なごや福祉用具プラザの取り組み
ICTサポートセンターとは?

 なごや福祉用具プラザでは『愛知県障害者社会参加促進事業』として、愛知県から委託を受けて、障害のある方に向けてパソコンなどのICT関連機器の利用相談・情報提供・使いやすくする環境整備などの支援を行う「ICTサポートセンター」を運営しています。また同センターでは、ICTボランティアの養成や講習会の実施など、支援する側のスキルアップをはかる活動も行っています。
 今回は、コミュニケーションをとるうえでの“困った”を解決する「ICTサポートセンター」についてご紹介します。

ICTとは

情報(information)や、通信(communication)に関する技術の総称。
IT(Information Technology:情報技術)と同様の言葉となります。

利用される方への支援

ICTに関する支援・利用相談・情報提供

 障害のある方を対象に、身体状況や使用目的に応じて、パソコンなどのICT機器の利用相談や情報提供、各種勉強会を行っています。なごや福祉用具プラザへの来所相談はもちろん、ご希望に応じて訪問相談も実施します。

視覚に障害がある方への支援

視覚に障害がある方への支援

肢体不自由がある方への支援

肢体不自由がある方への支援

対象となる方

  • 肢体不自由(上下肢・体幹等)、音声・言語、視覚、聴覚などに障害のある方
  • 愛知県内にお住まいの方
  • その他、難病などでICT関連機器を生活や就労場面で利用したい方

例えば、このような相談に対応しています

このような対応をしました

  • スイッチの選定・適合
  • 福祉用具を含めた操作環境整備
  • 操作のための製作改造(自助具、スイッチを含む)
  • 新しいパソコンへの移行支援
  • 設定・トラブル対応
  • 機器やソフトの選定
  • パソコンやソフトの試用
  • 福祉制度利用の説明
  • 勉強会の開催
機器やソフトの選定 視線入力装置

機器やソフトの選定
視線入力装置

スイッチの選定・適合 接点式入力装置

スイッチの選定・適合
接点式入力装置

福祉用具を含めた操作環境整備 スマートスピーカー

福祉用具を含めた操作環境整備
スマートスピーカー

新しいパソコンへの移行支援 意思伝達装置

新しいパソコンへの移行支援
意思伝達装置

福祉用具を含めた操作環境整備 スマートスイッチ

福祉用具を含めた操作環境整備
スマートスイッチ

視覚障害者のためのスマホ・タブレット勉強会

視覚障害者のためのスマホ・タブレット勉強会

支援体制

 ICTサポートセンターでは、相談業務に加え、ICTボランティアの育成・派遣を行っています。また、リハビリ担当者やケアマネジャー、ヘルパーなどと連携し、導入したスイッチやアクセシビリティ機能を継続して活用できるよう支援しています。
 さらに、日々進化するICTに関する情報収集や講習会の開催を通じて、支援者のスキル向上の機会も提供しています。

予約制ICTサポート相談

 毎月第2土曜日13:00~15:00にICTサポート相談をおこなっています(事前予約制)。
※上記以外の日程も対応可能です。お気軽にお問い合わせください。

訪問相談

 来所が難しい場合や、自宅の環境に応じた機器設定が必要な場合には、リハビリテーション工学技師が訪問し、機器の試用や設定に関する提案・助言を行います。

オンライン相談

 遠方にお住まいの方など、来所が難しい場合には、オンラインミーティングによる相談も可能です。

ICTボランティアの派遣

 リハビリテーション工学技師の訪問に加え、ボランティアによる訪問支援も行っています。

ICTボランティアの育成

 月1回の定例会を開催し、活動報告や機器の勉強会を行っています。また、ICTボランティア養成講座を開催し、支援技術や新しい機器・アプリの知識向上に取り組んでいます。

ICTに関する情報提供など

 学会や研究会に参加して先進的な支援事例を収集し、最新情報を把握しています。来館者にわかりやすい説明表示や機器展示も行っています。

連携機関との情報共有

 個別相談で提案した内容を各機関と共有し、ノウハウの周知に努めています。

ICTサポート相談

ICTサポート相談

ICTボランティアの派遣

ICTボランティアの派遣

ICTボランティアの育成

ICTボランティアの育成

相談実績
令和6年度 ICT訪問相談件数

オンライン情報交換・連絡会の開催

 難病者の支援機関との情報共有の場として、令和6年度に情報交換・連絡会を行い、挙げられた課題を解決するための方法を検討しました。

例えば、このような課題が挙げられました

導入の課題
  • タイミングの難しさ
  • 必要性の認識不足
  • 進行状況に応じた提案の困難さ
  • 支援開始の遅れ
知識・経験の不足
  • 支援者の知識・経験不足
  • 関係者間の連携不足
  • 機器選定の困難さ
制度や事業所の制約
  • 行政の対応の変化
  • 市の予算不足
  • 事業所の不足
  • アフターフォローの不十分さ
機器利用の実施と調整の難しさ
  • 試用機会の不足
  • 患者宅での調整
  • 進行が早い場合の対応
  • 装置導入後の管理
情報提供と連携の課題
  • 相談先の不明確さ
  • 周知の不足
  • 情報不足
  • 患者教育の難しさ

令和7年度実施!
補装具装用訓練等支援事業

 なごや福祉用具プラザでは令和7年度に厚生労働省『補装具装用訓練等支援事業』に取り組みます。この事業は、小児筋電義手や重度障害者用意思伝達装置の装用訓練に対応できる病院やリハビリ施設の普及を目的としています。
 この事業を活用して重度障害者用意思伝達装置に関する利用者支援や支援者養成に取り組み、地域の支援体制の強化や支援ネットワーク作りを促進します。

装用訓練等への同行支援と機器貸出体制の整備

 意思伝達装置の装用訓練を担う支援者を養成する研修会を開催し、修了者からの相談には、訓練への同席や利用者宅への同行など必要な支援を行います。
 なごや福祉用具プラザでの実践経験を活かし、選定・適合から訓練に至る支援の実際を共有し、地域の支援機関との連携を促す助言も行います。
 あわせて、意思伝達装置や固定具、入力装置などを整備し、支援状況に応じた機器の貸出体制を整えます。

支援者養成のための研修

 県内を尾張・西三河・東三河の3圏域に分けて段階的な研修を実施し、地域の支援体制の強化を図ります。令和7年度は「基礎編」として以下の内容で実施予定です。

対象者

医療機関、居宅・相談支援事業所、訪問看護・介護事業所、保健所、市町村職員など

研修内容

  • 補装具装用訓練等支援事業の紹介
  • 関連制度と申請手続きの基礎知識
  • 意思伝達装置・固定具・入力装置の基礎知識と体験
  • 機器の選定・適合に関する基礎知識
  • 支援事例の紹介と共有

連携強化とネットワーク構築

 研修修了者の同行支援には地域支援機関も加わり、利用者を中心とした連携を強化します。
 また、研修でのグループワークや事例共有を通じて、支援者同士のネットワーク作りも促進します。

ICTボランティアの発掘と養成

 地域の支援体制強化のため、以下の機会を活用してICTボランティアを発掘・育成します。

ボランティア講習
対象 登録ボランティア、過去の受講者
内容 意思伝達装置や入力装置の説明と体験
福祉用具プランナー認定講習
対象 講習受講者
内容 コミュニケーション用具に関する講義と装置体験
学生向け講座
対象 作業療法・理学療法・看護学科の学生
内容 意思伝達装置の紹介と体験
ふれあい健康まつり
対象 一般市民
内容 意思伝達装置の体験ブース設置
常設展示
対象 来館者
内容 装置や周辺機器の展示と案内(通年実施)

各機関との連携状況

各機関との連携状況