複数機能のあるリーチャーの製作

 車椅子を使っている脳性麻痺の女性から、部屋の中で洗濯物を掛けたり下ろしたりするためにリーチャーが必要であること、また用を足したあとに水洗トイレのレバーまで手が届かないのでそのレバーを回せるリーチャーも作ってほしいとご相談がありました。そこで、1本で洗濯物もトイレのレバーも両方のことができるリーチャーを製作することにしました。

材料リスト

グラスファイバー製パイプ(22φ×830mm)
1本
アクリル板(3mm厚、50×100mm)
1枚
ワイヤー(4φ×200mm、チューブ付き)
1本
ゴムキャップ 22φ
1個
ネジ
2本
シリコンゴムテープ
適量

材料費

1,300円程度

作り方

 アクリル板はV字型のくぼみをつけ、熱加工しパイプに巻き付け、シリコンゴムテープで固定しネジ止めしました。もう一端はゴムキャップをパイプにはめ、中心に穴を開けてからチューブ付きワイヤーをループにして、その末端を穴へ通し、カシメをして固定しました。

工夫した点

 今回は1本のリーチャーの両端に各機能を持たせようと考えました。一端は洗濯物を干すためハンガーを引っかける機能を、もう一端は水洗トイレのレバーを引っかけて回すことができる機能を持たせました。パイプは折れた釣り竿を再利用し、重量を軽くしました。

使い方

1リーチャーを縦向きに持ち、取り付けたアクリル板のくぼみを使ってプラスチックハンガーを掛けたり下ろしたりします。実際の動作確認では、針金ハンガーの細いくぼみにはまり込んでしまい、うまくいかない場面もありました。

2パイプの反対側にとりつけたループで針金ハンガーへ試したところ、意外にも掛けたり下ろしたりすることができました。

3パイプを横向きに持ち、ループをトイレの水洗レバーに引っかけて手前に回すことで水を流すことができます。動作確認でもうまく使用することができました。

リーチャーの外観

リーチャーの外観

くぼみを使う

1くぼみを使う

ループを使う

2ループを使う

ループをレバーへかける

3ループをレバーへかける

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