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2021.2.4

森のくまっこ 子どもコマ大戦、開催

森のくまっこ 子どもコマ大戦、開催  2021年1月20日、認定こども園 森のくまっこにて、株式会社クリタテクノから黒田正和さん(将軍さま)、北名古屋市 商工農政課から世古隆史さん、山田昌宏さんをお招きし、「子どもコマ大戦」を開催しました。コマ大戦とは、正式名称を「全日本製造業コマ大戦」といい、町工場の制作技術のアピールと販路拡大、成長を目的に全国の製造業者が自社の技術と誇りをかけて制作したコマを持ち寄り、一対一で競い合うユニークな競技会。子どもコマ大戦は、そのコマ大戦の連携事業で、民間企業と市民、児童館などコマを起点に交流をはかるものです。(株)クリタテクノさんは、地区大会優勝、全国大会出場常連のチームで、通年のポイントランキングでも例年上位に加わる強豪なのであります。黒田さんは、普段から北名古屋市内の児童館で活動、大人から子どもまで幅広い年齢層にむけコマ教室や大会も開いています。その活動の一環として、森のくまっこのすぐ近隣(株)クリタテクノさんから来ていただきました。  競技は簡単。一対一でコマを回し、長く回っていたほうが勝ち。2回先勝したほうが勝ち残りのトーナメントで、優勝者を決定します。子どもたちは4つのグループに分かれ、トーナメント戦を戦います。使うコマは、全日本製造業コマ大戦公認の超精密メタルコマ。赤、青、緑の三種類のコマがあり、それぞれ長く回り持久戦に強い、重くてパワフル、重心が高く攻撃に強い、といった特徴があります。子どもたちは、普段からこのコマを使って遊んでいて、自分の得意なコマで勝負します。一対一の勝負とあって、遊びよりも少し緊張した面持ちで子どもたちはコマ大戦を楽しみました。焦って土俵からはみだしてしまうコマや、何度も引き分けになってしまう微妙な勝負、4つのテーブルでは熱い戦いがくり広げられました。黒田さんからは「同じコマを使った勝負で右利きと左利きの人がコマを回すと、回転が異なるので歯車がかみ合うようにコマが同調し、コマ同士が同じ速度になり勝負がつかなくなるんだよ」と説明があり、大人はなるほどと納得、子どもたちからは「意味ないじゃ~ん!」と声の上がる一幕も。  トーナメントと敗者復活戦の決勝戦では黒田さんが審判となり、子どもたち全員で勝負を見守りました。がんばれ、がんばれと声援が送られ、大いに盛り上がりました。  トーナメントが終わったあとは、黒田さんから全日本製造業コマ大戦で使われた競技用のコマの紹介がありました。簡単にユニークな設計思想とコマが持つ特長が紹介されると、子どもたちは目を輝かせるようにしてコマを見つめ、もっともっとコマについて知りたいといった感想も聞かれました。  最後に表彰式が行われ、優勝した子どもたちに賞状とメダルが贈られました。コマで遊ぶだけでなく、子どもたちの好奇心をかきたてるものがあったように感じました。黒田さんからは、「お父さんお母さんといっしょにいつでも(株)クリタテクノに遊びに来て」と説明があり、子どもたちも大きく頷いていました。

2021.1.6

テキスタイルデザインコース 名古屋帽子プロジェクト (株)林八百吉 デザイナー松井氏から講評をいただきました

テキスタイルデザインコース 名古屋帽子プロジェクト (株)林八百吉 デザイナー松井氏から講評をいただきました  テキスタイルデザインコースでは、例年、3年生が名古屋帽子協同組合とコラボレーションし、自らデザインした布を使い帽子を制作してきました。今年は、名古屋市にある帽子の製造卸として120年の歴史を持つ林八百吉株式会社とコラボレーション、帽子工場の見学、帽子の歴史、帽子のデザインと制作のための指示書の書き方などを学びました。学生が選んだテーマは、コロナ禍で制限された「おでかけ」です。12月15日は、帽子プロジェクト最後の講義となり、林八百吉株式会社 商品部部長 松井朱美氏、ディレクター 江本千歳氏をお招きし、制作された帽子について講評していただきました。  講評の前に、林八百吉株式会社のSDGsの取り組みと展示会について説明いただきました。林八百吉株式会社では、2021AW(秋冬)展示会を、名古屋、大阪、東京で予定しており、学生が制作した帽子の中から優秀な作品を展示すると発表がありました。今回の講評会は、展示作品の選考会も兼ねたものとなりました。  講評は、制作した帽子を手に学生がプレゼンテーションを行い、それに対して行われました。プレゼンでは帽子に加え、配色、イメージ、作品の背景などを記したコンセプトボードと、制作のためのデザインと生地や必要な付属品、縫い方を示した発注指示書も掲示します。学生が制作した生地が厚みなど帽子としては作りにくいものもあり、工場とのやりとりで縫い方や作りなどを修正した経緯や、プロダクトとしてこだわった部分など、それぞれが制作で経験したことも交え説明しました。指示書のデザインそのままに完成したもの、計画通りにはいかなかったもののプロダクトとしては魅力的になったもの、どれもがユニークな作品に仕上がりました。松井氏からは、プレゼンボードにそうした経緯や考え方の変遷、使われている染織技法をもっと明確に反映するように、とコメントがありました。ことにオートクチュールなど高額なプロダクトでは、生産背景のストーリーが大切で、そうした経緯や使われている技術の詳細も含めてのプロダクトであると説明します。また、帽子を縫製したパターンナーからのコメントを学生にフィードバックしていただき、制作側の考え方を知ることや、立場の違いから来る意見の対立の経験を、今後の糧にして欲しいとお話しいただきました。フィードバックからは、実際に縫製を行ったパターンナーのこだわった部分などもわかり、非常に有意義なものでした。また、当初のデザインの意図通りにはならなかったものでも、最終的に非常に魅力的に仕上がった作品も高く評価していただき、プロダクトに対する考え方や商品価値の捉え方はとても参考になるものでした。  展示会の出品作品は、6点の作品が選ばれました。学生が自分で織ったり染めたりした布はそれぞれに味わいがあり、その点もコラボレーションの意義があったと評価していただきました。選ばれた作品は、プレゼンボードをさらに充実させ、一部手直しするなどさらにブラッシュアップして展示会に出展されることになります。 松井氏の講評の様子 展示会の出品作品

2020.12.18

ワールドミュージック・カルチャーコース
岡野弘幹氏、三上賢治氏、中村岳氏による特別講義「民族楽器が持つ生命力への影響と可能性」を開催

ワールドミュージック・カルチャーコース 岡野弘幹氏、三上賢治氏、中村岳氏による特別講義 「民族楽器が持つ生命力への影響と可能性」を開催  2020年12月10日、東キャンパス2号館 大アンサンブル室にて特別客員教授 岡野弘幹氏、ディジュリドゥ奏者 三上賢治氏、カホン奏者 中村岳氏を迎えて、特別講義「民族楽器が持つ生命力への影響と可能性」を開催しました。民族楽器とその楽器の背景についてお話しいただき、演奏とその精神に触れることで、音楽が持つ生命力への影響と可能性について考える講義です。  演奏の前に、岡野氏からこれまでの経験を交え、民族音楽とのかかわりや自然界の音と音楽についてのお話がありました。岡野氏は、ドイツのレーベルと契約したあとのこと、年に1枚ずつアルバムを制作しなければならない契約にもかかわらず左手首を複雑骨折し、楽器の演奏ができなくなってしまいます。その頃、たまたま聞いた風鈴の音を風が音楽を演奏しているととらえ、音程が異なる風鈴を数多く用意し自然の中に設置、その場所ごとの自然音と一体となったサウンド・インスタレーションを制作する着想を得ます。ここから自然を録音する仕事に取り組み、自然界そのものが音楽であることに気が付いたといいます。生体音響学者 バーニー・クラウス博士を引用し、「自然界の音は不協和音ではなく、生物ごとの鳴き声や発する音は周波数帯域が異なり、オーケストラと同じように調和がとれている」という考え方を紹介して、音楽の幅の広さを感じ、人間も自然界の中にいるという感覚を持つことが大事ではないかと説明しました。音の波長を視覚化するサイマティクスの研究を紹介し、民族音楽は太古から続くものであり、心に響く音で精神を安定させ自身を癒すような効果もあり、長い歴史の中で得られた人間の英知のようなものが含まれているのではないかと話します。マサイ族が地球そのものを楽器ととらえジャンプすることで太鼓のように叩いているといったことや、世界中で出会った音と人の関係について紹介し、五線紙に書かれた音以外にも自然界には音楽があふれていると説明しました。自分の心や感覚をもっと大事にし、音楽に生かすことがますます大事になっていくのではないかとまとめました。  後半は、ディジュリドゥ奏者 三上賢治氏、カホン奏者 中村岳氏も加わり、演奏となりました。岡野氏は、三上氏についてディジュリドゥを日本に紹介したパイオニアの一人と紹介。92年にカメラマンとして岡野氏に同行したイギリスでディジュリドゥと出会い、その後、カメラマンを辞めディジュリドゥ奏者になってしまったという異色の経歴を持ちます。2001年からは、オーストラリア、ノーザンテリトリー州へ渡り、ディジュリドゥマスターのジャルー・グルウィウィ氏から伝統的な演奏方法を学んだことなど、写真を交えて紹介していただきました。ディジュリドゥは1000年以上前から存在する世界最古の楽器の一つといわれており、雨期と乾期の気候が激しいオーストラリアの北部のごく一部の地方でしか作ることができないものだそうで、芯をシロアリが食べ筒状になったユーカリの木から作ります。表面には、4色でヘビ、ワニ、植物などの模様が描かれ、その形だけでも非常に魅力的な楽器です。楽器とともに、その背景となるアボリジニの人々の暮らしや文化、祭りなどを紹介。ディジュリドゥがどのように結びついているかを説明しました。  続いて、日本でもっとも尊敬するパーカッショニストであると岡野氏が紹介する中、中村岳氏が登場。この日は、カホンのほか、マリンバの原型となったアフリカのバラフォンという楽器、ブラジルのカシシ、瓢箪のまわりにビーズを通した網で覆ったキューバのチェケレを紹介、しかも、いずれの楽器も中村氏の手製であると説明します。カホンについて、箱に座って演奏するスタイルはペルーで発達、それをフラメンコのギタリスト パコ・デ・ルシアが取り入れフラメンコで広く使われるようになり、90年代のアンプラグドブームでドラムセットの代わりとしてポピュラーミュージックにも拡がったと、カホンの歴史について説明しました。低音から高音まで出せドラムセットの代わりとなる打楽器としては、カホンのほか、アフリカのジャンベ、ブラジルのパンデーロの3つがありますが、その中でもカホンが広く使われているのが現状だといいます。  民族楽器は世界をめぐり、使う人によって新しい使い方が生まれ進化していっていると岡野氏はいいます。そのことがワールドミュージックの大きな力になっているのではないか説明しました。 ディジュリドゥ奏者 三上賢治氏 カホン奏者 中村岳氏  紹介のあとはいよいよ演奏です。3人の息の合ったセッションが始まりました。1曲目は、ネイティブアメリカンフルート、ディジュリドゥ、カホン、バラフォンで演奏。演奏が始まった瞬間、独特な音色と幻想的な雰囲気に会場は包まれました。2曲目は、ギリシアの弦楽器がアイルランドで使われるようになりそこで生まれたフラットブズーキを用いた曲です。アップテンポでノリのよい曲ながら哀愁が漂います。最後は、ネイティブアメリカン曲を会場と一緒に歌い、大いに盛り上げました。  岡野氏は、自分も長くワールドミュージックにかかわってきているが、長く続けること、やりたいことを思いきってやってみること、それらが新しいつながりを作り、新しい音楽を作っていくことにつながっている、興味があることを、ぜひ、思いきってやって欲しいと講義をまとめました。  演奏終了後も、学生らは演者と楽器のまわりに集まり、個々に質問したり説明を受けたり、演奏の余韻に浸っているようでした。

2020.12.8

こどもデザインだいがく2020 第4回< 開店しよう!>を開催しました

こどもデザインだいがく2020 第4回< 開店しよう!>を開催しました 「こどもデザインだいがく」は、さまざまな「デザイン」のことについて、楽しみながら体験し、知ってもらうことを目的に、芸術大学の環境を活かしたワークショップとして2018年に開校しました。本年度で3回目を迎える予定でしたが、新型コロナウイルスの影響を受けやむなく中止としておりました。影響は落ち藩いたとは言えない状況ですが、感染防止対策を万全にした上で、回数を4回に限定して開催しました。  第1回は<企画してみよう!>お店のマークや商品の内容を、スケッチしながらどんなお店にしたいか考えました。  2回目は<商品を作ろう!>いろいろな道具や材料をた<さん使って実際に商品を作りました。  3回目は<お店を作ろう!>本学西キャンパス駐車場横交流スペース(コンテナ)に、棚や看板を作って自分のお店を構える準備をしました。バッケージやポスター・チラシも作りました。  そして最終日である11月29日(日)はとても良いお天気の中、いよいよお店がオープンです。当日ぎりぎりまで頑張って準備したお店に、お父さんやお母さん、お友だちも集まり、お店の無事オープンをお祝いしてジュースで乾杯!さぁ販売スタートです。お客さんに商品の説明をしたり、値段の交渉やお会計も全部自分たちで行いました。  日が傾きかけるころには商品はほぼ完売。生徒さん、おとうさん、おかあさん、おじいちゃん、おばあちゃんもみんな幸せそうにオレンジ色に輝いていました。 NPO法人子育てネットワークあすなろの水野美保代表と 本学デザイン領域イラストレーションコース丸岡慎一講師にお話をうかがいました。 丸岡慎一講師(写真左)  今年は春からコロナウイルス感染症拡大の影響で開催を中止せざるを得ない状態が続き、このまま全くできないのではないかと心配していました。ところが後半になると、感染拡大予防のガイドラインが整備されたり、「子どもゆめ基金」(→国と民間が協力して子どもの体験・読書活動などを応援し、子どもの健全育成の手助けをする基金)の助成を得ることができて、回数は少なくなりましたが何とか開催することができました。初年度からずっと参加してくれている生徒さんや、東京などで実際に子供のワークショップをキュレーションしている本学卒業生も運営スタッフとして手伝ってくれたので、限られた回数でも、私の介入が最小限でも、このような充実した展示となりました。 水野美保代表(写真右)  親御さんたちは、子供達がデザインしたり作ったりしたものがクオリティがとても高い状態でかたちになり、そしてそれがショップで手に取れて、作品を介して子供達と交流できる事への「驚き」と「満足感」を口々にお話してくださいます。名古屋芸術大学の高いスキルに支えられたクオリティ高さが「こどもデザインだいがく」の魅力だと思います。