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プラザの取り組み

2020.3.11

排せつケア対応力向上研修を実施

排せつケア対応力向上研修を実施  なごや福祉用具プラザでは、いきいき支援センター(地域包括支援センター)、高齢者いきいき相談室の職員を対象に「排せつケア対応力向上研修」を実施しています。 人にはなかなか相談しにくい排せつの悩みですが、多くの高齢者が悩みを抱えているという実情があります。 排せつ介護は介護者にとっても負担感が高く、名古屋市では「排せつケアコールセンター」を開設しています。 コールセンターで受けた相談は、地域のいきいき支援センターや高齢者いきいき相談室と連携し対応にあたります。 排せつケア対応力向上研修では、直接排せつの相談を受ける、いきいき支援センター、高齢者いきいき相談室の職員の方々が、適切に相談・対応ができるよう基本的な知識や対応方法などについて習得することを目的としています。  研修は、10:00〜17:00と1日かけての盛りだくさんの内容です。 はじめに、名古屋市健康福祉局高齢福祉課、名古屋市療養サービス事業団から、排せつケアコールセンターの設立についてとその紹介がありました。 コールセンターの認知度がまだまだ高くないものの、これまで寄せられた相談について、全体の相談数、年齢別とした場合、排尿・排便・その他など具体的な相談内容のについての統計データの説明をしていただきました。 コールセンターの告知をするたび相談数が増える事実があり、今後、広くコールセンターの存在を知ってもらうことと、それに伴いより適切で充実したサービスが受けられるように関係各機関やなごや福祉用具プラザとの協力が求められました。 排せつケアコールセンター  研修は、ロールプレイングから始まりました。 出席者はあらかじめ、5〜6名で1組のグループに分けられており、『尿失禁がありおむつで対応している80歳の男性からの相談』という事例で、男性、その妻、いきいき支援センター相談員と役割を決め、それぞれの立場でロールプレイングを行いました。 役割の本人だけに設定のシートが配られ、それに基づき発言し、当事者の心情を疑似体験しました。 体験してみて、その感想を記録し、さらに役割のシートを開示して不足していた情報を確認、対応が適切でなかった部分を話し合いました。 排せつという説明しづらい内容に、男性の悩みを近親者である妻も誤解していることや、自尊心や人となりを尊重しつつも相談しにくい雰囲気を作ってしまわないようにする難しさを感じました。 薬や症状についての聞き込みは、病気に対する予備知識も必要であり、失禁の原因について考えることの必要性も感じました。  午後からは、紙おむつの正しい付け方・選び方ということで、毎日の排尿の状態を知るため、時間と量などを記録する「排尿日誌」の活用についてお伝えしました。 それを踏まえて、おむつの種類を知り選択すること、さらに正しい使い方について解説しました。 実際に紙パンツを手に取り、正しいはき方や処理の仕方などを体験しました。  続いて、なごや福祉用具プラザの展示スペースにて排せつ用具を中心とした展示品の見学を行いました。 排せつ場所までの距離を短くすることのできるポータブルトイレや比較的簡単にできる増設トイレの紹介、排せつ姿勢を支えたり立ち上がりを補助する道具、衣類やおむつ、介護ロボットなどを見学しました。 実際の用具に腰を下ろしてみたり手に取ってみたり、参加者は機能と使い方を確認しました。  プログラムの最後は、小牧市民病院 排尿ケアセンター部長 吉川羊子先生にお越しいただき、排せつ機能の基礎知識 〜誰にでも知ってほしい排尿症状の評価とケア〜、という題目で講義を行っていただきました。 QOL(クオリティ・オブ・ライフ)や尊厳はもちろん、それ以前の医学的な見地から排尿をとらえ、頻尿を例にどんなことがことが起きているか、危険な症状はどんなものか、わかりやすく解説していただきました。 起きていることを正しく判断するため「排尿日記」で記録し、記録に基づくことで質の良いケアができることが示されました。

2019.11.15

介護ロボット普及実現に向けた取り組み 介護ロボット導入・活用セミナー

介護ロボット普及実現に向けた取り組み 介護ロボット導入・活用セミナー  名古屋市介護ロボット等活用推進事業として、なごや福祉用具プラザでは2019年 10月29日(火)に、「介護ロボット導入・活用セミナー」を開催しました。 なごや福祉用具プラザそばの社会福祉法人なごや福祉施設協会 第一会議室にて、鈴鹿ロボケアセンター株式会社センター長の竹腰仁志氏をお招きし、装着型介護支援ロボットとしてプラザでも一昨年から普及につとめてきたCYBERDYNE社のHAL®腰タイプ介護支援用の導入事例紹介と装着体験会を行いました。  実際の体験会を前に、なごや福祉用具プラザの長束より、名古屋市総合リハビリテーション事業団の介護ロボット事業について、コンサルティング・マッチング、普及・啓発、導入効果検証の三つを柱として推進していくことを簡単に説明しました。  説明の後はHAL®腰タイプ介護支援用の導入・活用についてのセミナーです。 鈴鹿ロボケアセンター株式会社と、講師の竹腰氏の紹介がありました。 鈴鹿ロボケアセンター株式会社は、鈴鹿医療科学大学白子キャンパスコミュニティハウス内に開所され、最先端テクノロジーを実社会で生かす場を創出することを目的として設立されていること、また、CYBERDYNE社とも深い関わりがありHAL®開発の背景など、ビデオを交えながら紹介していただきました。 身体を動かすときに発せられる生体電位信号を皮膚表面で読み取り身体の動きをサポートする仕組みで、医療用として開発が始まり、ドイツ、フィリピンなどの医療用HAL®の導入事例なども紹介されました。 同じ仕組みを利用し、介護動作時の腰部負荷や腰痛発生リスクを低減するためにHAL®腰タイプ介護支援用が開発され、全国で数多く導入が進んできていることが示されました。  セミナーの後は、装着体験会を開催しました。 約30名の参加者は順番にHAL®腰タイプ介護支援用を装着し、動作を確認しました。 最新のモデルでは、生体電位信号を読み取らずとも足部の加速度センサー、腰部の角度センサーから、装着者の身体の状況を判断しアシスト動作するよう切り替えて使うことができるようになっており、機器を装着するだけで効果が体感できるものとなっていました。 生体信号を読み取るためのシールを身体に貼る必要もなく、簡単に機器を装着できるようになっています。 試用した人からは「ああ、軽い!」など感嘆の声があがり、効果を実感していることがよくわかりました。 人形を使って、移乗の動作を試してみたり、屈伸やカバンを持ち上げる動作を行い、HAL®腰タイプ介護支援用の使い心地と効果を体験しました。  1時間ほどの体験会でしたが、大盛況のうちに終了となりました。 今回、会場協力いただいた社会福祉法人なごや福祉施設協会の玉井元仁主幹からは「今回のセミナーは、介護の新しい未来の姿が見えた非常に良い機会でした。 ご利用者・介護職員共に、WIN・WINになる介護ロボット、HAL®腰タイプ介護支援用を装着体験してそんな気持ちになりました。 またより多くの人に知る機会を、もっと多く設けて欲しいと思いました。 」との感想をいただきました。  今後なごや福祉用具プラザでは、このようなセミナーや体験会、イベントなどを開催し介護ロボット普及を推進し、活用できるよう支援します。 ご期待ください。 鈴鹿ロボケアセンター株式会社センター長の竹腰氏より、HALⓇ開発の背景などが説明されました 装着体験会では、さまざまな動作を行い、HAL®腰タイプ介護支援用の効果を体感しました

2019.11.15

介護ロボット普及実現に向けた取り組み

介護ロボット普及実現に向けた取り組み  人材不足と労働の負担……、介護現場には課題が山積しています。 そこで、利用者に快適で安全な介護サービスが受けられるよう期待されているのが、外国からの労働力の活用と、介護ロボットです。 なごや福祉用具プラザでは、2013年から、公益財団法人テクノエイド協会より「介護ロボット普及モデル事業」を受託し、介護ロボットを普及させる上での課題・問題点の洗い出しをメーカーと共に行ってきました。 今年度は、そのノウハウを基に、実際に介護ロボットの普及事業を推進し、介護現場の環境改善・介護サービスの質の向上を目指します。 介護現場の課題 ※経済産業省「将来の介護需要に即した介護サービス提供に関する研究会報告書」より 介護ロボット 移乗支援 移動支援 見守り・コミュニケーション 排せつ支援 入浴支援 介護業務支援 外国からの労働力 介護ロボット導入に向けた課題 効果がわからない 導入、活用が難しい なごや福祉用具プラザが、介護ロボットを活用できるよう支援します 令和元年度 事業計画 重点実施事項 テクノエイド機能 ●福祉用具に関する訪問相談(アウトリーチ事業)の実施 ●ネットワークづくりと人材育成で、地域の支援力強化 介護実習・普及センター ●排せつケア対応力向上研修の実施 介護ロボット関連事業 介護ロボット等活用推進事業の実施  令和元年10月より、名古屋市から新規事業として「介護ロボット等活用推進事業」を受託、事業所での介護ロボットの導入・活用を推進するため「コンサルティング・マッチング」、「普及啓発」、「介護ロボット導入効果検証」の3つを中心とした事業を実施します。 事業の実施に伴い、なごや福祉用具プラザでは専門職を増員し対応します 作業療法士 日常生活動作の確認、予後予測に基づく福祉用具・介護ロボットの選定、適合 看護師 疾患の予後予測、保健所や病院との調整、医療的ケアの相談対応 ソーシャルワーカー 支援計画の作成、地域資源との調整 施設利用者の日常生活動作の確認、 施設職員の介護業務の把握 リハビリテーション工学技師 シーズの理解、開発相談、福祉用具等の流通、制度の説明、介護ロボットの選定、適合 介護ロボット等活用推進事業 コンサルティング・マッチング 相談対応・専門家による介護現場でのアセスメントやマッチングを実施。 機器の情報提供や使用のアドバイスを行い、機器の選定・導入・活用を支援します。 普及啓発 介護ロボットの導入効果や機器の情報を広く普及させるために、セミナーや研修会を開催。 介護施設等に定期的に情報発信を行います。 介護ロボット導入効果検証 介護ロボットの活用方法や効果を検証、その結果をセミナー等で発表し普及促進を図ります。 介護職員の負担軽減・業務の効率化をはかり、人材の定着・介護の質の向上を目指します。 訪問相談もパワーアップ  リハビリテーション工学技師、作業療法士、看護師、ソーシャルワーカー等がチームとなり、地域で暮らす障害者・高齢者宅へ訪問。 住環境や介護状況等を踏まえた福祉用具の提案を行います。

2017.7.11

福祉用具よもやま話 1 知ればわかる、試してわかる 福祉用具ってなに?

「まだ必要ない」「こんなもの使わない」「そんな大げさなもの要らない」 そんなこと ありませんよ 知ればわかる、試してわかる 福祉用具ってなに? たろう君:福祉用具ってどんなもの? お父さん:お年寄りや、体に障害のある人が楽に暮せるように工夫された道具の事だよ。 たろう君:ふ〜ん、じゃあ普通の人は使っちゃいけないの? お父さん:そんな事はないよ。 最初は福祉用具として作られたものでも、便利だから普通に使われるようになったものもあるよ。 例えばこのメガネ!めがねを掛ければ小さい字がよく見えるようになるだろ。 ほかにはライターとかも…… たろう君:えっ、ライターが? お父さん:マッチは、知ってる? たろう君:知ってる! マッチ売りの少女が火を点けるやつ。 理科の時間に使ったよ。 お父さん:そう!それ、片手で火着けられるか? たろう君:う〜ん、片手じゃ無理かな……失敗してやけどするかも。 お父さん:ライターは、片手でも火を着けられるよな? たろう君:わかった! 片手が使えない人のためだったんだ。 お父さん:そうだよ、便利な道具を使えば、どんどん豊かになる。 他に便利な物って何がある? たろう君:孫の手!それから〜スマホ! お父さん:へ〜おもしろいね。 たろう君:お父さん、数字の『6』は福祉用具じゃないんだね。 お父さん:どうして? たろう君:だって片手じゃできないもん! 福祉用具が必要なほどではない?  お元気な方に「福祉用具」をご案内すると、「まだ必要ない」「こんなもの使わない」「大げさ」といわれてしまうことがしばしばあります。 これまで自力で生活してきた方にとって福祉用具を利用することはどこか屈辱的に感じ、道具に頼るということにマイナスイメージを持たれる方が多くいます。  でも、昔から「備えあれば憂いなし」という言葉があるように、事前に知識だけでも得ておくことは大切なことなのです。 誰でも年齢とともに身体の機能は低下します。 実際に、不都合が起きてしまってからでは遅いのです。 福祉用具って特別な道具では?  福祉用具とは、「生活を便利にする生活用具、機能訓練用具、機能を補いできないことを少なくするための用具」という3つの定義があります。 難しく感じるかもしれませんが、決して特別なものではありません。 例えば、メガネやライター。 使っている人にとっては、それなしでは生活できなくなる道具です。 これらも広い意味では福祉用具の仲間です。 私たちは生活の中でさまざまな道具を使って便利に過ごしています。 福祉用具もそれらの道具と同じ「生活を便利に豊かにするための道具」なのです。 どんな福祉用具があるの? どうすればいいの?  インターネットの普及で家に居ながらにしていろいろな情報が得られるようになりました。 でも、本当に必要なものなのか? それを使うことによって本当に生活が豊かになるのか? 見極めることは、案外難しいものです。 マンガでは、未来の世界の猫型ロボットがやってきてタッタラタッタッター♪と便利な道具を出してくれますが、いつも失敗していますよね。 福祉用具も、ちょっとそれに似たところがあるのです。 ただ単に、便利だから、欲しいからというのではなく、本当にその人らしく生活するための道具を一緒に考えることが必要なのです。 実際の道具を手にとって、使う方と一緒になって考える。 なごや福祉用具プラザはそんなところです。 どんなものを使えばいきいきとした生活が送れるのか、楽しい時間を過ごすにはどうしたらいいのか…… なごや福祉用具プラザで一緒に考えましょう