を繰り返し、なんとか作品を仕上げていくことになります。修正が効くとはいえ、何度も焼き冷めるのを待って釉薬を差しという作業は、やはり根気と集中力の要るものです。  ガラスにしても七宝焼にしても、改めて感じるのは制作の難しさ。工芸は、思い通りにならない素材と向き合いながらの制作ということを実感させます。急場しのぎのごまかしや慌てて取り繕うようなことが一切できません。確かな技術はもちろん制作者の精神性といったものまで要求されるような、奥深い世界の一端を感じさせます。  この制作を機に、素材を提供して下さった相互七宝製作所さんの工場を見学させていただく機会に恵まれました。工芸EXPOに参加する学生とともに、七宝焼アートヴィレッジのすぐ近くの相互七宝製作所さんにお邪魔しました。ちょうど無線七宝に釉薬を差す作業中で、息を呑んで作業を見守りました。さまざまな色合いの釉薬や使い込まれた道具たちが並ぶ工房にピンと張りつめた空気が漂い、作品が生まれてくる現場を見ることはとても有意義な経験となりました。長く使われている窯や研磨機にも歴史の重みを感じます。七宝焼の伝統に触れ、大いに触発される素晴らしい工場見学となりました。 ガラス工房 七宝焼アートヴィレッジ 七宝焼制作 相互七宝製作所 見学

2021.10.27

工芸分野領域横断による連携「工芸EXPOプロジェクト」、第三回ミーティング実施

工芸分野領域横断による連携「工芸EXPOプロジェクト」、第三回ミーティング実施  本学美術領域工芸コース(陶芸・ガラス)、デザイン領域メタル&ジュエリーデザインコース、テキスタイルデザインコースは、本年度から工芸分野の領域横断による連携を始めています。領域横断プロジェクトとして、Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場/常滑市)で2021年11月に行われる「第38回伝統的工芸品月間国民会議全国大会」(KOUGEI EXPO IN AICHI)に、愛知県の伝統産業である「三州鬼瓦工芸品」「有松・鳴海絞」「尾張七宝」と本学がコラボレーションし、学生による作品を出展、展示します。これまでのミーティングで作品制作のテーマを「映える」に決めており、今回のミーティングでは、テーマに基づき学生らがどんな作品の制作を考えているかを参加者で共有。同じような作品が重なっていないか、大きさや色など展示するときに問題にならないかなど、作品全体がどんなものに仕上がりそうか現時点での確認を行いました。  プレゼンテーションは、工芸コースの学生から行いました。プレゼンテーションといってもプロジェクトには40名あまりの学生が参加しており、ひとり3分ほどの持ち時間。簡単なラフスケッチをもとに、どんな作品を考えているかを説明しました。工芸コースの学生は三州瓦を使った作品を考えており、瓦の色味を生かした重厚なものが揃いました。ただし、窯の大きさに制限があり、作品サイズは50cm角ほど。それ以上の大きさの作品となると、別々に焼き上げ組み合わせて展示することになります。大きな作品は、制作にも工夫が必要になります。まだアイデアが具体化されていない学生もいましたが、ユニークなモチーフがたくさんあり期待が高まります。  続いてテキスタイルデザインコースの学生が説明。テキスタイルデザインコースは、有松鳴海絞りとのコラボレーションですが、手ぬぐい制作でもお世話になっている(株)張正さんの豆絞りを使っての作品です。張正さんには染めむらのため商品にならなかった豆絞りのB反があり、それを活用して、学生がデザインを加えてシルクスリーンでプリントすることを考えています。テキスタイルコースでは、普段の制作からイメージを明確にしたり人にアイデアを伝えるため関連する写真や素材をコラージュしたムードボードを活用していますが、和柄をテーマにしたムードボードを各自が作成、それをもとにプリントするパターンを発表しました。  最後に、メタル&ジュエリーデザインコースとガラスコースの学生が説明。メタル&ジュエリーコースではアートヴィレッジで見た色のくすみや傷で作品とならなかった仕掛品の活用を考え、それら仕掛品と金属やガラスなど別の素材を組み合わせる作品がいくつか見受けられました。また、時計の文字盤やUSBメモリの筐体に七宝を取り入れるなど、身近な日用品と組み合わせた作品のアイデアもありました。パズルの要素を盛り込むなど工芸品でありながら日用品と組み合わせ、親しみを感じさせるようなアイデアが印象的でした。  工芸コース 中田ナオト准教授からは、「全体が把握できて良かったと思います。まだ制作プランが固まっていない人もいるようですが、プレゼンを見て自分とは違うアプローチもあると考えてみて下さい。これから制作に入っていきますが、実際にやってみないとわからないことも多く変わってくる部分もあるかと思います。計画的に進めて欲しいと思います。展示については、コースごとではなく、全体をミックスするような形で名古屋芸大のスペースが楽しい空間になることを目指しています。展示の方向性みたいなものが見えてきたのではないかと思います。今日のプレゼンから、さらに良い作品が展示に並ぶことを期待します」とコメントしミーティングは終わりとなりました。今後は各自で制作となります。

2021.10.14

工芸分野領域横断「工芸EXPOプロジェクト」 有松・鳴海絞り 張正 豆絞り制作を見学

工芸分野領域横断「工芸EXPOプロジェクト」有松・鳴海絞り 張正 豆絞り制作を見学  今年度から、テキスタイルデザインコース、メタル&ジュエリーデザインコース、工芸コース(陶芸・ガラス)は、領域を越えた連携を進めています。愛知県の伝統工芸とコラボレーションし「第38回伝統的工芸品月間国民会議全国大会」(KOUGEI EXPO IN AICHI)に出展する「工芸EXPOプロジェクト」では、テキスタイルデザインコースの学生が、例年手ぬぐい制作でお世話になっている有松・鳴海絞りの張正さんとコラボレーションし、伝統の「豆絞り」を使った作品を制作します。  豆絞りは、江戸時代から続くドット模様の伝統的な絵柄ですが、戦争により制作方法が失われ、張正さんの先代、先々代が研究を重ね復活させたもの。今回、学生らは、生産の過程で出たB反(染めむらなどちょっとした難点のある二級品)を活用し、豆絞りの柄と重ねるように染めを加えて作品を作ります。これを機に、張正さんのご厚意で豆絞りの制作を見学させていただきました。  張正さんは、豆絞りを板締め(布を2枚の板の間に挟み強く締め、染料の浸透を防いで模様を染め出す染色法)、浸染(布を染料溶液に浸して染める方法)で制作しており、その技術は、長年の研究と経験で得られたもの。門外不出の技術で、なかなか見せてもらえるものではありません。見学会は、とても貴重なものとなりました。  工場に集まった学生らは、密にならないように、また作業の邪魔にならないように気を付けながら作業を見守りました。事前に屛風畳みに折られた布を、豆絞り用に溝を掘った専用の板に締めていきます。豆絞りの丸い模様は、染料がにじむことで丸くなるため、締めすぎると綺麗な丸になりません。もちろん締め方が緩いと模様がつながってしまい、やはり丸にならず、微妙な力加減が必要です。染料の温度や、その日の湿度も染みこみ具合に影響するため、しっかりと温度や浸す時間の管理が必要です。張りつめた雰囲気の中、締め上げた布をゆっくりと浸し、何度も時計を確認しながら布を返し、染めていきました。張正さんでは、通常ならば色味に深みを出すため染めた生地を1日置いてから洗うそうですが、今回は特別に一部を洗って見せていただきました。板から外した生地はストライプになっていますが、水の中で広げると鮮やかな豆絞りの模様が現れ、感嘆の声が漏れました。  張正さんは「こうした技術をぜひ若い人に受け継いで欲しい」と話し、学生らは作品作りへ向け薫陶を受けたようでした。  「第38回伝統的工芸品月間国民会議全国大会」(KOUGEI EXPO IN AICHI)は、2021年11月27日(土)~29日(月)、Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場・愛知県常滑市セントレア)にて開催されます。テキスタイルデザインコースの作品を含め、本学のブースでは愛知県の伝統工芸のコラボレーション作品が多数展示されます。お楽しみに。

2021.10.4

鯱バス×先端メディア表現コース デジタルツーリズム「withコロナ時代の新”旅体験”モデル 共同研究」始動

鯱バス×先端メディア表現コース デジタルツーリズム「withコロナ時代の新"旅体験"モデル 共同研究」始動  貸切バス、バスツアーなどでおなじみの鯱バス株式会社様と、デザイン領域 先端メディア表現コースでは、コロナ禍で落ち込む観光業の回復と新しい観光のあり方を共同研究、開発するプロジェクトを開始しています。地域の観光資源を活用し、従来型の観光を単に置き換えるだけではない「デジタルツーリズム」を目指し、東海地区の特性を生かした産業観光としての魅力、またそこで働く人にもスポットを当て、新たな体験価値を提供できるデジタルツーリズムの創出にチャレンジします。  キックオフとしてこのプロジェクトに参画する、株式会社えびせんべいの里様、株式会社まるや八丁味噌様、大野精工株式会社様の3社を、学生らが見学しました。見学には、鯱バス様のご協力でバスを用意していただき、1日かけての見学となりました。鯱バス 経営戦略部の方々に加え、宇津木滋 代表取締役社長にも同行していただき、学生たちにとって見学会そのものが貴重な経験となりました。  午前中は、えびせんべいの里 美浜本店へ。50種類近くのえびせんべいがズラリと並ぶ販売コーナーから入り、工場見学、えびせんべいの製造などを紹介した映像を見て、休憩コーナーでディスカッションを行いました。食品を扱うだけに通常の工場見学ではガラス越しの見学となりますが、えびせんべいの魅力を伝えるためには焼き上げたり油で揚げるときの音がポイントになるとの意見。シズル感のある音と映像のためには撮影場所の工夫が必要で、ご協力をお願いすることとなりました。また、えびせんべいが地元の食文化に根付いていることもわかり、歴史的な側面からも興味深い食べものであることがわかりました。  次は岡崎のまるや八丁味噌へ赴きました。まるや八丁味噌では、普段から観光客向けに蔵見学のコースが設定されており、そのコースに従って見学しました。蔵に入ると、濃厚な味噌の香りが漂います。米味噌とは異なる八丁味噌の製法について説明していただき、巨大な木樽とピラミッドのように積まれた石積みを見学。石の積み方に職人のこだわりと技があり、いままで地震で崩れたことがないなど、さまざまなお話を聞かせていただきました。八丁味噌は室町時代からの歴史が有り、蔵の中にも豊臣秀吉の逸話が残る井戸や江戸時代に作られ今もそのまま使われている蔵など、いくつも見どころがありました。映像撮影のポイントとなりそうな石積みについても、タイミングを合わせて作業日に撮影に入れることや、樽の上に登って撮影することなどの確認と許可をいただきました。  最後は、西尾市の大野精工様 King Farmにお伺いしました。大野精工は金属加工の会社ですが、2016年に新事業として農業分野に参入。農園King Farmを開業し、いちご狩りやカフェを運営しています。King Farmでは、いちごのハウス、プチトマトのハウス、カフェを見学させていただきました。ハウスには近代的な設備が導入され、製造業の考え方を取り入れたまさにハイテク農業といったものです。しかしながら強く印象に残ったのは、ハウスを管理している人のいちごやトマトに対する愛情です。設備についての説明の言葉の端々からも、いちごやトマトが大好きであることが伝わってきます。そうした思いをどうすれば伝えられるかが課題となりそうです。  それぞれの場所でしっかりと説明を受け、その魅力を存分に感じることができたとても有意義な見学会となりました。しかし、それ以上にまだまだ魅力的な部分がいずれの場所にもたくさん隠されていそうな感触もあります。プロジェクトは、先端メディア表現コースで来年3月までに制作を行い、4月以降鯱バスでテストマーケティング(試⾏販売)を行う予定となっています。デジタルツーリズムという新しい分野に取り組んでいる鯱バス 経営戦略部の考え方も興味深く、このプロジェクトどういった形で結実するのか非常に楽しみです。 えびせんべいの里 美浜本店 まるや八丁味噌 King Farm

2021.9.6

岐阜県池田町・㈱OKB総研・デザイン領域 池田町レンタサイクルモデルコースマップ制作事業 池田町訪問

岐阜県池田町・㈱OKB総研・デザイン領域 池田町レンタサイクルモデルコースマップ制作事業 池田町訪問  岐阜県池田町は、濃尾平野の北西部、西に標高924mの池田山、東には揖斐川が流れる自然豊かな小さな町。歴史的には中山道赤坂宿から谷汲山華厳寺(たにぐみさんけごんじ)へ向かう谷汲巡礼街道が通り、町内にはたくさんの史跡もあります。デザイン領域では、この岐阜県池田町、地域創生のコーディネイト事業を行う㈱OKB総研とコラボレーションし、やはり地域創生加速化プロジェクトで実施されている「池田・揖斐川レンタサイクル」を活用したモデルコースマップ制作を行っています。「池田・揖斐川レンタサイクル」は、池田町が養老鉄道と協力し「養鉄トレクル」として、養老鉄道車内への自転車の持ち込みや移動した先で自転車を返却することのできる仕組みで、このレンタサイクルを活用したコースマップの制作をデザイン領域の学生が行います。  2021年8月26日(木)、学生らは池田町を訪れ、実際に自転車を借りて事前に調べておいた行ってみたいスポットを確認し、池田町の新たな魅力を探しに出かけました。天気が心配されましたが、長雨が去った好天の中、学生らは4つのチームに分かれ池田町を散策しました。  チームの内訳は、実際に池田町に住む人たちが日常の生活の中で立ち寄るお店や公園を中心に回るAグループ、谷汲巡礼街道を中心にお寺や城跡、古墳群といった史跡を回るBグループ、旅行で池田町を訪れた人の目線を意識して観光地となりえるスポットやお店を回るCグループ、実際に電車に自転車を乗せてみて町内東側の田園地帯を回るDグループの4チーム。コロナ感染と熱中症に気を付けながら、自転車で散策します。池田町の西側は池田山へ続く風光明媚な場所が多く、道の駅や公園などのスポットは西側に多くなっていますが、上り坂なので自転車ではなかなか大変です。レンタサイクルはすべて電動アシスト付きで、そうでなければとても登れなかったという学生の声も聞かれました。それぞれに巡ったスポットでは、気さくにお話を聞かせていただいた方も多く、学生らは池田町に親しみを感じたり、人との出会いに心を動かされたりしたようでした。  散策を終え、学生らは池田町役場に集合。会議室をお借りしてミーティングを行いました。巡ってきたスポットの写真をプリントアウトし、コメントを添えてグループごとにイラストマップを作成しました。できあがったマップを簡単に説明してスポットを皆で共有し、今後のモデルコース作りに役立てます。イラストマップの説明では、池田町役場の担当の方々にも聞いてもらい講評していただきました。役場の方からは、いろいろなワークショップを行っているが、わずかな時間でマップが制作できるのはさすが芸大生、とお褒めの言葉がありました。また、普段から観光開発を行っているが新たな目線で見てくれたことが大いに参考になる、神社・仏閣のアピールも考えていきたい、町の東側の河川には着目していなかった、視点が素晴らしい、等々、うれしい言葉があり、コラボレーションの意義を再確認することができました。  学生らも、自然に満ちた町の魅力と人々との交流に心嬉しく感じたようで、誰もが満足げに帰途につきました。

2021.7.24

【工芸リレー】美術領域 アートクリエイターコース・工芸コース(陶芸・ガラス)「陶・ガラス教育機関講評交流展 CONNEXT 2021」を開催

【工芸リレー】美術領域 アートクリエイターコース・工芸コース(陶芸・ガラス)「陶・ガラス教育機関講評交流展 CONNEXT 2021」を開催  今年度から本学では、美術領域の工芸コース(陶芸・ガラス)とデザイン領域のメタル&ジュエリーデザインコース、テキスタイルデザインコースの3コースで領域横断による連携を深め、素材と学生の人的な交流を促し対話しながら思考を深める『工芸分野領域横断プロジェクト』を進めています。その一環として西キャンパス アート&デザインセンターWestでは7月に、それぞれのコースの展覧会をリレー形式で連続開催、【工芸リレー】として作品を展示します。  第一弾としてアートクリエイターコース、工芸コース(陶芸・ガラス)による「陶・ガラス教育機関講評交流展 CONNEXT 2021」を、2021年7月16日(金)〜21日(水)に開催し、その初日に特別客員教授 井上雅之氏(多摩美術大学工芸学科教授、陶芸家)をお招きして講評会を行いました。CONNEXT 2021は、本学アートクリエイターコース、工芸コース(陶芸・ガラス)の3、4年生、岐阜県立 多治見工業高校 専攻科、富山ガラス造形研究所による合同の展覧会で、初日には各学校から学生にも本学に来ていただき、講評を受けました。  講評会は、12時15分にスタート。3校の学生ひとりひとりが10分程度のプレゼンテーションを行い、井上氏と自校以外の教員から評価を受けるという型式で、夜8時近くまでの長丁場となりました。密を避けるためアート&デザインセンターWestと大教室をオンラインでつなぎ、学生らは移動しつつ講評を受けるという変則的な方法での講評会でしたが、内容は非常に濃いものとなりました。  多治見工業高校 専攻科の作品は、それぞれの作品がオブジェとしての作品でありつつも置かれる場所や装置のとしての機能を想定してまとめられおり、ストレートに陶芸と向き合っている姿が印象的でした。  本学アートクリエイターコース4年、工芸コース(陶芸・ガラス)3年の作品は、陶芸・ガラスを木材や金属など他の素材と組み合わせて考えた作品や土やガラスの持つ重さや質感を違う形で見せるような、荒削りながらも素材の持つ魅力を捉え直そうとする作品が印象に残りました。  富山ガラス造形研究所 造形科 2年生9名の作品は、ガラスの色や質感、溶け方や温度による変質などガラスの特性を利用して表現に昇華しようという試みと完成度の高さを感じました。  今回の展覧会では素材の選択や技法など実験的な習作といったものもいくつか見られましたが、講評では、それをもっと推し進めて極限的にはどんなことが起こるか、またそうすることで新たな課題が見つかることや新たな考えに行き着くはず、もっと思いきって枠にとらわれず自分の考えることを突き進めるべきといった意見が多く出ました。また、今回が初めてのプレゼンテーションだった本学工芸コース(陶芸・ガラス)3年生たちは作品の発想について語ることが多かったのですが、もともとのコンセプトも大事だが制作の途中で作品は移り変わって行くもの、最初のアイデアよりも思考のプロセスや作品のどの部分に魅力を感じているか伝えるよう、自分の作品について客観的な目で見直して欲しいと助言をいただくことが多々ありました。こうしたものの見方は、陶芸やガラスといった工芸に限らずすべての領域に当てはまることであり、非常に意義深い講評会となりました。  講評会のあと、出席者がそれぞれの作品について感想やコメントを記したメモを交換、学生同士の交流の時間が設けられ、和やかな雰囲気の中、講評会は終了となりました。  引き続き、【工芸リレー】として、7月23日(金)〜28日(水)「素材展 デザイン領域メタル&ジュエリーデザインコース+特別客員教授藤田政利展」、7月30日(金)〜8月4日(水)「素材展 テキスタイルデザインコース前期制作展」を開催します。こちらもぜひご覧下さい。 岐阜県立 多治見工業高校 専攻科 名古屋芸術大学 アートクリエイターコース・工芸コース(陶芸・ガラス) 富山ガラス造形研究所

2021.7.5

工芸分野領域横断プロジェクト「工芸EXPO」第二回ミーティングを行いました

 今ミーティング開始前、扇教授が「美術領域とデザイン領域では学生の考え方・意見が異なることが多く、授業形態も異なることから、なかなかまとまらない場合があります。しかしながら、コロナ禍でオンライン授業を行うようになってから、学生が主体になって「classroom」や「LINE」を活用しながら活発に意見交換を行うようになりました。以前にはなかった展開で興味深いです。」と仰っていたのを思い出していたところ、わずか数日で結果がでたようです。  『映える』〜「光に照らされて美しく輝く」「調和して一段とよく見える。引き立つ」。SNS社会の到来と共に老若男女に普及、悪く言えば手垢がついた感のあった「ハエル/バエル」は、本来こんな素敵な言葉だったのかと驚きました。学生・教授陣の粘り強い作業の結果、「工芸EXPO」にふさわしい統一テーマとなりました。 工芸分野領域横断プロジェクト「工芸EXPO」 第二回ミーティングを行いました はじめに〜 工芸分野の領域横断による連携について  本学美術領域工芸コース(陶芸・ガラス)、デザイン領域メタル&ジュエリーデザインコース、テキスタイルデザインコースは、2021年度から工芸分野の領域横断による連携を始めます。  領域を横断する授業やプロジェクトを通じて工芸分野で学ぶ学生の交流を促し、素材と対話しながら思考する教育からものづくりの魅力を伝え、美術領域とデザイン領域をボーダレスに繋ぐ狙いがあります。この領域横断は大学外の領域連携へとつながり、大学に望まれる地域や社会への貢献として機能できるのではないかと期待しています。 本年度実施する工芸分野領域横断プロジェクトは3つ 「工芸リレー」 前期授業の終わりに本学アート&デザインセンターで工芸分野の展覧会を連続開催します。 ①CONNEXT2021 陶・ガラス教育機関講評交流展 7/16〜21 ②素材展(メタル&ジュエリー)+特別客員教授藤田政利展 7/23〜28 ③素材展 テキスタイルデザインコース前期制作展 7/30〜8/4 「工芸から グリーンシティプロジェクト」  本学関係者及び大学外来者宿舎“グリーンシティ”の住環境の改善を目的に、美術領域とデザイン領域の学生がアイデアを出し、制作、提案を行います。昨年度は美術とデザインの大学院生、陶芸・ガラスコースの学部生が行いました。今年度は美術領域の工芸コースとアートクリエイターコース、デザイン領域の学生、全26名が領域を横断して協働します。 グリーンシティB-206号室 10/5〜10/8 「工芸EXPOプロジェクト」  伝統的工芸品月間国民会議全国大会(主催、経済産業省など)の大学コラボ展の制作と展示を行います。愛知県の大学でガラスとテキスタイルの専門があるのは本学だけであり、工芸分野が充実していることを生かします。 Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場/常滑市) 11/26〜29 「工芸EXPO」へ向けて全体テーマ決めを行いました。  扇千花教授(デザイン領域 テキスタイルデザインコース)の進行でミーティングは始まりました。  学生達は第1回目のミーティングで「第38回伝統的工芸品月間国民会議全国大会」はどんなプロジェクトかという説明を受けた後、同プロジェクトでコラボレートする「三州鬼瓦工芸品」「有松・鳴海絞」「尾張七宝」の産地と製品の見学を経て、参加する伝統工芸品を決めて今回のミーティングに出席しています。  担当教員による産地見学のレポートのスライド発表で情報共有の後、伝統工芸品ごとに色分けした付箋を使ってブレインストーム形式で全体のテーマ決めを開始しました。  「直接テーマを考えられるものはそれでもいいし、思いつかないものは、工芸というワードから連想する言葉をなんでもいいからどんどん書いていこう」中田ナオト准教授(美術領域 工芸コース)に促され、学生達は躊躇しながらも付箋に言葉を書き始めました。付箋は内容によって分類されてホワイトボードに張り出され、書いた理由を発表・意見を交換することで、学生達の発想は次第に広がりを見せていきました。「若者らしさ」をタイトルに求めるあまりに、若年層のみが知っている最新のトレンドワードが出た時に、一般層でも「聞いたことがある」レベルで留めておくべきではないかという意見が学生側から出たのが印象的でした。  教授陣の辛抱強い誘導と学生達の頑張りで整理が追いつかないほどの付箋がホワイトボードに貼られました。「(ホワイトボードを)俯瞰すると、本学に求められている『若い感性』に応えようとするワード群と、コラボレーションする産地や一般層と『共有・共感』を大切にするワード群があり、どちらもすばらしいです。決められませんね(笑)皆さんが主体性をもって深く考えているのがとても良いです。」という米山和子教授(デザイン領域 メタル&ジュエリーデザインコース)のコメントもあり、結論は一旦持ち越しとなりました。 テーマは『映える』に決定

2021.6.23

ららぽーと名古屋みなとアクルスで作品展示 父の日イベントに本学の学生が参加しました

ららぽーと名古屋みなとアクルスで作品展示 父の日イベントに本学の学生が参加しました。  名古屋市港区の「ららぽーと名古屋みなとアクルス」では父の日イベント『THANKS FATHER'S DAY』が催され、「父の日」前日の6月19日(土)には『おとうさんへのプレゼントを学生アーティストと作ろう!』と題して、本学美術領域アートクリエイターコースの学生が、お子さま達のオリジナリティあふれるプレゼント作りのお手伝いをしました。また、6月12日(土)〜20(日)の間、同1階センターコートに作品を展示させていただき、訪れた多くの方に作品をご覧いただきました。  お子さま達はクレヨンで描いた絵や文字をアイロンの熱で定着させる「アートTシャツ」や、ガラスに傷をつけて彫刻をするヨーロッパ伝統の技法の「グラスリッツエン」に挑戦。本学学生のアドバイスを受けながら、おとうさんとおそろいのTシャツやガラスコップ、ペーパーウエイトにメッセージやデザインを施しました。  制作スタート時は若干緊張気味の本学学生達でしたが、参加されたご父兄に暖かく迎え入れていただき、次第にお子さまの気持ちや意欲に寄り添うようなアドバイスができるようになっていきました。アートクリエイターコース ガラスクラスの田村さんは「普段は独り作品と向かい合う毎日で、今回のような体験は初めてでしたがとても新鮮で楽しかったです。お子さん本人がやってみたいことを、失敗してもいいからやってみよう、と声を掛けていました」と笑顔で振り返っていました。  担当さんに伺ったところ「学生の皆さんにもとても頑張っていただき、イベントも盛況、お客様100名定員満了できました」とのこと。丁寧に包装された完成作品を手に、学生達に会釈をしながら満足げに会場を後にするご家族の後ろ姿に、アートが生活にもたらす「豊かさ」の大きさを実感した父の日でした。 アートTシャツ作り グラスリッツエン

2021.2.10

ヴィジュアルデザインコース 名古屋城本丸御殿にて「ナゴヤ展」を開催

ヴィジュアルデザインコース 名古屋城本丸御殿にて「ナゴヤ展」を開催  2021年2月5日(金)から10日(水) 名古屋城本丸御殿・孔雀之間にて、ヴィジュアルデザインコース3年生による展覧会「ナゴヤ展」を開催しました。 「ナゴヤ展」は、例年ヴィジュアルデザインコース3年生が取り組んでいる課題で、本丸御殿で開催するのは今回で3回目。名古屋城の本質的価値を考えデザインを通して伝える作品を制作、展示する展覧会です。学生らは、例年、なんども名古屋城に足を運び、歴史を調べ、自分なりに価値や魅力を発見して作品に仕上げます。今年は、コロナウイルスの影響もあり開催が危ぶまれましたが、感染防止に配慮しながらなんとか開催まで漕ぎつけました。  2月4日(木)には、展示会場の設営を行い、名古屋市観光文化交流局の方、関係企業の方をお迎えし講評会を行いました。  展覧会を開催するにあたり、9月から名古屋市観光文化交流局 吉田氏、西浦氏には来校していただき名古屋城の歴史について講義を行っていただき、その後、学生らは名古屋城へ赴きそれぞれに魅力に感じる部分を調査、作品に仕上げます。  担当する担当するヴィジュアルデザインコース 遠藤一成准教授は、「今年は例年と異なり、開催自体が危ぶまれました。講義の進め方も、ディスカッションしづらい、集まって制作もできないという特殊な状況でした。正直にいえばそれほど完成度の高いものは望めないと思っていましたが、良い意味で裏切られました。学生たちはよく頑張ってくれたと思います」とコメントしました。  作品は、コロナ禍に配慮してスタンプラリーなどの単純に名古屋城園内を歩くようなものではなくスマホを使いバーチャルと連動させるものが多く、瓦や釘隠、襖絵の動物や植物などディテールをクローズアップしたもの、城内で疎になっている二之丸庭園に焦点を当てたものなど、バリエーション豊かなものとなりました。  講評は、ひとりひとりプレゼンテーションを行い、それに対して意見をいただきました。密にならないように学生は2つのグループに分かれ、2回に分けての講評会となりました。ゲーム感覚で楽しめるもの、ロッカーの不便を解消するアイデア、城内の猫ハナちゃんをモチーフとするものなど、ときにはプレゼンを聞いた参加者から笑みがこぼれ、学生らしいユニークなアイデアを楽しんでいる様子でした。  名古屋市観光文化交流局 吉田氏からは「自分にとって、たくさんのきっかけをいただける展覧会で、今年もいいアイデアがたくさんありました。すぐにでも使えそうなもの、もっと発展させたいと思うもの、作品はそれぞれですが名古屋城の魅力を捉えてそれを表現しようとしていることを感じます。それはとても大切なことで、大きな可能性を感じました。卒業してからも大いに役立つのではないでしょうか。作品のアイデアは、職員としても刺激になるものばかりで、次へのステップにつなげたいと考えています」との言葉をいただきました。  西浦氏からは「純粋に楽しかったです。たくさんの視点があることにはいつも感動します。これまで気が付いていなかったようなことが今年もたくさんありました。とくに現状、子供にアピールできるような解説や展示は少なく、子供向けのアイデアがとてもいいと思います。学生ならではの視点はとても参考になります。ありがとうございます」とのコメントがありました。  名古屋城に関係する方々からのコメントだけに非常に意義深く、学んでいることと社会とのつながりを考えさせるとても有意義な講評会となりました。  ナゴヤ展の関連として、現在、昨年制作された森島ひかりさんの石垣をモチーフにした作品が商品化に向けて進められており、間もなく正式に発表になります。こちらもぜひお楽しみに。 1 本丸ウォッチング 小久保楓 2 KOKUIN PROJECT 石田昂大 3 ねらってねらわれて、猛獣たち 原ももこ 4 本丸KEY 平林花菜 5 にゃごや クォン ジョイスリン 6 なりきり体験 荒木香奈子 7 nagoya playing 大熊美央 8 OUCHINO KUGIKAKUSHI 渡邊英莉 9 NAGOKAN 佐藤愛花 10 やねのね 川瀬詩乃 11 Atlas of Nagoya Castle 永井希実 12 お城植物 澤崎大陸 13 MY NAGOYA COLORS 大門幸季 14 NINOMARU-GUIDE 星野皓太郎 15 hanakakushi 栗田鈴音 16 With a corner turret 安田優太 17 名古屋城石垣ひとつみ 名取友春 18 NAGOYAR 戒能舞衣 19 復元模写して下さゐ 田島凜久 20 二之丸庭園、お邪魔します。 日比紀貴 21 二之丸ガーデンコーン 佐藤明日香 22 一席二味 仲尾洋亮 23 本丸四季探訪 中嶋 諒 24 おしろさんぽ 山崎楓子