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2021.11.29

CROSS INTERACTION 2021 陶芸教育機関交流展 2021に、アートクリエイターコースが出展

CROSS INTERACTION 2021 陶芸教育機関交流展 2021に、アートクリエイターコースが出展  多治見市の「とうしん学びの丘“エール”」にて開催された「CROSS INTERACTION 2021(陶芸教育機関交流展 2021)」に、本学アートクリエイターコース(工芸コース)が作品を出展しました。この展覧会は、東海地区で陶芸教育を行う8つの学校・研究機関が参加する交流展覧会で、本学からは工芸コースで学ぶ9名が参加しました。本来であれば9月に開催される予定でしたが、新型コロナ禍の状況に合わせ2021年11月6日~8日の開催に変更され、6日(土)に岐阜県現代陶芸美術館 館長 石﨑泰之氏、岐阜県美術館 副館長 正村里美氏をお招きし講評会が行われました。展覧会には総数50以上の作品が展示され、時間的にすべての講評を行うわけにもいかず、各校2名ずつ作品を選んで講評を行いました。それぞれが、作品についてプレゼンテーションを行い、石﨑氏、正村氏がそれぞれ講評を行う型式で行われました。  本学からは、4年生 木原大貴さん「海の宝石」、松岡真矢さん「Wiege」(独語で、揺りかご・ 揺籃の意)、さらにその場で正村氏からのリクエストがあり 3年生 池田考作さん「溶積」の講評が行われました。  木原さんの「海の宝石」は、沈没船とともに沈んだ宝物をイメージした作品、手びねりで作られた楕円体に釉薬を染みこませた毛糸を巻いて制作されています。石﨑氏からは、抽象性は高いものの具体性のある部分が作品の一部にでもあればタイトルと合わせもっと伝わりやすくなる、巻き方のバランスを考えれば作品に動きが出ると思う。正村氏からは、非常に美しい作品だが、ほかの素材でも可能な表現であり陶芸という技法を使って表現できる美しさをもっと探してみて欲しい、と評価をいただきました。  松岡さんの「Wiege」は、手びねりで造形することや、穴を開けたりディテールを作っていく自身が感じている陶芸の楽しさを表現した作品。正村氏からは、作品のサイズや表現からもっとわくわくするような気持ちが出ても良いのでは、優しいけれど移ろうような悶々とものを感じる。石﨑氏からは、完成度が高くて良い作品だと思う、内側のでディテールを楽しんで作っていることもわかるし、表面の手の感じも好ましい、とお褒めの言葉をいただきました。  池田さんの「溶積」は、土への興味がストレートに表された作品で土の粒感や重量感が表現されています。正村氏からは、素材自体が持っている力の美しさと変化に魅了されていることが伝わる、もし今後も土でやっていくのならスタートといえる作品、いろいろな素材を使っていくというのならこういう表現も良いと思う、土との付き合い方を今後もっと考えていって欲しい、とエールをいただきました。  講評会を終えて学生らからは、他の学校の先生方もいてとても緊張した、プレゼンテーションで準備していたことがいえなかった、今後に向けての良い経験になったと、ほっとした様子と同時に今後への展望の声が聞かれました。  講評会のあと、各学校の指導者に自分の作品について感想を求める参加者や、参加者同士が談笑する姿が見られ、和やかな講評会となりました。また、参加者、指導者それぞれが各作品について感想やコメント書き込んだメモを後日それぞれの学校に送られることになっており、作品を見て刺激を受け、それぞれに言葉を交わし作品について考えを深める、意義深い交流展示会となりました。 名古屋芸術大学 出展作品

2021.11.25

音楽領域 声優アクティングコース1期生 卒業公演「2.5次元舞台 COLORS 彩られた世界へ」開催

音楽領域 声優アクティングコース1期生 卒業公演「2.5次元舞台 COLORS 彩られた世界へ」開催  2021年11月14日(日)、音楽領域 声優アクティングコース 卒業公演「2.5次元舞台 COLORS 彩られた世界へ」が、本学 東キャンパス 3号館ホールにて開催されました。原作は、本学美術領域 アートクリエイターコース卒業生の有志からなるアニメ制作チーム「ACREATION」の自主制作アニメ。2019年に公開されましたが、その声を声優アクティングコースの学生が担当していました。当時は1年生だった学生が、思い入れのある同じ作品を再び演じることとなったのが今回の卒業公演なのです(「ACREATION」中村大樹さんのアートクリエイターコース卒業制作アニメ「プロポーズ」(2019年度ブライトン大学賞 優秀賞)の声も、声優アクティングコースが担当。。公演では、リアルな時間軸の部分はお芝居で進行し、回想シーンになるとスクリーンにアニメが表示されアフレコでその場で声を当てるというユニークな構成。また、COLORSオリジナルの本編は40分ほどなのですが、今回の公演にあたり大幅に加筆され、登場人物それぞれの背景が盛り込まれました。それにあわせ新たなアニメパートも制作され、公演ぎりぎりまでかかり滑り込みで間に合いました。原作、脚本、音楽、そして舞台公演の音響、照明、美術、フライヤー……、すべて本学学生およびOB、OGがかかわる作品となりました。公演は2回公演で、Aチーム、Bチームでキャストを入れ替え演じます。観客席は学生のご家族で埋まり、温かさを感じました。 YouTubeでも見られます  物語は、美術大学学生らの制作に対する葛藤を描いた青春群像劇。大学に入ったころのプライドと自信の喪失がテーマであり、創作の怖さや苦しみを乗り越え制作意欲を取り戻すまでのストーリー。演ずる学生も、登場人物と自身の状況が重なることが多いであろうし、また、舞台を見る学生にとっても思い当たることが多い内容のように思われます。領域にかかわらず芸術大学という場では、日常に近い普遍的なテーマであるともいえます。しっかりと物語に引き込まれ、完成度の高い舞台に仕上がりました。とくに、演者たちのアフレコの技術が素晴らしく、アニメパートは安心して見られる印象です。対して、お芝居のパートはホール全体に伝わる芝居が必要となり、異なった技術と能力が必要なのだとよくわかります。映像作品の演技とも異なった発声や身体表現など考えさせられ、興味深く観劇することができました。  第2部は、殺陣パフォーマンス「you」。殺陣アクションに、季節を表す派手な衣装とメッセージ性を含む登場人物が加わり見ごたえ充分、照明も盛り上げます。ケレン味あふれるステージで、こうした演目も演劇の魅力のひとつといえます。声優アクティングコースが学んできた幅を感じさせるステージとなりました。  引き続き、声優アクティングコースで結成された声優ユニット iCANDYの1~3年生が先輩に贈る歌を披露。元気いっぱいに歌い踊りました。  ここで司会の声優アクティングコース 福満薫 講師が登場、初の卒業生を迎えた感慨とともに最後の演目を紹介しました。最後は、4年生による歌のステージですが、こうした公開のステージは学生時代これが最後。福満先生のコメントもあってか潤んだ歌声もあり、観客席にも目頭を拭う姿が見られました。2回目公演の最後の曲、サプライズで観客席に「ご卒業おめでとうございます」の横断幕が現れると、緊張が解けたように涙する学生も。後輩らから花束を受け取り、鳴り止まぬ拍手の中会場から送り出され卒業公演は終了となりました。

2021.11.16

デザイン領域 スペースデザインコース デザイン展覧会「UPCYCLE DESIGN EXHIBITION」開催

デザイン領域 スペースデザインコース デザイン展覧会「UPCYCLE DESIGN EXHIBITION」開催  2021年11月6日~14日、デザイン領域 スペースデザインコース、デザインスタジオ Bouillon(ブイヨン)で活動するスペースデザイン 非常勤講師 服部隼弥氏、那須裕樹氏、助手 池田将輝氏による展覧会 「UPCYCLE DESIGN EXHIBITION」が、名古屋市中区の長者町コットンビルにて開催されました。この展覧会は、ユネスコ・デザイン都市なごや推進事業実行委員会・なごや環境大学が主催するもので、名古屋市錦2丁目エリアで11月に開催された地域・企業・団体が連携してSDGsに関するプログラムを展開するイベント「錦2丁目SDGsWEEKs」(主催:「なごや環境大学」実行委員会・錦二丁目まちづくり協議会・名古屋市)に連動した展覧会です。アップサイクル(UPCYCLE)をテーマにした授業でデザイン・制作した家具を展示し、スツールをリメイクするワークショップも併せて開催しました。アップサイクルとは、使われなくなったモノや廃棄されたモノに、新たな付加価値をつけて社会に再び流通させることで、服部・那須両氏がBouillonで以前から取り組んできたもの。授業で学生らと制作したパイプ椅子を中心に、同じように廃物を利用したアップサイクルの家具、Bouillonが携わってきたアップサイクルの家具シリーズを部屋を模した空間に展示しています。  作品の基になっている廃棄物のパイプ椅子、スツール、プラスチックバケツ、クルマのシートベルト、体育館や倉庫の水銀灯のランプシェードも併せて展示され、どうやってリメイクされているかがわかるようになっています。ただ単に形を変えるだけでなく、新しい用途となったり、意味付けが変わることで新たな付加価値が与えられていることがよくわかります。住空間のような展示も、実際に使う場を想像させ、ホームユースに馴染むようにデザインされていることにも納得できます。業務用の照明のディフューザーを扉にした4年生 日比野優香さんのシェルフ、古い事務所で使われていたようなファイルキャビネットを利用したデスクなど、説明されなければそうとわからないようなアイデアに溢れた作品にも驚かされます。  会場となった長者町繊維問屋街やリフォームされたビルもアップサイクルやSDGsに適うもので、考えさせられる展覧会でした。また、デザインの学生にとっては作品を広く発表する場も貴重であり、とくに学外での展覧会は非常に良い経験になったのではないかと思われました。

2021.11.11

テキスタイルデザインコース 有松絞り手ぬぐいブランドプロジェクト ドイツから村瀬弘行氏を招き講義を実施

テキスタイルデザインコース 有松絞り手ぬぐいブランドプロジェクト ドイツから村瀬弘行氏を招き講義を実施  テキスタイルデザインコース「有松絞り手ぬぐいブランドプロジェクト」は、学生が有松絞りを使いオリジナルデザインの手ぬぐいを制作し、毎年6月に行われる「有松絞りまつり」の会場で販売するというプロジェクト。絞りまつりは、昨年、今年とコロナ禍のため中止されましたが、プロジェクトは例年行われており、工夫しながらさまざまな場所で販売を続けています。手ぬぐいを商品として捉え、コンセプトを考えブランドを考案、実際に販売する店舗をプロデュースする実践的な体験ができる重要な演習です。昨年は、絞りまつりへの出展がかなわなかっただけでなく、ドイツで活動する特別客員教授 SUZUSAN クリエイティブ・ディレクター 村瀬弘行氏をお招きすることができず、オンラインでの講義となっていました。今年村瀬氏は帰国することができ、待機期間を経て、2021年10月27日に貴重な対面講義の実現となりました。  講義に先立ち、村瀬氏からは、自身が運営する会社 SUZUSAN の小売店舗「aigaeshi」を、新しいブランド「tetof」としてリニューアルしたことについて説明がありました。その過程は、まさにこれから演習で行うブランドプロデュースそのもので、とても参考になる内容です。社内向けに行ったプレゼンテーションの資料を公開しつつ、マーケティングや商品構成について考えたことなどを説明いただきました。学生らがこれから行う演習と重なる部分も多く、実際のブランドでも同じように考えて運営していることが理解できたのではないかと思います。  さて、演習ですが、前回までの授業でテキスタイルデザインコース2年生は2つのグループに分かれ、それぞれムードボード(アイデアやコンセプトを紙面上にまとめてコラージュしたもの)を作成、それぞれのグループが想定する顧客(バーチャルカスタマー)をディスカッションしています。これらを発表するところから始まりました。それぞれのグループでテーマとするカラーと3人のバーチャルカスタマーを説明します。例年、具体的に性別、年齢、生活の背景や消費性向などを想定するバーチャルカスタマーの説明が、学生らが考える時代や流行を反映していて興味深いのですが、今年は6名中4名が男性で、男性を強く意識したブランドとなり、これまでの手ぬぐいプロジェクトとは一風異なった展開となりました。  この後、ブランド名を決めるディスカッションを行い、大人っぽさやシックなイメージの「Varigent」(various、gentleなどからの造語)、落ち着きや自然や四季を連想させる「木洩レ日」に、それぞれのブランド名を決定しました。名前から触発されるイメージの良さやロゴなどの展開を予感させるブランド名に扇教授も村瀬氏も大いに満足、この後の展開に一層期待が高まりました。続き、それぞれのグループで店長を2名ずつ選出、ロゴのアイデア出しを行い、SNSで発信するために150文字程度でブランドのコンセプトを紹介する説明文を考えました。  次回に向け、実際の染めに使う4色のカラーを決定、また、バーチャルカスタマーがどうような動線で絞りまつりに訪れ、どんなシーンで手ぬぐいを使うのか、できるだけイメージを具体化しておくように課題が出されました。デパートやショップに赴き、お店の作りを観察したり、チラシやショッパー、スタッフのコスチュームなど、実際の店舗がどのようにできているかを意識して見ておくことも大事なことと説明があり、注意しておくように意識付けも行われました。  講義の最後に、村瀬氏がパリを訪れたときに見た、凱旋門を布で梱包したクリスト&ジャンヌ=クロードの最後の作品とそれを楽しげに見つめるパリの人々を紹介し、テキスタイルは思っているよりも大きなことが可能でたくさんの人に希望と楽しみを与えることのできるもの、そう思って取り組んで欲しいと学生らを鼓舞激励し、講義は終了となりました。

2021.11.9

認定こども園 森のくまっこにて、ワークショップ「かたち遊び こどもと共育」を実施

認定こども園 森のくまっこにて、ワークショップ「かたち遊び こどもと共育」を実施  2021年10月28日、29日の2日間、本学グループの認定こども園 森のくまっこにて、人間発達学部 非常勤講師の荒木まさかず先生によるワークショップ「かたち遊び こどもと共育」が開催されました。荒木先生は10年ほど前から、もの作りや造形、絵画、デザインなどを通して親や先生ができるだけ子どもに干渉せず自由に制作を行い、何事にも自発的に取り組み自分自身を好きになる子どもを育てたいと「こどもデザイン室」という活動に取り組んでいます。荒木先生は、本学スペースデザインコースのOBであり、デザイン学部非常勤講師を務める中で小学校の机や椅子などの廃材を活用する「Re∓design project」を行うなど、モノとヒトをつなげ豊かにする活動を行っています。こどもデザイン室も、子どもがモノと自由に触れ合うことで、自由に自分を表現できるようにしようというもので、その活動の一環として今回のワークショップが行われました。  今回のかたちは球で、風船を使った遊びと風船を絵筆の代わりにして絵を描くというワークショップです。ワークショップに先立ち、9月に教職員向けのレクチャーが行われ、準備を整えて当日を迎えました。絵の具がこぼれてもいいように、絵の具を使う場所はブルーシートで広く養生、子どもたちにもあらかじめ汚れてもいい服装と替えの服の準備もお願いしました。  子どもたちが遊戯室に集まると、あいさつもそこそこに大きな風船が登場。好きに遊んでいいということで、子どもたちはビーチボールで遊ぶようにさっそく大きな風船で大はしゃぎ。遊びに夢中になっているところで、今度はヨーヨー風船のサイズの小さな風船が大量に登場。併せてうちわが配られ、あおいで風を送ってみたり、金魚すくいのようにうちわに載せて運んだり、と新たな遊びに促されます。さらに、今度は小さな風船を割って遊んで、散らかったゴムをみんなでかたづけて……と、子どもが飽きるまでの短い時間で次々と遊びのルールが変わっていきます。じつは、ここまでは下準備。このあと、風船を使って絵を描くことなりますが、それまでに風船を使った遊びを子どもたちに存分に体験させることで、子どもたちは自然に集中して制作に向かうようになります。さんざん遊んだあと、満を持して、水の入った小さな風船を子どもたちに見せます。水が入っているので大事に扱うように子どもたちに説明。事前に存分に風船を割って遊んであるので子どもたちも素直に受け入れ、いよいよ屋外の制作の場へと移動します。  ブルーシートで養生された園庭には、長さ3メートルほどのスロープが作られています。そこに紙を貼り、絵の具を着けた風船を転がしアクション・ペインティングさながらに、遊びながら絵を制作していきます。水風船が一つずつ子どもたちに配られ、好きな色の絵の具を着けるとコロコロとスロープで転がします。子どもたちは、絵の具とスロープの間を何度も行ったり来たりしながら、模様を描いていきます。はじめは単色だった絵の具も好きなように混ぜ、だんだんと複雑な色合いの絵ができあがっていきました。 全員で作った大きな絵が完成すると、今度は小さな紙にそれぞれの作品を作ります。画用紙が配られると、子どもたちは好きな絵の具を手に取り風船を転がし、自分だけの絵を制作していきます。ここまでに存分に身体を使って遊んできたからか、自分の作品にしっかりと集中する子どもたちの様子が印象的。ここでも単色からはじまり徐々に色を加え混ぜ合わせ、色とりどりの作品が完成しました。  絵が完成したら、最後は水風船を園庭に放り投げて割っておしまい。遊戯室で風船割りをして遊んだときと同じように、ちぎれたゴムを拾って終了となりました。  子どもを飽きさせないための工夫がしっかりと作り込まれていて、園長はじめ先生方からも感心する声が聞かれました。準備も入念で、子どもたちの行動をいっさい規制しないでいて作品づくりに向かわせる方法も、森のくまっこの「遊び通して学び、生きる力を身につける」という方針にぴったりと適うもの。なにより、子どもたちのはつらつとした笑顔が印象的でした。  今回のワークショップは球を使った混色活動でしたが、さらに11月に線の造形活動、来年1月には点・線・面の絵画活動、2月に展覧会を開催する予定となっています。どんな作品が生まれてくるのか、ワークショップの内容と併せて非常に楽しみです。

2021.11.8

デザイン領域 音をイメージした和紙のオブジェで音楽とコラボレーション

デザイン領域 音をイメージした和紙のオブジェで音楽とコラボレーション  1970年代に建てられた岐阜市・柳ケ瀬の古いビルが、この4月にリノベーションされ「岐阜ビル」としてオープンされています。岐阜ビル1〜2階部分はレンタルスペース、スタジオ、テナント等、人が集まる場として設計されており、その場所で2021年10月31日「弦楽四重奏×暮らしのアート×食×人」を楽しむ「LE PROJET à GIFU」(ル プロジェ ア 岐阜)というイベントが開催されました(主催:ビヤン ビヤン リトゥメ)。このイベントに、本学 メタル&ジュエリーデザインコース 米山和子教授が和紙で作品を作る作家として参加しており、これにあわせデザイン領域1年生17名が「デザイン基礎演習G」にて制作した和紙のオブジェを会場の装飾として展示。音楽とアンティーク陶器、活版印刷カード、和紙グッズ、珈琲、ケーキとコラボレーションしました。  デザイン領域1年生のファンデーションのひとつ「デザイン基礎演習G」は、領域を超えたプロジェクトを学んだり実際に参加したりし、研究を楽しんでいる人に直接触れ自分の方向性や時代性について考える演習。その講義の一環で今回のイベントへの参加となりました。使用した和紙は、イベントにともに参加した美濃和紙のWashi-naryさん(丸重製紙企業組合)から提供いただいたもの。抄きはじめの厚さ等不安定な部分や、ロール状に巻きで保管した際の外側部分等を提供して頂きました。  学生らは、この和紙を使い音をイメージした立体作品を制作しました。和紙の柔らかな色合いに、鋭角的に切り込みの入ったスタイリッシュなもの、ちぎったり皺を入れたりと紙の素材感を生かしたものなど、さまざまな作品が揃いました。  当日の朝、メタル&ジュエリーデザインコース3年生2名、1年生2名が会場を訪れ、天井から100を越えるオブジェを設置しました。設置してみると、空調で作品がゆるやかに揺れ、想像していた以上に有機的に見えます。照明の色合いも大きく影響し、白から電球色にするだけでも大きく印象が変わります。改めて無地白色の和紙の面白さを感じます。  米山先生も、和紙をカーテンのようにした作品を展示。米山先生の作品といえば手漉き和紙を使った印象がありますが、今回はWashi-naryさんの機械抄きの薄い和紙を使ったもの。隣接するビルが迫る大きな窓が、自然光を取り込む柔らかな背景となりました。  カフェのコーヒーの香りとさまざまなオブジェに彩られた心地良い空間での弦楽四重奏のコンサートは大盛況、お客さんを魅了しました。コンサートの中では、オブジェと本学についての紹介もあり、終了後には作品の写真を撮るお客さんの姿も見受けられました。  こうして社会の中で自分の作品が受容されることを見るのは、学生にとって非常に大きな経験になったのではないかと思われます。

2021.10.27

グループ展「第13回 日本画 sun 展 」が開催

グループ展「第13回 日本画 sun 展 」が開催  本学美術領域日本画コース元教授のが主催する「第13回日本画 sun 展」が2021年10月19日(火)から24日(日)の間ギャラリー名芳洞(中区錦1丁目)で催されました。  一昨年まで毎年4月に開催していた本グループ展ですが、昨年のに新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け10月に延期となったのを契機に、毎年10月開催となったようですが、ちょうど愛知県の緊急事態宣言が解除となり当日のギャラリー名芳洞は「災い転じて福」といった和やかな雰囲気で包まれていました。  出品者は前述の市野先生を始め、日展特選画家を含む13名。今年から制作を一旦お休みして鑑賞側に回る先生がいらっしゃる一方で、本学OBも含めた若い作家さんが新たに加わり、表現の可能性を押し広げる意欲的な作品が本年も数多く出品されました。 市野鷹生先生 12回目 『西陽』と市野先生 「日展出品作品のモチーフを再構成しました」「暑い中、今日も一日よくがんばった」後片付けをする若い職人を夕日がやさしく照らしている。 『鉄線花』(部分) 板画ならではの鮮やかさが目をひいた。 荒木弘訓先生(写真右/本学日本画領域元教授)と談笑する市野先生 荒木先生はでお世話になりました。 本誌21号

2021.10.22

東キャンパス「PLAY! PARKがやってきた!」

東キャンパス「PLAY! PARKがやってきた!」  2021年10月8日(金)~10日(日)、東キャンパス TERA およびアート&デザインセンターEASTにて、子どものための屋内広場「PLAY!PARKがやってきた!」を開催しました。このイベントは東京・立川駅北口にオープンした大人も子どもも遊べる美術館と屋内広場のPLAY! MUSEUM、PLAY! PARKから、子ども向けの遊び場「PLAY! PARK」が出張したワークショップ。PLAY! PARKの協力のもと、アート&デザインセンターの主催で行われました。これまでPLAY! PARKで開催された遊びの中から、風船をラップでくるみ割れないようにした「バルーン・モンスター」、新聞紙をくしゃくしゃにして麻縄でつるした「くしゃくしゃおばけ」、障子紙を貼り合わせて作った巨大なたまご「ぐりとぐらの紙のたまご」、PLAY! PARKで子どもたちが作った色とりどりのPLAY! PAPERを使ってコラージュ作品を作る「Let's PLAY! PAPER」の4種類。前日からPLAY! PARKキュレーターの小栗里奈さんと、学生らが制作しました。期間中、近隣からたくさんの親子が東キャンパスを訪れました。  当日は、人間発達学部の学生らが中心のボランティアが子どもたちの対応にあたり、一緒に遊びました。いずれの遊具も身近で安価な素材が組み合わされて作られており、その工夫は素晴らしいものでした。少々壊れても何の問題もなく遊ぶことができ、子どもたちも思い切り自由に身体を使って遊びました。子どもたちが遊びやすいように構造がしっかりと考えられており、素材を用意すれば簡単に自分でも制作できる点なども非常に優れていると感じました。くしゃくしゃおばけにぶら下がったり、バルーン・モンスターによじ登ったり、元気いっぱいに遊ぶ様子がキャンパスの至るところで見受けられました。はしゃぎすぎて怪我をしないようボランティアの学生らが子どもの様子を見ながら相手をし、安全に遊ぶことができたことも良いことでした。  身体を使っての遊びと同時に、Let's PLAY! PAPERでコラージュ作りを楽しむ子どもたちの姿も印象的でした。あらかじめ用意されている色とりどりの紙にさらにクレヨンなどで絵や色を加え、はさみで切ったり糊付けしたりと自由に新たな作品を創作しました。じっくりと創作を楽しんでいる様子が窺えました。  身体を使うこと、じっくりと創作に取り組むこと、この2つを遊びを通して体験することができた意義深いイベントとなりました。

2021.10.21

工芸分野領域横断「工芸EXPO」プロジェクト 三州にて作品の窯詰め

工芸分野領域横断「工芸EXPO」プロジェクト 三州にて作品の窯詰め  本学美術領域工芸コース(陶芸・ガラス)、デザイン領域メタル&ジュエリーデザインコース、テキスタイルデザインコースは、本年度から領域横断による連携を始めています。愛知県の伝統工芸とコラボレーションし「第38回伝統的工芸品月間国民会議全国大会」(KOUGEI EXPO IN AICHI)に出展する「工芸EXPOプロジェクト」において、工芸コースは瓦の産地である三州とコラボレーションし、鬼瓦の技法を使った作品作りを進めています。2021年10月14日、三河粘土で作った作品を窯元にて窯詰めしました。  学生が学内で制作してきた作品は、一旦、高浜市の株式会社 丸市様に運び込まれ、十分に乾燥させます。粘土を時間をかけてじっくり乾燥させなければ作品にヒビが入ってしまうことがあり、鬼瓦の制作では窯の余熱を使ったり専用の乾燥機を使うなどして乾燥の仕上げを行います。丸市さんでは乾燥機を使い、作品を乾燥していただきました。次に、作品を窯焚きしていただく山本鬼瓦工業株式会社様に運びます。作品は乾燥した状態がもっとももろく、壊さないように運搬します。この日の朝、丸市さんによって、慎重に運び込まれました。作品の状態を確認して、いよいよ窯詰めです。乾燥させた作品をひとつひとつ丁寧に窯へ入れていきます。窯詰めにもさまざまなノウハウがあり、焼くことで作品が縮み窯の中でずれることでヒビになったりカケになったりするそうで、作品の形状を見極め、置き方を工夫したりクッションになるダンボール紙を敷いたりして詰めていきます。作品同士がくっついてしまわないよう、かつ、できるだけ効率よく多くの作品が入れられるよう、さまざまなサイズの煉瓦を組み合わせて棚を作り入れていきます。ぎっしりと作品を詰めたら、窯を閉じて火入れです。  三州瓦のいぶしは、釉薬によるものではなく炭素の皮膜を付着させる技法で、1100度程度に焼き締めたあと、窯を密閉した状態でブタンガスを注入し作品の表面に炭素皮膜を作ります。ガスを扱うため気密が保たれるよう、確認しながら窯の蓋をしっかりと閉めました。窯には、左右6か所ずつ火入れ口が開いており、まずは左右の2か所に点火しました。この状態で1日かけ徐々に温度を上げ、24時間後から3時間おきに2か所ずつ火を増やし温度を上げ、1100度に達したら火を止め、冷ましながらブタンガスを注入し、1日かけて冷却します。冷却の過程で炭素が反応し、いぶし独特の風合いが生まれます。本日窯詰めした作品は、18日に窯出しとなります。  ヒビや割れが発生しないか、いぶしの色合いがどんなふうに作品を変えてくれるか、不安と期待の中、窯出しを待つことになります。  窯詰めの後、山本鬼瓦工業さんの工房を見学させていただき、鬼師(鬼瓦のような立体的な瓦を手作業で作る職人)の作業現場を見せていただきました。山本鬼瓦工業さんでは、文化財になっているような多くの神社仏閣の鬼瓦を手がけていますが、それまで使われていた瓦をそっくり再現することが行われているとのこと。ヘラを使った成形で、迫力のある表情に加え粘土の状態でありながらも細部まで艶やかで美しく、技術的にもたいへん興味深いものでした。普段ではなかなか見ることのできないプロの現場を見ることは、学生にとっても大いに刺激になるのではと思われました。  作品がどんなふうに仕上がるか、いよいよ最終工程を迎えます。

2021.10.19

【工芸から】グリーンシティプロジェクト 室内展示を実施

【工芸から】グリーンシティプロジェクト 室内展示を実施  今年度、美術領域 アートクリエイターコース(陶芸・ガラス、コミュニケーションアート)、デザイン領域 テキスタイルデザインコース、メタル&ジュエリーデザインコースでは、工芸分野、美術とデザインの領域横断連携を押し進めています。「工芸から グリーンシティプロジェクト」も連携の一環で、大学来訪者や教職員のための宿泊施設“グリーンシティ”の住環境の改善をテーマに、作品を制作しています。昨年度は、作品をアート&デザインセンターにて展示を行いましたが、今年度はグリーンシティ 現地に展示することとなりました。2021年10月5日、6日、7日の3日間でしたが、貴重な展示となりました。  グリーンシティは1974年に建てられたマンション。本学の宿舎として使われているのはB棟2階の206号室、4LDKの間取りです。その部屋のあらゆる場所、お風呂やトイレにまで作品が飾られています。今年度のテーマとなっているのが「安心感」で、プロジェクトに参加する学生らが話し合って決められ、ゆったりとくつろぐことのできる空間になるよう作品が制作されています。本来、装飾の少ない簡素な作りですが、部屋のあちこちに作品が置かれ、コンセプト通りほっとできる空間になっています。思わぬところに小さな作品もあり、遊び心を感じさせます。また、作品は工芸分野3コースの学生によるものが中心ですが、近隣のイラストマップなどヴィジュアルデザインコースやライフスタイルデザインコースの学生の作品もあり、今後の広がりを期待させるものとなりました。  アートクリエイターコース 中田ナオト准教授は「実際の住空間の中に作品を置くことは、アート&デザインセンターなどギャラリースペースでの展示とは異なり、展示方法の工夫が必要であり、また作品そのものがどうあるべきかを考えることにもつながった。学生だけでなく教員にとっても貴重な経験になりました」と感想を述べました。  見学に訪れたデザイン領域 ライフスタイルデザインコース 萩原周 教授も「芸術大学が用意する宿舎として、来訪者をもてなす場所にふさわしくなった」と展示を楽しんでいる様子でした。  展示は2021年10月7日までとなりますが一部の作品はこのまま部屋で使われ、来訪者を楽しませることになります。