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2021.7.6

三和興産株式会社ワーキングスーツのデザイン開発プロジェクト 最終プレゼンテーションと審査結果発表・表彰を行いました

 プロジェクトには本学ID・CDコースの4年生・3年生、そして大学院生の計30名の学生が参加、2021年4月からの実技授業の枠でデザイン案を作成しました。計8回の授業でデザイン完成というタイトスケジュールでしたが、本学教員をはじめ、三和興産・未来縫製スタッフの皆さんからアドバイスをいただきながらデザインレベルを高めていき、本日無事「最終プレゼンテーション」を迎えました。  本日の講評で評価の高いデザイン案は、担当教員のフォロー作業を経て三和興産のワーキングスーツとして専門メーカーである未来縫製により実際に製作されるだけに、会場には期待と緊張が入り交じった独特の雰囲気が漂います。  そして、本学後藤規文教授の進行により最終プレゼンテーションがスタートしました。学生達は個人やチームに分かれて、スライドや実物の模型を使いながら作品をアピール、4〜5組発表したところで木村徹客員教授・片岡祐司教授による質疑応答の後、三和興産の田中一秀代表取締役と未来縫製の福田穣代表取締役に寸評をいただく、という流れで進みました。  しっかりとしたリサーチを披露する学生や自らの実体験を基にした説得力のあるコンセプトメイクで審査陣を唸らせる学生、「いやぁ、かっこいいね!」と声をかけられる学生や模型を自ら着用しながらアピールする学生など、見応えある内容のプレゼンテーションが続きました。 大学院デザイン研究科1年 インダストリアルデザイン4年 大学院デザイン研究科1年 三和興産株式会社ワーキングスーツのデザイン開発プロジェクト 最終プレゼンテーションと審査結果発表・表彰を行いました  本学芸術学部デザイン研究所及び、デザイン学部インダストリアルデザイン&セラミックデザインコース(以下、IDコース)、カーデザインコース(以下、CDコース)では、地元のリサイクル及び環境、インフラ企業である三和興産株式会社(以下、三和興産)の依頼により、2021年度に『三和興産ワーキングスーツのデザイン開発プロジェクト』を受託、デザインを実技授業内で開発することとなりました。 経緯  三和興産は産業廃棄物のリサイクル活用を積極的に研究しており、今回のワーキングスーツの開発においても、モデル製作や製品化において同じくリサイクル業態で実績をもつ地元企業の有限会社未来縫製(以下、未来縫製)と連携し、環境に配慮した製品を目指しています。本学においても環境をテーマにしたデザイン開発は地球温暖化対策に貢献し、大変意義深いことと考え、プロジェクトを受託しました。 期待と緊張〜6月24日の最終プレゼンテーション 有限会社未来縫製 福田穣代表取締役 コメント  私達は長くファッションや作業着の仕事に携わっていますが、最近の作業着に求められるものについては従来の「安全性」「着やすさ」に加え、最近は「ファッショナブル・スタイリッシュ」であることや「環境・エコ」に配慮したものであることが重要視されるようになってきました。  そういう意味で、皆さんが今日発表した作品は(これらを含んでいるので)すべて正解と言えて、後は作業着を必要とする個々の会社が重視するものはどれかによって選ばれる作品が変わってくると思います。今回賞に選ばれない作品の中にも、後の作業着に変革をもたらすヒントが隠れているかもしれません。  一方、そのヒントがはっきりするように、もっとテーマを突き詰めて絞り込んでもよかったかと思います。(ニューヨークの「一風堂」が新たに取り入れたスタッフ用ユニフォームのデザインを紹介しながら)結果的に「突拍子もない」と受け取られるような作品があってもよかったと思います。 三和興産株式会社 田中一秀代表取締役 コメント  まずもって先生方、これまでご指導をいただきましてありがとうございます。そして学生のみなさん、このような素晴らしい機会に立ち会わせていただきありがとうございます。二週間前に皆さんの最初デザイン案を見せていただいたとき「今までなかったものが現実にかたちになり自分の目で見ることができる」ようになって私はとても感動しました。そして、あれからたった二週間で(先生方のご助力があったとは思いますが)デザインが洗練され、コンセプトがはっきりとしました。みなさんの作品から三和興産に対する「愛情・愛着」を大いに感じ取り、さらに感動した次第です。  思えば、私は親や周囲からの愛情を受け成長し、その私は愛情をもってこの会社を成長させてきました。人も企業も「愛情・愛着」なしでは存在しえないというのが私の考えです。 木村徹客員教授 コメント  皆さんお疲れさまでした。今プロジェクトはスタートこそ若干の不安はありましたが、そこは先生方の指導と学生諸君の頑張りである程度の水準でプレゼンをまとめ上げることができたのは素晴らしいことだと思いました。この後審査選考の上、最優秀の作品は実際の制服のデザインとして検討するチャンスを与えられる訳ですが、当然ながら皆さんはまだプロではないので完成度にはギャップがあり、教員と未来縫製さんの手が入ることを前もってお知らせしておきます。 片岡祐司教授 コメント  実はこのプロジェクトのお話があったときに、プロダクトデザインを中心に学ぶ本学学生なので、ファッションデザインの領域を多く含むこの案件をお受けするかどうか少し悩みましたが、杞憂だったようです。ファッションデザインのイラストもこなす学生に「別の才能」を発見したのは収穫でした。よいプロジェクトになったと思います。 審査結果発表  プレゼンテーションは順調に進んだ印象だったのですが、新型コロナワクチンの大学拠点接種のスケジュールが授業時間と重なるという今年ならではの事情もあって、最終審査の時間が十分に確保できなかったので、審査結果発表・表彰は7月1日に持ち越され、受賞者3名が改めて招集され表彰されました。 最優秀賞 陳雪晴 優秀賞 SOH YUN PING 優秀賞 辻村大地 三和興産株式会社 田中一秀代表取締役 寸評  先日もお話ししました通りどれも優秀な作品で選考には本当に苦労し、改めて選考基準を決めるところから始めました。コンセプトやデザインが私共の想いに一番リンクする作品を選ばせていただきました。  陳さんの作品は、実現可能なデザインで弊社の10年後に向けてのテーマを追求してくれました。社員の多くが「これだね」と気に入っていた様子です。  SOHさんの作品は弊社の名に含まれる「和」の字からの着想や所在地である一宮市の地域活性化もコンセプトメイクに加えていただいたことが素晴らしかったです。「着てみたい」と思いました。  辻村さんの作品は「ガンダム」「ドラゴンボール」世代の支持を受けました。これを着たら元気になること間違いなしですからね!(笑)。社員の気持ちが高揚することは意欲と安全意識の高まりにも繋がりとても有益です。  満足そうに記念写真に収まる受賞者と田中一秀代表取締役に今回のプロジェクトの意義を強く感じました。スーツの完成が待ち遠しいです。 有限会社未来縫製 福田穣代表取締役 三和興産株式会社 田中一秀代表取締役 木村徹客員教授 片岡祐司教授 受賞作品 最優秀賞 陳雪晴 大学院デザイン研究科1年 優秀賞 SOH YUN PING インダストリアルデザイン4年 優秀賞 辻村大地 大学院デザイン研究科1年 左より、三和興産株式会社 田中一秀代表取締役・辻村大地さん・陳雪晴さん・SOH YUN PINGさん

2021.7.5

工芸分野領域横断プロジェクト「工芸EXPO」第二回ミーティングを行いました

 今ミーティング開始前、扇教授が「美術領域とデザイン領域では学生の考え方・意見が異なることが多く、授業形態も異なることから、なかなかまとまらない場合があります。しかしながら、コロナ禍でオンライン授業を行うようになってから、学生が主体になって「classroom」や「LINE」を活用しながら活発に意見交換を行うようになりました。以前にはなかった展開で興味深いです。」と仰っていたのを思い出していたところ、わずか数日で結果がでたようです。  『映える』〜「光に照らされて美しく輝く」「調和して一段とよく見える。引き立つ」。SNS社会の到来と共に老若男女に普及、悪く言えば手垢がついた感のあった「ハエル/バエル」は、本来こんな素敵な言葉だったのかと驚きました。学生・教授陣の粘り強い作業の結果、「工芸EXPO」にふさわしい統一テーマとなりました。 工芸分野領域横断プロジェクト「工芸EXPO」 第二回ミーティングを行いました はじめに〜 工芸分野の領域横断による連携について  本学美術領域工芸コース(陶芸・ガラス)、デザイン領域メタル&ジュエリーデザインコース、テキスタイルデザインコースは、2021年度から工芸分野の領域横断による連携を始めます。  領域を横断する授業やプロジェクトを通じて工芸分野で学ぶ学生の交流を促し、素材と対話しながら思考する教育からものづくりの魅力を伝え、美術領域とデザイン領域をボーダレスに繋ぐ狙いがあります。この領域横断は大学外の領域連携へとつながり、大学に望まれる地域や社会への貢献として機能できるのではないかと期待しています。 本年度実施する工芸分野領域横断プロジェクトは3つ 「工芸リレー」 前期授業の終わりに本学アート&デザインセンターで工芸分野の展覧会を連続開催します。 ①CONNEXT2021 陶・ガラス教育機関講評交流展 7/16〜21 ②素材展(メタル&ジュエリー)+特別客員教授藤田政利展 7/23〜28 ③素材展 テキスタイルデザインコース前期制作展 7/30〜8/4 「工芸から グリーンシティプロジェクト」  本学関係者及び大学外来者宿舎“グリーンシティ”の住環境の改善を目的に、美術領域とデザイン領域の学生がアイデアを出し、制作、提案を行います。昨年度は美術とデザインの大学院生、陶芸・ガラスコースの学部生が行いました。今年度は美術領域の工芸コースとアートクリエイターコース、デザイン領域の学生、全26名が領域を横断して協働します。 グリーンシティB-206号室 10/5〜10/8 「工芸EXPOプロジェクト」  伝統的工芸品月間国民会議全国大会(主催、経済産業省など)の大学コラボ展の制作と展示を行います。愛知県の大学でガラスとテキスタイルの専門があるのは本学だけであり、工芸分野が充実していることを生かします。 Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場/常滑市) 11/26〜29 「工芸EXPO」へ向けて全体テーマ決めを行いました。  扇千花教授(デザイン領域 テキスタイルデザインコース)の進行でミーティングは始まりました。  学生達は第1回目のミーティングで「第38回伝統的工芸品月間国民会議全国大会」はどんなプロジェクトかという説明を受けた後、同プロジェクトでコラボレートする「三州鬼瓦工芸品」「有松・鳴海絞」「尾張七宝」の産地と製品の見学を経て、参加する伝統工芸品を決めて今回のミーティングに出席しています。  担当教員による産地見学のレポートのスライド発表で情報共有の後、伝統工芸品ごとに色分けした付箋を使ってブレインストーム形式で全体のテーマ決めを開始しました。  「直接テーマを考えられるものはそれでもいいし、思いつかないものは、工芸というワードから連想する言葉をなんでもいいからどんどん書いていこう」中田ナオト准教授(美術領域 工芸コース)に促され、学生達は躊躇しながらも付箋に言葉を書き始めました。付箋は内容によって分類されてホワイトボードに張り出され、書いた理由を発表・意見を交換することで、学生達の発想は次第に広がりを見せていきました。「若者らしさ」をタイトルに求めるあまりに、若年層のみが知っている最新のトレンドワードが出た時に、一般層でも「聞いたことがある」レベルで留めておくべきではないかという意見が学生側から出たのが印象的でした。  教授陣の辛抱強い誘導と学生達の頑張りで整理が追いつかないほどの付箋がホワイトボードに貼られました。「(ホワイトボードを)俯瞰すると、本学に求められている『若い感性』に応えようとするワード群と、コラボレーションする産地や一般層と『共有・共感』を大切にするワード群があり、どちらもすばらしいです。決められませんね(笑)皆さんが主体性をもって深く考えているのがとても良いです。」という米山和子教授(デザイン領域 メタル&ジュエリーデザインコース)のコメントもあり、結論は一旦持ち越しとなりました。 テーマは『映える』に決定

2021.6.23

ららぽーと名古屋みなとアクルスで作品展示 父の日イベントに本学の学生が参加しました

ららぽーと名古屋みなとアクルスで作品展示 父の日イベントに本学の学生が参加しました。  名古屋市港区の「ららぽーと名古屋みなとアクルス」では父の日イベント『THANKS FATHER'S DAY』が催され、「父の日」前日の6月19日(土)には『おとうさんへのプレゼントを学生アーティストと作ろう!』と題して、本学美術領域アートクリエイターコースの学生が、お子さま達のオリジナリティあふれるプレゼント作りのお手伝いをしました。また、6月12日(土)〜20(日)の間、同1階センターコートに作品を展示させていただき、訪れた多くの方に作品をご覧いただきました。  お子さま達はクレヨンで描いた絵や文字をアイロンの熱で定着させる「アートTシャツ」や、ガラスに傷をつけて彫刻をするヨーロッパ伝統の技法の「グラスリッツエン」に挑戦。本学学生のアドバイスを受けながら、おとうさんとおそろいのTシャツやガラスコップ、ペーパーウエイトにメッセージやデザインを施しました。  制作スタート時は若干緊張気味の本学学生達でしたが、参加されたご父兄に暖かく迎え入れていただき、次第にお子さまの気持ちや意欲に寄り添うようなアドバイスができるようになっていきました。アートクリエイターコース ガラスクラスの田村さんは「普段は独り作品と向かい合う毎日で、今回のような体験は初めてでしたがとても新鮮で楽しかったです。お子さん本人がやってみたいことを、失敗してもいいからやってみよう、と声を掛けていました」と笑顔で振り返っていました。  担当さんに伺ったところ「学生の皆さんにもとても頑張っていただき、イベントも盛況、お客様100名定員満了できました」とのこと。丁寧に包装された完成作品を手に、学生達に会釈をしながら満足げに会場を後にするご家族の後ろ姿に、アートが生活にもたらす「豊かさ」の大きさを実感した父の日でした。 アートTシャツ作り グラスリッツエン

2021.6.10

産学連携企画 中部文具工業協同組合「2021 文具デザインプロジェクト」キックオフミーティングを開催

産学連携企画 中部文具工業協同組合「2021 文具デザインプロジェクト」キックオフミーティングを開催  2021年6月9日、西キャンパスB棟大講義室にて、本学と中部文具工業協同組合加盟の文具メーカー3社との産学連携企画、「2021 文具デザインプロジェクト」の1回目のミーティングが行われました。このプロジェクトは、デザイン領域の学生が受講する「デザイン実技Ⅳ」の講義で、3年次までに習得したデザイン技術や知識を用い、商品や製品の企画、調査、開発、製造、販売までを見据えデザイン提案を行うという実践的な内容の講座。文具メーカーで実際に開発を担当する方とディスカッションを行い、実際に製品化できるようにアイデアをブラッシュアップし、場合によっては本当に製品化も行われる夢のあるプロジェクトです。今回の授業では、メーカーと学生の顔合わせと課題テーマの発表が行われました。参加の企業は、ホワイトボード・黒板・チョークなどの製造を行う株式会社 馬印様、スタンプ・ネーム印でおなじみのシヤチハタ株式会社様、デスクマットやコロナ対策のパーティションなど樹脂製品の製造を行う森松産業株式会社様の3社。学生らには、あらかじめ希望を聞き取り、6名ずつの3つのチームに割り振られました。  講座のはじめに、担当する三枝樹成昭講師からプロジェクトの目的、デザインプロセスの説明が行われました。学生には自由な発想で製品企画の提案を行って欲しい、また、実社会で製品やサービスの開発にあたりデザイナーがどんな役割を果たしているかを実体験として感じ取って欲しいと説明しました。参考として、これまでプロジェクトで提案された作品の紹介があり、実際に製品化された作品なども紹介されました。  続いて、各社から会社の概要説明と課題の発表が行われました。課題は、馬印「コロナ後のカキ・コミュニケーション、(サブテーマ)つながる黒板・ホワイトボード」、シヤチハタ「もともとの価値を拡張した文房具」、森松産業「自分の仕事環境を作る フリーアドレス快適化グッズ」です。  馬印の「コロナ後のカキ・コミュニケーション」では、製品の機能、性能、効能をポイントとしてよく考え、既存の黒板やホワイトボードをアナログ的に活用するような製品を考えて欲しいと要望が出されました。シヤチハタ「もともとの価値を拡張した文房具」では、これまでのシヤチハタ製品がインクと印鑑のように2つの機能を組み合わせることで生み出してきたことを説明し、本来の文房具の機能に別の関連する機能を付け加え、より便利に使えるデザインを考えるように課題が出されました。森松産業「自分の仕事環境を作る フリーアドレス快適化グッズ」では、オフィス内で自分のデスクを固定しないフリーアドレスの説明をしつつ、メリットとしてコミュケーションの活性化・オフィス面積の削減、デメリットとして集中しづらい・収納スペースの縮小などを挙げ、デメリットを小さくしメリットを強化するようなものを考えて欲しいと説明がありました。いずれの課題も、製造コストを考慮し、場合によっては特許などについて調べ、アイデアのみを優先した荒唐無稽なものではなく、実現可能なところまで落とし込んで欲しいと要望がありました。  授業の後半では、チームごとに分かれ、担当者とディスカッションが行われました。学生の自己紹介にはじまり、製品カタログを閲覧しつつ今後の進め方やSNSを使った連絡方法の確認などが行われました。すでに考えているアイデアを担当者にぶつけてみる学生もおり、早くから具体的なディスカッションが始り、今後への期待が高まります。  次回からの予定では、毎週、各社の担当の方に本学に来ていただき、学生は週ごとの成果を説明しながら打ち合わせを行い8週間で提案を完成させることになります。チームごとに会社訪問や製造現場見学なども交え、アイデアを詰めて行くことになります。2ヶ月後、終の講義では、全体でひとりひとりがプレゼンを行い最終審査が行われます。どんなアイデアが出てくるか、とても楽しみです。

2021.2.10

ヴィジュアルデザインコース 名古屋城本丸御殿にて「ナゴヤ展」を開催

ヴィジュアルデザインコース 名古屋城本丸御殿にて「ナゴヤ展」を開催  2021年2月5日(金)から10日(水) 名古屋城本丸御殿・孔雀之間にて、ヴィジュアルデザインコース3年生による展覧会「ナゴヤ展」を開催しました。 「ナゴヤ展」は、例年ヴィジュアルデザインコース3年生が取り組んでいる課題で、本丸御殿で開催するのは今回で3回目。名古屋城の本質的価値を考えデザインを通して伝える作品を制作、展示する展覧会です。学生らは、例年、なんども名古屋城に足を運び、歴史を調べ、自分なりに価値や魅力を発見して作品に仕上げます。今年は、コロナウイルスの影響もあり開催が危ぶまれましたが、感染防止に配慮しながらなんとか開催まで漕ぎつけました。  2月4日(木)には、展示会場の設営を行い、名古屋市観光文化交流局の方、関係企業の方をお迎えし講評会を行いました。  展覧会を開催するにあたり、9月から名古屋市観光文化交流局 吉田氏、西浦氏には来校していただき名古屋城の歴史について講義を行っていただき、その後、学生らは名古屋城へ赴きそれぞれに魅力に感じる部分を調査、作品に仕上げます。  担当する担当するヴィジュアルデザインコース 遠藤一成准教授は、「今年は例年と異なり、開催自体が危ぶまれました。講義の進め方も、ディスカッションしづらい、集まって制作もできないという特殊な状況でした。正直にいえばそれほど完成度の高いものは望めないと思っていましたが、良い意味で裏切られました。学生たちはよく頑張ってくれたと思います」とコメントしました。  作品は、コロナ禍に配慮してスタンプラリーなどの単純に名古屋城園内を歩くようなものではなくスマホを使いバーチャルと連動させるものが多く、瓦や釘隠、襖絵の動物や植物などディテールをクローズアップしたもの、城内で疎になっている二之丸庭園に焦点を当てたものなど、バリエーション豊かなものとなりました。  講評は、ひとりひとりプレゼンテーションを行い、それに対して意見をいただきました。密にならないように学生は2つのグループに分かれ、2回に分けての講評会となりました。ゲーム感覚で楽しめるもの、ロッカーの不便を解消するアイデア、城内の猫ハナちゃんをモチーフとするものなど、ときにはプレゼンを聞いた参加者から笑みがこぼれ、学生らしいユニークなアイデアを楽しんでいる様子でした。  名古屋市観光文化交流局 吉田氏からは「自分にとって、たくさんのきっかけをいただける展覧会で、今年もいいアイデアがたくさんありました。すぐにでも使えそうなもの、もっと発展させたいと思うもの、作品はそれぞれですが名古屋城の魅力を捉えてそれを表現しようとしていることを感じます。それはとても大切なことで、大きな可能性を感じました。卒業してからも大いに役立つのではないでしょうか。作品のアイデアは、職員としても刺激になるものばかりで、次へのステップにつなげたいと考えています」との言葉をいただきました。  西浦氏からは「純粋に楽しかったです。たくさんの視点があることにはいつも感動します。これまで気が付いていなかったようなことが今年もたくさんありました。とくに現状、子供にアピールできるような解説や展示は少なく、子供向けのアイデアがとてもいいと思います。学生ならではの視点はとても参考になります。ありがとうございます」とのコメントがありました。  名古屋城に関係する方々からのコメントだけに非常に意義深く、学んでいることと社会とのつながりを考えさせるとても有意義な講評会となりました。  ナゴヤ展の関連として、現在、昨年制作された森島ひかりさんの石垣をモチーフにした作品が商品化に向けて進められており、間もなく正式に発表になります。こちらもぜひお楽しみに。 1 本丸ウォッチング 小久保楓 2 KOKUIN PROJECT 石田昂大 3 ねらってねらわれて、猛獣たち 原ももこ 4 本丸KEY 平林花菜 5 にゃごや クォン ジョイスリン 6 なりきり体験 荒木香奈子 7 nagoya playing 大熊美央 8 OUCHINO KUGIKAKUSHI 渡邊英莉 9 NAGOKAN 佐藤愛花 10 やねのね 川瀬詩乃 11 Atlas of Nagoya Castle 永井希実 12 お城植物 澤崎大陸 13 MY NAGOYA COLORS 大門幸季 14 NINOMARU-GUIDE 星野皓太郎 15 hanakakushi 栗田鈴音 16 With a corner turret 安田優太 17 名古屋城石垣ひとつみ 名取友春 18 NAGOYAR 戒能舞衣 19 復元模写して下さゐ 田島凜久 20 二之丸庭園、お邪魔します。 日比紀貴 21 二之丸ガーデンコーン 佐藤明日香 22 一席二味 仲尾洋亮 23 本丸四季探訪 中嶋 諒 24 おしろさんぽ 山崎楓子

2020.12.29

メタル&ジュエリーデザインコースの学生が名古屋マリオットアソシアホテル 正月装飾を制作しました

メタル&ジュエリーデザインコースの学生が名古屋マリオットアソシアホテル 正月装飾を制作しました  名古屋マリオットアソシアホテルロビーの正月装飾をメタル&ジュエリーデザインコースの学生、卒業生が手がけました。鉄線を溶接して作られた亀のオブジェの上に、銀箔を貼った手漉和紙と縁起物をかたどった真鍮の飾りで彩った作品で、巨大でありながらも繊細な美しさのある作品に仕上がりました。1mほどの亀と岩を制作したのは、3年生の岡島真怜さん。自身が制作していた亀のオブジェを大きくしてブラッシュアップしています。米山和子准教授は、「前日まで学校で制作、現地で初めて合わせて不安でしたが何とか形になりました。真鍮の飾りには、多くの学生、卒業生が協力してくれました。数が必要な分、大変でしたが綺麗に仕上がりほっとしています」とコメントをいただきました。コロナ対策のため開けられた扉から外気と自然の光が入り込み、真鍮の飾りが風に揺れてきらきらと光を放ち、美しい佇まいを見せています。ホテルに訪れた人々がスマートフォンを取りだし、作品を撮影する姿も見られました。展示期間は令和3年1月7日(木)までとなります。 桑山明美、佐藤義之、伊藤さやか、柴田光穂、富山美鈴、西形友恵、波多野美早、加藤風璃、千田貴文、千田園美、加藤最也、浅井美樹、飯田祐子、加藤貴彦 制作 亀と岩 岡島真怜 真鍮飾り他 霜山優希、髙岸七海、桃澤恵美、小林有紗、鈴村依里、田村麻実、濱上純華、深谷竜馬、水野成美、中川知穂、岩川侑季子、川村侑己、池田若菜、金佳頴、冨永侑里 卒業生、助手、教員、技術指導員 手漉和紙提供 福西和紙本舗 銀箔協力 中村製箔所

2020.12.7

レゴランド®・ジャパン×名古屋芸術大学 産学協同プロジェクト 最終プレゼンテーションを行いました

レゴランド®・ジャパン×名古屋芸術大学 産学協同プロジェクト 最終プレゼンテーションを行いました  2020年11月29日、昨年6月にスタートしたレゴランド®・ジャパン株式会社との産学協同プロジェクトの最終プレゼンを、レゴランド®・ジャパンからコマーシャル マーチャンダイジング マネージャー土岐彰人さんとコマーシャル スーバーバイザーの岡野裕美恵さんをお招きし、本学西キャンパスB棟大講義室で行いました。  冒頭に本学デザイン領域准教授の水内智英先生から、ご多忙の中本学へお越しいただいたレゴランド®・ジャパンのお二人への謝意、頑張ってきた学生たちへのねぎらいの言葉があり、最終プレゼンのスタートとなりました。 チームを代表してヴィジュアルデザインコース鈴木瑛士郎さんのあいさつ  プロジェクトはコース・学年も全く異なる約20名の学生チームでスタートしました。7月の現地視察に始まり、学生ミーティングを経て集まった気づきを分類、9つの切り口で具体的なアイデアへと展開、班ごとに別れ企画を深めました。中間プレゼンではレゴランド®・ジャパンからお越しいただいた土岐さんとテクニカルサービス モデルショップスタッフの村松賢さんからご指摘・アドバイスを受けながらいくつものステップを越え、7つの提案に統合、実現可能な段階までブラッシュアップし本日ご提案できるまでになりました。 各チームプレゼンテーションを開始  内容についてはレゴランド®・ジャパンで今後採用されるものもあり、現段階では残念ながら詳細なご報告は控えますが、学生ならではの着想はもちろん、費用面・お客様やスタッフの拘束時間やコロナを含めた安全対策まで、どれもよく練られた企画案でした。プレゼン自体も以前に比べかなりスムーズになり、企画案への考察の深まりを背景にした自信とプレゼンの練習量を感じました。土岐さんと岡野さんは熱心に耳を傾け、時折頷きながらメモをとっていました。  発表後はスクリーン前のモックアップサンプルを手にとって確かめながら、担当学生から説明を受けていました。  休憩を挟み、各企画ごとに質問と講評が行われましたが、講評に先立って土岐さんからご挨拶がありました。 レゴランド®・ジャパン土岐彰人さんご挨拶  今春に皆さんに最終プレゼンをお願いしてからコロナ禍の影響で半年程時間が経ってしまいました。その間、私どものパークも感染症拡大防止のためクローズ、1日も早い再開に向けて、不自由な環境の中奮闘してまいりました。名古屋芸大の学生の皆さんも大変な時期だったと伺っております。おそらく私共と同様、リモートでの打合わせや、制限下で集合しての作業だったと思いますが、しっかり最終プレゼンまで仕上げていただき、とても感謝しております。  この半年の間に新型コロナウイルス感染症拡大の影響で「できること」と「できないこと」が大分変わってしまいました。一方、私共もパーク再開に向けて模索し、「できないこと」も多い中、消毒を徹底するとこれは「できる」、お客様に並んでいただく列を工夫すればこれも「できる」と、ノウハウを積み上げてまいりました結果、営業を再開することができました。  そういったことも踏まえた上で、今日プレゼンしていただいた提案のなかに「やはりこれはやりたい」というものがあります。私は皆さんに「実現することを前提に提案を」とお願いしました。アイデアの中には感染防止の工夫の更なる検討が必要なものもあり、全てやると現時点ではいえませんが、できるものは今日皆さんにお伝えして帰りたいと思います。  その後の質問と講評は学生へのねぎらいと、この企画をパークの活性化へつなげようとする意欲にあふれたものでした。 水内智英先生コメント  今までいくつもの産学連携事業を経験してきましたが、今回ほど丁寧に課題をいただいて、真摯に向き合っていただいたことは無かったと思います。今回の企画は、実際の現場担当者さんに参加していただいたことで、具体的なコンセプトと、それに結びつく実際のデザインと仕組みのアイデアが展開されています。一般に産学連携事業は「大枠のコンセプトとざっくりとしたアイデア」で終わってしまうものが多い中、今回のプレゼンテーションはどこに出しても恥ずかしくないものに仕上がっていると思います。大変な状況の中でのプロジェクトでしたが、ご協力いただいたレゴランド®・ジャパンさんと、我々の数々のダメ出しに耐え(笑)最後までやり遂げた学生達に感謝します。 則武輝彦先生コメント  レゴ®社に視察に伺ったときに、レゴ®社の商品やレゴ®社の精神に大きな可能性を感じました。学生達がその「可能性」を丁寧に拾った結果、ご提案のヒントにつなげられたのではないかと思います。  レゴ®ブロックは教育的構造を持っていて、最近多い「遊び方を強いる」玩具にはない「自分で遊びをみつけていく」素晴らしさがあると思います。この素晴らしさを消費者に知ってもらうには丁寧なアプローチが必要で、今回の学生達の提案はその点でも良くできているのではないかと思います。 レゴランド®・ジャパン土岐彰人さん 総評  私が産学協同事業に参加するのはこれが2回目で、実際はどう進めて、どこまで一緒にやったら良いのか手探りの状態でした。先生方のお話で「丁寧な対応」とのお褒めをいただきましたが、皆さんと密に事業を進められたことはよかったなと思います。  社会人・企業人の私達と学生の皆さんが対等のパートナーとして仕事に取り組めるよう、バランスには注意を払いました。「企業側の私達が出す指示に従って学生の皆さんが動く」というような場面は無く、のびのびと取り組んでいただいた結果、今回のすばらしい提案につながったと思います。  社内でも今回の事業のフィードバックが何回か行われ、社長をはじめ上層部からも「これからもっともっと、地域貢献や地元の皆さんと何かする機会を増やしましょう」という動きが広がってきました。名古屋市内の小学生とワークショップをしたり、中高も含め、いろいろな教育機関とも連携し、地域とのつながりを拡げていこうとしています。皆さんの企画は、既存の企画会社と比較しても遜色ないほど、内容として整っていたと思いますし、良い提案だったと思います。本当にありがとうございました。  総評の後、優秀賞(土岐さんは優秀賞とおっしゃらず「これはぜひやりたい、来春にはやるぞ!」という表現をなさいました)が発表され金色に輝くメダルが授与されました。先生方も含めた、プロジェクト参加者にそれぞれをイメージして作られたミニフィギュアが贈られました。 このメダルは海外のレゴランド®のアトラクション「砂金堀り」で砂金を掘り当てた者だけが購入できる超レアアイテム。首からメダルを下げてニコニコ顔の受賞者をお見せできなくて残念 背中には参加者の名前、土岐さんからの「こだわり」の解説に爆笑・歓声が大講義室に響き渡りました。この後「全員のフィギュアが並んだ姿が素敵すぎて、自分のだけ持って帰れない」問題が発生(笑)。人を喜ばせるプロの実力を見せつけられる一幕 満面の笑みで記念撮影を終え、最終プレゼンテーションは終了となりました。 当日は萩原芸術学部長と濵田経営統括本部副本部長が参加、レゴランド®・ジャパンのお二人への感謝とプレゼンテーションへのお褒めの言葉をいただきました

2020.12.6

企業とユーザーを想定して提案 スペースデザインコース企業とのコラボレーション

企業とユーザーを想定して提案 スペースデザインコース 企業とのコラボレーション スペースデザインコースでは、デザイン演習Ⅱの授業で、株式会社オダタイヤ様、株式会社パームホルツ様、株式会社ガーデンメーカー様のご協力を得て、産学連携プロジェクトを進めています。 株式会社オダタイヤ様とは、トヨタカローラ愛豊株式会社にて新型ハリアーのショールームディスプレイの提案、株式会社パームホルツ様とは、産業廃棄物であるパーム材を原料とした海外のパブリックスペースで使用できるストリートファニチャーの提案、株式会社ガーデンメーカー様とは、家族や地域社会のコミュニケーションを活性化させる庭とそのための装置やツールの提案を行っています。新型コロナの影響で、対面授業がままならない前期でしたが、各企業の方々を本学にお招きしたり、学生らが企業へ出向いてプレゼンしたりするなど、提案をブラッシュアップさせ試作する段階に来ています。最終的には、採用された案を実現し、実際に店舗などで展示されることになります。非常に楽しみなプロジェクトです。 株式会社オダタイヤ×トヨタカローラ愛豊株式会社 展示車のショールームディスプレイ 店舗とクルマのイメージと購買層を想定して、3つの提案を行いました。学生らは、一宮インター店を訪れてプレゼンし、店舗で働く方々にも提案を見ていただきました。幅広い人にクルマへ興味を持ってもらうための「漫画」パネルの案が好評でした。実際に展示する場合の構造や安全面への質問もあり、実現へ向けての課題が新たに見えてきました。同時に、大きく手応えも感じました。 株式会社パームホルツ OPT(オイルパーム樹幹)を使ったストリートファニチャー 株式会社パームホルツ様は、産業廃棄物として捨てられているオイルを採取したあとのパーム樹幹を、材木の代わりとして再利用する事業を進める企業。そのオイルパーム樹幹を使い、材木として利用できる強度があることや、再利用されず廃棄されているという問題そのものを広く知ってもらうため、ストリートファニチャーを提案しました。9名の学生が、9つの案をプレゼンしました。 株式会社ガーデンメーカー 庭に対するデザインの提案 狭い庭を広く活用できるようにする構造体や、水はけをコントロールして水遊びのできる庭、地域社会を楽しませるギャラリーの機能を持つ庭、庭のない家でも室内で自然を感じリラックスできる小さな庭など、家族や地域社会のコミュニケーションを活性化させる庭のデザインを提案しました。株式会社ガーデンメーカー様の会社見学もさせていただき、提案以外にも多くの交流が生まれました。

2020.12.4

あま市七宝アートヴィレッジのデザインプロデュースを行いました

あま市七宝アートヴィレッジのデザインプロデュースを行いました  今回のプロジェクトは2019年度の北名古屋市の翔龍念珠堂とのコラボに続く、扇千花教授と米山和子准教授による「デザインプロデュース」授業の2回目で、世界的に評価の高い“尾張七宝”の情報・文化の発信拠点である「あま市七宝アートヴィレッジ」のデザインプロデュースを行いました。  プロジェクトの成果物は、2020年11月27〜29日に行われたあま市主催の「尾張七宝新作展」の期間にアートヴィレッジで発表・展示されました。 デザイン領域内でコースを横断して20名以上の学生が参加  「デザインプロデュース」授業のテーマである「大学近郊のクラフト特産品をどうプロデュースしていくか」という命題に加え、今回は「来館者数を増やしたい」「七宝焼を若い世代に広めたい」という七宝アートヴィレッジさんからのオーダーに応えるべく、大学や院から、デザイン領域内でコースを横断して20名以上の学生が参加しスタートしました。 コロナ禍で学ぶ「SDGs」「尾張七宝の文化」  対面授業自粛期間中も授業を工夫、「エシカル消費」についてフェアトレードで著名な原田さとみ氏による講義や、加藤芳朗氏(尾張七宝 伝統工芸士、加藤七宝製作所3代目代表)による「工房のバーチャル体験」等、有意義な講座をオンラインで提供。学生も各自プロデュースのため、リサーチの努力を怠りませんでした。  6月に対面授業が再開してからは、アートヴィレッジさんにご協力をいただきながら実体験中心の授業となり、実際に創る作業を見たり、歴史も知った上で、現在どのようなものが売られているかを確認したりして、若い感性で「もっとこうしたらいいのでは」といった意見交換をチームで行い、プロデュース案を練り上げていきました。 最終プレゼンの結果、4名の学生からの2つの提案が採用  授業の最終日にはアートビレッジの小林弘昌館長に本学までお越しいただき最終プレゼンを行い、あま市に持ち帰って検討して頂いた結果、4名の学生からの2つの提案が採用されました。  最終プレゼンには私も参加し講評もさせていただきました。  若い学生さんならではの、私達では思いつかないというか、避けて通ってしまうような、柔軟で斬新な発想がよかったです。採用したぬりえや擬人化キャラクターのアイデアも、流行の知識や発想は私達に全くなかったわけではないのですが、それを「試しにやってみる」ためのスキルや「やってみよう」とするエネルギーが芸大生らしく、とてもすばらしいと思います。  その他の企画もすぐに実行できるものばかりで、名古屋芸大さんとのコラボは正解だったな、と満足しています。 小林館長に伺いました 採用プレゼン紹介 七宝ぬりえはがき  はがきの表面には作品の簡単な解説文がつき、自分で着彩することで作品への理解と愛着が自然と深まる。1点1点集めるためにアートヴィレッジへ足を運ぶのも大人の楽しみだ。11種類を提案して今回は6種類が採用された。 soh-yunping(ソーユンピン)さん インダストリアルデザインコース3年 岩田智代(いわたともよ)さん 大学院デザイン研究科デザイン専攻クラフトデザイン研究1年 中川知穂さん(当日不在) :有線七宝の工程を見学した時に、薄い金属線で模様を描く様子と、その出来上がりを見て、『この柄を線で表現したら美しいのではないか』と思いつきました 岩田さん :まず、出来上がりの作品の写真から『見所』の図柄部分を選び、画像ソフトをつかって立体から平面に形状を修正し、第1段階のトレース。そこからさらに表現を整理・省略して、ぬりえ用の柄としました」「今日、来ていない中川知穂さんですが、日本語でのコミュニケーションにハンデのある僕をフォローして日本語の企画書の文章を直してくれたり、チーム内の意思疎通を図る努力をしてくれて本当に助かりました ソーさん 七宝焼 擬人化キャラクター撮影用パネル映えスポット  単に、現在の流行というだけでなく、高尚なイメージが先行しがちな芸術作品の声を聴く、作者に思いを巡らす「鑑賞眼」をもつきっかけを子供達に与えられそうなアイデア。  撮影用パネル映えスポットは、岩田智代さんと山田未来さん、解説ボード(七宝展示ケース内)&パンフレットは山田未来さんと稲山朝香さんが担当。 山田未来(やまだみく)さん イラストレーションコース4年 稲山朝香(いなやまあさか)さん メディアデザイン(MMD)コース4年 :パンフレットを作りたい私と尾張七宝のキャラクターを作りたい山田さんのアイデアをまとめて擬人化キャラクターのパンフレットをつくりました 稲山さん :展示作品横にこのキャラクターを使った解説ボードを設置します。アートヴィレッジさんのご協力もいただき、作品解説文を簡略化。稲山さんが個性豊かなセリフにアレンジした『自己紹介』になっています。キャラクターの等身パネルを館内2箇所に設置。SNS『映え』るスポットを設けることで集客を狙います 山田さん  同新作展では、本学メタル&ジュエリーデザインコースが2019年度から取り入れた「尾張七宝」の授業で創った帯留めを中心とした七宝作品や、同じ「尾州」の伝統文化としてテキスタイルデザインコースによるウール織り作品など、学生の自由な発想と産地の確かな技術が融合したすばらしい作品が展示されました。

2020.9.20

名古屋芸術大学×名古屋高速道路公社 開学・設立50周年記念コラボレーション企画

名古屋芸術大学×名古屋高速道路公社 開学・設立50周年記念コラボレーション企画 名古屋高速道路公社とのコラボレーション、橋脚ラッピングアートを公開 名古屋高速道路公社と本学の開学・設立50周年を記念してコラボレーション企画が進められました。2020年9月15日(火)、名古屋高速黒川出入口にある黒川ビルにて、橋脚ラッピングアートを公開、あわせて、50周年記念ロゴマーク、イメージソングが披露されました。新型コロナウイルスの影響によりさまざまなイベントが中止される中、黒川ビル前の屋外スペースを使い、感染防止に配慮する形で式典を行いました。 式典では、名古屋高速道路公社および本学関係者、また、ラッピングアートのモチーフとなった愛知・名古屋アジア競技大会組織委員会の方々、さらにヴィジュアルデザインコースの学生が参列、盛大に除幕式が行われました。 作品の公開にともない、制作チームを代表し、ヴィジュアルデザインコース3年の荒木香奈子さん、大熊美央さん、小久保楓さんが作品について説明しました。橋脚ラッピングアートは、名古屋市内の黒川、円頓寺交差点、ささしまライブ、若宮大通公園、名古屋みなとアクルス前の5か所10面に施され、それぞれ街のイメージやカラーリングなどデザインに工夫が凝らされています。「名古屋らしさ」や街の特色を出すために、設置場所をリサーチしたことや、アジア競技大会の訴求効果などに考慮したこと、苦労した点についてなど説明しました。また、ラッピングアートにはSNSでの拡散を考え、ハッシュタグとアイコンもあわせて提示されていることも紹介されました。 除幕式に続き、イメージソングが披露されました。歌は、声優アクティングコースのオーディションで選ばれたボーカルユニット「Rue*Claire(リュ*クレール)」(仏語で「道」の意。3年の塩澤美響さん、2年の伊藤佳帆さん、羽田佳令さん、増田真衣さん、1年の上田晴菜さんで構成)、曲はオリジナルの「君と行きたい」(作詞:文芸・ライティングコースの小田真帆美さん、サウンドメディア・コンポジションコースの濱元衣織さん、作曲: 濱元衣織さん)。揃いの衣装に身を包み、振り付けも軽快に歌い上げ、会場に彩りを添えました。耳なじみが良く、公社の方々も口ずさんでいる姿が印象的でした。 名古屋高速道路公社 黒川ビルには、レインボー黒川広場というスペースがあり、今回制作された橋脚ラッピングアートの作品が展示されています。式典出席者が作品を閲覧する間、名古屋高速道路公社 新開輝夫理事長にお話を伺いました。「橋脚ラッピングアートですが、そもそも都市景観上、橋脚に絵を描いていいのかという問題からスタートしました。大きなスペースであり公共性も高いため、景観に配慮する必要があります。ちょうどその頃、同じような形で首都高速で東京オリンピックのPR活動があり、愛知ならアジア競技大会で可能であるなと考えました。組織委員会の方々にもご協力いただき、非常にいいものができたと喜んでいます。絵の部分については、名古屋芸大さんにできるだけお任せして自由に作っていただきたいと思いましたが、制約もありどうだろうと心配していました。ですが、スポーツとデザインの要素をうまく取り入れて考えられていて、本当に素晴らしいものができたと嬉しく思っています。イメージソングについても、3つ案をいただき、公社の中で投票して今回の曲が選ばれました。どんな人に歌っていただけるのだろうと思っていたところ、専門に勉強されている学生さんだと聞いて驚きました。元気があってみずみずしく素晴らしいです。グループ名も「道」に関連したものとのことで、感謝でいっぱいです。公社としては、これからこの歌を使ってどんなPRをやっていこうか、次の仕事をいただいたように感じています。公社も名古屋芸大さんも50周年を迎えますが、自分たちだけでやってきたというわけではありません。社会やいろいろな人と関わりあいがあって、それだけの年数活動してこられたのだと思います。これまでやってきたことを振り返りつつ、コラボレーションすることで新しいことができるのではないかと思います。今回、新型コロナウイルスの影響で予定していた式典はできませんでしたが、逆にそのおかげといっては変ですが、新しい形で除幕式を開くことができました。これまで、公社は道路事業を基本に、安全を考え渋滞や事故を減らす、そういったことに取り組んできました。名古屋高速も50年経ち、利便性を高めることに加え、「利用する皆様に愛着を持っていただける高速道路」へと変わっていく必要があります。今回のコラボレーションは、公社にとっても非常にいい経験になりました。名古屋芸大さんには、街作りやいろいろな形で社会貢献できることがあるのではないかと、大きな可能性を感じています」。 橋脚ラッピングアートは、名古屋市内5か所で展示されています。お近くにお越しの際は、ぜひご覧下さい。また、イメージソング、Rue*Claireの「君と行きたい」のMVをメディアデザインコースの学生が制作中、間もなく公開予定です。こちらもお楽しみに。 Rue*Claire『君と行きたい』は、からお聴きいただけます。 こちら 橋脚ラッピングアートプロジェクト 「名古屋らしさ」を表現するために設置場所についてリサーチし、それぞれの場所にマッチしたパターンを作成しています。色彩についても場所と関連付けてカラーパレットを構成、色彩の共通性と幾何学形態によって10面のラッピングアートそれぞれに連動性を持たせています。 アジア競技大会を連想させるスポーツのイメージは、墨で描いたシルエットにして躍動感と期待感を表現しています。種目はラッピングアートが設置される場所の近くで開催される競技が選ばれています。各スポーツの代表的なシルエットを墨と筆で抽出し、動きや骨格のイメージと重ね力強さやしなやかさを、また、かすれ具合で躍動感を表現しています。 制作チーム/ヴィジュアルデザインコース 片山浩 准教授 3年 荒木香奈子 大熊美央 川瀬詩乃 小久保楓 永井希実 名取友春 平林花菜 若宮 賑やかで栄えているイメージ。若宮には4面のスペースがあるため、1面ずつ大きく使う色を決め、パターンと組み合わせて展開しています。繁華街のキラキラした印象をダイヤ型で表現しています。 黒川 ビルが多く、ビジネスマンと近くの堀川のイメージから、紫、濃い青といった落ち着いた配色にしています。円になっている名古屋高速道路公社の建物から円状のパターンとなっています。 円頓寺 歴史ある商店街から、レトロ感のある淡い配色にしています。名古屋の歴史を象徴するしゃちほこの鱗のパターンと円頓寺商店街の木目のパターンを合わせています。 ささしま 若者が多く爽やかでフレッシュなイメージから配色しています。新しい建物、さまざまなイベントなど、新たな街が生まれる躍動感と先進的なイメージを表現しています。 港 名古屋港と水族館から水のイメージ。アクセントとして補色のオレンジを加えています。波を曲線で表現しています。連続させることで勢いや美しさを演出しています。 50周年記念ロゴマークを作成 ヴィジュアルデザインコース3年の学生8名がアイデアを提出、4名が選ばれてデザインを考え、それらを基に片山浩准教授がブラッシュアップ。最終的に名古屋高速道路公社が選定して、ロゴデザインが決定しました。 デザイン/ヴィジュアルデザインコース3年 荒木香奈子 名古屋高速をモチーフとした曲線と50の丸い形を重ねて表現しています。曲線の柔らかさとメリハリある奥行き感で過去から未来への時間の経過を表し、街と市民に寄り添う歴史と未来を作っていくということを伝えています。 名古屋芸術大学×名古屋高速道路公社 開学・設立50周年記念コラボレーション企画 名古屋高速道路公社とのコラボレーション、橋脚ラッピングアートを公開/50周年記念ロゴマークを作成 名古屋芸術大学×名古屋高速道路公社 開学・設立50周年記念コラボレーション企画 「君と行きたい」MVをメディアデザインコースが制作 名古屋芸術大学×名古屋高速道路公社 開学・設立50周年記念コラボレーション企画 名古屋高速道路公社 50周年記念動画にヴィジュアルデザインコースの学生が出演、西キャンパスにて撮影