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2021.4.13

テキスタイルデザインコース、羊の毛刈り、洗毛を体験しました

テキスタイルデザインコース、羊の毛刈り、洗毛を体験しました  2021年4月10日(土)西キャンパス クローバー広場にて、テキスタイルデザインコース2年生、3年生が、羊の毛刈りと洗毛を体験しました。デザイン実技の授業では、例年、羊の毛から糸を紡ぎ織物を製作するまでを行い、地元尾州の毛織物産業についての理解を深めます。昨年はコロナの影響で開催できず、2学年あわせての授業となりました。  毛刈りに先立ち、羊飼いの丸岡圭一さんから羊や羊毛についての説明がありました。羊と人間との関係は長く、品種改良を重ねて今の羊になっているといいます。本来、換毛する(夏毛と冬毛のように定期的に毛が抜け替わること)太く粗い毛(ケンプ)ではなく、肌に近い部分の柔らかい毛(ウール)を発達させ、抜け替わらないように交配を繰り返し大量の毛が採れるように品種改良されたのが羊であり、年に1度伸び続ける毛を人間が処理する必要があり人間と羊は共生の関係にあることなど、自然と人間のあり方や衣服と人間など考えさせられる説明です。  本来、羊用の電動バリカンを使い毛刈りを行いますが、はじめに鋏を使い、全員が手で毛を刈ることにチャレンジしました。おっかなびっくりの手つきで鋏を入れますが、羊はおとなしく貴重な体験ができました。刈った毛を手にすると、動物の匂いや毛に付いた脂分の多さなど、実際にやってみないとわからないことが実感できました。羊毛の脂肪は精製されてラノリンとして化粧品などにも利用されているのだそうです。  羊毛は、部位によって毛の良し悪しがあり、とくにお尻の部分は毛が絡みフェルト化していたりゴミが多く汚れで黒ずんでいます。こうした毛から、ゴミを取り除いて綺麗にする作業を「スカーティング」、洗剤による洗浄を「ソーピング」といい、この作業を染色工房で行いました。学生らは染色工房へ移動し、テキスタイルデザインコース講師 貝塚惇観先生の指導のもと作業を行いました。  手順は、羊毛全体を10分ほどぬるま湯に漬けて洗浄、さらに羊毛の5~10%の洗剤(モノゲン)で作ったぬるま湯に40~60分漬けて洗浄。洗った羊毛をザルに取りだし、さらに洗浄液に浸しながら一握りずつ羊毛を取り、指で汚れやゴミを取りだしていくという作業になります。羊毛は、強く絞ったりもみ洗いすると繊維が絡まりフェルト化してしまうので、こすらないようにして優しく指で押し出すように洗うのがポイントです。また、洗浄液の濃さや温度、漬ける時間は、汚れや含まれている脂分の分量で決まり、あまり脂分を落としすぎても、糸として紡いだときにバサバサになり風合いが変わってしまうそうで、羊毛の具合を見ながらの判断になるといいます。  2学年分なので、先ほど刈ったものとは別にもう1頭分の羊毛が用意され、学年に分かれて作業しました。手順に従い、まずは羊毛の重さを軽量、必要な洗剤を計っておきます。寸胴鍋を用意して、状態を確認しながらぬるま湯に浸します。洗剤を使って洗ってから、洗剤水に着けて一握りずつ手作業で汚れを取っていくことになります。1.5kgほどの羊毛でも時間のかかる作業で、まだ毛糸をつくるためのはじめの段階ですが、これだけでも膨大な手間がかかっていることが実感できました。段階を経るごとに羊毛は白くなり、最終的には真っ白な羊毛ができあがりました。洗浄した羊毛を干して、この日の作業は終了です。  このあと、羊毛を使って、カーディング(繊維を揃える作業)を行い、スピニング(糸紡ぎ)、織り、仕上げ加工と体験し、原毛から糸を紡ぐことや布の構造について学ぶこととなります。

2021.4.2

2021年度 名古屋芸術大学 入学式

2021年度 名古屋芸術大学 入学式  4月1日、2021年度名古屋芸術大学 入学式を西キャンパス 体育館にて挙行しました。  うららかな春の日差しの下、新たな学部生、大学院生が芸大生としての第一歩を踏み出しました。  式典はコロナウイルス感染防止を考慮し学生のみの入場とし、来賓および保護者の方々にも入場を控えていただき、オンラインで配信を行いました。  竹本義明学長により入学許可の宣言が行われ、式辞、入学生代表として大学院総代 人間発達研究科 大鷲栄里さん、学部総代 デザイン領域 疋田美有さんの宣誓と続きました。 二〇二一年度入学式 式辞  新入生の皆さんご入学おめでとうございます。  本学の教職員を代表して、心からお祝いを申し上げます。  名古屋芸術大学は、東海地区唯一の総合芸術大学として一九七〇年に設立され、昨年創立五十周年を迎えまました。。その間、芸術教育、保育・幼児教育による人材育成により、その社会的使命を果たしてきました。  いま社会では、急速なグローバル化と情報化により、すべての分野で境界のない新たな社会が形成されています。本学は二〇一七年度から社会の変化に対応するため大学の教育組織を大きく改編しました。  学部・学科の垣根を低くし、専門教育や分野を超えて関係する分野との連携を強め、社会において時代が求める創造力、プロデュース力、表現力を発揮し、活躍できる人材育成を目指しています。  昨年は四月早々に新型コロナウイルス感染症の拡大により、入学式を中止し授業を一部オンラインで実施しました。五月からは感染防止対策を徹底し、大きな混乱もなく対面授業を実施してまいりました。今年度は一部の授業を除き、対面授業を実施する体制に移行することになりました。  本学が培ってきた音楽、美術、デザインの専門実技教育に、対面授業は不可欠であり、実施により学生の興味や資質に応え、意識の多様化に対応できると考えています。そして、社会で不可欠な知識、コミュニケーション力、問題を発見し解決する力の習得を可能にするものです。また、人間発達学部においては、芸術系大学にある子ども発達学科という特色を最大限生かし、主体的に学習・研究ができるよう、ゼミ活動を充実させ、教育・保育実習において地域の方との交流を行い、実践力を養うことができます。  これは、大学卒業後を見据えて、キャリア教育の取り組みを強化し、自治体や企業との連携を進展させ、具体的には芸術による教育・研究を発展させ、全学総合共通科目による学際的な学びにより、芸術的な素養を高め、すべての学生が社会に出て活躍できる取り組みを可能にすると考えています。  入学された皆さんは、それぞれの専門性の追求に加え、異なるものが連携することで新たな創造性が生まれることを認識し、自ら境界線や限界線をひかず新しい発想を持って下さい。そうすることにより芸術や教育を通じたグローバル人材として、社会に羽ばたくことができると考えています。  今日から、卒業後・修了後の自らの姿を想い描きながら、目標をもって、大学生活のスタートを切っていただきたいと思います。我々教職員は、皆さんの希望を実現するため、責任を持って関わって参ります。  皆さんのこれからの大学生活が、希望に満ちあふれ、実り豊かなものになる事を心から願い、入学式にあたっての私からの歓迎の挨拶といたします。 令和三年四月一日 学長 竹本義明 大学院総代 人間発達研究科 大鷲栄里さんの宣誓 学部総代 デザイン領域 疋田美有さんの宣誓

2021.3.23

令和2年度愛知県芸術文化選奨 文化新人賞をアートクリエイターコース 荒木由香里先生が受賞

令和2年度愛知県芸術文化選奨 文化新人賞をアートクリエイターコース 荒木由香里先生が受賞  令和2年度愛知県芸術文化選奨授賞式が2021年3月23日に愛知県庁本庁舎 6階 正庁で行われ、本学非常勤講師のが文化新人賞を受賞しました。愛知県は、芸術文化の各分野において、その向上発展に貢献し業績が顕著な方を選奨することにより、芸術文化の振興を図ることを目的として、昭和52年度から愛知県芸術文化選奨を実施しています。  授賞式では大村愛知県知事から、表彰状と奨励金の目録が手渡されました 荒木由香里先生  選考委員長の藤井達吉現代美術館館長 木本文平氏からは、近年と活躍とこれまでの業績に加え、今後芸術文化の発展にさらに貢献していただけることが期待される方々が選出されたと選考の講評がありました。荒木さんについては「作品が置かれる場所の特性を生かし、ジェンダーや環境問題など様々なメッセージを含んだ作品制作を行い、今の時代をしなやかに映し出す現代美術作家。ハイヒールや口紅、プラスチックゴミなど、日常に置き去りにされていく物たちを集め、象徴的に赤や黒など一色にまとめることで、物が経てきた時間や記憶をも纏った私的な造形に再生させる。国内外で発表を行いながらも佐久島に島の景観を生かした作品を恒久設置するなど、愛知県を拠点として活動を行っており、本県芸術文化の向上に貢献し、今後もその活躍が期待されている」と業績の紹介がありました。  受賞を記念し名古屋市中村区のにて、これまでの個展、近年のフィールドワークなどで制作された作品を再構成した個展「集合」が4月16日(金)から5月1日(土)に開催されます。こちらもお楽しみに。 AIN SOPH DISPATCH(アイン ソフ ディスパッチ)

2021.2.17

ミュージカルコース卒業公演「ALICE THE MUSICAL」上演

ミュージカルコース卒業公演「ALICE THE MUSICAL」上演 2021年2月9日(火)、10日(水)、ミュージカルコース卒業公演「ALICE THE MUSICAL」を上演しました。ミュージカルコースの卒業公演は、名古屋市内のホールで行われるのが通例でしたが、今回はコロナ禍の影響もあり、東キャンパス3号館ホールにて「ダイヤ組」9日と「スペード組」10日の2公演に分け、人数制限完全予約制、全席指定での公演となりました。それでも多くのお客さまにお越しいただき、充実した卒業公演となりました。 演目は「ALICE THE MUSICAL」。ルイス・キャロルの不思議の国のアリスをポール・ボイド氏が戯曲化したもので、1998年の初演以来、ロンドン・ウエストエンドを中心に世界中で上演されている作品です。馴染み深い不思議の国のアリスの物語を、アリスが裁判でハートの女王を倒してもとの世界に戻るまでのストーリーに脚色。チェシャ猫をストーリーテラーに据え、狂言回しの白うさぎ、陽気ないも虫、トゥイードルダムとトゥイードルディーの演技デュオ、帽子屋と地下政治活動のティーパーティー、そして物語のキーを握るホワイトナイトと、おなじみのキャラクターたちが歌って踊って、不思議な世界をステージに展開します。 印象的なのは、楽曲の素晴らしさ。オープニングの“Wonderland”、60年代ポップス風の“What's She Gonna Do?”、ラテンのリズムが楽しい“Nothing Here Makes Sense”、アリスがしっとりと歌い上げる正統派バラードの“Home”など、キャラクターごとに見どころがたっぷり。それぞれが練習してきた成果を発揮し、歌声で観客を魅了しました。物語のクライマックスには、キャスト全員ですべての曲をディスコ調でメドレーにした“Mega-Mix”を披露。ノリの良い曲にキレのあるダンスで会場を大いに盛り上げました。歌と踊り、演技というミュージカルの基礎的な要素をしっかりと見せる充実した公演になりました。4年間の成果にふさわしいステージに、いつまでも拍手が鳴り止みませんでした。 チームダイヤ チームスペード