左右の指に欠損のある方からトラックボールの操作がやりにくいので、改造して使いやすくしてもらえないだろうかとプラザに相談がありました。その本人から理由を詳しく尋ねると、「左クリックボタンを押したままカーソルを移動させる、ドラッグ操作がうまくできないので、トラックボールに左クリックを保持する機能を付けてほしい。」とのことでした。それならばトラックボール製造メーカーのWebサイトに設定ソフトがあり、実現できることを本人へ伝えましたが、そのソフトと使用しているイラストレーターソフトのキー設定が競合していて、絵を描く機能で使えないものがあるので物理的にドラッグしたいということでした。そこで別のスイッチを取り付けて、左クリックを保持する機能を持つようにトラックボールを改造することにしました。
材料費は400円程度
まず鉄板を折り曲げて、スイッチを固定できるように台を作り、その上面に穴を開けてスイッチを挿入し、ネジ止めします。スイッチ両端にはリード線をハンダづけします。次にトラックボールの蓋を開け、左クリックボタン部分にこのリード線をハンダづけし、蓋を閉め、トラックボールと台を両面テープで固定します。
当初トラックボールの曲面に穴を開けてスイッチを取り付ける方法を検討しましたが、それだとスイッチが傾斜したままになり、本人にとって押しにくくなるので、台を製作して横に置き、スイッチを垂直に取り付けました。このスイッチはON/OFFロック機能を持つオルタネイト型を採用しました。
使う場合は、左手中指でボールを回してカーソルをデスクトップ上のアイコンへ持っていき、右手小指でスイッチを押し込んでロックした後、左手でボールを回して移動させ、そこで右手小指でスイッチを押してロック解除し、ドラッグ操作を代替できます。
トラックボール右横のスイッチ
トラックボール操作の様子
なごや福祉用具プラザでは福祉用具の製作・改造を通じて、ご本人やご家族等の生活を豊かにするお手伝いをします。お気軽にご相談ください。