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2024.2.29

株式会社ファーストとデジタルサイネージの新たな用途開発、卒業制作展でプロトタイプを展示

株式会社ファーストとデジタルサイネージの新たな用途開発、卒業制作展でプロトタイプを展示  株式会社ファースト様との連携で進められている新しいデジタルサイネージの用途・形のアイデアを創出するプロジェクト、2023年度前期ではインダストリアル&セラミックデザインコース、カーデザインコースの4年生、大学院デザイン研究科の1年生が参加し、新しいデザイン案を提案しました(プレゼンテーションの様子は)。  プロジェクトの後期では、インダストリアル&セラミックコースの2、3年生13名の有志がスケールモデルを制作、それをもとに株式会社ファースト様にてプロトタイプを製作、卒業制作展で披露することとなりました。  当初の予定では、前期のデザイン案をスケールモデル化しようと想定していましたが、実際にプロトタイプまで製作することを考慮して実現可能性の高いデザインに落とし込み、サイネージの外観部分のデザインを考案しました。学生らしい自由なアイデアがあふれるユニークなものとなりました。 こちら  モデルの制作にあたり、設置される場所と表示されるコンテンツを想定し周辺に馴染むようなデザインを再検討。ID/CDコース所有の3Dプリンターやレーザーカッターを活用してスケールモデルを制作し、できあがったモデルをファースト様にプレゼンテーション。6つのデザイン案を実際にプロトタイプとして製作していただきました。  デザイン案は、モニターの存在をぼかすことを目的としたフレームを感じさせないデザイン、商品のディスプレイとしても使える家具のようなデザイン、柔らかな素材と組み合わせたソファーのようなデザイン、基本となるベーシックなディスプレイに着せ替えパネルを組み合わせて使える和風組子パネル、マンガの集中線がユーモラスな漫画パネル、柔らかな人工観葉植物を使った葉っぱパネル、と3つの案と着せ替えパネル3つの6種類。製作されたサイネージは、実際に卒業制作展の案内に使用しています。  指導したデザイン領域 後藤規文教授は「今回、サイネージの枠を意識させないようなアイデアが中心となりました。周辺の環境に馴染むように、透かしにしたり植物を取り入れたり、サイネージの存在を軽くするようなアイデアです。広告が中心となるサイネージでは、通常では採用できない、どちらかというと目立たせなくするようなアイデアです。それでも環境にマッチするという視点で提案ができ、すごく面白いものができたのではないかと思います」と手応えを感じている様子でした。新しいアイデアの提案という難しい課題に対し、学生らしいユニークで価値のある提案となりました。

2023.6.19

産学連携事業 株式会社ファーストとデジタルサイネージの新たな用途開発、最終プレゼンテーション

産学連携事業 株式会社ファーストとデジタルサイネージの新たな用途開発、最終プレゼンテーション  株式会社ファースト様との連携によって始まった新しいデジタルサイネージの用途・形のアイデアを創出するプロジェクトの最終プレゼンテーションが、2023年5月30日(水)に行われました。このプロジェクトには、デザイン領域のインダストリアル&セラミックデザインコース、カーデザインコースの4年生、および大学院デザイン研究科の1年生の合計22名が参加し、それぞれのアイデアが発表されました。  プレゼンテーションには株式会社ファーストから企画開発グループの鈴木雄大氏、製造事業部長の榊原洋介氏、販売企画長の水谷尚志氏、さらに(株)ファーストと関わりのある非常勤講師の中尾協平氏の4名が参加しました。  このプロジェクトの目的は、既存のデジタルサイネージにとらわれない自由な発想を通じて、未来のサイネージの使い方や使用シーンを考え、具体的な形にすることです。学生や院生たちは、各自のアイデアをスライドや動画、ときにはモックアップモデルを使ってプレゼンテーションしました。持ち時間は一人あたり5分、全体では3時間に及ぶ壮大なプレゼンテーションとなりました。  アイデアには、ゴミ箱と組み合わせ行動を促すようなものや買い物カゴ、イベントなどで使われる案内や紙の広告をすべてサイネージに置き換えペーパーレスを押し進めるといった社会課題を解決しようという案。パネルをマットのように地面に置いたり、ネコ型のガイダンスロボットを使い案内するもの、センサーなどを取り付け個別にインタラクティブに使えるよう現在の機能をさらに拡張するような案。神社や祭り、障子紙といった、日本的なものや古いものとの組み合わせることで新しい体験を生む案など、さまざまなアイデアが提案されました。さらに、サイネージの形も、ついたてや屏風のように変形するものから、曲面を使ったもの、立体や透明なパネルなど、バリエーションも豊か。現在では実現不可能であっても、将来はできるようになる可能性を感じさせるものです。また、サイネージで表示するだけでなく、パネルの中だけに存在するバーチャルペットやアートを感じさせる案など、概念として新しいプロダクトの提案もあり、クオリティにもバリエーションにも魅力のあるプレゼンテーションになりました。  最終プレゼンテーションに対する総評では、株式会社ファーストの関係者から非常に好意的な意見が述べられました。製造事業部長の榊原氏は、学生たちから受け入れやすいアイデアがたくさん出てきたと述べ、提案が自身の視点を広げる上で参考になったと評価しました。企画開発グループの鈴木氏は、芸大の学生たちがデジタルサイネージに真摯に向き合い、深く考えた提案をしてくれたと感じ、アウトプットの面白さや収穫も多かったと感謝の意を示しました。また、他の関係者も学生たちの提案に興味深さや面白さを感じ、自身の頭の固さを実感したと述べました。  後藤先生からは、長丁場であったが非常に良いプレゼンテーションだったとの評価があり、三枝樹先生も学生たちが短期間でアイデアをまとめ上手く表現したことを高く評価し、「皆が出したアイデアの中から面白いものを選ぶことでプロジェクトがさらに面白くなると期待しています」とまとめました。  そして、このプレゼンテーションを受けて株式会社ファーストが選考し、最優秀賞1名と優秀賞2名を決定し、2023年6月14日(水)に表彰式が行われました。  今後、後期の講義では実際にサイネージを作っていく予定です。どのような成果物が生まれるのか、今後のプロジェクトが楽しみです。 受賞者の皆さん 最優秀賞 省エネデジタルサイネージ 大学院(ライフスタイルデザイン) 川原 明さん 優秀賞 神明 カーデザインコース 小野田 亘佑さん 優秀賞 DUSTBOX SIGNAGE カーデザインコース 佐々木 貴啓さん 優秀賞 ゴミ箱の投票インタラクティブシステム 大学院(3Dデザイン) ZHANG HAOMIAOさん ■プレゼンテーション資料 大学院(ライフスタイルデザイン) 省エネデジタルサイネージ 最優秀賞 川原 明 カーデザインコース 神明 優秀賞 小野田 亘佑 カーデザインコース DUSTBOX SIGNAGE 優秀賞 佐々木 貴啓 大学院(3Dデザイン) ゴミ箱の投票インタラクティブシステム 優秀賞 ZHANG HAOMIAO カーデザインコース 祭り×デジタルサイネージ 組谷 凌我 カーデザインコース Plug in Plants 柴垣 丈 カーデザインコース Butterfly Concept 長友 玲人 カーデザインコース TRA VISION 松下 滉輝 インダストリアル&セラミックデザインコース お店の雰囲気を変えるデジタルサイネージ 岩瀬 駿之介 インダストリアル&セラミックデザインコース Instant signage 藤野 洋士 インダストリアル&セラミックデザインコース 神出鬼没 ネコウコク 守屋 龍成 インダストリアル&セラミックデザインコース Digital signage Shopping basket 山岸 好子 インダストリアル&セラミックデザインコース Wedding Ceremony × Digital Signage 良知 恵里花 インダストリアル&セラミックデザインコース 電子カルテ─病院における個人用デジタルサイネージ PENG JIAXIN インダストリアル&セラミックデザインコース Sinage mall 土井 唯斗 大学院(3Dデザイン) ストリートアートとデジタルサイネージの融合 余馬 宙帝 大学院(3Dデザイン) one to one 周 逸清 大学院(3Dデザイン) 紙の使用<─>看板 ムンクボルド 大学院(3Dデザイン) art 山内 小猛 大学院(3Dデザイン) 3D臨場型広告サイネージ 劉 傑 大学院(ライフスタイルデザイン) デジタルテーブル 王 芝女亭 大学院(メディアデザイン) 曲面LEDデジタルサイネージ LUO XIANKUN 大学院(ヴィジュアルデザイン) LEDペット ホウ 嘉懿 大学院(ヴィジュアルデザイン) 「透過型」サイネージ 雍 藝

2023.4.25

産学連携事業 株式会社ファーストとデジタルサイネージの新たな用途開発研究を開始

産学連携事業 株式会社ファーストとデジタルサイネージの新たな用途開発研究を開始  新しいデジタルサイネージの用途・形のアイデアを創出するプロジェクトが、名古屋市のサインメーカー、株式会社ファースト様との連携によって開始されました。このプロジェクトには、デザイン領域のインダストリアル&セラミックデザインコース、カーデザインコースの4年生、大学院デザイン研究科の学生の総勢25名が参加し、後藤規文教授と三枝樹成昭非常勤講師が担当します。2023年4月12日には、プロジェクトの1回目の授業が行われ、株式会社ファーストから企画開発グループ 鈴木雄大氏と製造事業部長 榊原洋介氏にお越しいただき、オリエンテーションとして企業の概要と、サイネージを廻る現状について説明していただきました。  デジタルサイネージが広く使われるようになったのは15年ほど前からで、公共の場や交通機関、店舗などで広報や広告の役割で使われています。今後は、学校や病院、家庭など、より身近な場所でさまざまな用途で使われると予想されているといいます。株式会社ファーストでは店舗の販促用サイネージが主流であり、紙のポスターに較べ、差し替えが容易であり、新しい情報を見せることに適しているというデジタル化による優位性についての説明がありました。また、今後、センサーと組み合わせ、見る人に合わせた情報の提供ができるようになることも考えられます。しかしながら、ネットショッピングが拡大する現在、リアル店舗の価値をどう考えるかということも大きなテーマといえます。また、学校や介護施設といった、これまでサイネージがあまり入っていなかった場所でも活用も考えられるといいます。  プロジェクトの目的としては、デジタルネイティブといえる若い学生が、柔軟な考えで未来を見据えたアイデアを出し、新たなデジタルサイネージの用途、使用シーン、設置場所と形を考え、最終的にはプロトタイプを制作しようというものです。学生たちは5つのグループに分かれてブレインストーミングを行いました。彼らはメモにアイデアを書き留め、分類しました。1時間の作業の後、各グループから代表者がアイデアを発表しました。学生たちが提案したアイデアは多岐にわたり、海中に表示するものやプロジェクションマッピングを利用するもの、スポーツジムでの活用やスポーツ競技そのものをショーアップする案など、実現の可不可とは関係なく学生らしいユニークなアイデアが数多く見られました。各グループはこれらのアイデアを、公共性と個人、現在と未来、場所と事柄といったことを軸にマトリックス図に置き直し分類しました。そこからさらに、案内、広告、教育、空間演出、エンターテインメント、体験、地域活性化、ポータブルなどなど、用途を広げて考えるなどしました。  後藤先生からは「タイプ分けまで作業したところだが、ここからさらに異なった要素を加えてさらにアイデアを広げて欲しい。来週からは、具体的に何を加えるかを考え、広げて考えて欲しい」とコメントしました。また、三枝樹先生からは「この続きとして、マトリックス図の上に違う色のメモを加えていって欲しい。一週間、気にかけて生活していれば何か良いアイデアが浮かんでくるはず」と企画案のさらなる広がりを求めました。  株式会社ファーストの榊原氏からは「デジタルというと、ともすれば冷たいイメージを思い浮かべますが、皆さんの意見を聞いていて、心が動くようなワクワクするものにつながって行くような気がしました。楽しいアイデアが出てくることに期待しています」とまとめ、今回の授業は終了となりました。  今後、アイデア出しを継続、さらに解決すべき社会課題を調査、設定して企画案をまとめ、5月末を目処にプレゼンテーションを行うことになります。後期では、企画案をもとにプロトタイプの制作を行います。

2023.1.31

メディアコミュニケーションデザインコース、大垣共立銀行テラッセ納屋橋支店デジタルサイネージのコンテンツを制作

メディアコミュニケーションデザインコース、大垣共立銀行テラッセ納屋橋支店デジタルサイネージのコンテンツを制作  MCD(メディアコミュニケーションデザインコース)では株式会社 大垣共立銀行様とコラボレーションし、テラッセ納屋橋支店の大型デジタルサイネージに表示する映像コンテンツ制作の共同研究を行っています。テラッセ納屋橋支店のデジタルサイネージは、8本に分割された特殊な形状、また、外部からも見える銀行のロビーに設置されており、場所や大きさにおいても形状においても特殊なものといえます。このマルチディスプレイに表示するコンテンツの制作は、例年、MCDで取り組んでいる課題で、今年は“平和”と“変革”という2つのテーマからどちらかを選んで制作することとなりました。  2022年12月13日(火)、大垣共立銀行様をお招きし、制作予定の内容を確認する中間プレゼンテーションが行われました。学生は、3名ごとに7つのグループにわかれコンテンツを制作しますが、グループごとに絵コンテと簡単なビデオコンテを制作し、コンセプトとストーリーを説明しました。“平和”を選択したのが4グループ、“変革”を選択したのが3グループとなりました。  “平和”については、ロシアのウクライナ侵攻や国ごと地域ごとにある格差など、これまでそれほど意識することなく過ごしてきた平和という言葉の重さについて、いずれのグループも深く考えていることが伝わるものでした。“変革”についても、コロナ禍で変革を余儀なくされた現代や歴史的にお金や移動方法などが変わってきたことを織り込むもの、日常の中に小さな変化を取り入れることでワクワクを感じさせるポジティブな内容など、考えさせられるものが提案されました。  いずれのチームでも指摘されたのが、表現の伝わりやすさの問題です。複雑な内容になるほど間違いなく意味が伝わるような表現が必要となりますが、正確に伝わらない部分や検討課題の指摘を受けました。また、コンセプトから、もっと表現を変えた方がより明確になるのではといった言葉もあり、クライアント側からの視点で見てもらうことの大切さを感じさせました。デジタルサイネージの形状の特殊性から映像の構図を見直したほうが良い部分や、銀行のロビーに設置されている都合上大きな音声を使うことができないことなど表現に制約が加わり、そうした点からも見直してみることが必要ではないかとの声もありました。また、営業が終わった後もサイネージの映像は流される予定で、ぜひ夜も見て欲しいとのコメントもありました。  学生からは、大垣共立銀行について、ダンスのCMなどから地域性の高さや親しみやすさを感じていたが、納屋橋の店舗はシックで大人っぽい内装で良い意味でギャップを感じており、そこに表示する内容なのでふさわしいものを作りたいといった意気込みが聞かれました。  大垣共立銀行様からは、映像を審査するような普段の業務では経験できない非常に良い体験をさせてもらっています、学生の皆さんもこの経験を糧にして欲しい、との言葉をいただきました。  今後、表現とストーリーをさらにブラッシュアップし、制作に入ります。

2023.1.25

イラストレーションコース 尾上優衣さん、名古屋矯正管区のデジタルサイネージ映像を制作、感謝状を授与されました

イラストレーションコース 尾上優衣さん、名古屋矯正管区のデジタルサイネージ映像を制作、感謝状を授与されました  デザイン領域 イラストレーションコース 3年 尾上優衣さんが、サカエチカ クリスタル広場のデジタルサイネージに表示する再犯防止の広報動画を制作、感謝状を授与されました。名古屋矯正管区は、法務省の地方機関で刑務所、拘置所、少年院、少年鑑別所に対し、矯正事務全般にわたって指導、監督等する機関で、地方公共団体や民間支援団体、地域社会とともに再犯の防止と更生支援に取り組んでいます。再犯防止には、地域の支援が不可欠であるため、広く一般に地域の方の理解を得るためのPR映像の制作依頼が本学にあり、イラストレーションコース 片山浩 准教授の推薦で尾上さんが制作することとなりました。尾上さんは、イラストレーションコースでありながら、これまでにもアニメ制作に取り組んでおり実力を買われての起用となりました。  尾上さんは、事前に名古屋矯正管区から業務の説明を受けたり、刑務所を見学するなどして映像を制作しました。ストーリーは、出来心で起こした窃盗で刑務所に入った主人公が、罪を償い出所後社会復帰を目指します。しかしながら思うように就職できず、再び罪を犯してしまいそうになるところ優しい声をかけられ社会復帰ができるという内容。社会復帰には地域の支援が必要なことを伝えるアニメーション作品です。  この連携事業に対して名古屋矯正管区から名古屋芸術大学に感謝状が贈られることになり、2023年1月19日に受領しました。管区長 高橋昌博氏からは「15秒という短い時間の中に、矯正施設から出所し社会復帰するまで数年分の時間が表現されており、素晴らしい出来映えです。また、栄という場所で、こうした私たちの取り組みをアピールできることも非常に大事なことで、とても嬉しく思っています」とお褒めの言葉をいただきました。  PR映像は、サカエチカ クリスタル広場のサイネージエイト(クリスタル広場ビジョンの外側、4本の柱、合計8面)で1月31日まで5分に1回放映されます。栄にお越しの際は、ぜひご覧下さい。