“片手でゴミ袋の口を縛るロープ”の製作

 片手に麻痺がある方から「片手でゴミ袋を縛る方法を考えてほしい」という相談を受けました。その方は片手のみで行うのが難しく、歯で袋の取っ手を噛んで固定して縛っていました。そこで、自助具製作ボランティアグループと相談し片手でもゴミ袋の口を縛ることができる自助具を開発しました。 家庭にあるノブやフックにゴミ袋の取っ手を掛け、「片手でゴミ袋の口を縛るロープ」を使うことで、誰もが簡単に取っ手付きのゴミ袋の口を片手で縛ることが可能となりました。
 また、身近で安価な材料を使うことで、繰り返し使える自助具を作ることができました。

片手でゴミ袋の口を縛るロープの外観

材料リスト

ネオジム磁石(6.1φ×2.5mm)
4個
直径15mmの丸棒(木材)40mm
2本
洗濯用ロープ600mm(ナイロン製)
1本
結束バンド(インシュロック)100mm
2個

材料費

2組300円程度

作り方

 丸棒の側面に磁石取付用、軸方向にロープを通すための穴を開けます。次に2本の棒が連結する向きを確認して磁石を接着します。軸方向の穴にロープを通し、それぞれ端に結び目を作って抜けないようにします。

工夫した点

 耳付きタイプのゴミ袋の取っ手にロープをくぐらせ、ロープで結び目を作り、ロープを引くことにより、取っ手に結び目を送る方法にしました。加えて、引きやすくするためにロープの両端に握り棒を取り付け、両端が磁石で連結、分離できる構造としました。

使い方

1家庭にあるノブやフックにゴミが入った袋の片側の取っ手を掛け、もう一方の取っ手にロープをくぐらせる。

2ロープ両端のマグネット部分を連結させた状態で、フック側のごみ袋取っ手に握り棒をくぐらせる。

3結び目を作る。

4ロープの端がゴミ袋の取っ手から通り抜けたら強めに引き締めて、もう一度ロープで結び目を作り二重に縛る。マグネットを分離し、握り棒の片側をゴミ袋の取っ手から抜いてロープを取り外す。

エレベーター前でボタンを押す様子

なごや福祉用具プラザでは福祉用具の製作・改造を通じて、ご本人やご家族等の生活を豊かにするお手伝いをします。お気軽にご相談ください。